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ついに「やらかした」トヨタの不正、「残念すぎる」体質変革に有効な哲学とは

2024-08-26 09:43:43 | 社会

 日本を代表する企業、トヨタ自動車(以下、トヨタ)が不正に揺れています。今年6月に明らかになった不正に加え、先月の国交省による立ち入り検査でさらに7件の不正も発覚。同社に初の「是正命令」が下され、1カ月以内に再発防止策を定めることを求められています。ついにトヨタ本体でも起きた不祥事の背景には、2つの「ある原因」が存在すると見られます。その原因を探るとともに、同社の組織体質変革に有効な道筋を企業アナリストの大関暁夫氏が解説します。 

ついにトヨタ本体でも不正

 2022年以降、日野自動車、ダイハツ工業、トヨタ自動織機と、傘下のグループ企業で認証検査不正などの不祥事が相次いだトヨタグループですが、今年6月にトヨタ本体でも7車種での認証検査不正が明らかになりました。その後、国交省の立ち入り検査で新たな不正がさらに7件発覚したこともあり、同省が道路運送車両法に基づく是正命令の発令をするに至っています。組織風土に問題ありとされるこのトヨタグループを覆う不正の文化は、いかにして是正されていくべきなのでしょうか。  これまではグループ企業での不祥事を、指導的立場からその対応に腐心してきたトヨタですが、今般自社でも同様の不正が多数見られたことで、グループとしての問題の深刻さはより重大なものになったと言えます。先に不祥事が発覚した日野自動車、ダイハツ工業における外部・第三者による調査報告で、その原因として共通してあげられているのは組織風土の問題でした。すなわち、トヨタを頂点としたグループとしての組織管理そのものに、重大な瑕疵があったというのです。  以前の連載でも指摘しましたが、両社の報告書で指摘された組織風土的な問題点を集約すると、トヨタに対してモノが言えない本社、本社に対してモノが言えない現場、という構図が浮かび上がってきます。  しかし、上位階層の者がその地位を利用して有言、無言の圧力をかけて暗黙のうちに不正に追い込んでいった、あのビッグモーターの不祥事に見られた力ずくといえる因果関係は一切見当たらないのです。それはむしろ、組織に根付いた風土病と言える病巣の根深さを表しているとも言えるのです。

不祥事に見る「2つ」の要因
 報告書から読み取れるものとして、一連の不祥事には大きく2つの要因があると見ています。  それは、トヨタが生み出した管理手法と、日本を代表する企業ゆえにいかんともしがたい日本的組織文化です。  
 まず管理手法に関しては、トヨタグループの組織風土を語る際に避けて通れない「トヨタ生産方式」と呼ばれる、徹底的に効率性を重視した生産管理体制が該当します。  かんばん方式やジャストインタイムと呼ばれるトヨタの生産現場における効率運営管理の手法ですが、これは厳正な部材の在庫管理と納期短縮の徹底を基本とした生産ライン構築です。これこそがトヨタを世界的な企業へと押し上げ、日本を世界に冠たる工業大国に導いた日本的経営の代表的事例であり、世界中からも注目を集めるに至ったのです。  そしてこの管理手法は、トヨタの子会社やグループ企業内でも有無を言わさず徹底されることになるのですが、これが思わぬ副作用を生んでいたと筆者は考えています。  
 日野自動車の不正に関する調査報告書では、「上位下達の気風が強すぎる」組織特性の下で現場が窮屈な開発スケジュールに無言で従わざるを得ない風土が醸成され、検査部門が不正に手を染め続けたとの記載があります。  
 同じくダイハツ工業の調査報告書でも、2000年代半ばにトヨタ出身の会長の下で開発納期の大幅な短縮が実施され、その流れはトヨタの完全子会社となった2016年以降さらに強まって、現場を圧迫したとされています。
 世界を席巻したトヨタ生産方式は業績伸展の陰で、不正を生む悪しき組織風土づくりを助長してもいたわけなのです。

不祥事を生んだ日本特有の「ある雰囲気」とは
 このトヨタ式が生んだ悪しき組織風土に輪をかけたと見られるもう1つの要因が、高度成長を支えた日本企業を覆う日本的組織文化です。  
 それは一言で申し上げれば、「上位下達」という無言の序列維持を暗黙のルールとしてきてしまっている、ということです。
 このあたりについては、世界の組織文化研究の第一人者で、世界各国においてMBAグローバルスクールを運営するINSEAD(欧州経営大学院)のエリン・メイヤー教授が、著作「The Culture Map」の中で詳しく分析しています。  同書でメイヤー教授は、日本人が作り上げる組織文化の大きな特徴として「無言のうちに人の行動を支配する傾向」を挙げており、目に見えない力が働いて地位が下の者から上に対してモノを言わせない風土を作り上げていることを示唆しています。  すなわち、(トヨタ式本来の理念と異なり)現場が本社の指示に対してモノが言えない、あるいは子会社が親会社の指示に対して無言で従わざるを得ない、報告書で明らかになったトヨタグループの組織風土は、メイヤー教授が指摘する日本の特徴的組織文化によって一層助長されたと考えられるのです。  豊田章男トヨタ自動車会長は、今回の不祥事発覚の謝罪会見で「不正の撲滅は無理だと思う」との改革に向け弱気とも受け取れる発言をしました。その弱気会見を裏づけるかのように、今般の国交省の立ち入り検査によって、社内検査では発覚しなかった7車種での不正が新たに指摘されてもいます。  黙って不正に手を染めざるを得ない、不正の事実を黙して表にできない…。今回のトヨタ本体の不祥事発覚により、病んだ組織風土の重篤さが、改めてうかがい知れたと感じています。

