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Mo.の事件簿 A diary of Mo’s trips

事件簿などという大層なタイトルだが、実は単なる旅行記です。

12.那智飛瀧神社へ。

2014-08-01 | 熊野/Kumano:2014
あれだけ登ったんだから当然のこととはいえ、今後下るに際してもけっこうな高低差。











境内には支院が色々あるようだが、一つ一つを訪ねる根性はない。
あそこの滝のところまで行くんですよ。








下りは階段ではなくアスファルトの坂道だったので、なんぼか楽だったんですけどね。


ただここからが……。
アスファルトの道路のショートカットとして、“鎌倉時代に作られた石段”という部分があって。
こっちの方が雰囲気あるだろうと思って石段の方を下っていったら、
これがけっこう……ヒドかったです。






下りを見るとさっぱりヒドさが伝わらないと思うが、







そして後ろを振り返って撮った写真を見ても、あまりヒドさは伝わらないと思うが、


……ヒドかったんです。


わりと揃って見えるでしょうが、実際に歩くと石段は相当デコボコ。
山歩きの岩場に近い……それはオオゲサかもしれないが、どうせ作るんならもっと楽な階段を作れ!と思った。
段差も高くて、膝を直角に近いところまで曲げないと降りられないので、
そんなに長い距離でもない石段、下り終ったところで足腰がガタガタになりました。
失敗した。こんなにコタエるのならば、普通にアスファルトを下ってくれば良かった。


その後、飛瀧神社の鳥居まで来たはいいが、鳥居から先もさっきのような石段が続くらしい。
うへーと怖れをなして、――もう正直これ以上石段の上り下りはしたくなかったんだけど、
ここまで来て那智の滝を見ずに帰るわけにもいかないから、とりあえずその辺のお土産屋さんに入り、
長期休憩。痛む腰をいたわる。

紀州みかんジュースを頼んで30分ほど滞在。お店の人がジュースを30円おまけしてくれた。
この時点で15時過ぎ、次のバスはすぐ目の前から15:30発だけど、その前に飛瀧神社に
行かなければならないのでバスは16:30のに乗る。
お店の人は15:30のバスに乗るのだと思っていたらしく、「遅れませんか?」と心配してくれた。

15:45からようやく動き出して飛瀧神社へ。








鳥居からずっと下りの石段。(写真は振り返って撮ったところ。鳥居は見えない上にある。)
まあでもここはあまり段差がない階段だったので、それほどヒドくはなかった。















そして御神体である那智の滝。

これは「那智滝図」という国宝の日本画が有名。
実際に撮った写真と比べてみると、裾の広がり具合が相当写実的じゃない?
絵はまだ実際に見たことはない。が、テレビで見て絵にも滝にも憧れていた。

……でもまー、腰がイタかったこともあるのか、雨降りのせいか、さすがにイルカから始まる一日で
疲れているのか、ここもあまり感慨はなかったかなー。
感受性というのは摩耗するもので、年齢でも摩耗するし、体力がない時も働かない。
最近面白い本にサッパリ当たらないというのも、感受性の低下もあるんだろうなー。
さすがにこの年になって、見るもの聞くもの全てオモシロイというのもアカンと思うが、
何でも「ふーん」だけで終わってしまっているような気がしている。
もう少し新鮮な感動を取り戻したいと……。

まあイルカと遊んだのと、「石しみず」のきれいさに感動したのは今までの収穫か。
ああ、そうか、道成寺のブツも良かったか。



階段の下までは入場無料ですが、その先の滝壺近くまで行くとなると入場料が300円かかる。
一応行ったけど、やはり特に感慨はなく。
社務所の人たちが帰り支度を始めている。とっとと帰った方がいいのか。


予定では、飛瀧神社の後は、那智大社の参道をずっと下って帰る筈だった。
行きは上りで階段が辛いから、行ける所までバスで行ったけど、帰りなら下りだから何とかなるかと思って。
ガイドブックには「一番熊野古道らしい雰囲気が味わえる」と書いてあったから。

……しかし何せ腰をやってるし、もう十分疲れてるし、
誰かが「石段は雨だと滑りますからねー。止めた方がいいですよ」と言ってるのを小耳に挟んだし。
いさぎよく止めときましょう。今日はこの後、またミッションを控えている身だ。


16:30のバスに乗って那智山から紀伊勝浦駅へ戻る。








11.那智大社。

2014-07-29 | 熊野/Kumano:2014
那智駅から那智大社まではバスで15分くらい。
歩くのが大変なので、なるべく高いところまでバスで行く。

降りてすぐのところで、簡単に誘惑に負けて「黒飴ソフト」を食べる。








美味しかった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



だが、バス停から上もけっこう登ります……。
坂道と階段が、わたしの予想の3倍くらいあったかな。去年徳島へ行った時は
(……って、徳島ってもう1年前か。ついこないだだったような気がしていた。)
金毘羅宮へ行って、その時も階段と対決したけど、今回の方が覚悟がなかった分ツラかったかも。







こんな階段も上る。疲れるから、立ち止まって道端の植物を見ているふりをする。







やはり雨が多い土地柄らしく、シダ・コケ類が多い。













ようやく到着。ふー。ここが熊野三山の一つ、熊野那智大社。
……うーん、それほどの感慨はない。もう少し森厳な雰囲気かと思ったのだが。
一応メインの目的地なのに、こんな何の感想もなくていいのか。







