6月5日、3日目です。
今回のホテルはアルファワンというチェーン店だったが、だいぶ狭いね。
日本のビジネスホテルなんてみんな狭いんだから、あんまり気にしたことはないんだけれども、
ここの狭さはツラかった。スーツケースが置けないんだよなあ……
入口のドアの前にギリギリ縦にして広げるしかなくて。
まあ滅多に出入りしないけど、朝食を食べに行く時なんか、かろうじて出られるくらいの
ドアの隙間しか開けられない。足が短いからスーツケースの長径をまたぐのがまた大変で……
ここに4泊ですよ。しかもその後の出雲1泊も同じアルファワンにしてしまった。
ちなみに全く同じ間取りでした。ちょっと懲りた。
今後、スーツケースの時の旅行はこのチェーン店はやめとこう。
さて、今日は境港です。
朝食付きだったのでホテルでゆっくり朝食を取って、動き出したのは9:15。
前日に調べてあった9:25の境港市行きのバスに乗る。
境港市は鳥取県ではあるけれども、西の端っこなので松江からだと25キロくらい。
バスで約40分。ほぼ直行のバスもあり、境港だけを目的とするならわりと行きやすいところだが、
1日に8、9本の往復で、ここが微妙な所。
というのは、松江と境港の間には大根島という島があって、大きな日本庭園があるらしいのね。
由志園という名前で牡丹で有名らしい。牡丹の季節は過ぎているけど、ここにも行こうかと思っていた。
だがバスの時刻表が絶妙にイマイチなのです。
前日は砂丘へ行くので早起きをしているし、松江に着いたのも22時なんだから、
今日はそんなにがんばって早起きをしたくなかった。
そうすると9:25松江駅発で10:06境港駅着のバス。
そこから3時間くらい境港をぶらぶらして、帰ってくるバスは13:25境港駅発がいいだろう。
……が、このバスだけなぜか由志園を通らないの。
他は全部由志園経由なんだけどね。これだけレインボープラザ経由なんだよね。
なんだよレインボープラザって。
このやりくりを考えているうちに段々めんどくさくなってくる。
日に9本だから、由志園から松江に帰ってくるバスもそう何本も選択肢がないんです。
別な日に出直す?出直すにしては松江駅から由志園も30分かかるしなあ。なんか時間の無駄。
出直すとすると、明日があそこで明後日があそこで、これをこっちに持ってきて……
スケジュールの組みなおし。
あー、もうめんどくさい。
いいや、今日はもう境港だけで。早めに松江へ戻って来て、ホテルでちょっと休んでから
街をぶらぶらしよう。そんな気分。決定。
境港へ着きました。
さっそくドーンと来ます。
水木しげるロードを歩く。笑えるくらい水木しげる一色。
この日はあまり観光客はいなかった。大々的な道路工事もしていたし、
正直にいえば若干わびしさも漂っていたと思う。
でも、なんか雰囲気が良かったなあ。
水木一色ということはつまりは商売ですよ。
嫌な言い方をすれば、地方都市が、手持ちの数少ないカードである水木しげるに
必死にしがみついている図であることも一面の事実だと思う。
でもなんとなく、それだけではない温かみも感じた。
ずらりと並ぶ鬼太郎関係のお土産屋さんも、郵便局の看板の字体も、
床屋さんのガラスにまで鬼太郎が書いてあるのも、笑えるといえば笑えるんだけど、
――おそらくその根底には、水木しげるへの敬慕があるのではないか。
水木しげるは、本人は東京在住だったにせよ、故郷には相当尽力した人だろうと思うよ。
例えば、
妖怪神社。水木しげるが創ったらしい。
こんなのがロード沿いに何十体も。お金を出したのは個人や企業のようだが、
水木プロがあんまり高い使用料を取ったら、おそらくこんなに並ばない。
何かの記念式典とかには高齢になっても参加していたらしいし、
この道沿いの皆さんは、親戚のおじさんに対するような親しみを
水木しげるに対して持っているんじゃないだろうか。
商売だけれども、決して商売だけではなく。
ご夫婦像。ほっこりする造型です。
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水木しげるロードのメインといえば、やはり水木しげる記念館ですな。
……手前の不気味な物体は何かというと、記念館の隣で売っていた目玉おやじの和菓子。
かじってあるのは、売ってる人が「半分かじると不気味さ倍増でいいですよ」というから。
なんかこの
ホームページもアヤシイから、ぜひ読んでみて欲しい。
だんだん下へ行くにしたがって可笑しくなっていく。
最後まで読むと、少なくとも2回や3回や4回や5回は笑えます。
わたしも見知らぬ人にシャッターを頼んで、片目おやじで写真を撮ったさ(^O^)。
記念館は思ったより広い。
写真はだいぶ撮ったが、説明パネルを撮ったものが多かったのでここには載せない。
ところでね。わたしは実は、全然鬼太郎とか好きじゃないの。
だってコワイじゃないですか。絵も不気味。子供のころはほんとに怖かったもの。
だからなつかしさというのもほぼ無し。
じゃあなんで境港まで来たのかというと、
鳥取県制覇の為に来て、鳥取市一日じゃ義理が悪いかということと、
カニが美味しいらしいということと、
「ゲゲゲの女房」の面白さに敬意を表して。
しかしそれぞれ消極的な理由なので、来る理由を寄せ集めて何とか来た感じ。
なので、水木しげる記念館まで来たら義理を果たした気分になった。
もっと先まで歩けば海産物センターなどというものもあるようだけど、
何しろカニの季節は冬だからね。あんまり惹かれるものがない。
あっさりと、戻りましょう。
11:30だったので、せっかくなのでカニの食べ物屋さんないかな?と思ってその辺を探す。
海鮮丼はわりとあるんだが……カニを押し出してるところがないね。
見つけた中では、カニ天丼が一番食べてもいいかなという気分になった物だけど、
そこまでドカンとしたものでもなくていいんだよね。
カニの箱寿司4つくらい入ったのがあれば理想的なんだがなあ。
そんなもんめったにないし、無理だろ。
ちょっとお土産なんかも物色しつつ、最初にバスを降りた所まで戻りました。
もう松江に帰っちゃおう。お昼は松江で食べればいいわ。
――しかしきっと妖怪が「もっとここでお金を使ってけ~~~」と妖術を使ったんだろうね。
あるいは妖怪のカミサマが「境港のカニを食わせてやろう」と思ったか。
バス停のそばに回転ずしがあって、そこにまさにおあつらえ向き、
4種カニ盛セットがあった。
ピントがぼけてますけどね。何が何のカニかというのは書いていたけど忘れてしまった。
とりあえず境港で揚がったカニらしい。
まさにこういうのが食べたかったのだ!満足できるくらいは美味しかったです。
そして、その一皿で終わってもいいくらいのオナカだったのだが、ちょっと欲張って
こぶ鯛も食べてみる。
……
新潟でのどぐろ・舟ベタ・柳カレイの回転ずしを食べた時にも思ったが、
わたしは白身魚の味がよくわからない人のようだ。あまり上等な舌ではない……
でも食べて良かった。2皿で720円でした。わりと高い。
回転すし屋を出たところにもブロンズ像が。
それぞれ表情がいいですね。絶妙。
みんなが全力を挙げて、鬼太郎ごっこをやっているような町だった。
境港。末永い健闘を祈りたい。
12:30のバスに乗って松江へ戻る。
境港をあっさり見たので、この時間のバスに乗れました。