深キ眠リニ現ヲミル

放浪の凡人、中庸の雑記です。
SSなど綴る事アリ。

いやはや

2006年05月08日 | 伝言
また、あたらしい中篇が始まってしまった。ああ、二人の少女も書きたいな。むしろそっちのが書いてて落ち着くのだが……ダメだな私。「その心の旅路」どうなるかな。長くなりすぎてもやなんだよな。第六回くらいで終わらせたいのだが、絶対収まりきらない自信あり。
今日も雨?あっそ、憂鬱よね。……ん?そんなことないって?

ひなたの日常①

2006年05月08日 | 小説/SS
五月七日少雨。
 今日は一日中曇っていたから殆ど外に出かけなかった。お昼頃まで台所の床に転がっていた。午後一番に、僕がまだねぼろけ眼でご飯を食べていると、ひかるが来た。僕は一瞥して、また太ったんじゃないか?とストレートに言った。すると、ひかるはそのでかい図体を僕の背中の上に乗っけて、そうかしら、と怒気を込めて言った。
 ひかるは思いのほか怒っていた。一体何なのだろうか。僕はひかるがいる間中ずっと考えていた。でも、いつものように挨拶代わりにいっただけだ。別にいつもと変りはないのに。
 ひかるはいつものように僕の特等席であるはずのソファーに、自分のお気に入りのぬいぐるみ達を並べて、その中でうたたねしていた。僕はそれにかかわらず、ただただ、伸びをしてはあちこち廊下の方を歩き回った。
 雨がざぁざぁと降っていた。今日はいつもみたいにぽかぽかしてはいなかったけれど、僕はいつものように、そこに寝転んだ。ひかるがうちに来るようになってからは、しょっちゅう僕は廊下のVIP席に居座っていた。今日はとても冷える床にうずくまって、僕は馬鹿らしく思ったけれど、そこにいた。やっぱり落ち着く。
 夕方になって雨が少し止んでから、ひかるがやってきた。ひかるは何にも言わないで僕の近くに座った。尻尾が触れて、僕はそっちをみた。ひかるの尻尾にピンク色のリボンが括ってあった。暗い中でも僕には良く見えた。
 僕たちは台所に戻ると、そこは凄く暖かかった。ひかるはスリッパの箱の前で座り込んだ。ひなたはいつもそうやって気が利かないんだから、とひかるは言う。僕は尻尾のリボンを見てから、もうちょっとスマートになったら似合うんじゃない、とぼそりといった。ひかるはその翡翠色の目を細めて僕を睨み付けた。冗談だって……。前に同じような事を言って、背中を引っかかれた事を思い出して、僕は咄嗟に言った。
 夕ご飯を食べてから、ひかるは帰っていった。コウスケも帰ってきた。濡れた学ランを僕に投げつけて、いつものようにからかう。
……いい加減大人になってくれよな。そう思いながら、コウスケの学ランの中で今日も寝た。
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 ちょいとほのぼの系に挑戦。難しいなぁ。今度は晴れた日に書きたいなぁ。
あああああ、そうそう、ひなた君ですが、別に私が飼っている猫とかではありません。ただなんとなく浮かんだだけです。