ついでに奉献酒。お酒の名前って見てて何となく楽しいですよね。






けっこう雨が本降りになっていた。
状況が許せば、ここで平安衣装の旅装束を着てみたかった。







こんなの。(これは駅に貼ってあったポスター。)

2000円出せば装束を着せてくれて、1時間くらいその辺を散策させてくれるんだって。
2000円くらいなら出してもいい気分だった。だが、雨でしょー。
同じ値段を出して、散策部分がないというのは……散策をどうしてもしたいわけではなく、
むしろ平安衣装を着ることの方に興味があるにも関わらず、どうも損をする気がしてしまい。
「着せてくれるだけでいいですから1000円に負かりませんか?」と訊きたい気もしたが、
それも面倒で。結局装束にはチャレンジせずじまい。
2000円を惜しんで、貴重な経験を逃したな、と今になってみると少々後悔している。
ないでしょう。平安衣装を着る機会なんて。




本殿の横のクスノキ。











この木は何かすごかった。ここには何かがあった。



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本殿前を抜けると、すぐ隣に青岸渡寺がある。










内部は良かった気がする。天井をだいぶじっくり見た気がするんだけど、一体何を見たんだったか。
……だから写真に撮ってこないと全てを忘れるというのだ。
でもお寺の中は、気兼ねなくガシャガシャ撮れないですよね。








でもお寺自体は重みがあって良い。さすが歴史あるお寺。



那智山一帯は神域・寺域が相当広く、今までの部分がいわば前半戦。
これから那智飛瀧神社へ向かって下ります。




10.補陀落山寺。

2014-07-26 | 熊野/Kumano:2014
那智駅近くの補陀落山寺へ行きたいわたしは、那智駅へ行きたいんですが、と
運転手さんに言ってからバスに乗り込む。結果的にこれがわたしを救う。
10分くらい経ってから、運転手さんが唐突に「那智駅ですよ」と停まってくれた時、
わたしは駅の気配も感じずに、ボーッとしていたから。
だって、「え、ここ駅ですか?」って感じの何もないところなんだもの。
このバスは駅の真ん前に停まるのではなく、駅を通り過ぎてから、少し外れで停まるらしい。

降り際に慌てて、補陀落山寺はどこですか、と訊いたら、
そっちのすぐそこです、と教えてくれた。民家に隠れて全然見えない。
駅も見えないし補陀落山寺も見えない。地図で見る限り、この辺は絶対迷わないだろうと
思えるところなんだけどなあ。やはり旅行は行ってみないとわからない。

たしかに、補陀落山寺は民家の角を曲がったところにありました。








思ったよりも小さい……。相当小さい。ここも昔は大伽藍だったそうだが。

だが内部の雰囲気は良かった気がする。もう詳細は記憶の彼方なんだけれども。
やっぱり写真とか撮ってこないと記憶はすぐ風化する。
そして写真を撮るとそこだけしか覚えていないようになってしまう。多少のジレンマ。






補陀落山寺は何が有名かというと、こういうことで有名。


たしか数年前に、井上靖の小説は読んだ。……井上靖だったろうか。谷崎潤一郎のような気がしてたが。
まあとにかく、自分では補陀落渡海を敢行する気になれない住職さんの話ですよ。
素直に読んで、普通にコワイ話ですよね。自殺を強制されるんですよ。オソロシイ。
でも住職になった時点でそういうものだってわかってるはずだから、
それが嫌ならそもそもこの寺の住職になるなって話ですが。
……こんなことを言っていたらミもフタもないな。







こういう船も残っているんだよ。いや、これは復元か。
この小さいところに入れられて、釘づけにされて……生きながらの水葬。
たとえ自ら死んでいくとしても、こういう方法はヤだよー。まだ溺死の方がなんぼかマシ。
心頭滅却して往生した人はいったいどれくらいいたんだろう。それを知る術さえないというのも恐い。




隣には浜王子神社。








ここはさくっと。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



バスを降りた時から気付いていたのだが、……雨が降ってきました。
だが……傘を持ってくるのを忘れた。コインロッカーの荷物の中に入れっぱなし。

たまたま、バスに乗る前は一時的に晴れてたからねー。
30分の間に弁当を食べたり足湯に浸かったり欲張るからだよねー。
効率の良さを自画自賛したのだが、こういううっかりがあってプラスマイナスゼロ。

普段極力、傘を持たない派なわたしでも、ちょっと無理な降りになってきた。
コンビニも見当たらないしなあ。どうしようか……。


実は、那智駅の近くにある建物が道の駅らしいのね。
……でもわたしが知っている道の駅とはどうも雰囲気が違う。
わたしのイメージする道の駅って完全に商業施設で、まあ場所にもよるけど、大きい駐車場に、
車はもちろん、大型観光バスがガンガン駐まって、地場産品のオンパレード。という場所なのよ。
でもここは……下手すると駐車場に一台も車がいないかもしれない。人の出入りは全くない。
そもそも入口が……向こう側なのか?どっから入るかわからないよー。

まあ他に傘を売ってるようなところも見当たらないので、仕方がなくそこに行ってみる。
中に入ると……ロビーと言えばロビーなんだけど、広いとも狭いとも言いにくい、
なんだか妙にがらんとした空間に、自由に休めるような大テーブルがぽつんと。
奥の方に、もしかしたらコーヒー(有料)くらい出しそうな喫茶コーナー。
右側手前に、相談窓口みたいなカウンター。一般の利用客はわたし以外いない。地味なことこの上ない。

