幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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NHK会長、上田氏が有力に…籾井氏は退任へ  ”経営委員の資質が問われている”

2016-12-02 17:06:33 | 社会
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20161202-567-OYT1T50066.html yomiurionline

 NHKの 籾井 もみい 勝人会長(73)が来年1月24日の任期満了をもって退任する見通しになった。
 会長選任には、NHK経営委員会(委員長=石原進・JR九州相談役)で、委員12人中9人以上の賛成が必要だが、経営委関係者によると、籾井氏を積極的に推す委員はおらず、再任は極めて困難な状況。政府関係者によると、後任会長について、常勤経営委員の上田良一氏(67)が有力となっている。
 NHK経営委は6日の定例会で、委員から会長候補の推薦を受ける。籾井氏も候補になるが、政府関係者によると、委員の間では上田氏への支持が広がっている。上田氏は2013年6月から常勤経営委員を務め、7月からは監査委員にもなり、放送法やNHKの内部事情に精通しているとされる。

感想
籾井会長のこれまでの言動は???と思いたくなることがたくさんありました。
よく、こんな人が三井で出世したなと、三井の良識まで疑いたくなりました。

ただ、安倍首相が気に入っているとのこと。
経営委員に働きかけて、籾井会長の継続もあるかもしれません。
百田尚樹氏も経営委員のお一人だったかと。
まさに、経営委員の資質が問われているように思いました。

風俗に売られた「3児の母」の壮絶すぎる半生 1000万円の連帯保証が転落の始まりだった ”薬は毒にもなる”

2016-12-02 15:06:18 | 社会
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e9%a2%a8%e4%bf%97%e3%81%ab%e5%a3%b2%e3%82%89%e3%82%8c%e3%81%9f%ef%bd%a23%e5%85%90%e3%81%ae%e6%af%8d%ef%bd%a3%e3%81%ae%e5%a3%ae%e7%b5%b6%e3%81%99%e3%81%8e%e3%82%8b%e5%8d%8a%e7%94%9f-1000%e4%b8%87%e5%86%86%e3%81%ae%e9%80%a3%e5%b8%af%e4%bf%9d%e8%a8%bc%e3%81%8c%e8%bb%a2%e8%90%bd%e3%81%ae%e5%a7%8b%e3%81%be%e3%82%8a%e3%81%a0%e3%81%a3%e3%81%9f/ar-AAl1lE5?ocid=spartandhp#page=2 東洋経済オンライン 中村 淳彦

精神障害と向精神薬の副作用、脳脊髄液減少症に長年苦しむ山内里美さん(48歳、仮名)
 
