幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「売る男、買う女」酒井あゆみ著 ”生きるために、悩みながら、背景には貧困が”

2022-08-29 19:48:58 | 本の紹介
・私は売る女だった。
 あるとき、売る男の存在を知った。
 売る場所は大まかに二つに分かれる。昔からある「ウリセンバー」と、最近出現した「出張ホスト」だ。
 ウリセンとは「売り専門」の略。新宿二丁目界隈に点在し、元来はゲイの男性客がメインで、指名されたボーイ(店員)はセックスの相手もする。店に入ると、カウンターの後ろに座っていたボーイたちが一斉にズラリと並び、客の指名を待つ。その光景は、一見さんには強烈だ。店外デートは二時間で二万円弱が相場になっている。(2006年4月30日発行)
 しかし風営法改正に伴い、こうした店舗型営業への締め付けが厳しくなった。店を持たないゲイ相手の出張型風俗画台頭し、安さも好評で激増した。店を構えない分、コストを抑えられる。一方、就職難から水商売・風俗に勤める若者が増え、既存のホストクラブでの仕事に馴染めなくなった男性たちも二丁目に流れ、自らを「売り」に来るようになった。ウリセン店も出張型に対抗すべく、ボーイを厳選。結果、女性にもウケるイケメン揃いになった。
 ウリセンバーは、むしろ出張型にゲイの男性客を取られたことによって、女性にもそのターゲットを広げたと言っていい。元々は、遊び慣れた四十代以上のセレブか、風俗嬢くらいにしかその存在を知られていなかったが、最近、OLや主婦ら三十代を軸に普通の女性客の姿が目立ち始めた。店舗の地道なPR努力に加え、飯島愛が自著『プラトニック・セックス』でウリセンの存在を知らしめたことも大きい。
 もうひとつ、売る男の仕事である出張ホストのほうは、店(ハコ)を持たない出張型風俗である。「彼氏代行」とも呼ばれ、大半は女性客が相手。ごく普通のデートコースをたどる場合も多い。ウリセンとは違って店がなく、普及したインターネットや口コミで客を集めるので、女性は店に行く必要がない。メールのやりとりで男を選び、秘密裏に会える。ネットという匿名同士が知り合う世界が一般に浸透した現代ならではの風俗産業だ。誰に知られることもなく好みの男性と会えるからか、女性客は二十代後半から六十代前後まで、職業もOL、主婦から社長、飲食店主、風俗嬢……と、ウリセンに比べて幅広い。

・ウリセンのボーイは、男性客についた日は、必ずと言っていいほど仕事の後に風俗店に行き、女性を抱くという。身を清めたいという心理らしい。

・「私(著者)、ホスト嫌いなんだよね。じゃべりも面白くないし。なんでそんなに高いお金を払わなくちゃいけないのよ」と言った。
すると彼は口角を片方だけ上げながら、
「そういうお客様が、ホストを一番成長させるんんですよ」と答えた。
私は、この言葉で、澪(ミオ)が看板だけのナンバーワンではなく、本物のナンバーワンではないかと直感した。その場ですぐに取材の依頼をした。

・東京と大阪の違いは?
「客層が違うから一概に言えないけど、東京はやりやすいわ。まず、お客の絶体数が多い。つまり、寂しい子が多いんやなぁ。だからホストはつけこみやすいと思うのだけど。東京にいる子は、精神的に……なんだろう……大阪ってフレンドリーなぶん、街でキャッチはしやすいけど出張ホストはウケない。女の子は街に出れば、キャッチもあるし男からナンパしてもらえるし、寂しくないんでしょうね。でも、東京は逆に街を怖がっている子が多いから、出張系がウケるというのはありますね」

・彼に最近の女性がなぜお金を出してまで男を買うようになったのかを聞いてみた。
「単純な話、自分好みの男性の身元など、店のシステムなりがしっかりしているからじゃないでえうかね。要は、自分がお金を払わない場合ってのは、極端に言えば、ナンパでも出会い系でも、会って車でどこかに連れてかれてボコーンと殴られて、「お前、脱げや」みたいに言われても、しゃーないやないですか。それがないっていう、そこでしょうね。危険性が少ないから。こっちは接客ですから、たとえサイトであっても、ひとつの箱に入った人間なんで、そのサイトにクレーム食らうようなことはできないじゃないですか」
 それでは、彼氏や旦那がいても、出張ホストを呼ぶ女性はどうなのか。
「あまりそういうのは関係ないかもしれない。呼ぶ人はどんな環境に自分が置かれていても呼ぶし、呼ばない人はどんなに欲しくても呼ばないし、その女性次第でしょ」
 女性は彼に何を求めているのだろうか?
「安心でしょうね」即答だった。
 安心とは、どういう安心なのか?
「出張ホストを呼ぶお客さんってホスト素人の方が多いんですよ。箱ホストには怖くて行けないけど、出張は大丈夫、みたいな。そういう人たちだから、オレがすぐにヤラない男だっていう「安心」を持ってくれているんだと思う。女は男のヤリたいという本能を著感的に見抜いちゃうし、ヤレればいいと思ってる男が多いと失望してる女性が意外と多いですね。だって、今の世の中、メル友とか沢山いるのが当たり前じゃないですか。だから、ある程度、度胸のある子は出張ホストを呼ぶよりもメル友と会う方が早いし、安い」