2階は……公衆浴場があるらしい。
その部分だけは道の駅っぽいかな。でもこの場合欲しいのは傘なのよ。

どう見ても傘は売ってないだろうという相談窓口みたいなところに座っているオジサマに
「傘なんて……ありませんよね?」と訊いてみる。貸出傘なんてあればラッキーだが……
だって売ってるものが何一つないところで、傘だけを売ってるわけが。


「傘、ありますよ」


ええーっ!と、こっちから訊いたくせに驚倒し。「ありますか?」とだいぶ疑り深い再度の問い。
でもほんとにあったんです。いやぁ、訊いてみるもんだねえ。アリガタイアリガタイ。300円。

これで恐いものなし。大テーブルでめはり寿司の残りを食べ、
しばらく待って那智大社へのバスへ乗る。






9.めはり寿司&足湯。

2014-07-23 | 熊野/Kumano:2014
さて。


大興奮のイルカとのふれあいを終えて、部屋へ戻って荷物をまとめ、11:15、ホテル発。
また太地駅まで送ってもらう。
実はホテルの近くから、次に行く紀伊勝浦まで観光船が出ているそうなんだけど、
船の時間が合わなかった。船にすると30分以上遅く着くので、今後一大観光地を控えてる身としては、
少しでも早く移動したい。天気が良かったら船を選んだかもしれないけどなー。


今日の午後の目的地は、那智です。


ここもけっこうスケジューリングが厳しくてですね……。
交通の便が決して悪いというほどではないけど、小刻みな継投(?)というか、移動が細切れなんです。
バスの時間もネットで調べられたので、そんなに見学に時間がかからなければ行けるだろう
というところまでは目途はついたのだが、ほら、旅行って何が起こるかわからないしね。


11:27、太地駅発。急行で5分、11:33に紀伊勝浦駅着。


紀伊勝浦駅は小さな駅だった。まずコインロッカーを探す。
コインロッカーは駅の1階とバスターミナルの建物にあり、営業時間が長そうな駅の方に入れる。
数年前の、チェコはチェスケー・ブディヨヴィツェの教訓は忘れておりません。

バス停を探す。――探すまでもなくバスターミナルが目の前にある。
時刻表を確認し、さらに念のために「補陀落寺へ行きたいんですが」とカウンターの人に訊くと、
「12時のバスで行けますよ」と教えてくれる。12:10のバスに乗るつもりだったのだが、
10分得した。

さて、バスの時間まであと20分。

紀伊勝浦は小さい駅のわりには、周囲にそこそこお店はあるんだけど、
何しろ20分ではお昼ご飯は食べられない。周りを見回すと、
“さんま寿司”“めはり寿司”と幟を立てているお弁当やさんがあった!これだこれ。
今わたしは求めているものは。

めはり寿司というのはこのあたりの名物で、高菜で包んだおにぎり。
……中身が酢飯なのかもしらんが、寿司というよりは完璧におにぎりの大きさ。
味は、……“高菜で包んだおにぎり”という味。
さんま寿司は美味しかった。たしか酢じめだったかね?







売ってくれたおばあさんは、まるで愚痴のように低い声でぼそぼそと、
「めはり寿司とさんまの寿司のセットの方が絶対お得やと思うで~」
……わたしもその意見に賛成なのでセットの方を買った。めはり寿司、さんま寿司と単品もあったけれども。
これだけの量で750円は割安感。しかしこの量を一度には食べられない。









そのお弁当やさんの目の前には、滝の湯という足湯がある。
大急ぎでそこに3分ほど足をつけて、バスターミナルに戻って、バスの時間までとりあえず、
めはり寿司を半分くらい食べる。
12:00になったらバスが来たので、それに乗って補陀落寺へ。


この紀伊勝浦駅での効率は良かったなあ。
30分弱で、コインロッカーに荷物を入れて、バスの時刻を確認し、お弁当を買って半分食べ、
足湯にまで浸かったんだから。
自画自賛。

……ただし、この自画自賛に対するしっぺ返しはすぐに来る。






8.宿願達成。

2014-07-20 | 熊野/Kumano:2014
だが、泳げなくても何でも、イルカがすぐそばにいて遊んでくれるというのは大変楽しい!!


















その時はすっかり我を忘れていたので、写真の内容まで見られなかったんだけど、
あとで電車の中で写真を見たら、全ての写真が超笑顔!!

上に挙げたのは3枚ですが、こういう感じの写真が100枚続く。
楽しかったんだなあ。ほんとに。……ナイショですが、あとから写真を見て涙が出そうになりました。




こっち側の四角いプールには小さ目のイルカが5、6頭。体長2、3メートルってところ?
その中のバンドウイルカ、エルモくんが大層親切に遊んでくれました。
今、彼は(本人が人気者になろうと)売込み中なんだって。なのですごく人懐っこい。
他のイルカさんたちは、何となく近くを泳いではくれるんだけど、微妙な距離感。
エルモくんには触りまくりだけど、他の子は2、3回かな?
前述の、泳ぐ部分に難があったおかげで、遊ぶって言っても触ることくらいしか出来なかったんだけどね。


あ、そういえば1度ガジガジされた。
イルカは目の前に立ちふさがる物体(人体)には突っ込んでいく猪突猛進型なので、
正面からイルカが来たら、胸の前で腕をクロスして、体を流してかわして下さいとのことだった。

