N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

行動格差の時代

2012年07月07日 | 日記
フォーラム「日本企業のグローバリゼーションとリーダーシップ」の続き。

企業発表は、LIXIL。

LIXIL

割と大きな合併だったんですね。恥ずかしながら知らなかった。

藤森社長のお話はスピードが速くて、文字量の多いスライドがどんどん切り替わり、
自分の理解力では消化しきれないところもあった。

ひとつだけ触れると「ローカル化によるグローバル化」ということ。

 中国企業であれば、その営業、そのビジネスを中国人が行う。
 これが本当のグローバリゼーション。

 その人たちが力を発揮できるシステムをつくる。

 そのときにバリューの役割は大きい。

 みんなが一つの方向へ向かっていけるから。


というお話でした。

その日の夜は、別の会合でシャープの方のお話を聴講したのですが、
その中で同じような事例がありました。

日本国内の顧客満足度調査で3年連続一位になったシャープですが、
偶然にもインドネシアの調査でも3年連続一位になったとのこと。

この成功の理由は?との質問に、

製造、販売、サービスが一体化していて、
経営が現地の人たちの責任のもとで行われているから。

と回答されていました。

日本の会社が全てコントロールしようとするとうまくいかない、とも。

さて、LIXILの潮田会長、藤森社長、米倉教授による三者鼎談。

藤森社長はGEにいた方。

しかし、檀上でコーラをグイグイ飲む人を初めて見た。

藤森社長のことなんですが、

コーラーを一缶飲み切った直後に今度は水を飲み始めた。

それはともかく、藤森社長は、講演よりもフリートークに地力を感じた。

質問に対する答えが明快で的確。時に正直。とてもパワフル。

さて、プログラムの最後は、楽しみにしていたパネルディスカッション。

このメンバーで80分は短いな…と思いましたが、中味は濃かったです。

楠木建先生は、プロレスラーみたいでした。

驚いたことに、口を開いて出る話がどれもこれも
人を惹きつける独特のユニークさ。

只者ではない。

父親の仕事の関係で、11歳までアフリカにいたそうだ。

時代が時代なら、高僧として辻説法して大衆の心をとらえていたかもしれない。

こんなことをおっしゃっていた。

 グローバル人材は…スキルじゃないな。

 グローバルリーダーになるには「センス」。

 「センス」がある経営人材が貴重。

 そして、教えられないのが「センス」。

 国をまたぐこと自体は、それほど本質ではない。

 整っていないところに商売を丸ごとつくっていく。

 非連続性を乗り越える経営人材が必要。

 日本は成功して社会が整っているので、そういう人材が出にくい。

 そういう人材とは、つまり、整っていないところでゼロから切り開いていける人材。



内永ゆか子さん。

 コモディティビジネスでは価格競争になり、バリューの競争は難しい。

 実は、ベルリッツはトランスフォーメーション中です。

 languageサービスから、グローバルリーダー養成へと。

 グローバルリーダーとして、価値観の違う人たちをどうまとめるか。

 1 共通の言葉があります。それはロジックです。
   論理を明確にすれば、どの国の人とも共有できます。

 2 ゴールを決める。
   KPIで数値化したり、ナレッジ化、ビジョン化する。

 3 英語。TOEIC900点というのではダメですよ。
   それは英語のスペックを知っているという900点。運用ではない。

 それから、グローバルにいけばいくほど、なればなるほど、
 個人としてのアイデンティティが必要になる。

 国も宗教も違う。“ Me too. ”では通用しない。

 また、グローバルのネットワーク、人のつながりが大事。

 ポジションネットワークはグローバルでは役立たない。

 社長だから…という人脈ではなくピープルネットワークが必要。


 
この話も内永さんだったか自信がないのですが、

なぜ中国、韓国に負けるかという話で、それは「行動格差」であるという指摘。

今、知識や情報では差はつかない。行動でしか差はつかない。

…確かに。

それと関連して、遠藤功先生の質疑応答のときのコメントを最後に。

30代の質問者が「分かっていても現実の生活もあり、なかなか踏み出せない」
「何か一押しが欲しい」と発言したら、

「こんなとこに座ってちゃダメだよ。行動しないと」とおっしゃっていて、
今回は、ここが一番刺さりました。