N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

コドモノクニ

2009年08月15日 | 日記
横須賀美術館は初めてでしたが、緑が多く、すぐ前が海。
建築も贅沢な造り。夏が似合う美術館。




コドモノクニと童画家たち(横須賀美術館・8月23日まで)

まずは『コドモノクニ』の表紙の展示。

デザイン上のいろいろな工夫がこらされていて見飽きません。
特に武井武雄のものがすばらしい。

次のコーナーで、味のある絵だなと思って画家の名前を見ると
亀倉雄策とあり、さて?と思ったのですが、隣の画が河野鷹思とあり
ピンときました。


タガヤス ニッポン/河野鷹思

彼らは、50年代のグラフィックなポスターのイメージしかありませんでしたが、
コドモノクニにも関わっていたんですね。知りませんでした。

さらに進むと、画家ごとのコーナーが。
原画の色に触れることができ、鉛筆の線の跡なんかも見ることができ、
来てよかったなと実感しました。 


▲初山滋


参考出品として、かるたが4種類くらい展示されていました。

その中の『しくじりかるた』というのは、はちにさされたり、
ボールをおじさんにぶつけてしまったり、しくじってばかりいる
かるたです。

紹介しているひとがいました!
↓↓
かわいいへんてこさん


最後は、戦争の時代に入って、軍国主義に同調したものになっていったコドモノクニ。


▲土門拳・写真、亀倉雄策・レイアウト、菊岡久利・文。

ドイツノコドモタチハ
ドンナニ オクヮシガ
ホシクテモ
サトウナシデー ニハ
オサトウヲタベナイ

ガマンシテ
ドイツヲ ツヨクスル タメダ

イタリアノコドモタチハ
エンピツガ
ミジカク ミジカクナルマデ
ツカフ

…という具合に続いていく詩です。

 * * *

「子どもの本・1920年代」(庭園美術館)という展覧会に行ったのが1991年。

美術館に習慣的に通いだす少し前で、美術館という空間にいるのが楽しくて、
あまりよくわからないながらも一生懸命見ていたような気がする。

「こどもパラダイス★~1920-30's 絵雑誌に見るモダン・キッズらいふ」
(弥生美術館)に行ったのは2005年。

そして今回の展覧会。

偶然もありながら、この三つを見られたことには何か縁を感じます。

 * * *

その後、常設展をざっと見て、別館の谷内六郎館はスルー。


かにの国盗り物語/谷内六郎


美術館を出て海岸に行くと、そこには海の家、海水浴客。

暑くて爽やかな夏の午後でした。

「手のひらのモダン-『コドモノクニ』と童画家たち」展