2025/4/6
・サンクトペテルブルクに住む青年ラスコーリニコフが質屋の老婆とその妹を殺して、自首するまでの話。
・今年のテーマは「活字を読むこと」「とにかく書くこと」なので、古本屋で購入して長く本棚の肥やしになっていたのを引っ張り出す。
・少し読んでは中断、内容忘れて最初から読み直しの繰り返しだったので、毎日ページ数を決めて読んでいく。
・厚めの新潮文庫で上下巻。長い。登場人物も多く、メモを取りながらでないと完走できなかったと思う。
・最後までなぜラスコーリニコフが人を殺してしまったのかがよくわからなかった。
・本人も色々理屈こねていたけど、強いて言えば生活に行き詰って、運命(≒偶然)が自分に味方したんだと勘違いして犯行に至ったと思う。成り行き。
・巻き添えのリザヴェーダが本当にかわいそう。
・芥川の『羅生門』みたいな第一部。芥川は『罪と罰』を読んでいたのかな。行動を起こしてからが長い。
・時代設定は19世紀。日本だと幕末あたり。
・ラスコーリニコフの思想は今の感覚だと違和感強いけど、現代より命の価値がはるかに低いころの作品だから仕方ないのかも。日露戦争もロシア革命もこれから。
・立ち寄った酒場でクダを蒔いていたマルメラードフとその一家が好きだった。
・父親がマゾ気質で、妻に怒鳴られると喜んでいる。馬車にひかれて死ぬという惨めすぎる最期。
・母親はプライドの高さと病気と貧乏が化学反応を起こし、最期は壮絶の一言だった。
・娘のソーニャは生活費を稼ぐために娼婦になっている。
・ラスコーリニコフの残念な人柄。誰彼構わず噛みつくし、変な思想にかぶれている。病気を差し引いても拗らせすぎ。作中色々あったけど、加齢で落ち着きそう。
・ポルフィーリイとの会話も良かった。たしかに「コロンボっぽい」けど順番的にその表現は違和感ある。
・この時代だから、殺人事件の物的証拠は残りにくいだろうし、実際、未解決のまま放置されている事件はたくさんあるんだと思う。ああいうやり方か、拷問でもするしかなかったのかな。
・話の中盤からぐいぐい存在感を増していくスヴィドリガイロフ。メモしておいてよかった。
・通読はしたものの、うまく意味が把握できなかった部分も多い。別の訳者で再読して理解を深めたい。
※文庫は「古本とビール アダノンキ」さんで購入。最後の35pはこちらのカウンターでビールを飲みながら読ませてもらった。九州CRAFTゆずおいしかった。
