幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

『15歳の寺子屋「フラフラ」のすすめ いま、人生の基礎力を鍛えよう』益川俊英著 ”自分で考えるための基礎力をつけてほしい”

2023-11-02 03:02:02 | 本の紹介
・授業は聞いていない、宿題はやらない、怒られても反省しないの、ないない尽くし、そのくせ、先生が授業中にちょっとでも間違えると、敏感に反応して間髪を入れずにヤジを飛ばす、そんな憎たらしいところもある子どもでした。
 ちなみに、名古屋大学大学院生時代のぼくのあだ名は「いちゃもんの益川」。

・「本音痴」だったぼくが図書館で本を見て大興奮するんですから、人生というのは何が起きるかわかりません。以来、ぼくは図書館が大のお気に入りになって、暇さえあれば通うようになったのです。

・ぼくは自分が好きなこと、おもしろいことにしか興味を示さない小学生でした。

・中学、高校を通じて、ぼくの成績はいつも真ん中よりちょっと上という程度。高校三年生になって猛烈な受験勉強をしたおかげで、卒業時には進学クラスの生徒二百数十人中、二十番台になりましたが、それ以外は常に判で押したように「中の上」の平凡な成績でした。
 ところが、小学校では全国算数コンクールがあったりすると、全校一位になって表彰されたりするのです。ああいうテストは、予習復習とは関係ないから、ぼくのような学校の勉強をしない生徒でもいい成績をとることができたんでしょう。

・自分の経験から、本を読むこと、それもいろんなジャンルの本を読むことだけは、「ぜひ、したほうがいい」と自信を持って勧められます。
・みなさんの年代は、自分がいったい何に向いているのかわからない、自分の中に眠っている個性というものに気付きづらい年頃です。でも、本を乱読してみると、自分がどんな傾向のテーマに興味があるのかがわかってきます。・・・
 本はみなさんの中に眠っているものを呼びさまし、人生の案内人の役目を果たしてくれます。それから、ちょっとむずかしいなと思う本を読んで、背伸びしたり、知ったかぶりをしたりするのも大切なことですよ。みなさんいはぜひ、少しでも多くの本を読む習慣を身につけてほしいと思います。

・このころ(高校)から古本屋に熱中しはじめます。図書館通いだけでは物足りなくなったんです。鶴舞公園近くに三、四軒の古本屋があり、そこをぜんぶ覗いてから、さらに足を延ばし、市内の古本屋をじっくり見て回るのが大きな楽しみになりました。

・日本の素粒子物理学の第一人者である、名古屋大学素粒子論研究室の坂田晶一先生が提唱した「坂田モデル」についての記事を読んだのは、高校一年の三学期だったように記憶しています。
・・・
「これはすごいことだ! ようし、オレも名古屋大学に入って、坂田先生の研究に交ぜてもらおう」
と強い思いに支配されるようになりました。

・勉強ぎらいだったぼくが、こんなことを言うのは矛盾しているように聞こえるかもしれません。
でも、ぼくは学ぶことは大好きなのです。ただし、人から強制される勉強は大きらい。だいたい、「勉強」という言葉に、「強いる」という文字が入っているのが気に入りません。先生や親に尻をたたかれてイヤイヤやらされたり、人の顔色を気にしながらする勉強が、楽しいはずがありません。
 それに対して、日本語の「勉強」にあたる英語の[study]の語源には、「知る楽しみ」という意味があるそうです。ぼくは、この[study]にこそ、本来の学ぶことの意味が込められていると思います。自分の知らないこと、知りたいことが理解できるようになるというのは、とても楽しいことだからです。現にぼくはそうやって、子どものころから数学や理科を楽しんで学んできました。

