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Mo.の事件簿 A diary of Mo’s trips

事件簿などという大層なタイトルだが、実は単なる旅行記です。

2.始まりの前に。

2014-07-02 | 熊野/Kumano:2014
……始めようと思ったが、その前に今回のスケジューリングの難しさを書かせて下さい。


まあ何で苦労したかといって、紀伊半島の広さですよ。
今回のわたしの場合は初めに関空ありきだったので、熊野には西側からのアプローチになることは決定済み。
そして西側からのアプローチは、……認識していた距離よりだいぶ遠かったのでした。

熊野古道というより熊野三山がメインなので、場所としては那智・新宮・本宮ですね。
当初は、那智か新宮に3泊しても良いかと思っていた。宿をあちこち変える旅行よりは
一ヶ所定住型の方が落ち着く。

そのつもりで宿を探していたのだが、しばらく経ってから時刻表を購入してチェックしたところ、
え?和歌山から新宮って……2時間おきにしか特急がないの?
ええっ、それに和歌山から新宮って特急で3時間もかかるの?

なんとなく、わたしは特急2時間鈍行4時間というような距離感でいたから、
それが1.5倍になるというのは根本的に考え方を変えなければいけない。
特急にまるまる3時間乗っているというのも、けっこうお金かかるしなあ。
3時間連続の乗車というのも出来れば避けたい。



そもそも仙台空港を9:30に出て、11:00に関空に着くのだから、
その日の夜、宿に到着するまで、関空と新宮の間でゆったり思いのままに観光出来ると思うじゃないですか。
途中どこを見ようとか色々考えていたわけですよ。
和歌山も城下町で見る所ありそうだし、紀三井寺、道成寺……白浜はリゾートだからまあ見なくてもいい。

そのうち、串本という地名に眼がとまる。おおっ!そういえばここには串本があったじゃないですか!
串本の無量寺には長沢芦雪の虎がある。前に美術番組で見たけれども、
「こんな遠いところまではなかなか行かないよなー」と思っていたところだ。
今回行けばちょうどいい!!まさにこのためにあったようなもんだ!


大層テンションがあがって色々調べたところ、……どうしてもあと30分というところで行けない(T_T)。
11:00に関空に着いて、
スムーズに11:30発の和歌山行きのバスに乗れたとして、
12:10に和歌山駅に着いて、
――だが、特急くろしおの発車時間は12:00ちょうど。これには乗れないから、
次のくろしおは14:01発、そうすると串本到着が16:12で、
串本駅から決して遠くはないであろう無量寺の拝観時間は16:30……

ああ、あと30分あれば何の問題もなく無量寺に行けるのに!!

バスで行く方法はないか、鈍行列車での接続はどうか、レンタカーという手もあるのか、
色々色々考えたが、……やっぱり絶対的な距離には勝てません。
無量寺は諦めました。



では初日の観光はどこにするのか、けっこうこれが難しい。
和歌山ならば、ラーメン食べたりお城を見たり、たくさん見どころがある。
むしろ見どころがありすぎて今回2時間見るだけだと中途半端。
関空に近いし、良く考えたらまた後日高野山と組み合わせて、改めて来るべきだよなあ。
出来れば今回は、せっかく新宮まで行くんだし、もっと奥まった所の観光をしたい。

ってーか、11:00に関空着いて、夜までの間に観光できる時間ってたった2時間しかないの?
なんかちょっと始末に悪いですよ、紀伊半島の距離。


だんだん考えているうち、宿泊場所も微妙に変化してきて。
本宮と熊野古道は海側から日帰りで行くつもりだったけど、
したいと思っていた船下りに時間を合わせるのが難しそう。
そうしたら船下りをあきらめて、むしろ本宮付近に宿を取ったらゆっくり古道を歩けるのか?
ようやくそう心に決めて、本宮大社に激近の洋風民宿に予約のメールを出したところ、
まさかの「6月いっぱいは休業中です」という返事。
予約でいっぱいという事態は想定内だが、休業って!

動揺し、なんだかますますわからなくなって、当初の目的とはだいぶずれて、
本宮大社から若干離れた温泉宿に決めてしまいました。
そもそも熊野古道への交通の便を考えて本宮の宿を探したはずなのだが。
ここは交通の便がけっこう不安なんどよねー。
宿にメールで問い合わせすると、熊野古道への無料送迎をしてくれるそうなんだけど、
その時間帯も微妙に難しい……。

なんかもう、移動が難しいですよ、紀伊半島。



一人旅の最大のメリットは、時間を気にせずに自由に旅程を伸縮出来ることだと思うのだが、
今回の旅程は、伸縮する部分がほとんどない、ただ一本の道から落ちないように突き進むという旅行でした。









1.熊野へ。

2014-06-29 | 熊野/Kumano:2014
心身に余裕も出て来たし、初夏の辺りに旅行でもしようかい、と心づもりをしていた時に
ピーチさん(注:ピーチ航空)からメールが届きました。
「おねーさんおねーさん、安くしとくから飛行機乗らない?」
乗る乗る♪といって、たしかその日に日程を決めて飛行機のチケットを取ってしまいました。
6月10日から13日の3泊4日。往復で、座席代や荷物代含めて11330円。