……しかしイルカは常にけっこうなスピードで泳いでいるわけで、
色つきゴーグルをつけているわたしにはその姿もぼーっとしか見えず、
そもそも正面から来ているかどうかは正面に来てみないとわからない。
結果としてひたすら腕をクロスして身体をかわすということをやっており、
ラッコ返りとこれで全体の90%を占めたな。

で、そのクロスが間に合わず、救命胴衣の肩のあたりをガジガジ……
こっちは特に痛くはないんだけど、これはやってはいけないことだそうで、
インストラクターの人が、「エルモくんのしつけのために、ちょっと上がってもらえますか?」
イケナイことをすると、“そんなことをすると、もう遊ばないよ”というしつけのために、
しばらく無視するんだって。へー。イルカはやっぱり遊びたいのか。

あと、頭に触られるのはきらいなんだって。
どこからどこまでが頭なのか悩むところだが、基本的に頭の上にある気孔より前は触らない方がいいらしい。
でもけっこうな速さで泳ぐイルカの、頭を触らずに胴体を撫でるというのは高等技術です。
エルモくんは比較的ゆっくり泳いで触らせてくれたけど、他の子は泳ぐスピードが速いんだもん。


もっと天気がいい日なら、プールも見通しも良くて、もっとイルカがわかりやすかったかな。
曇り空の灰色の日だから、灰色のイルカは水に紛れてどこにいるかわからない。
インストラクターさんが「後ろにいますよ!」「そばに行きますよ!」と言ってくれるのだが、
ラッコ返り中のわたしにはなかなか……。

まあ最大の要因は水に顔をつけられなかったことだろう。
救命胴衣をつけた時点で、その選択肢はなくなっていたに等しいのだが。
やはりもう少し泳ぎを練習していくべきだった……


30分ほど小さいイルカたちと遊んだ後、今度は円形のプールに移動して、
もう少し大きいイルカたちと。












背びれにつかまらせてもらってプールを一周×2回泳ぐ。けっこうなスピード。
後で聞くと、このリンちゃんは一番泳ぎが速い子だそうだ。
インストラクターさんに「あの辺がシャッターチャンスなんで、余裕があったら片手を上げてくださーい」と
言われたが、つかまるのに精いっぱいで、そんな余裕はないのであった……。









「お仕事してきたよー。おやつおやつー。」……の図。








「ほらほら、これ胸びれー」







プールの中心あたりから出るのだろうと思っていたところ、
水中から突然目の前の極近に出てきてジャンプをするので超迫力。
一番左の子は、多分インストラクターさんがついて、別に練習中だったんだと思うんだけど、
「あれ?ぼくもやるの?やるの?」という感じでやっていた。
そのせいで少し動きがずれている。







この写真好きー。すっごく楽しそうでしょ?


もうほんと、こんなに写真をたくさん撮ってくれた方には、足を向けては寝られません。




その他に、水かけ合戦もした。どっちが相手の水飛沫にもひるまず水をかけられるか。
……何しろ相手は水中生物なんですから勝てるわけありません。

何だかの時に、右側のリンちゃんがエサ入れのバケツをガツンとつっついてひっくり返した。
隣のカイくんに人気が集まっているように感じて焼きもちを焼いたのだそうだ。
その時も“そんなことすると遊ばないよ”という無視タイムがあった。

左側のカイくんは、最後、しっぽで「バイバイ」をやってくれた。
こちらがバイバイをすると、それに応えてしっぽを振ってくれる。
カイくんはこれが苦手だそうだが、……ついうっかりわたしがずーっと手を振っていたので、
彼もずーっとやってくれていた。



プログラムが終わった後、さらにしつこく写真を撮っていたわたしに、
おまけでインストラクターの人が「キャッチボールやってみますか?」と言ってくれたの。











イルカは何と、“取って来い”が出来るんだよ!
犬みたいに、わたしが投げたボールをくわえて戻ってきてくれる。
何度も投げて、何度も持ってきてくれて。


幸せだった。すごく幸せだった。イルカと泳いだんだ。







ありがとう、エルモくん。








……しかし最後、ウエットスーツを脱ぐのは……大変でした。
10分くらいかけて脱いだ。特に足首が抜けない。途中で力尽きそうになりました。
最終的には何とか自力で脱いだけど……恥をしのんで、人を呼んで脱がせてもらおうかと思った(^_^;)。

7.イルカ!

2014-07-17 | 熊野/Kumano:2014
それはもうはるかな昔から。憧れていました。
“いつかイルカと遊んでみたい”と。

でもわたしはリゾートには全く興味がない。
ハワイや小笠原諸島に行けばイルカツアーとかクジラツアーとか普通にやってるんだろうが、
いくらイルカのためでも、そっちの方へ行く予定はさらさらない。
そもそも何が問題って、現実的に、自分が水着になるということがあり得ないわー。

なので、実際にイルカと泳ぐための行動を起こしたことはなかった。
ただ「いいなー、いいなー」と夢として描いていただけ。


しかし今回、漫然とるるぶを眺めている時に、「イルカと泳ごう!」というページが。
ふーん、イルカねえ、イルカ……と思いながら見ていたところ、……え、太地町?
太地町なら、今回の旅行でも行ける範囲。値段も許容範囲。
ウェットスーツも貸してくれるんだって。ウェットスーツなら人前でも何とか着られるのではないだろうか。

こ、これは……。わたしの人生に訪れた、もしかして最初で最後のイルカと泳げるチャンスではないのか?
あとは自分が水着を着るという決断が出来るかどうかにかかっている!




