幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「神田橋條治スクールカウンセラーへの助言100」かしまえりこ編著 ”新たな視点に気付きました”

2024-08-14 03:01:33 | 本の紹介
 (S)は著者、ないのは神田橋先生
・喃語(なんご)とは、乳児が発する意味のない声。赤ちゃん言葉とも言う。
 頭のいいアスペルガー障害の人が突然、おとなのことばを思えるのは、英会話とおなじで、いろいろな文章の遣い回しについて、イディオムをたくさん頭にいれて、使うようになっていくの。これは、この人が小さいときから必死になって築き上げてきた「日本語会話術」なんだ。

・中井久夫先生は「医者が治せる患者は少ない。しかし看護できない患者はいない。息を引き取るまで、看護だけはできるのだ」と述べている(「看護のための精神医学」中井久夫・山口直彦著)。
 スクールカウンセラーとして長く仕事をしていると、成人した元クライエントと偶然、出会うことがある。こちらに内心、「何も役に立てなかった」と悔いの残るケースの子どもが立派な社会人になって、懐かし気に話しかけるてくれると、「ああでもない、こうでもない」と嘆きながら、ともに過ごした時間も意味もあったのかと救われる。彼らから、カウンセリングについての思いがけない評価を聞くこともある。
 クライエントとともに生きしのいだプロセスは、スクールカウンセラーにとってもひとつの体験であり、ひとつの知恵として蓄積される宝だと思う。(S)

・クライエントが相談内容として最初に語ったことばの真意を理解できるようになるまで、あれこれと応答を工夫するのが、カウンセラーの重要な仕事のひとつである。そうやって真意を理解できたとき、スクールカウンセラーの内側に安堵が生じると同時に、クライエントの表情が確かになるのを感じる。(S)

・オウム返し
おもしろいよ。ちょっとずれているのは、ゆさぶりの効果があるんだ。
 ロジャリアンの「オウム返し」っていう技法があるじゃない? オウム返しの応答は必ず、ちょっとずれるの。オウム返しに一生懸命に努めれば、こちらのキャッチしたものが無効に返っていって、それが向こうが言ったことと少ぉーしだけ、ずれる。そのずれば、揺さぶりの効果となるの。・・・ちょっとずれているがゆえに動きを生み出すという効果でないかという論を、何かの原稿にちょった書いたよ。

・スクールカウンセラーとして、応答にいっそうの工夫が求められるのは、事態への理解、考え方についての自己開示だと思う。いじめの認識や保護者対応の在り方などについて、保護者や教師から、スクールカウンセラーとしての見解を求められることは多い。(S)

・人間という動物の不幸は、こころとからだが離れていることなの。こころは迷うけれども、からだはそう迷わない。だから、その人のからだが欲していることが何であるかを見つけて、その機会を提供することから始めるのが、人をサポートするときのコツです。

・「知りたい」という欲求が本人に出てきて、そして自分なりに調べていくことが良いだろうと思うの。
 そしてカウンセリングは、できるだけ行動教唆的でないようにするといいの。「お母さんに訊いてみたら?」と言うのは行動教唆的だ。
 じゃ、どうするか。「知りたいという気持ちがあるの? それはいつごろからあるの?」と訊くといい。・・・
 だから、重大だと思える話ほどhere and nowで、できるだけ今に近いところから、だんだん、だんだん訊いていくといいです。

・すぐには筋肉行動に結びつかないような助言、は全部ダメなの。

・逆転移を認知して、把握して、明確化していく方法として、フォーカシングの技法を身につけてください。逆転移はフォーカシングの技法を使うないと、理論のほうに入ってしまって、ダメです。フェルトセンスが間に入らないと、逆転移の認知は頭でっかちになってしまいます。
 逆転移はフォーカシングで認知できれば、起こっていることがただありのままに見えている、というだけのことに変わります。

・フォールス・セルフ
 この子が防衛として、あるいはヴィニコットふうに言えば、フォールス・セルフとして築き上げてきた「とりあえず外づらを取り繕う」ということ。「自分はこう思っているけど」とか言いながらも、行動には移さないでいること。それが、この子の激情をからくるアクティング・アウト、を防止する枠の役割をしているわけです。