この時点では行先は特に決まってなかった。
十数年行ってない奈良か、
近年、行ってみたいと思っている熊野か、
ちょこちょこ行ってるけど、しばらくゆっくり回ってない京都か、
滋賀あたりも実は面白そうなところは点在している。

なんとなーくいくつか候補地を思い浮かべて、そのうちになんとなーく決まりました。




熊野へ。

いずれは行くことになるんだろうし、奈良は関空から近いのでいつでも行ける気がする。
今回はよりハードルが高い熊野へ行っておこう。
ハードルが高いっていってもアマゾンやチベットに行くわけじゃないんだから、
3泊4日もあれば余裕だろう。そんなに広い範囲を回ろうってんじゃないし。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



――しかし実は、巡礼道はダテじゃないというか、紀伊半島をなめるなよというか、
実際にガイドブックと時刻表を見てみたところ、スケジュールを決めるのに相当に苦労しました。

前回の台湾に引き続き、今回もるるぶさんの意見を聞いた。(今回はまっぷるさんの意見も聞いた。)
……うーん、でも「るるぶ」や「まっぷる」は良し悪しだなあと思う。
そういうガイドブックは全体的な情報量も多いけど、商業系の情報もまた多くてですね……。
美味しそうな料理が載っていれば、それはまあ人情として行きたくなってしまうわけじゃないですか。
なので散財してしまう。わたしはもう少し落ち着いた旅行がしたい。

今回もついつい、「るるぶ」に載っていたまぐろ料理屋さんに行ってしまった。
……まぐろは最初から食べようと思っていたからいいんだけどね。
でも、とれとれ市場は「るるぶ」で見なければ行かなかったところだなあ。
しかしそこで最終日にがーっとお土産が買えて、他のところでお土産の心配をしなくて良かったんだし、
宅急便も手早く手慣れた人たちがやってくれたんだから、むしろストレスを感じなくて良かったと
「るるぶ」に感謝すべきなのか。うーん。フクザツ。


正直、るるぶの言いなりの旅行は、イヤっつっちゃイヤなのです。それは純然にわたしの問題だけど。
たださー、普通の落ち着いた国内旅行用のガイドブックって、……ずっと探してるんだけど
なかなか見当たらない。何をやってるんですか、旅行出版業界の皆さん!と言いたい。

はるかな昔、わたしが若かりし頃にあった昭文社の「Uガイド」、これはものすごくお気に入りだった。
今から思えば少々落ち着きすぎて、情報量が少なめだったかというきらいもあるのだが、
写真はきれいだし、文章は端正で、レイアウトにも品があり、
これはガイドブックとして名作のシリーズだったと思う。
国内旅行の時にはいつもこれだったので、我が書棚にはUガイドが十数冊並んでいます。

その後、わたしが海外旅行にうつつを抜かしている間に、Uガイドはひっそりと消えて行った。
そりゃ消えますよ、いくら名作だからって。だって20年は経ってるもん。
代わりに書棚には「地球の歩き方」が着実に増えていった。「地球の歩き方」とわたしの信頼関係は
特に問題がないので、時に他のガイドブックにセカンドオピニオンを求めることがあっても、
基本的に「地球の歩き方」がファーストオプション。


しかしここ数年、また3泊4日なりで国内旅行をするようになりますとね。
その相棒となるガイドブック、しっくりくるものになかなか出会わない。

情報量が少なくてもいいや、と割り切った時は「ことりっぷ」だった。
「ことりっぷ」は小さくて可愛いし、若干他と違う切り口で情報を乗っけてたりするのが魅力だけど、
それは観光の王道の情報がより少なくなることを意味する。
もっと定番の情報を載せてくれないと、困った時に全面的に頼ることになる相棒としては物足りない。


本腰を入れて、相棒さがしをした方がいい時期か。
今のところはJTBの「楽楽シリーズ」が安定かと思っている。王道。
ただ、シリーズが多分10年くらい前から始まっており、最寄の本屋でも見かけないため、
そろそろ終焉間近な気配がなきにしもあらず。
終焉はしないかもしれないが、今年のラインナップに熊野が見当たらないのは、
今後出るということなのか?それともラインナップを整理したのか?
まあでもしっかりしたガイドブックを1冊といったら基本これだろうなあ。

今回、雑誌は持って行く気がしなかったから、とりあえず旅に同行させる相棒は、
超老舗ブルーガイドの「てくてく」歩きシリーズにした。
これはこれで熊野古道の歩き方としてはけっこう見どころがあったので決めたのだが、
熊野古道以外の部分が充実してない……。
バージョンが変わる前の「てくてく歩き」の方が良かったなあ。
結果として、このガイドブックは持って行ったけれどもほとんど見なかった。
ipadのリーディングリストが一番役にたった。


ただ公平なところを言っておけば、紀伊熊野って王道のガイドブックを作るには
なかなか難しいところかと思います。
おおどころの観光名所はいろいろあるんだけど、中どころが少なさそうだしね。


さてさて、熊野旅行のはじまりはじまり~。