  この連載では、女性、特に単身女性と母子家庭の貧困問題を考えるため、「総論」ではなく「個人の物語」に焦点を当てて紹介している。個々の生活をつぶさに見ることによって、真実がわかると考えているからだ。 今回紹介するのは、神奈川県に住むシングルマザー48歳。彼女は病と闘っている。
 「んああ、えんああぁ、んぁああ……」
 神奈川県某市。足元がおぼつかなく、マスク姿で現れた山内里美さん(48歳、仮名)が何を言っているのか、わからなかった。聞き耳を立てて近づいたが、わからない。彼女はカバンからメモ帳とペンを取り出す。「20分後には薬が効くと思うのでしゃべることができます。申し訳ありません」と書いてあった。達筆だった。
 精神障害と向精神薬の副作用、脳脊髄液減少症に長年苦しむ。この4年間は働くどころか、普通の日常生活も送れない。普段は自宅から出ず、一日中横になって療養する。服装はジャージ、首にはコルセット。自宅から徒歩5分程度のここにも、なんとかやって来たという状態だ。普段は動けないが、服薬すると一時的に回復し、しゃべることができるという。
 バツ1のシングルマザーで、子どもは男1人、女2人。現在は近くの古い団地に21歳の長男、19歳の次女と3人で暮らす。彼女と次女は、生活保護を受給している。薬が効くまでの間、持参してもらった生活保護の受給証明書、障害基礎年金の振込通知書、昔の写真を見せてもらった。若干色あせた写真には、華やかで美しい笑顔の女性が写る。22年前、26歳のときの山内さんだ。当時はシングルマザーになり、水商売をしていた。彼女は池袋の有名店の人気キャバ嬢だったという。
 華やかな22年前、そして歩くことすらままならず、筆談する現在の弱り切った姿。壮絶なギャップに絶句した。
生活保護課の紹介で精神科を受診
 「私は精神病院に精神障害者にさせられたと思っています。まさか自分がそうなると思わなかったですが、現実にそういうことがあるのです」
 20分後、声が出た。マスク越し、小さな声でゆっくりとした口調。健康だった頃は品のある女性だったろう、と思った。
 「精神科に最初に行ったのは12年前です。当時、横浜の訪問介護事業所の社員だったのですが、小さな子どもを3人も抱えた状態で何年間も長時間労働せざるをえず、無理して脳脊髄液減少症になってしまいました。脳脊髄液が漏れて、頭痛やめまいが止まらなくなる病気。とても働けません。それに倦怠感とか眠れないとか、いろいろ重なって生活保護を受けました」
 市役所の生活保護課の紹介で、指定された精神病院で受診する。
 「最初は“軽いうつでしょう”っていう話だったのに、通院するたびにどんどん薬が増えた。あるときに診断書を見る機会があって、そこに“統合失調症”とか“うつ病”とか“不眠症”とか、いろんな病気が書いてありました」
 最終的に精神科から8種類の薬を処方された。子育てと長時間労働で体を酷使し、大病を患った。しかし生活保護を受給して精神病院に通院するようになってから、彼女の本当の地獄が始まった。服薬してから不眠はさらにひどくなり、幻聴や幻覚、頻繁に記憶を失う。さらに自傷行為や被害妄想、記憶にないところでヒステリーを起こして暴れるようなことも起こったのだという。山内さんは向精神薬によって破壊されてしまったと考えているようだ。
 母親が壊れて、家庭は荒れた。中学生だった長女は非行に走り、家に帰って来ない。万引きや窃盗、家庭内暴力が収まらなくなり、頻繁に警察から電話がかかってくる。さらに小学校低学年だった次女は登校拒否、クラスメートや担任を怖がって学校にいっさい行かなくなった。長男だけは母親や長女が荒れれば黙って耳をふさぎ、なんとか普通に学校に行く。
 長女は夜遊びや窃盗だけでなく、売春行為でも補導された。山内さんは警察から連絡があるたびに引き取りに行き、何度も謝る。長女の非行は自分のせいだという自覚があったので、何をしても怒ることができなかった。長女は警察ざたを起こして自宅に戻っても、すぐに家を出てしまって帰ってこない。
 「長女に対して、何とか親の役割を果たそうと頑張りましたが、なかなかうまくいきませんでした」
 母親は深刻な精神病で苦しみ、長女は荒れて、小学校低学年の次女は引きこもる。そんな絶望的な家庭をさらなる悲劇が襲う。
 「最終的にトドメを刺されたのは、4年前にジスキネジア(反射的に体が動く障害)を発症したことです。薬の副作用です。今はマスクをしていますけど、口の周りがもう自分の意志で動かせない。普通の食べ物をかむこともできないし、薬なしではしゃべることもできない。顔の筋肉がおかしくなっているので、マスクを取った顔はとてもお見せできない状態です。鏡には自分でも恐ろしくなるような顔が写ります」
薬を飲み続けるか、死ぬしかない
 行政から指定された病院に通院することで、病気が治るどころか破壊されてしまった。山内さんはもう生涯、食べ物をかむことができない。死ぬまでミキサー食やゼリーを食べるしかない。マスクを取った素顔で外出することも、もう二度とかなわないという。