・私は最初、そんなに恵まれたルックスを持つ彼が何故、二丁目のウリセンにいるのかが不思議だった。
「お酒、あんまり飲めないから」
伏し目がちに彼は言った。地元で年齢をごまかしてホストクラブで働いていた時期もあったようだ。それで、自分が水商売には向かないことを知った。
ウリセン店に在籍して、彼はすぐにナンバーわんになった。
とはいえ、彼の指名客の7,8割は男。けれどの女性≒の指名率が3割前後というのはウリセン業界ではトップクラスの数字だ。
「風俗や会社経営者の女の人は9割はホテルに行くかな。OLのお客さんはだいたいがショートで、飲みながら仕事の愚痴を聞いて終わっちゃう(笑)」
彼の女性客の8割は風俗嬢だった。そして、そのほとんどは彼に話を聞いて欲しいだけだったらしい。
 あるソープ嬢は結城をロングで指名して、ホテルに二人で入った。主導権をもつのは常に客なので、彼はその女性の言われるままにしていたが、結局、何もしないで、ただベッドで話をしているうちに夜が明けた。
「二十代前半の、オレと同い年くらだった。一回目のショートの指名の問いから『死にたい、死にたい』って繰り返していて、オレ、うまいこと言えないから、ただ聞いてた。二回目のロングの時も同じ。その人が泣きながら話すのを、ずーっと聞いていただけ。まあ、同業者としての安心感もあるんだろうし、後腐れのない男友達っていう感覚もあるんだと思う。風俗で働く女の人たちは単に仕事の愚痴というよりも、もうちょっと深いことで悩んでいるみたい。自分や家族の将来のこととか、自分って何だろうかとか」

・結城と今、暮している女……。
それは、私のことだ。
私は結城に救われた。
結城と私は、自分のカラダを「売る」という点で、同じ経験を持つ。「売る」ことの喜怒哀楽、特に「怒」と「哀」については共感できるところが多い。

感想
10人の売る男にインタビューした本です。

共通しているのは家庭環境の問題で、大学に行けなかった、風俗に関係ない仕事に就けなかったのが共通しています。
手っ取り早くお金を稼げる手段のようです。

お金は稼げても、ほとんど使ってしまう人がほとんどのようです。

この仕事は長くはできないということで足を洗って、風俗以外の仕事に替わっている人もいました。

こういう社会があること、それは本でしか知ることはできませんが、社会はいろいろな人が頑張って生きているということなのでしょう。

風俗は手っ取り早くお金になるけど、それだストレスが溜まる仕事でもあるようです。
そして寂しくて話を聴いて欲しいと思って、高いお金を払ってでも聴いて欲しいようです。

人類で一番古い職業は売春だそうです。
動物としての本能と人間としてどう生きていくか。
そのためには社会のシステムで、若い人が困窮していても学べるようであって欲しいと思いました。

女性は風俗に流れやすいと言われています。
ニーズがあるからです。
男性は風俗のニーズが少ないため、このような男性対象の風俗になりますがそれもニーズが少ないそうです。
女性対象の風俗できる人は、イケメンとか風貌がある程度よくないと難しいそうです。

男性の場合は、振り込め詐欺の受け子など犯罪に手を染める人も多いそうです。
風俗も犯罪にも入っていけなくて、ホームレスに流れていく人も多いのでしょう。

日本は奨学金制度がありますが、貸与はとても少なく、低利子ローンです。
卒業と同時に約400万円の借金を背負います。
風俗で大学の授業料と生活費を稼いで、卒業と同時に風俗ときっぱり縁を切る人もいます。
しかし、多くは風俗での生活がその後の人生に大きく影響していく人がほとんどのようです。
日本の将来を担う若者を支える社会であって欲しいと願います。

「ルポ若者ホームレス」飯島裕子著/ビッグイシュー基金 ”ホームレスは社会の政治の問題”

「実録日本の貧困女子 年収100万円以下の壮絶人生と性の告白集」 ”日本の未来をさらに暗くする現状”

「年収200万円」に届かない母子世帯の生活困窮 30年以上にわたり貧困率は高水準 ”貧困層に冷たい日本の政治家”

最新の画像もっと見る

コメントを投稿