・「CP対称性の破れ」とは?
 この宇宙が存在し、地球という星があり、ひいてはぼくたちがいまここに存在しているのは、、すべて「CP対称の破れ」のおかげなのです。
 この宇宙を構成するすべてのもの、われわれを取り巻くすべてのものは物質からできています。ですが、この当然と思われることが、現代科学の政界では非常に大きな「謎」とされてきたんです。
 「粒子」とは、物質を形作る基本構造のことですが、1930年代に人類は、粒子に対する「反粒子」というものが存在していることに気づきます。そして、粒子と反粒子はまるで鏡に映ってでもいるようにおなじ数、おなじ性質、おなじ法則を持ち、お互いがぶつかると光となって消えてしまうこともわかったのです。
 宇宙の誕生は、いまから137億年前のビッグバンにさかのぼります。生まれたばかりの宇宙は、おなじ量の粒子と反粒子からできていました。そして、粒子と反粒子はぶつかりあい、光となって消えていきました。やがて粒子と反粒子は、ひとつ残らずぶつかりあい、すべてが消滅し、宇宙自体も消えてしまうはずでした。
 でも、現に宇宙は存在し、地球も私たちも存在し、この世界は粒子で構成された物質に満ちています。なぜでしょうか? この謎に対する説明が「CP対称性の破れ」です。粒子のなかにはほんの少し、それこそ一億円にひとつの割合で光にならず、消えのこったものがあった。その「破れ」のおかげで、宇宙が、そして人類が存在しているのだというわけです。ですが、この説明だけではまだ十分ではありません。なぜ、「CP対称性の破れ」が起こるのか。という大きな謎が残りました。
 ぼくと小林君はこの謎を解くカギは粒子より、さらに小さい物質の最終単位であるクォークにあると考え、1972年の5月から研究に取りかかり、議論を重ねました。当時、クォークは三種類しか発見されていませんでしたが、これでは対称性の破れをうまく説明できません。ぼくらはもう一種類のクォークが増えれば「CP対称性の破れ」の問題を解決できるのでは? と考えたんです。
 ところが、いざやってみると、なかなかうまくいかない。必死になって理論をつくりあげるんですが、それを検討した小林君から「ダメですね」と言われてしまう。チクショー、と思って組み立て直すと、また却下。そんなことを何度かくりかえすうちに、「どうも、これはあかんな」という感じになってきました。
 ある日、自宅の風呂につかりながら、「残念だけど仕方がない。クォークが四種類あったとして問題は書行ける市内、という論文をかくことにしよう」とぼんやり考えていたんです。ところが浴槽から立ち上がった瞬間に、「あっ、クォークが四種類でなくて六種類ならうまくいくかも」とひらめきました。そこで翌日、さっそく小林君に連絡を取って、「それでいきましょう」ということになったんです。クォークが六種類あれば、物質が消えのこる仕組み、つまり「CP対称性の破れ」がうまく説明できるという仮説阿h僕がまとめ、英語の論文は小林君に書いてもらいました。
 その後、新たな三つのクォークは加速器という巨大な実験装置により、1995年までにその存在が確認されています。六種類のクォークがたしかに「CP対称性の破れ」という現象を起こすことも、2002~2003年に実験で検証されました。
(ノーベル賞受賞の研究成果)

・基礎力なくして発明は生まれない
 「発明王エジソン」も大失敗をやらかしたことがあるのです。
 みなさんは、電流に直流と交流があることは知っていますね。彼はこの選択で失敗したんです。彼は電気を作って売れば儲かるだろうと考え、電力会社を設立したときに、家庭や工場に送電する電力として直流を採用しました。
 一方、エジソンのライバル会社も電力会社を立ちあげ、こちらは交流の送電を採用します。こうして、二つの会社による「電流戦争」が勃発したのですが、エジソンはこの戦いに敗れてしましました。理由はきわめて簡単です。交流は電圧を上げ下げすれば、おなじ送電線から大量の伝記を送ることができます。ところが直流の場合、多量の電気を送ろうとすると、送電線をうんと太くしなければなりません。送電線の費用がかかりすぎて、エジソンの会社は潰れてしまったのです。
 なぜ、この程度のことが発明王エジソンにわからなかったのでしょうか。それは彼が高等教育を受けておらず、交流の仕組みを理解する数学的な知識がなったからです。エジソンの失敗は、科学の世界ではいくら天才的な頭脳の持ち主で、鋭いヒラメキを持っていても、基礎的な勉強をしていなかったエジソンが「発明王」になれたのは、彼が、科学が未発達だった19世紀の人間だったからです。