――というわけで。ホテルがドルフィンリゾートなわけですよ。
ここに泊まれば、イルカのプログラムの参加費が割引になるし、何となくハードルも低くなる。
水着は部屋で着て、上に洋服を着て集合場所に行けばいいんだし。
あああっ!もう!楽しみになってきたぞ!イルカと泳げる泳げる泳げる~~~~~。

その前に多々考えなければならない問題はあったわけですが……

10年前の水着がまだ着られるのか?
わたしはひどい近眼だけど、水中ではどうするのか?
台風とか来ない?

そういう、メンドクサイ問題には極力目を背けるのがわたしのいつもの対処法なので、
水着を着てみたのが出発の2日前(パツパツだが何とか入った)、
近眼は、現地で、自分が持って行ったゴーグルに度が入ってるのを発見し何とかなり、
天気は小雨だったけれども台風は特になく。
ここまで楽しみにしていたわりに、周到な準備がどうしても出来ないMo.でした。
究極のメンドクサガリ。


そしてついに!!















アコガレのイルカが目の前に!!

四角い方のプールには小さ目のイルカが4、5頭……。インストラクターの人が、
固有名詞を全部言ってくれるんだけど、そんなに急にオボエラレナイよ。見た目の区別がまずつかないし。
上がバンドウイルカなのはわかるけど、下の方は……。ハナゴンドウ?で合ってる?







実は9:30の回はわたしの貸切で。
インストラクターさん2人に、研修生なのか陸で見守ってくれてる人が1人。
陸の人にわたしのカメラをお渡しし、写真を撮ってもらった所、
……あとで確認したら撮ってくれた写真が133枚!うれし~~~。





だが実際には、イルカの前にハードルがあった。これは結果的に、越えられないハードルだった。
それは……泳ぐこと。

だってプールに入ったのだって10年近く前ですよ。ましてや海なんか子供の時以来ですよ。
たしかに海水とは言え、イルカたちはプールのようなところで囲われているので、
プールだと思えばそう大した話でもないのかもしれないけど、
やっぱり十年ぶりに水に入って、そこが足がつかない深さだとびびります。
コワイので救命胴衣を貸してもらった。それで浮くようになったのはいいのだが……

胴体も浮くのだが、ズック靴のようなものをはいた足も別途浮く。
そうすると、後ろに向かって足が浮いて、必然的に体は前のめりになり、顔が水面につき……
……溺れる!溺れるよ!!

――そういう時はくるりと体を返してラッコ状態になるといい、とインストラクターの人が教えてくれました。
やってみると、たしかに。溺死は免れる。

……だが、結果的にずっとこの“ラッコ返り”ばっかりやってた気がする。
水に入っているうちに立ち泳ぎを思い出して、体をまっすぐに保つことが出来るようには
なったんだけど、泳ぐとなれば立ち泳ぎではなかなか進まない。
イルカを追いかけて体を伸ばすと、また足の方が浮いていき、またラッコ返り。
それをひたすら繰り返し、それだけで結構な運動量、なかなかイルカと遊ぶという余裕がない。



わたしの他にも、イルカと泳ぐことを長年の野望としている人は、日本に多分……30人くらいは
いると思いますが、出来れば現時点での水泳能力を確認してから行った方がいいと思います。
出来れば水泳の練習をしていくとベスト。

いや、自分でももちろん泳げるかっていうと泳げないだろうな、という現実は見えていたんだけど、
今回のプログラムが予想よりはるかに充実していたというか、
もっとチャチなものを予想してたんだよね。
ちょっと触って餌をあげて、少し芸を見せてもらって、泳ぐのは形ばかり、というような。
そしたらたっぷり、まさにひたすらイルカと泳ぐプログラムだった。
うん、わたしがもっと泳げればねえ……。




6.イルカのお宿。

2014-07-14 | 熊野/Kumano:2014
紀伊田辺から太地までは約2時間半。
曇りの日で暗くなるのが早く、海沿いを走る電車から見る海は不吉な灰色。
しかし大岩の多い風景はいちいち絵になり、これで天気のいい日の昼間だったら
とても美しいところだったろう。

紀伊田辺からは大勢の、鈍行名物である「地元高校生」が乗っていた。
彼らは三々五々降りて行き、しかし視界にいる最後の高校生が降りていったのは
紀伊田辺からおよそ1時間半も経ってからでした。
大変だねえ。通学に1時間半もかかるんだねえ。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



太地駅にはホテルからお迎えの車が来ており、ホテルまで連れて行ってくれる。
今夜泊まる宿はホテルドルフィンリゾートというところ。19:15着。












ホテルなのだが、うっすらと民宿の香り。だが部屋は広いし、きれいだし、居心地のいいホテルでした。
部屋についているユニットバスとトイレはビジネスホテル並みの狭さ(ここが不満といえば不満)だけど、
その他に大浴場もある。宿泊客が少なかったので大浴場はほぼ貸切状態。
……この貸切状態を出来るだけ長く満喫したかったのだが、普段カラスの行水のわたしには
限度がだいぶ手前にあり、すぐ上がる。

ちなみにデスクの上に載っている白く光る物体は、








水槽なのです。

ちっちゃい青い魚が泳いでいて、……わたしそれほど熱帯魚に興味があるわけじゃないんだけど、
これが思いのほかわたしに癒し効果を発揮していたらしく、なかなか水槽のそばを離れられませんでした。
イケナイこととは知りつつ、ついつい、そ~~~っと水槽に指を近づけて、
ある程度まで近づくと、魚がパッと逃げるのを愉しむということを何度も繰り返してしまいました。
いじめっこ。でもその機敏な反応が楽しくてさー。ごめんねえ、魚さんたち。







