N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

文体練習35 「 万能調味料 ほまれ 」

2011年12月30日 | 文体練習
[ とある会社の営業部。部長、課長に若手の平田と松本がアイデアをぶつける。議長は係長の窓際 ]

窓際   今日は当社の主力製品である 「万能調味料 ほんだし」 の販促について
      話し合いたいと思います

     

課長   「 ほまれ 」だろ! いきなり本質的に間違うなよ

窓際   失礼をいたしました

平田   え~、まずは私から提案させていただきます

部長   うむ

平田   この「 ほまれ 」は創業のきっかけとなった、我が社のシンボルとなる商品です

      「 シンプルな製法、 深い味わい 」

      というキャッチはご家庭でもおなじみとなっています

      ご存知のように、 この「 ほまれ 」 は、「 しょう油 」と「 味の素 」を混ぜただけの…

部長   おい、ちょっと待て。それ言っちゃダメだろ

課長   え~、今のは 「なし」 ということで

平田   す、すみません。当社独自のブレンドでした

窓際   では、どうでしょう「 しょう油はヤマサを使用 」 とアピールしては?

部長   もっとダメだろ

松本   わたくしに妙案があります

課長   よし、そっち先に聞こう

松本   「 ほまれ 」の新タイプを出すんです

課長   お、どんな商品だ

松本   その名も 「 ぽんほまれ 」

部長   ほお~、斬新な商品名だな

松本   こんなキャッチを考えました

      「 シンプルな製法、 新しい味わい 」

課長   イヤな予感がするな

松本   味のひみつは、「 ポン酢 」に「 味の素 」を混ぜたという…

課長   だから、それやめようよ

窓際   「 ポン酢はミツカンを使用 」 とアピールしてはどうでしょうか?

課長   お前は黙ってろ!

平田   名誉挽回で次のアイデアいかせてください

部長   む、いってみろ

平田   カスタマーに「 新しい食べ方の提案 」をしてみるんです

課長   うん、それはいいぞ

平田   万能調味料だけに 「何にでもかけられる」 ということでいきたいと思います

松本   やるな

平田   テレビCMのイメージコンテを作成しました。電通にも話は通っています



 万能調味料ほまれ



 ピザにかけて







 ラーメンに







 風呂上りの一杯に







 歯みがきに



課長   ストーップ! 調味料だって。 おまえ商品のこと分かってないだろ

松本   わたくしに名案があります

平田   自分で言うなよ…

松本   「 ほまれ 」 のボトルをキャラクターに仕立てて、
      いろいろなことに挑戦させるのはどうでしょう?

窓際   だから調味料だって! 松本くん、商品のこと分かってないでしょ

課長   分かってないのはお前だ。松本くん、続けて

松本   「 スカイダイビング 」に「 ロッククライミング 」、夏は「 スキューバダイビング 」…

平田   ガチャピンかよ








平田   どうでしょう。 「ほまれ」 は“ ご家庭の友 ”です
      どうせキャラクターにするなら、お客さまのご家庭へホームステイさせるんです

部長   一理あるな

平田   そして、ご家庭内の事情をレポートして、ホームページで暴露するんです

      「 ほまれ 」 は見た


課長   市原悦子かよ!





平田   あ、アイデアならまだあります
      しゃもじを持たせて、晩ご飯中のご家庭に押しかけさせるんです

  

部長   斬新だな

課長   部長、ダメですよ、それは

松本   わたくしに起死回生の策があります

部長   なんだ?

松本   企業ブランドを考えたとき、今、世の中は
      「 オープンで正直 」であることがトレンドとなってきています

部長   ほお

松本   「 しゃもじ 」 ではなく、 「 しょう油 」 と 「 味の素 」 を持たせるんです。そして…

課長   はいはいはい。はーい、今日は終わり! みなさん退出してください