幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「東大生と語り尽くした6時間 立花隆の最終講義」立花隆著 ”やることが嬉しい楽しいことを選ぶ”

2022-07-09 03:22:22 | 本の紹介
・ゼミ生に「調べて書く、発信する」すべてを本作りの現場で経験させたいというものだった。要するに、取材、執筆、編集まで学生にやらせるということ。

・適度な失敗は大いに歓迎に値するものでしょうが、生涯のトラウマを残すような失敗には出会いたくないものです。そのためにはどうすればいいのか。
ひとつは、ものごとを考えるとき、考え方の基本を誤らないことです。何を考えるときでも、考え方の正しい手順というものがあります。先に考えておくべき「先決問題」があります。先決問題はやはり先に考えておかないと、必ず後で問題が起きます。

・大切なことは、まず問題に具体的に取り組み始めることです。そして、途中で必ず「何が適切な順序か」分からなくなるという事態に遭遇するでしょうから、そこで集中的に「考える順序の問題と先決問題の議論」に取り組むのがいいということです。
すべての問題には考えるのに適切なタイミングがあります。

・メディアの現場を何度も踏んできた人間として断言できることは、メディアの報道をいくらカバーしても、本当に社会で起きている事象の大半は分からないままに終わるということです。

・「死ぬのは怖くないですか?」という質問を、当時東大の倫理学主任だった小倉志祥教授とか高名なお坊さんとかに直接ぶつけていったんです。小倉さんは「そりゃ怖いですよ。学生時代からそれが怖いから倫理学の世界に入っていったんであって・・・」といった話をしてくれました。それを聞いて、そうか、小倉先生も死がそんなに怖かったんだと安心したのを覚えています。

・現実には、人間の精神も肉体も、目の前に死が迫ったところで崩壊するようなことは起きない、ということが、まさに死を目前にしている人々を直接取材することによって分かってきたのです。

・シカゴ大学のエリザベス・キューブラ=ロスは、そのようなインタビューを公の場で行った最初の人です。その一部始終は、1969年出版された『死の瞬間』に詳しく書かれています。

・「そのころ私は二十歳で」(『ポーの「ユリイカ」について』ポール・ヴァレリー著)
https://nina313.hatenablog.com/entry/2016/01/16/060254
「その頃わたしは二十歳で、ものを考えることに強大な力があると信じていた。そして自分の存在感と無力感のあいだで奇妙に苦しんでいた。ときどき自分のなかに無限の力を感じるのだが、その力は具体的な問題にぶつかると雲散霧消し、自分の実際的な能力の弱さに絶望するのだった。わたしは陰鬱で、軽薄、見たところ扱いやすそうだが、そのじつ頑固、軽蔑するときは極端で、何かに感嘆するとそれはもう絶対的なものとなり、簡単に印象を受けいれるくせに、人に説得されることはありえない」(「ポーの『ユリイカ』について」より、151ページ)

僕もちょうど二十歳のころ、これを駒場で前田陽一先生に「これが二十歳の学生が読むのにいちばんいい文章です」と言って読まされた。
たぶん君たちは、まさにここで述べられたとおりの状況にあるはずです。そのとおりじゃないとすると、それはちょっと感受性が鈍い人ですね。たいていの人にとっては、こういう状況、つまり自分をすごく肯定的に受け取るときはほとんど全能感にとらわれるけれども、逆に振れるときは「自分は何もできない」という絶望感、無能感に打ちひしがれる-そういう両極端に心が揺れ動くことで心が苛まれる。というのが二十歳のことの心理的特徴なんですね。君だけじゃないんだよ。みんなそうなんだ、つまり、こういう心理は二十歳前後の若者にとって、普遍的な心境なんです。
「何だ、オレだけが特別なのかと思っていたら、みんなそうだったのか」とがっかりしないでください。二十歳前後の若者にとっていちばんありがちな誤解のひとつがそれです。
「オレだけが特別」という思い込みです。よくよくいろんな人に聞いてみると、たいていの人がそういう思い込みを持っています。人間ひとりひとちがユニークな存在で、違う個性の持ち主、というのも事実ですが、ひとりひとりが違うようで、実はいろんな意味でほとんどの人が同じというのも、もうひとつの否定できない事実です。

・早めに知っておいてほしいのは、そもそもこの世のあらゆる問題の正解はひとつではない、ということです。というか、現実世界には、正解がひとつもない問題も膨大にあるということを知らなければなりません。

・人間には、知・情・意の三つの世界があって、各人が内部でこの三要素のバランスを独特にとりながら発展させることで、その人の個性を形成しています。そのバランスのとりかた次第でその人のものの考え方の基本、価値体系の導き方もみんな違ってくるわけです。だからある人にとっていちばん大事なことが、別のある人にとってはどうでもいいことになってしまうことがあり得るわけで、それによってしばしば人間同士は共感し合ったり軽蔑しあったりするわけです。
・・・ 一言で言えば、切磋琢磨の大切さです。

・「I/O比」、インプットとアウトプットの比を一定以上に保つのは必要なことです。たいていの知的世界であれば、I/Q比は少なくとも100以上ないといけません。つまり、少なくとも100冊以上本を読んだ人でないと、平凡な内容の本でも、一冊の本をかける域に達しないということです。

・本のいいところは、その本を読むのが嫌になったらすぐ読むのをやめられることです。人間関係だったらそうはいかないけれど、本は次々に乗り換えて新しいものに手が出せる。

・フリーマン・ダイソンという人の本を紹介します。
『多様化世界』(全方向に無限)『宇宙をかき乱すべきか』(いちばん有名)
この二冊は若いうちに一度は読んでおくことを勧めます。

・研究者に限らず、いずれ君たちも何らかの職業生活に入らなければいけないときには、不遇な時代も必ず来るし、それがどれだけ続くのかわからないということを感情に入れて、そこにいれば心理的なストレスがかからない、それをやっていることが嬉しい楽しいという職業を選ぶことが一番だと思います。そういう意味では、僕に取材をすることを文章を書くことがまったく苦にならないから、いい領域を選んだということですね。

推論の種類
 演繹   deduction 
 帰納 induction
 仮説推論 abduction
 要素還元 reduction

・「ウェストファリア条約とは何だ」と聞かれて答えられる?
 「ウェストファリア条約と国家主権との関係は」と聞かれてパッと答えられる人なんて、なかなかいないでしょう。この前佐藤優と新書『ぼくらの頭脳の鍛え方』を書いたとき、そういう話をしました。

・地政学とは大きな視点で世界を眺める学問である。Geo(土地)politics(政治学)の名のとおり、地政学の射程にある『世界』を構成するのは人間ではなく、土地・労働力。・資源である。

感想
二十歳前後のことを思い出しました。
自分だけは特別で、自分は死なないのではないかと思い違いをしたりしました。
また、自分は何もできないとの思いが強くなった時もありました。
大学に入って同じ科の人と友だちになれなくて、同じ下宿の人と行動していました。
高校時代に気付かなかった自分の弱さと言うかコミュニケーション能力の低さを実感しました。

その年代にその本を知り、読んでいたらまた違ったかもしれません。

本を読むということは知らないということを知ることでもあり、また考えることでもあるのでしょう。
本を一冊読んだからと言ってそれが何になるのかと思いますが、多くの本を読んでいるとそれが生きる上での大きな力を与え、人生の岐路や人生の苦しい時のヒントとエネルギーを与えてくれるのでしょう。

仕事はやはりストレスが付きものです。
そのストレスが過度に感じない仕事だと意欲も継続するのでしょう。

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