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幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

『ストーカー 「普通の人」がなぜ豹変するのか』小早川明子著 ”恋愛する前に読んでおきたい”

2025-04-11 08:16:16 | 本の紹介
・警察庁の統計資料によると、2016年ストーカー事案の相談等件数は22,737件に上りました。

逗子事件 執行猶予中の加害者に命を奪われた事件(2012年11月)。
市川事件(2013年11月)
三鷹事件(2013年10月)
小金井事件(2016年5月)

・ツイッターやフェイスブックなど、不特定多数向けのツールなのに、相手が一対一の関係を求めてきたときは、「そういう内容のお約束はできないんですよ」「期待しないでください」「返信を欲しがるようならフォローしないでいいですよ」と、最初の段階で断わらなければないません。相手が一歩踏み出したタイミングが、ストーカーになる芽を摘み、“過関心”の火を消す、最初の好機なのです。

・物をもらうというのは基本的に危険なことなので、「ありがたいことですけれども、受けとらないようにしているんです。ごめんなさい」と断るべきですが、ストーカーもそうした気配を察知して、断れないような渡し方をしてきます。そんな場合には、代理人を介して返し、連絡をとるのも代理人にスイッチします。

・「犯人は何ひとつ傷ついていないのに、私だけが身体にも心にもこんなに多くの傷を負って、これから先も痛みに耐えて生きていかなければならないと思うと、悔しいし、許せません」
被害者は裁判で訴えました。

・「ストーキング・リスク・プロファイル(SRP)」
 「SRP」におけるストーカー類型の概要 
ストーカー 類型   ストーキングの背景や特徴 
拒絶型 (Rejected) 
 拒絶型のストーキングは、親密な関係の崩壊を背景に発生する。通常、被害者は、かつて性的に親密な関係にあった者であるが、家族、親友及びストーカーと非常に近い関係にあった者もまた拒絶型のストーキングの標的になりうる。拒絶型のストーカーの当初動機は、関係を再構築しようとするか、被害者が拒絶したことに対して復讐をしようとするかのいずれかである。多くの場合において、拒絶型のストーカーは、被害者に対する明確な怒りを示し、復讐を望んだかと思えば、関係を取り戻そうとし、被害者に対する相反する感情を示す。ストーカーが被害者の近くにいると感じることを持続することによって過去の関係の代わりになる場合や、ストーキング行為によってストーカー行為者の傷ついた自尊心が救済され、自分自身についてよりよく感じられる場合は、ストーキング行為は持続される。 
憎悪型 (Resentful) 
 憎悪型のストーキングは、自分が酷い扱いを受けている、あるいは何らかの不正の被害者であったり屈辱を受けていると感じることで発生する。被害者は酷い扱いをしたとみなされた見知らぬ人か知人である。犯人が被害者に対して誇大妄想的に考えを広げ、被害者に対する「復讐の」方法としてストーキングを行う場合、重度の精神疾患が原因となっていることがある。ストーキングの初期動機は、復讐または「仕返し」への欲求であり、被害者の恐怖心から誘発される支配感と征服感とによって持続される。しばしば憎悪型のストーカーは、自身を迫害する個人又は組織に対する反撃としてのストーキングを正当化するため、自身が被害者であるかのように振る舞う。 
親しくなりたい型 (Intimacy Seeker) 
 親しくなりたい型のストーキングは、孤独感及び相談できる親しい相手の不在により発生する。通常、被害者は、ストーカーが関係性の構築を求める対象となる見知らぬ人か知人である。親しくなりたい型のストーカーの行為は、しばしば被害者に対する妄想観念(実際には被害者との間には何も無いにもかかわらず、既に被害者との間に関係があるというような考え(恋愛妄想))を含む重篤な精神疾患によって助長される。当初動機は恋愛感情と親密な関係を構築することである。ストーカーが他者と親密に繋がっているのだという確信からもたらされる満足感により、ストーキングは持続される。 
相手にされない求愛型 (Incompetent Suitor) 
 相手にされない求愛型のストーキングは、孤独感又は性欲を背景として発生し、見知らぬ人か知人を対象とする。しかしながら、親しくなりたい型とは異なり、その初期動機は恋愛関係の構築ではなく、相手と会うか、一時的な性的関係を得ることにある。相手にされない求愛型のストーキングは通常短期間であるが、その行為に固執する場合は通常、ストーカーが無分別であるか、被害者の苦痛に無関心であることで、ストーキングは持続される。このようなストーカーの無感覚は、自閉スペクトラム症や知的障害に起因する認知限界や社会的スキルの欠如に関係することが多い。 
略奪型 (Predatory) 
 略奪型のストーキングは、常軌を逸した性癖と興味を背景として発生する。通常、犯人は男性であり、被害者はストーカーが性的興味を抱いた見知らぬ女性である。ストーキング行為の多くは、性的な満足を獲得する手段(例:長期にわたる窃視)として始まるが、性的暴行の前兆として被害者に関する情報を獲得する手段としても使われる。この意味で、ストーキングは、普段用心をしていない被害者を対象として得られる支配感と征服感とを楽しむ手段であり、満足感でもある。 

