厚労省の発表によればマイナ保険証の3月の利用率は27%だった。
紙の保険証の新規発行を停止した24年12月の利用率は25%だったから上昇しているとはいえ極少で横ばいと言ってもいいくらいのものだ。
一体この停滞ぶりはどういう訳か?
昨年1年かけて政府はいろんな努力をしてマイナ保険証の利用促進を図ってきたが確たる成果は得られなかった。
やっぱり利用メリットが訴求しきれなかったのかねえ?
それとも利用者は健康データの漏洩を恐れているのだろうか?
前者でいえばもっと医療機関間の情報共有を進めてもいいと思うのだが利用者の事前許諾を得るだけで終わっているように思う。
筆者は異なる医療機関、異なる時期に同じ部位のMRI画像などを撮影しているが相互に利用している気配はない。
むしろそれぞれが共有して(時間差を含めた)より細かな診断結果提供を求めているのだがそれはない。
後者についてはさほど著名人でもない限り、余程重篤な状態でもない限り恐れることもないと思う(笑)のだがやっぱりプライバシーにはセンシブルなんだねぇ。
これはもう事故や失態を含め情報セキュリティの信用を高めていくほかに方法はない。
とにもかくにもマイナ保険証がこんな低い利用率に留まっていること自体歯がゆくて仕方がない。
厚労省はかって利用者、医療機関双方への金銭インセンティブを重視しマイナ保険証の普及を考えていたようだがこの政策はどうだったか?
多くの国民や医療機関はそれなりに動いたが本当のマイナ保険証の意義について学ぶ機会を失った。
これでは肝心の段階で失速してしまう。
厚労省はマイナ保険証の持つ本来の意義、すなわち医療DXのメリットと医療コストの削減効果にフォーカスして国民の理解を求めるべきではないかだろう。