・基礎的な勉強の大切さを示す例を、もうひとつあげましょう。
『昆虫記』で知られるアンリ・ファーブルは、長くフランスのアヴィニョン地方に住んでいました。この地域は昔から養蚕業が盛んだったのですが、あるとき、タバコモザイク病というウィルス性の病気が発生し、解雇が大量に死んでしまうという事態が発生しました。
 昆虫のことならなんでも知っているファーブルも、いったい何が原因で蚕が死ぬのかまでは分かりません。・・・
 ところが、アヴィニョンに数か月滞在したパスツールは、見事に蚕の病気を食い止めることに成功しました。・・・感染拡大を予防するさまざまな措置を取り、タバコモザイク病の拡大を食い止め、解雇の死滅を未然に防ぐことに成功したのです。
 この話には、ふたつのポイントがあります。ひとつは基礎知識の大切さ。もうひとつは、基礎知識があれば応用がきく、ということです。パスツールは昆虫の知識はゼロでしたが、感染症に対する基礎的な処方は知っていたので、それを蚕の病気に応用できたのです。基礎があるから応用が生まれ、応用はさらに応用を生んでいく。現在の目覚まし科学の技術革新も、そうした様々な応用技術の積み重ねによって、なしとげられてきたのです。

・日本でも、都心に高層ビルが建ちだした数十年前、ビルのある地域でテレビが見にくくなるという事態が起こりました。テレビの電波がビルに反射し、画像が二重に見えたりブレたりする「ゴースト現象」が発生したのです。この問題を解決するため、ある塗装会社に勤める科学者がフィラメント入りの塗料を開発しました。フィラメントに強力な磁石作用があり、その塗料を建物に塗ると、電波を吸収してゴースト現象が起こりにくくなったのです。
 ところがそれから十年後、その塗料が米軍のステルス戦闘機につかわれたことが判明しました。ステルスは通称「見えない戦闘機」と呼ばれ、的のレーダーに発見されにくいことで知られていますが、その理由のひとつが、日本で開発された塗料で機体を塗装したことにあったのです。電波を吸収するためのレーダーにひっかからない戦闘機なら、強力な武器になりますね。
 ぼくの恩師である坂田昭一先生は、常々「科学的な成果というものは平和に貢献しなくてはならない」とおっしゃっていました。ぼくもまったく同感です。

・日本がすすんでいく方向に賛成するのも反対するのも、それは皆さんの自由です。ただ、自分の意見をはっきり言えるだけの力は養っておいてほしい。ぼくはみなさんに、何も考えず、意見も持たず、行動もせず、ただなんとなく生きていくという人間にはなってほしくありません。自分の意見をはっきり言えるように、世の中の動きを理解するための基礎力も、いまのうちからぜひ身につけておいてほしいのです。

・大切なのは、自分から第一歩を踏みだすことだと思います。そして、その瞬間にいちばん重要だと思えることに、全力でぶつかってみることです。

感想
 人は好きなことには頑張れるということです。
親の希望と子どものやりたいことは違うということです。
同じだと良いのですが、だいたい違います。

 自分がやりたいこと、やりたいことでなくても、頑張れること、頑張ろうと思うことをやることなのでしょう。
 15歳頃は本からもいろいろなことを知って、自分のやりたいことを見つけてほしいとの思いからこの本を書かれたようです。
 