・西園昌久先生に教わったことがあるんです。
「こんなことを言わなくても、本人はもうちゃんと知っているだろう」と思うようなことを言うのが、正しい解釈で、洞察を生むんです。
 「もう知っているはずだ」と思って言うと、そこで患者が初めて、「あ、そうですね」とか言って喜ぶ。それは、もう知っているんだけど、知っているのは前意識で、意識はまだ知っていないんです。

・スクールカウンセラーとして、わたしもいじめの相談に応じてきた。最初はどう対応してよいのかと途方に暮れるが、何度も話を聴くうちに、解消の方策が見えてくることがあった。あるいは、被害を受けている本人がいつの間にか上手に対応できるようになって、いじめが解消するということもあった。(S)

・いつも「クライエント・センタードが理想形なんだ」と思ってカウンセリングしてください。

・難しいケースほどhere and now、つまりセラピストとの関係を話題にするの。・・・
「難しい」は病気の重要度ではないの。こちらがサービスする手がないから、手の打ちようがないから。難しいケース。

・なぜ死んだらいけないのですか?
「あなたがこの問いに到達したことが、とても大事なことだと思う。生きる意味、自殺あるいは人を殺してはいけないという意味について、私も勉強するチャンスがあるといいなと思っていたから。一緒に勉強して、その答えを見つけよう。あなたにも、私にも、このテーマはとても大事。私も答えを見つけていないから、一緒に見つけよう」と言う。
 そうすると、その関わりが、この子の人生の中で欠けていた「確かな関係の場に身を置く」体験の代理物として、遅まきながら役に立つ。

・患者に「役立たず」とか、「要らない」とか言われたような、とても寂しいと言うかな、見捨てられ体験みたいなのが面接中に起こってきたときが、患者が自殺の方向にこころが動いたときだと分かるようになりました。

・自死の予兆として、神田橋先生から「なんだかすっきりした感じがしたときが危ない」と聞いたことがある。・・・
自死を決意したときには、こころの中で「人とのつながり」の清算が行われるのかもしれない。それが、手を届かない感じであり、見捨てられた感じであり、すっきりした感じなのかと思う。(S)

・行動の示唆
心療内科の先生が「学校に行きたくないならいかなくてもいい」と言ったのね。それじゃ非常に粗雑なんだ。・・・
 「学校に行きたくないなら、行かなくていい」と言うのは、「死にたいです」と本人が言ったときに、「死に長ければ、死んだほうがいいよ」と答えるのとまったく同じレベルです。
 ボクだったら、「死んだら、その後どうなるかが、死んだ当人には分かるのかもしれないけど、分かるようになったその人はもうこの世にいないから、教えてくれない。ここが、どうにも困るんだな」と言ったりする。それで「ちょっと死んでみる」というのを考えたの。「私は死んだ」とか言って、ちょっと死んでみる。それを教えて、「死んだつもりになると、どういうふうに世の中が変わって感じられるかな。分かる?」とか訊くの。・・・
 こういうのを考えたのは、家庭内暴力で、家のガラスを割る人たちがいる。それで「この次、ガラスを割るときに、割る前と、割った後で、気分がどういうふうに変わるか、よく見ておきなさい」と言ったら、割らなくなった。

・行動の相談
 行動についての相談をされた場合は、原則として、今までにそれに類した行いの経験があれば「そのとき、あなたはどうしたの?」って訊くの。
 一度やったことを多少モディファイして使えば、使いやすい。まったく新しいことをこっちが指示するよりは、本人の経験が膨らんでいくように、「今まで喧嘩なんかしたときには、ああんた、どうしてたの?」と訊いて、その延長上に、少し進歩したやり方を学習していく。

・その後、頸動脈に達しかねないネックカットをして、精神科病棟に入院することとなった。主治医になった若い医師は、赤い線を見つけたときには、親身になって話を聴くようにし、実際に切ったしまったときには話を聴かずに、丁寧に傷の手当てをするにとどめたところ、次第に切る行為は消失していった。話を聴くことをトークン(ご褒美)とした一緒の行動療法だったと言えるだろう。行動についての相談には行動療法が効く。

・いじめ
 突出している子どたちにいちばん共通しているのは、孤独だよね。その孤独を癒すには、いじめが役に立つんです。いじめは積極的関わりだからね。
 孤独な子どもたちは、いじめという方法を身につければ、孤独感から非常に解放されるんだよ。だから、いじめは止まらなくなる。