日本企業の「4分類」とは
 そんな章男会長をしてさじを投げざるを得ない、トヨタの組織風土改革には何の手だてもないのでしょうか。  トヨタ生産方式も日本的な組織文化も、日本における昭和の高度成長を支えた原動力であり、不祥事を生み出した組織風土はその陰に産み落とされた負の副産物に違いありません。  ならばそれを解消する1つのヒントは、新しい時代における成長企業の経営手法にこそあるのかもしれません。  トヨタの認証検査不正発覚と相前後して、日本経済新聞紙上で、上場企業2300社の口コミサイトにある社員らの投稿をAIで分析し、働き方改革の伸展に注目が集まる現在において、「働きやすさ」と「働きがい」の二軸から今の時代に成長している企業を検証した結果が報道されていました。  それによれば、二軸の指標で区分けされたマトリクスで、企業は4分類されます。「働きがいがあり、かつ働きやすい=プラチナ」「働きがいが小さいが、働きやすい=ホワイト」「働きがいがあるが、働きにくい=モーレツ」、そして「働きがいがなく、かつ働きにくい=ブラック」です。  「働きがい」という考え方は昭和の高度成長時代からあったものの、「働きやすさ」という考え方は近年の「働き方改革」以降クローズアップされてきた新しい考え方です。  記事では、幸福学の観点から考える経営を研究テーマとしている慶応義塾大学の前野隆司教授が、高度成長期の日本を支えてきた大手企業たちは典型的な「働きがいがあるが、働きにくい=モーレツ」企業であると評しています。すなわち彼らは、「働きやすさ」という新しい考え方に馴染みが薄く、それが欠けることになりやすいのです。  そして、不祥事報告書に見るトヨタグループの組織風土は、まさにこの特徴に当てはまるのです。ならばトヨタグループがめざすべき改革の方向は、「働きがいがあり、かつ働きやすい=プラチナ」への変貌にほかなりません。

組織改革のヒントになる「ある企業」
 この記事の調査で「プラチナ」企業の第1位に輝いたのは、グループウエア開発大手のサイボウズです。  サイボウズは1997年の創業で、昭和企業でこそありませんが、浮沈の激しいIT業界にあって四半世紀以上をトップ企業として成長を続けています。しかし同社は当初から「プラチナ」企業であったわけではなく、むしろ典型的な「モーレツ」企業として壁にぶち当たってきた時期もあったといいます。  同社は創業から5年を過ぎた頃、業績至上主義によって企業規模は飛躍的に拡大したものの、組織内の意識疎通が図られなくなり、年間に社員3人に1人が辞めていくという異常な事態に陥ったそうです。まさに「働きがいがあるが、働きにくい=モーレツ」企業の極み状態にあった、と言えます。  創業者の1人でもある青野慶久社長は、創業から数年で「誰もワクワクせず数字ばかりを追いかけてギスギスした組織になってしまった」ことに疑問に感じ、創業の原点に立ち返るべきと考えたといいます。すなわち業績至上主義ではなく、会社も社員もその理想を実現できる会社にすべきである、というのが青野氏の結論でした。結果として、明確なビジョン共有の下でのチームワークを重視しつつ、「100人100通りの人生を応援する」という方針が確立されたのです。  青野氏はまた、「売上を上げるより、会社の雰囲気が大切だと思った。雰囲気を良くする延長線上に事業の成長がある」とも語っています。社員1人ひとりの理想を実現できる会社にするため、「会社のために」をやめて「社員を応援する」ことを優先する。瀕死の「モーレツ」企業は、こうして「プラチナ」No.1企業に生まれ変わったのでした。トヨタグループはじめ、いまだに「モーレツ」から抜け出せない多くの昭和企業たちが、サイボウズの組織改革から学ぶべきことはたくさんあるのではないでしょうか。  「不正の撲滅は無理」という豊田章男会長の真意は、対症療法的な再発防止策は可能でも、新たな不正を生みかねない組織風土の改革までは無理という意味に受け取れます。  上述した「プラチナ」企業ランキングには、数は少ないですがトヨタと同じく昭和の日本を支えてきた味の素(4位)やブラザー工業(51位)、堀場製作所(57位)のような旧知の企業も存在しています。  100年に一度の大きな変革の流れを乗り越えて日本のリーダー企業であり続けるためにも、トヨタは今回の不祥事対応を対症療法に終わらせることなく、不断の決意を持って組織風土の改革に取り組むべき時であると強く思う次第です。
〔参考文献〕執筆:企業アナリスト 大関暁夫

感想
 なるほど
日本経済新聞紙上で、上場企業2300社の口コミサイトにある社員らの投稿をAIで分析
 
            働きがいがある
      モーレツ企業   ↑   プラチナ企業
 働き難い ←                 → 働きやすい
      ブラック企業   ↓    ホワイト
            働きがいがない   

働きやすいには、上に意見が言える。
意見によってマイナス評価がない。
「心理的安全性」がある職場、会社なのでしょう。

働き難いには、意見を言うと左遷させられる。
残業時間が多い。
過労死が出ている。

菅元首相は、「自分に反するものは左遷させる」と公言されていました。
そしてふるさと納税の問題点を指摘した、当時総務省No2(次期次官候補)が左遷されました。まさにブラック日本だったのかもしれません。
それを認めている国民もブラックなのかもしれません。
斎藤兵庫県知事、中川上越市長、・・・。

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