 そのためには基礎力を身に付ける、そのためにも本を読むことが世界を知ることにもなるのでしょう。

 分からないことを一生懸命考える。考えていると何か思いつきます。そしてそれをやってみる。うまく行かない。また考える。それを考えていると、益川さんはお風呂から上がった時にアイデアが浮かんだのです。

 ケクレがベンゼン環を思いついたのは夢がヒントだと言われています。
構造が分からなくてずーっと考えていたので、夢に出てきたのでしょう。

 ミッドウェー海戦で日本が負けたのは、暗号を読まれていたことと、米国がレーダーを開発していたため、日本の飛行隊の位置を知られてしまっていたことと言われています。
 このレーダーは実は日本人が発明した”八木アンテナ”を活用した結果なのです。
米国で八木アンテナを使って研究していた時に、電波が乱れることに気づきました。いろいろ調べたら、近くを車が通ると電波が乱れたのです。それでレーダーの開発をしたのです。
 日本でも技術者が八木アンテナを使ってレーダーに使えると上に研究をさせて欲しいと願いましたが、上が拒否したのです。技術を理解できない上司だと厳しいですね。
 本田宗一郎が来るものエンジンを空冷式に拘ったそうです。
技術者がいくらいっても本田宗一郎は「空冷式が水冷式より良い」と信じていたので認めませんでした。
 技術者はそれではホンダの未来はないと思い、副社長の藤沢武夫に直談判(本田宗一郎を説得してくれ)しました。
 藤沢武夫は技術のことは分からないが、技術者の熱意を信じて本田宗一郎を説得しました。「社長としてやるのか、技術者としてやるのか?」と。
そして本田宗一郎が優秀なのは「もう自分が技術をやれる時代ではない」と悟り、社長も辞めると言い出し、藤沢武夫に社長をお願いしました。
 技術は本田、それ以外の経営は藤沢がやっていました。藤沢なくして今のホンダはありません。
 藤沢は「あなたが辞めるなら私も辞める」と言って、若い世代に任せたのです。
つまり自分の限界も知っていたのです。

 ただ基礎力を身に付けても自分の限界を知らないと判断を誤る場合があります。
日清・日露戦争で兵士が脚気で多く亡くなりました。しかしそれが陸軍の兵士で海軍の兵士はほとんど脚気で亡くなっていません。
 それは海軍の軍医は疫学調査で脚気は食事が影響しているとの結果から、白米から玄米を混ぜたのです。しかし、ドイツで細菌学を学んできた森鴎外は「脚気は細菌」との考えに拘り、多くの兵士を死亡させてしまいました。

 それにしても、この先生に学びたいと思ってその先生がいる大学を選ぶ。
その大学に入るために、必死に勉強する。
 人はやりたいことなら頑張れるのでしょう。
やりたいことを出来ない時は、今の仕事の価値を見出し、やりがいを少しでも持てるようにすることなのでしょう。
益川氏の人生は本をたくさん読んだことでやりたいことも見つけられたと思います。

 私はダメ、できないと思うことより、とりあえず出来ることを一歩勇気を出して踏みだすことなのでしょう。踏みだせが何かが変わるのです。
 「山上の垂訓」の中の「門を叩け、さらば開かれん」の言葉が好きです。
門を叩かず、門の前でいくら待っていても門は開きません。
叩いてみると開く可能性が出てくるのだとの教えだと思います。

私のHPでは「祈る(考える)」ことの大切さを書いています。
医薬品の品質保証を行うには
祈る精神(Spiritual5S) がとても重要だということに、30年品質管理/品質保証に携わって来て気付きました。
1.自分ができることは行い、できないことを絶えず祈る。
2,祈り続けるとアイデアが浮かび、できる場合がある。
3.祈ることは、それを何とか解決したい心の叫びである。
祈るのは人の意思です。人が品質を創ります。そのために人の質を高めることが大切です。
人の質を高めること、人の気持ちを大切にすることで品質を向上させるヒントを紹介します。

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