・ストーキングの定義
「正当な理由なく故意に悪意を持って繰り返し相手をつけ回し、待ち伏せや監視などによって意思を伝達しようとすることで、相手に不安や恐怖を与える行為」

・ストーカーは犯罪性と疾患性の二つの側面を持っているといえます。警察庁の報告では、警告を受けた加害者のうち一割はストーキングをやめないとあります。こうしたストーカーに対しては取り締まるだけでは不十分で、臨床的アプローチが必要です。

・ストーキング行為の被害の程度
①刑事事件レベル
②不法行為レベル
③マナー違反レベル

・ストーカーの心理レベルでの危険度と対応
①ポイズン:脅迫・暴力・住居侵入・名誉棄損 / ただちに避難や隔離が必要。
②デインジャー:批判・攻撃的な文句・待ち伏せ /  危険度が高いので第三者の介入が必要
③リスク:別れても「やり直したい」など / 危険になる可能性。ここで放置しておいてはダメ


・交際開始時に次の三点をお互いに確認し合うことを勧めたいと思います。
①ポジショニング(お互いはお互いにとってどういう存在であり、立場なのか=恋人、セックスフレンド、ファン、師匠、親代わり、ビジネスパートナー)
②コミットメント(それぞれ、どういうことを最も大切にして生きているか=仕事、家庭、音楽、二人だけでいる時間など)
③リミット(これをしたら終わりだという嫌なことは何か=暴力、携帯の盗み見、親の悪口など)

・交際中に心がけて欲しいこと
①交際中は金品の貸し借りをしない。
②どんなことでも約束しない。
③避妊する(コンドームをしなかったから性病をうつされたという言い分でつきまとわれることがあります)
④過去の異性関係は言わない、問わない。
⑤人の悪口は言わない。
⑥リベンジポルノを防ぐために、そういう写真や動画を撮らせない。

・別れたくなったときは無計画に一気に拒絶するのではなく、次のことに努力してください。
①会う回数を減らしていく。
②電話は避けて連絡はメールかLINEだけにする(やりとりは後に第三者が読むことを前提に、読まれても大丈夫なことだけを各こと。間違っても脅したり、暴言を吐いたりしないことです)。
③ニックネームで呼ぶのはやめて名字にする。あるいは敬語にする。
④「別れたい」と伝えたのちは、「最後に一度会いたい」と言われても決して会わない。
⑤相手の話を聞くための代理を立てる。
⑥相手の所有物はどんなにゴミのようなものでも捨てないこと(ぼろぼろの靴を捨てたら親の形見だったと言われたりすることもあります)。
⑦いざというときに逃げる場所を確保しておく。
⑧家族、学校、職場に相談できるようにする。