ちなみにカメもいます。








時計もさすがのドルフィン。


あ、そうそう、このホテルで若干マイナスなところ。
ホテルの部屋の場所にもよるのかもしれないけど、ドコモが圏外です。
ええっ!ホテルで圏外ってどういうこと!?と驚倒し、フロントの人に訊いてみたところ
「ああ……ドコモは……」という返事。
記憶にある限り初めてですよ。ドコモ圏外のホテル。
わたしは携帯の必要性がだいぶ低い方なので、そこまで気にはならなかったが、
携帯が繋がるかどうかが死活問題(?)の人もいるでしょう。
建物を出てすぐのところからは繋がりますが、いちいち外に出るのは面倒。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



太地といえばクジラです。
クジラ料理を食べよう!と思っていた。

ホテルから徒歩1分のところに「しっぽ」というお店。
食堂と居酒屋の中間くらいの店構えで、クジラ料理を出すらしい。
太地町のこの辺りは中心からは外れるらしく、ほかの店は見当たらない。ここでクジラ料理。
わたしが行った時は地元のご家族連れが宴会中。







散々悩んで……。でもクジラの刺身?焼肉?なら、地元のスーパーでも時々売ってるんだよね。
なので、ご当地ものらしい、ちょっと変わったものを……と求めていったところ、
決して豊富とは言えないメニューの中に、「ほねはぎ(骨についている肉をこそげとったもの)」
「うでもの(内臓)」とあったので、それを単品で頼み、ご飯をつけてもらいました。
これで1500円。

だが――注文する前に訊いてわかってはいたんだけど、どちらもポン酢味だった。
なので物自体は違えど、味としては同じ味。
加えて、……わたしはポン酢の味が好きではなく、普段からほとんど食べないので、
今回食べても美味しいとは思えなかった。
素直に大和煮とかの方が良かったのか。でも大和煮はありふれている気がしたからなあ。

ほねはきは柔らかかった。うでものも、内臓系と聞いていたほどおどろおどろしいものではなかった。
あ、写真の左側がほねはぎで、右側がうでものです。



20:00にホテル帰着。さあ、明日に備えて早く寝ましょう。














5.感動の“岩しみず”。

2014-07-11 | 熊野/Kumano:2014
御坊駅から鈍行に乗って、1時間もしないうちに紀伊田辺駅着。16:01。
ここで乗り換えです。

この後今夜の宿泊場所の太地町まで、鈍行で行くか特急に乗るかというのは、
今回の日程における数少ない選択余地の一つなのだが、

鈍行に乗って紀伊田辺16:38発、太地町19:05着というのと、
特急に乗って紀伊田辺17:07発、太地町18:40着というのを比べて
特急料金を払うメリットがほぼ見当たらないので、このまま鈍行で行きます。

移動手段としてわたしが一番好きなのは鈍行なんだなー。
新幹線の2時間は時として苦痛だが、鈍行の2時間はむしろ楽しい。
……ただ、結果的にわたしが乗った鈍行列車は、愛する4人掛けのボックスシートタイプではなく、
通勤電車のロングシートタイプだったのでけっこうがっかり。
ボックスシートの方が旅情があるでしょう。


紀伊田辺で37分電車待ち。小腹も空いてきたことで、駅から出て、何か地元っぽいものがないか
探してみましょう。







駅前に地元菓子屋発見!写真はちょっと看板見にくいけどね。右の方の角の店。
三万五千石という地元のお菓子の店らしい。
これこれ!と思って店に入ったところ、3個セットが一番小さい単位なんだそうで、
うーん、3個はちょっと多いかなあ、と思って止めた。
他にないかな、と思って店内を見回すと、ショーケースのなかに何かすごいキラキラした物体が!












なんですか、これ!?と食いついて訊いたところ、わらび餅に似たお菓子らしい。
……正直わらび餅っていっても食べたことないし、実体は良く知らないのだが、
あー、なるほどー、とわかったふりをする。
ぷるるんとしている。これに黄粉をかけて食べるそうだ。

もうとにかくそのキレイっぷりに心を奪われ、早速購入する。冷やして食べるものだそうで、
「電車の中で食べます」と言ったら保冷剤もつけてくれた。上の写真は電車内で撮ったもので、
光量がいまひとつだが、それでもこのキラキラ具合。
お菓子の綺麗さでこんなに感動したものは近年ありません。宝石みたい。幸せ。

広告宣伝費をもらったわけではないが、キレイですよ、「岩しみず」!
紀伊田辺駅前の三万五千石。
味はねー、ぷる~んとした食感に、黄粉があっさりした甘さで美味しかったです。
楊枝はついていたが、出来れば残った黄粉も食べたかったので、
アイス用の適当なスプーンでもついてれば最高。
楊枝で黄粉をすくうのはなかなか骨が折れました。(←すくったんかい!)

