N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

文体練習10 「講師紹介」

2010年12月05日 | 文体練習
「みなさま、本日は、お足元の悪い中、
小社主催の教育後援会にご参加いただき誠にありがとうございます」

「それでは本日お話をしていただく講師の先生をご紹介いたします」

「わたくし、ちょうど昨晩も先生の本を読みながら寝落ちしてしまったんですが、」

「読むほどに深い感銘を受け、読むたびに寝落ちしてしまいます」
「皆様にも座右の一冊として、枕元に置いていただければ幸いです」

「では余談はこのくらいにして、早速、先生にお話していただきましょう」

「えーっと、お名前は何でしたっけ?」

 * * * * *

「あっ、松田先生でございました」

「先生自ら教えてくださりました。大変恐縮でございます」

「えー、松林先生は、早稲田大学を卒業後、広告会社に勤務。できちゃった婚で結婚」

「できちゃったのは、恐らく飲んだ勢いだったと思います」

「結婚後間もなく、ご自身の暴力が原因で家庭は崩壊。
 2007年の7月5日の午後3時頃でしたか、区役所に離婚届けを提出されました」

「離婚後は酒と女に溺れる日々。会社もクビになり、電気や水道も止められる始末」

「まさに、飲んだくれの女好きのダメ人間でした」

「そんな松本先生をひそかに付け狙う影が…」
「あ、このことはご本人の知る由もないことでございます」

 * * * * *

「さて、今日は20分から2時間半の間でお話していただく予定となっております」
「お話の後、質疑応答の時間を30秒ほど取っています」

「では、早速お話していただきましょう」

「え~っと、テーマは何でしたっけ?」

(了)