・クラブのナンバーワン・ホステスと話をしたことがあるのですが、印象的だったのは、お客さまには、一緒にいるときは恋人であるかのように接し、ものすごく優しくする、でもときどき釘を刺すという話です。「これは恋愛じゃないけど大丈夫?」と言うらしいのです。長い期間お客として通ってくれる人ほど危ないので、半年以上経ったら、自分と相手の関係性を、相手に明確に言葉で言わせることが大切だそうです。

・私はストーキングのカウンセラーとして19年間にわたり、1500件以上の相談を受け、500人以上のストーカーと対面してきました。

・加害者の代表的な特徴は三つです。
①かっこたる心理的動機があり、自分の正当性を妄想的に信じこむ。
②・相手を一方的に追い詰め、苦しめていることを自覚しながらも相手に好意を持たれたいという望みを抱く(ただし、そうでないタイプのストーカーもいることは戦術した通りです)。
③②の望みが絶たれたとき、心のバランスは憎しみに反転し、じさつまたは相手を殺害することもある。

・どうしても警察の介入に不安があるときは、具体的に何を不安に感じているのかを警察に伝え、できれば自治体のDV・ストーカー被害者支援の相談員や福祉関係の方にも来てもらうなどしてください。

・失敗から始まった
拒絶型のストーカーの「謝罪したい」は、「私を許して元に戻って」という無意識の願望から出る言葉だと肝に銘じました。以後は、被害者に謝罪したいと加害者に言われたら、私を通じて伝えて終わりにしています。

・一番最初は丁寧に誠意をこめて返事をします。ニ、三回目から量を減らしますが、核となる回答の内容は同じものです。
①メール受けました。
②相手にあなたの意見(質問)を伝えましたが、あなたの思い通りにならないようです。相手はあなたに特に何かを伝えたいと言う様子はないけれど、ただちにストーカー行為をやえて、あなたが通常の生活を送ればいいと思っているようです。
③私は(小早川)はあんたが苦しいのはわかりますが、相手を責めていても無駄に人生を過ごすことになるのを知っています。
④苦しさを解決するために、カウンセリングや治療を受けるべきだと思います。
⑤カウンセリングや治療を受ける気になったら、教えてください。

・500人以上のストーカーと対峙してきていえるのは、本当は「ストーカーは何も考えていない」ということです。多弁なストーカーもいますし、自分では論理的なことをいっていると思い込んでいるストーカーもいますが、私にいわせれば、無意識の欲求に突き動かされているだけです。聖書にある「しかし、あなた方が心の中に苦々しいのはねたみや闘争心を抱いているなら、心理に逆らって自慢したり偽ったりしてはなりません。それは上から下る知恵ではなく、地的、動物的、悪霊的なものです」(「ヤコブの手紙」3章14節、15節)

・ストーカーに伝える三つの鉄則
①相手は自分(ストーカー)を嫌う自由がある。
②自分の感情は自分で100%処理する。
③違法行為は行わない。

・法改正で残念だったのは、「恋愛感情その他の好意の感情」が加害者になければ規制対象にならないという大前提が変わらなかったことです。

・私の経験から見た危険度別の特徴
①「ポイゾン」 元気がない、食欲がない、体重が大きく変化する、土ごとができない、親との諍いがある、友人と断絶している、来月の予定が言えない、過去の楽しい話ができない、信頼する人は誰かと聞いても「いない」と返事する、被害者についての話題では「好き」とは決して言わない、「殺す」と平気でいたり書いたりする、「夢の中でも相手が出てくる」と発言する、「一日の時間の中でどの程度相手のことを考えているか」との質問胃「七割以上」と答える、「相手がここにいるとイメージすると、どんな気分になるか」との質問に目つきが変化したり、手がお互至里、息遣いや言葉が乱れたりする。
②「ディンジャー」 元気である、自らのプライドを傷つけまいとと頑張る、仕事を守ろうとする、怒りっぽい、言い分が山ほどある、警察おw試そうとする質問をする、好意を否認する態度をとる。
④「リスク」 元気がない、近親者に連絡されるとkとおを嫌う、丁寧な態度をとることもある。