・スクリーンメモリー
 精神分析の用語の中で、精神分析をやらない人でも覚えておくといいのに「スクリーンメモリー」というのがあるんだよね。「スクリーンメモリー」っていうのは、あることを隠蔽するために、別のことを告白することなのね。スクリーンがカバーするわけです。

・リストカットという人目を引き付ける行為があって、その理由として語られる思いのさらに奥に、彼らの真情が隠されている。(S)

・共依存
 ボクは、たくさんのアルコール依存症の人を、「酒好き」にすることによって治している。「酒好き」にすつと飲む量がうんと減るからね。

・ボーダーラインの精神病理は、今や愛着障害と発達障害の中に吸収されてしまっている。ボーダーラインは「早期対象関係の障害」とか言われていたけれど、つまるところ愛着障害なの。

・わたしはある犯罪で逮捕された、優秀な教師が勤務していた学校に、緊急支援スクールカウンセラーとして入った経験があるが、その教師がよく面倒をみていた不登校傾向の男児が、「僕が先生にたくさん迷惑かえたから、それがストレスになって、先生はあんなことをしてしまった」と泣きじゃくりながら訴えるのに出会った。他の教師が、「あの先生はストレスが多くて、大変だったから、あんなことをしたのよ」と話すのを聞いたことが男児の訴えのきっかけだった。(S)

・心理テストの施主
 心理テストは、本人が自分のことを数量化した形で知りたいと思ったときに、本人にはテストの技術がないから、臨床心理士が本人から下請けして、テストをするというのが原則なの。

・特別支援学級で学ぶには、教育委員会の承認が必要であり、その参考資料としてWISCなどのデータが求められる。(S)

・得意と不得意 
ボクは、障害を持つ子どもに対して、得意なところをどんどん伸ばしていく方針と、苦手なところを少しでも穴埋めしていけば、社会生活がしやすくなるだろうという方針と、どっちがいいのかなぁと、ずっと悩んできたの。で、やっぱり得意なところを伸ばすやり方のほうがいいち思うようになったんだよね。・・・
ボクが家庭教師をやっていたときは、いちばんよくできる教科だけを勉強させたの。できない教科はさせない。でも、勉強させなかった教科も成績が上がってくるの。そうすると学校に行くのが楽しくなって、他の教科ももっとできるようになる。ボクは家庭教師の名人だったんだ。

・発達障害のある人たちが、今、示している状態は、生まれつきの障害プラス挫折体験による自尊心の極端な低下なんです。ふたつが合わさっているんです。
 その状態の人へのいちばん良い精神療法は、発達障害について説明してあげることなの。それだけ。「こういう状況で、これができないでしょ? これが苦手でしょ?」と説明してあげると、いままでのいろいろな失敗が、「ああ、それでできなかったんだな」と。「そこがわからなかったんだな」と理解できるので、低下していた自尊心がスーッと上がるんだよね。

・文字会話
 これは覚えておいてください。
 あまりはっきりした症状が出ていない統合失調症の人は、話をするとわりに話が通じるんです。ところが文章を書かせると、文章の論理性とか、話の持っていき方の滅裂が目立つんです。
 ところが発達障害の人は、対話をしているとちんぷんかんぷんで、ピントがずれたりするのに、文章を書かせると、きちっとまとまった文章が書けるんです。したがってツイッターとかに、発達障害の人がたくさんはまっているわけです。

・卵焼き
ボクがつくった発達障害を見つけるためのお話を教えます。

その子は卵焼きが大好きでした。お母さんが久しぶりに卵焼きをつくってあげたら、そこはおいしそうに食べていました。
お母さんがうれしくなって「今日の卵焼きはよくできたのよ。美味しいでしょう」と話しかけたら、その子がお母さんを殴りました。
それがどうしてだか、分かりますか?

