N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

文体練習6 「ペットフード]

2010年10月29日 | 文体練習
[ とあるペットフード会社の企画会議 ]

社長:「今回は社運を賭けた新企画を検討したい」
    「我が社の赤字挽回のためには画期的なペットフードの開発が急務なのだ」

開発部長:「本日はうちのホープがプレゼンいたします」

ホープ:「世の中にない新しいペットフードを考えました」
     「まずはコレです」


ハイテンション ワンちゃん


ホープ:「興奮剤が100%配合されているので、これを食べたワンちゃんは大はしゃぎ」
     「夜も寝ません」

社長:「ペットフードというより、興奮剤そのものということだな」
営業部長:「だめだろ」


ホープ「それでは、次の企画です」


ワンちゃん きれいきれい


社長「おー、よさそうだな」

ホープ:「食べるとペットの体に住むノミとダニが全滅し、ワンちゃんも即死します」

社長:「それはまずいだろ」
営業部長:「だめだろ」

ホープ:「では商品名を変えて…」


食べてバイバイ


社長:「もっとだめだろ!」
営業部長:「だめだろ!」

ホープ:「天国へまっしぐら」

社長:「そんなキャッチコピー使えるか!!」
営業部長:「か!!」


ホープ:「分かりました。ではとっておきを。これならいけます!」


ハイテンション de バイバイ


ホープ:「ワンちゃんが大はしゃぎした後、天国へ旅立ちます」

社長:「なんて安易なんだ」
営業部長:「だ」



窓際課長: 「かっかそーよー!」


社長:「な、なんだ突然」

窓際課長:「隔靴掻痒です」

社長:「ん!?」

窓際課長:「社長が水虫になったとしましょう。いや、なってください。
       そのとき、靴の上から足を掻いてもダメなんです。
       水虫そのものを治療することを考えなくてはならないのです!!」


社長:「誰か、ほかに意見はないか」

窓際課長:「ですから水虫を…」

開発部長:「うるさい!」

営業部長:「さい!」

ホープ:「シッ」

窓際課長: 「しめんそか!」
         (四面楚歌)



ホープ:「あ、そっかあー、ネコちゃんにすればよかった…」

社長:「猫でも同じだ!!」
営業部長:「!!」

社長:「むー、こんな企画しか出てこないようでは、我が社に明日はない。倒産の危機だ」


窓際課長: 「ぜったいぜつめい!」
          (絶体絶命)

 (了)