先日テレビを視ていたら石川県の馳知事が能登半島地震の復旧状況についてインタビューを受けていた。
その中で地震被害からの復旧と同時並行で建設が進められている大阪万博の開催について質問があった。
インタビュアーの意図は「大規模工事のバッティングで復旧の妨げになることはないか」と理解したが知事はそんなことには一顧だにせず大阪万博の建設工事も全面的に支持、開催時には能登半島のことも紹介していただきたいと応じていた。
しかし本当にインタビュアーの抱いたような危惧はないのだろうか。
地震被害の復旧はとにかく最優先で「経費に制限はつけない」との首相の言質を取っているから知事の方は安心だが他方で大阪万博の方は経費がすでに予算オーバー気味だからもしも両者がリソースの点でバッティングするとしたら後者の旗色は悪いぜ。
その心配はないのかねぇ・・・ただでさえ工期は詰まっているのにねぇ。
そういえば大阪万博のサポーターとなるべき松本人志も博覧会アンバサダーの座を降りそうだ。
「前売りチケットを大量購入した」と笑顔でPRしていた西村前経産相もその座を降りた。
閣僚の1員である高市経済安保相が大阪万博の延期を首相に進言したとも聞く。
大阪万博の見通しは今一つである。
350億円の経費をかける木造リングが巨大な墓標にならなければいいが・・・。
今日は入ったニュースによれば2025年に開催予定の関西万博にロシアは不参加を決めたということだ。
ロシアの不参加については建設費の高騰以外にほかの要因もありそうだがいずれにしても我が国の大会関係者にとってはショックではなかろうか。
仮にこんなことが五月雨式に起きようものならただでさえ開会が危ぶまれる関西万博にとって致命的である。
大会関係者は現況を真摯に受け止めあらためて大会の経済効果と運営総コストの精査を行うべきだ。
その際重要なことは「開催ありき」で物事を考えるのではなく白紙の状態でまずは「ありのまま」を再整理することだ。
それが今求められているレビューなのだ。
今度こそ失敗は許されない。
そしてその結果を胸を張って説明して欲しい。
結果はどうなるか不明だがそうすることが国民の信頼を得る唯一無二の方策である。
「開催」だけが最良の道ではない、「縮小案」だって十分ありうるありうる。
要は雑念にとらわれず淡々と、粛々とレビューすることだ。
関西万博の開催が微妙である。
建設費の高騰が出展各国の判断に影を落としているのだ。
その遠因にはロシアのウクライナ侵攻やイスラエル・パレスチナ間の紛争があるのではないか。
先行きどんな動きが起きるかもしれない。
こんなときにはついつい守りの姿勢が優先し行動基準が委縮しがちなのだ。
ともあれ政府や維新の会はそんなことは言っておれない。
やみくもに突進していかなくてはいけないのだ。
肝心の国内世論の盛り上がりもイマイチなのが気にかかる。
どこかの調査だったか、国民の中に関西万博の開催を期待する向きが30%程度だというから関係者の心配は尽きないだろう。
350億円とも言われる総延長2キロの会場シンボル・リングだ。
ただその再利用方策の例として清水寺を提示した橋下徹氏の説には思わず違和感を抱いた。
どう考えてもあのリングはどこに持って行っても歴史的遺産にはならないだろう。
橋下氏の言動には共鳴することが多いがこの説に限っては疑問視せざるを得ない。