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遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

岸本 佐知子・三浦 しをん・吉田 篤弘・吉田 浩美「『罪と罰』を読まない」

2025-04-16 07:44:00 | 読書感想文

 

2025/4/9

・ドストエフスキーの『罪と罰』を読んでいない四人が、断片的な情報から、おそらくこういう話だろうと想像して語り合う話。

・『罪と罰』を読んでから読めばいいのか、読まず読めばいいのか迷う。ちょっと読んでみて、読んでから読んだほうがいいように感じたので先に読んだ。「隣の竹垣に~」みたいな文になってしまった。

・世界的な名作なので、読まずとも全く情報がないわけではない。加えて、限定的にテキストを読んでもいいというルールが設けられる。

・四人が即興的に話しながらルールを決めていく。高度な知的遊戯なのは間違いない。

・それぞれがおぼろげな知識となけなしの情報から予想を立て、自らが勝手に予想した作品の内容に対して、それなりに感情が動かされているのがおもしろい。

・吉田浩美さんが事あるごとに影絵版『罪と罰』に言及する。かなり昔に見た、大長編を15分くらいにまとめた心もとない情報なのにちょっと誇らしげに話している。

・三浦しをんさんの1の情報を100にするスピードが速い。《あ、私、わかっちゃったんですけど》と言いながら、全然関係ない方向に全力疾走している。創作者としての馬力が違う。

・登場人物としての魅力の話ではなく、結婚相手にスヴィドリガイロフがいいと言う三浦さんは相当ぶっ飛んでいる。

・河出書房の『世界文学全集10』によると、スヴィドリガイロフが副主人公と書いてあるらしい。読んでいるうちはそんなこと思いもしなかった。

・《本書においては、主に「馬」と呼んでいる》の一文で、誰が登場人物紹介を書いたのかがわかる。

・少ない情報から話を想像するので、たまに出てきた登場人物を無理やり組み合わせて、エンタメの形式に落とし込むような予想になる。本家はより混沌としている。

・「捨てキャラ」という言葉が多い。あんまり小劇場系の劇作家からは聞かない言葉。ドライ。

・さすがにここまでやって読まないというわけにもいかないので、実際に作品を読んだ後にも座談会が行われている。ラスコとスヴィの対比は指摘されるまで気づかなかった。

・鋭い解釈や見立てが出るほど、今までいかに両手両足を縛られた状態で戦っていたのかが伝わってきた。こういうアナログゲームができそう。

コメント
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