ちなみに、写真を見た人は巨大なものを想像するらしいのだが、容器の直径が12センチとかそんなもん。
1個の丸が500円玉くらいだろうか、それよりちいさいくらいか。
薄い青と薄いピンクをこっそり紛れ込ませているところで、美しさ倍増。
250円でした。
お店の方も感じが良く、カステラのラスクも試食させてくれた。これも美味しかったです。


何かシアワセな思いで紀伊田辺を後にする。


言い忘れてたが、ここは弁慶所縁の地だそうです。
弁慶はまんざら知らない仲でもないので、そうか、ここがお前のふるさとかと心に呟いて来た。
熊野水軍の族長の一族だったはずだね、お前は。
幼い頃は海で散々遊んだだろう。体が大きかったから、近所の子供たちの中で餓鬼大将だったろう。
まだ子供の頃に仏門に入らされ、僧兵として暴れて、義経に出会う前は荒法師。
そこから義経を助けて、長い長い旅をして、お前の説得で熊野水軍が源家に味方したこともあった。
そして義経と最後までともにいて、平泉での立ち往生。
そうか。ここがお前のふるさとか。



16:38、岩しみずを食べながら紀伊田辺発。









4.道成寺。

2014-07-08 | 熊野/Kumano:2014
結論から言うと、道成寺はなかなかいいところでした。







ささやかな門前町に、ささやかな軒数のお土産屋さんが並び。
タクシーで階段の下まで乗り付ける。ほら、このくらいの階段ならそんな大したことないでしょ?

ちなみにこの「大したことない階段」は実は大したことのある階段らしいのです。

道成寺七不思議

うん、たしかに上りやすい気はしたなあ。
















建物が気持ちよくキマっている。歴史ある場所の気持ち良さ。


敷地は広くはないけど空間的にゆったりとしていて、からっとしていて明るい。
近所にあったらきっと嬉しいお寺。時々来て散策したい。
ただ、もうちょっと大規模なお寺を想像していたので少々肩すかし。
だいぶ縮小したそうですね。長い年月の間に。


でも道成寺の真骨頂は、建物自体というよりは、その宝物にある。


一番有名なのは安珍清姫の絵巻物ですね。能にもなっているし、道成寺といえば安珍清姫。
最後は安珍が大鐘の中で蒸し焼き殺されてしまうなど、リアルに想像するととてもコワイ話ですが、
とりあえずは伝説ですから。
わたしが行った時は団体さんが、目玉であるその絵巻物の絵解きを聞いている最中だったので、
それは後から聞くことにして、まず宝仏殿へ。

もう、ここは入口からオーラがある。ちらちら遠目に見える仏像がすでに良さそう。
ふふふふふ。いいブツがありますかね。うふふふふふ。



ここで一番はなんといっても、千手観音及び脇侍の日光月光菩薩。
まさに喋り出さんとするリアルな佇まいの仏。声が聞こえないのが不思議なくらい。
顔もイケメンというほどではないけど、「いるわ、こういう人」と言いたくなる現実味。
国宝はダテじゃない。(といっても、国宝ということが好悪に関係するわけではありませんが。)
平安時代の仏像は総じてバランスが良くて、やっぱり仏像彫刻のピークは平安時代なんだと思います。

四天王像。
わたしのメモではそのうち2体が奈良時代作、2体が平安前期なんだけどね。
道成寺のサイトでは少なくとも3体は平安時代前期と書いてある。
まあそもそも時代が違うということが疑問なほど似たような造型だったけど。
4体いずれも安定の出来。穏やか。

兜跋毘沙門天王像。
これはねー。みちのく仏の成島毘沙門堂の毘沙門天を思い出した。
細部はそれほど似ているというほどではない感じだけど、全体的な雰囲気が近い。
こちらの方がどちらかというと柔和。

こういうのを見ると、仏師の流れや古代の物流に思いを馳せる。
紀伊半島と奥州は遠く感じられるだろうが、実は船で行けば、陸路より人も荷物も運べた。
外海だし、海自体は手ごわかっただろうけどね。
熊野水軍は有名だし、なにより日本全国に熊野神社が偏在していることを考えれば、
古代の人の行き来は現代人の想像よりも繁かったと思われる。
成島毘沙門堂のそばに熊野神社もあるそうですしね。

和尚さんの趣味なのか、数ある仏像(大物の他に小物もたくさん)の中にガンダーラ仏が2体あった。
あまりのキレイさに、お土産物を掴まされてきてませんか?大丈夫?という不安はあれども、
そもそもガンダーラ仏は綺麗という意味ではおそらく世界最高峰なので、そういうの難しいよね。
東と西の見事な混淆。理想美を追求したギリシャの足跡が、より進化した形でガンダーラまで伸びている。
2体とも大変美男でした。美男じゃないガンダーラ仏は見たことないわ。

この宝仏殿も、まあ途中団体さんがしばらくいた以外はわたしの独り占め。
贅沢な時間でした。



ただし、その贅沢さはその後、安珍清姫の絵解きを聞いている時には両刃の剣となって返って来る。
絵解きというのは、寺に昔から伝わる絵巻物(の模写)を見ながら物語を語ってくれる道明寺の名物で、
だいたい紙芝居の雰囲気を想像してもらえばピタリ。
――これがマンツーマンだと、けっこう照れますよ。お互いやりにくいです。

しかも淡々とした絵解きならそこまでではないんだろうけど、
安珍清姫の絵巻物は、語る人がツッコミまくる絵解きで。
さらにわたしは、とあるマンガでこの絵解きの詳細を既に読んでいる。
ゆえにどこで笑いが入るのかをだいたい知っており。
「ああ、ここで普段ならドッと沸くところなんだろうなあ」と思いながら、
一人で笑う責任を負うのは、ある意味ツライことでありました。