「条件反射制御法」下総精神医療センター平井慎二医師

・今日まで、私の関与により入院したストーカー加害者は15人以上いあmすが、退院後の「維持作業(条件反射制御法の第四ステージ)を怠った一人を除いて全員が治っています。欲求が提言すれば思考は適正化されるので、仕事もできるようになります。入院時は無色であった彼らが1人を除いて全員が就労、就学したということも治ったことの現れです。
 下総精神医療センターで治療を受けたのは、ポイゾンのストーカーたちでした。被害者に暴力を加えた人、事前に犯行を察知され脅迫罪で逮捕された人、警告を受けたら殺意が生まれたと駆けこんできた人、復習屋に放火殺人を依頼した人たちです。

・平井医師から
 ヒトの脳には二つの中枢があり、一つは、「防御」「摂食」「「生殖」という生命を保ち次世代を創るための本能行動と適応行動を司る中枢で、これはパブロフは第一信号系と呼びました。動作、自律神経、気分などの生きることをつかさどる中枢です。もう一つは第二信号系と呼ばれる中枢で、「思考」の場となります。
 ヒトは本能を満たす行動をとった結果、生理的報酬(安らぎ、満腹感、快感とは異なるが、それらと同時に生じることが多い)を得、これを獲得すると、その前の神経活動を定着させるために、繰り返し行動(第一信号系の反射連鎖で成立する行動)が成立するとのことです。
第一信号系の反射連鎖が第二信号系の作動である思考を超えて角に働くとき、次のような社会的逸脱行動となる。
 過度な「防御」反応は、放火、PTSD、パニック、反応性抑うつ、自傷行為として現れます。過度な「摂食」反応は、病的窃盗、過食として現れます。過度な「生殖」反応は、露出、痴漢、強姦として現れます。
 適応行動が過度に作動するものは、わかりやすいところでは、酒、覚醒剤、ニコチンなどの「物質摂取」です。薬理作用によって、本能行動を満たしたときとおなじように生理的報酬が生じるのだそうです。
 一方、「思考」もまた、生理的報酬を着くrことができるとのことです。それが「目標設定と達成」です。人は目標を達成したとき達成感を獲得し、この作用が生理的報酬を創るのだそうです。例えば、何かを頑張ってやり遂げたときは最後に報酬が生じて、その行動が反復されやすく、つまり頑張り屋さんは次もがんばることになります。
 平井医師は、男女間のストキングは、生殖と言う本能行動を促進する反復連鎖が基盤にあると言います。

・条件反射制御法の治療では大きくいって、次の四つのことをします。
①抑えきれない行動を止める刺激(「制御刺激」)を意図的につくります。
②治療対象となる行動を促進する神経の反射連鎖を弱める作業をします。
③朝起きたときから治療対象の行動までのプロセスを閉眼して詳細に思い出させます。
④第一~第三ステージで行った作業を、回数を減らして、一生、あるいは少なくとも駿遠以上つづけます。

・条件反射制御法では原則13週間の入院を必要とします。カウンセリングを違って無意識に働きかける脳訓練です。

・入院生活は治療のために必要なものである以上に、人生を生きる上での意味深いものだおt、入院している人たちを見て私は思います。入院生活の長所についていくつか伝えたいと思います。
①ルールに従うことを学べる
②余分なものを捨てることができる
③時間の管理ができるようになる
④外の世界が病院になる


感想
 恋愛する前に、付き合う前に、この本を読んで、少しでもストーカーの要素を持っている相手とは付き合わないのが、身を守ることのように思いました。
 そしてストカーに遭ったら然るべきところに相談することですね。

 「条件反射制御法」知りませんでした。
人間の身体、本能の機能と「考える」機能(理性かも)の二つがあり、本能の機能を理性が抑えることが出来なくなり、本能の機能に自分がコントロールされていても、気付かないようです。
 これは病気だと認識した方が良いように思いました。

 本を読むことで知らない世界の扉を開けてくれているように感じています。

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