そう聞くと、発達障害がある人の1/3はすぐに「分かります」って言います。2/3の人は、説明すると、「そうなんです。分かります」と非常に喜びます。
そして発達障害のない人は「へーっ、さっぱり分からん」と言って、「不思議な話があるもんだ」というような反応をします。
分かる人は発達障害があるんです。どうしてだか、分かる人いる?
お母さんが卵焼きをつくってくれて、卵焼きが好きだから、美味しく食べてたのね。そこに、お母さんが「おいしいでよ」って話しかけたから、味わうことが妨げられたんです。話のほうに注意を向けるものだから、食べる作業が無味乾燥なものになってしまった、せっかくおいしく食べているのをお母さんが、わざわざ邪魔をしたんだ。

・化学薬品過敏症
 ボクが向精神薬を使いたくないのには、ふたつの理由があります。
 ひとつは、発達障害の子どもたちは発達して行きつつあるわけですから、向精神薬はそれを送らせるような気がするんでうね。確証はないけど、学習訓練が身についていくことを遅らせるような気がする。
 例えばリスペリドン(リスパダール)が発達障害の子どもの易刺激性に効くというので、よく使われますが、リスぺリトンが脳を育てるということは絶対にない。リスペリドンの薬効は、脳内の伝導物質の抑制だからね。抑制するものは、いくらか成長の妨げになるだおろうと思います。必要悪だよね。
 不必要悪だったらもっと困るだから、ときどき「不必要悪じゃないか?」と思って、薬を止めたり、へらしたりしなきゃといのがひとつ。
 もうひとつは、発達障害の人にはしばしば化学薬品過敏症があります。化学薬品緒一種である向精神薬に異常な反応を起こしてめちゃくくちゃ悪くなることがある。そういうことで、発達障害の子ども達にはクスリはできるだけ使いたくないの。
 ボクは漢方薬や気功、アプリメントなんかを使います。お薦めするのは春ウコン。春ウコンはどうも小脳の興奮をおさめるようです。飲み始めて1かげつくらい経つと、「こだわりの迫力が減った」「気楽になった」という患者さんが多いです。その後、『Nature Made』という健康食品シリーズのビタミンB6とマルチビタミンミネラルの併用が、患者さんの様子を見ていると、脳の発育を助けるように思うので勧めています。

・双極性障害のほぼ50%は炭酸リチウムが効くので、勉強していない精神科医は炭酸リチウムしか出さな。それでだいたい行けるからだけど、どんどん炭酸リチウムを増やしてもうまうこといかないと、甲府やん役がどんどん増えていく。
 残りのうちの30%くらいが、バルプロ酸ナトリウム(デパゲン、バレリンなど)が効くんです。バルプロ酸ナトリウムが効く人は、重症神経症のような状態になることが多くて、ほとんどが「境界性パーソナリティ障害」や「愛情不安定型パーソナリティ障害」というような診断をつけられて、むちゃくちゃになって自殺したりする人もいます。
 そして残りの20%の約半分、10%がカルバマゼピン(テグレトール)、その残りの10%のうちの半分がクロナゼパム(リボトリール、タンドセン)です。そして最後の、つまり5%がラオトリギン(ラミクタール)です。この割合はあくまでもボクの個人的結論です。同じ消極性障害でも薬が違うと全然効かないの。

・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
 家族の病気やいろいろ困難で家の中がぐちゃぐちゃになって、その世話をして疲れている人には、ほとんど例外なく漢方の「柴胡桂枝乾姜湯」が効きますから、覚えておくといいですね。
柴胡桂枝乾姜湯は更年期障害に使われる漢方なんです。

・予め失われた人生
 そのときに自分で良いこととは思わなかったけれど、だれかが言ったから選んだ、その後悔は、たちの悪い後悔になるんだ。自分はああしたかったのに、したいほうを選ばないで、人から言われたほうを選んでやってきた場合は、自分を振り返ったときに良くない後悔になる。・・・
 それを引きずって、うつ病になっている人はいっぱいいます。・・・
 病気の治療の精神療法じゃなくて、ボクに言わせたら人間学的精神療法だ。「魂の精神療法」と言ってもいいかもしれない。
 人生の中に、「失われた人生」という思いがあるのは魂のレベルで良くない。みなさん自身もあったら、取り返すことを何か少しでもやってみたらいいい。ものすごくちいさいことでいいんです。

感想
 神田橋先生の発想は新鮮です。
患者さんの良くなる人が多いと言われています。
 子どもへの対応ですが、自分自身を振り返ったときになるほどと思うことがおおくありました。
 それにしても人の心理は奥が深く、バラエティに富んでいるように思いました。
そして言葉の力も大きいなと思います。
 薬も医者任せにせずに、自分が管理することなのでしょう。そして疑問があればそれを先生に尋ねてみることですね。もし、怒る先生だったら、医者を変えた方が良いかもしれません。
 なによりもいろいろ学ぶことが自分にとってもより良い生き方ができるように思いました。


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