人数が少なきゃ少ないほどいいかというと、常にそういう場合だけでもないという話。
いや、あの、語ったくれた方には大変感謝しております。ありがとうございました。


お寺の受付に頼むと、帰りのタクシーも呼んでくれました。
15:00、道成寺発。15:18の御坊駅発の電車に乗る。





3.コインロッカー問題。

2014-07-05 | 熊野/Kumano:2014
前回の経験を省みて、今回はちゃんと7:30に家を出ました。

駐車場は前回と同じ三英駐車場。一日600円に値上がりしていた。……うーん、高いな。
仙台空港は雨模様。







待ち時間に定禅寺庵なる団子屋さんのずんだ団子を一串食べました。
ずんだたっぷり、だんごの中にこしあん入り。
美味しかったけど、180円というのは一串の値段としては高い方か。


もうすっかりお馴染み感のあるピーチ航空に予定通り乗り込み、11:00関空着。
ピーチ航空での関空はのべ5回目と数えればいいんでしょうか。ターミナル第2もお馴染み。
荷物もスムーズに出て、和歌山行きのバスは11:30に乗れて、あっという間に和歌山着。
おお、もう和歌山か?という早さ。

和歌山に着いたのは12:05で、あと10分早く着けば無量寺に……とは思うのだが、
本来40分かかるバスが25分で着くことはあり得ないし、いい加減あきらめましょう。



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結局のところ、一日目の観光は道成寺に行くことにしました。
安珍清姫で有名なところですね。
ここも若干不安要素があった。JRの道成寺駅ってかなり小さく、無人駅っぽいんですよ。
そういうとこにコインロッカーあるかなあ。ないだろうなあ。ない場合、何しろ小さいとは言え
ガラガラケースを持ち上げて、あの有名な石段を上るのは無理だろう。

この問題は関係各処に電話して(具体的には観光協会と道成寺)解決しました。

道成寺って、御坊駅という若干大きめな駅の次の駅で。
ついうっかり見過ごしてたけど、御坊駅からはタクシーでもワンメーターかそこららしい。
わたしの感覚でJR一駅だとけっこう距離があるのだが、ここは大した距離ではないようだ。
御坊駅にはコインロッカーがあるし、駅前のお土産屋さんで荷物預かってくれるって話も聞いたし、
じゃあ御坊駅で降りて荷物を預けて道成寺へ行こう。



和歌山駅を12:15発のJRに乗り。
今後の日程は多少流動的だが、本日の宿泊地である太地駅までの乗車券を買う。3350円。
御坊駅13:16着。


御坊駅は実際は小さい駅でした。長町駅くらいの感じかな。
でもたしかにコインロッカーがあって。お土産屋さんもあったけど、荷物を預かるというような
看板が出てなかったのでコインロッカーに預けた。

……たしか前回の徳島旅行でもコインロッカーで苦労した記憶がよみがえってきたが、
わたしのガラガラケースは、400円のコインロッカーにはびみょ~~~~~に大きくて、
ぎりぎりのところで入らない。涙を呑んで600円のコインロッカーに入れる。
この200円の差は気分的に大きいですよ。
気分的な問題だけではなく、600円のコインロッカーは絶対数が少ないんだから、
今後、要検討事項かもしれない。



でもね。結果的に道成寺は、わたしが思っていたよりも規模はだいぶ小さくて、
石段もあまり大したことなかったの。海外旅行用のスーツケースとかならまた話は別だが、
今回のガラガラケース程度ならば別に預ける必要はなかった。

宝物庫の見学の時も、――これは決してお寺側の意見を聞いたわけではないから私見だけど、
そう混んでない時期なら受付で預かってくれそうな雰囲気がある。

うーん、往復のタクシー代とコインロッカー代が若干無駄だったかなあ……
2000円。たかが2000円。されど2000円。うーんうーんうーん……。



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あ!でも御坊駅で降りたからこそ出会えたものもあるんだった!







鹿肉焼き定食。


駅前のお土産屋さん内の、規模的にはほぼ喫茶コーナー程度の迫力しかない飲食コーナー。
駅前に他に店は見当たらないし、お昼はここで食べるしかないか。
メニュー的には、あってもまあ、そば・うどん。カレーライスといったところだろうか……

そう思いながらメニューを眺めたところ、突然飛び込んで来る
「鹿肉焼き定食」「しし肉焼き定食」の文字。


ええっ!?鹿?しし?


あまりの意外性に、ほとんど衝撃を受ける。
いやほんと、佇まい的にカレーライスがあるかどうかというささやかな店なんだってば!
そこで鹿肉や猪肉を出すんかい。――これは食べなきゃだめでしょう!

鹿肉がいいですかね?しし肉がいいですかね?とお店の人に訊いたところ、
「そうですねー…………そんなに変わりませんよ」とミもフタもない返事。
内心でズッコケながら、鹿肉を選ぶ。


そうねえ、味はねえ。ラム肉ですね、ほぼ。黙って出されたらきっとわかんないわー。
でも味付けが甘味が強い醤油味で、なかなか美味しかった。ご飯がすすむ。
うどんも美味しかった。大塚国際美術館で食べた鯛めし付属のうどんよりはるかに美味しかったなー。

野菜にかけるように出てきたのは梅ドレッシングに梅マヨネーズ。
どっちもなかなか美味しくて、梅マヨネーズは家に常備したいくらい。
これってご当地ものですか?どこでも売ってるもん?全国区で普通に売れると思うけどな。


期待してなかったところで変わったもの&ご当地梅ものが食べられて満足。




ああ、なかなか最初の目的地にたどり着かないが、次こそようやく道成寺の本題です。