 「行政や病院がおかしいと思ったのは、遅いのですが、ジスキネジアを発症してからです。患者の私たちには何の情報もない。だから疑うだけですが、それは生活保護の患者を精神病院が食い物にするということ。すべてが薬を飲んでから始まっているし、そうとしか思えない。どんな病気であっても病名をつけて薬を出せば、患者は一生通う。私はもう症状を薬で抑えることができても、病気は生涯治ることはありません。薬を飲み続けるか、死ぬしかないのです。悔しいです」
 山内さんは、絞りだすような小さな声で、そう言う。
 目の前にいる彼女は、まさにボロボロといった状態だ。私は絶句し、同席する女性編集者は口元を押さえて涙を浮かべる。いったい、どうして現在に至ってしまったのか。
 東北出身、地元の専門学校を卒業して就職で上京。20歳から普通にOLをしながら都会で平穏に暮らした。22歳で社内結婚して、24歳で出産のために退職。長女を出産。27歳のときに長男が生まれる。長女3歳、長男1歳のときに離婚、子どもを2人抱えてシングルマザーになった。離婚の理由は「触れないでほしい」という。
 「突然、シングルマザーになってしまって、慰謝料も養育費ももらえない。選択肢は夜の仕事しかありませんでした。キャバクラです。池袋、上野、六本木といろいろなところで働いて、当時はそれなりに稼げました。子どもは夜間保育園です。私なりに必死で生きて、決してネグレクトではなかったですが、今思えば、子どもには申し訳ないことをした。寂しい思いをさせてしまいました」
 キャバクラは20時~1時まで、週4~5日は出勤した。売り上げは多く、店のナンバーワンに入ることもたびたびだった。お客さんとの会話はすべて記憶して、相手が求めるように振る舞うと面白いように指名が取れた。毎月10万円以上の保育料はかかったが、2年間で貯金は1000万円を超えた。
 「子ども2人抱えての東京暮らしは厳しいと、実家に帰ろうと思っていたとき、ある男性と知り合いました。キャバクラのお客です。意気投合して同棲して、子どもも懐いた。結婚しようって約束もしました。一緒に住んですぐに次女を妊娠した。でも、出産してすぐその男性はおカネを全部持って行方不明になりました。自動車販売店を経営しているってことも、結婚しようって言葉も全部ウソだったのです」
「借金1000万円」の連帯保証人に
 次女の父親である男が消えてから1カ月後、ヤミ金から返済を迫る連絡があった。男は山内さんを勝手に連帯保証人にして1000万円弱を借金、すぐに返せとのことだった。貯金はすべて奪われて、さらに身に覚えのない1000万円弱の返済を迫られた。金融業者に事情を話すと「1年後から風俗で働け、それで返せ」と提案された。山内さんはうなずき、次女が1歳になったとき金融業者に紹介されたファッションヘルスで働くことになった。
 「週6日、朝9時から18時までずっとお客をとりました。それなりに稼げる店だったので、1年間で1000万円は返しました。女の子からのイジメもすごかったし、ツラかった。やっぱり気持ちが張りつめていて、全額返済したとき、糸がプッツンと切れた。最後の日、お恥ずかしい話だけど、更衣室で4時間ずっと泣いて、仕事ができない状態に。それで辞めさせてもらいました。好きでもない人に性的な行為をするのは、私はすごくツラかった」
 1990年代後半は消費者金融を筆頭に、ヤミ金融や性風俗は活況だった。ヤミ金融が債務者女性を性風俗に売り、肉体で返済させるのは日常茶飯事で、私も何十人とそういう境遇に陥る女性に会っている。最近は女性をアダルトビデオに無理やり出演させるAV強要問題が話題となったが、ターゲットとなるのはいつの時代も換金しやすい美人女性だ。市場原理が働く。美人で責任感の強い女性は、悪徳な人物が近づいてきてワナにはまりやすい。
 3人の子どもを育てなければならない。借金を完済して風俗を辞めた山内さんは、介護の仕事に就く。介護保険導入直前で介護業界は未来産業として盛り上がっていた。ヘルパー2級を取得し、訪問介護事業所の登録ヘルパーとなった。しばらく続けるうちに社員になることを誘われて役職に就いた。
 「介護は大変でした。異常っていうくらいやることがあって、時間内では絶対に終わらない。登録ヘルパーからサービス提供責任者、管理者って責任がどんどん重くなって、私が主にやらされたのは書類や事務関係の全部です。書類整備や国保請求から、給与計算、新しい事業所の認可の書類まで作らされて。勤務時間は朝8時~夜11時みたいな状態です」
 介護事業所は現在に至っても常勤社員に長時間労働をさせ、差額を利益にするという悪質事業所だらけだ。山内さんはいわれない借金を背負わされて風俗に売られ、そこから抜け出した後は官製のブラック労働に足を踏み入れてしまったのだ。1日15時間に及ぶ労働をさせられたら、子どもを育てようがない。家庭は小学生の長女が弟と妹の面倒をみる、という状況となった。
夕方一度帰ってまた仕事に戻る日々
 「休憩を挟むっていう決まりがあるじゃないですか。夜6時ぐらいに1時間だけ休憩をもらって、一度家に帰って子どもにご飯を食べさせてまた仕事に戻るみたいな。介護は5年続けましたが、家事もしなきゃならないし、結局、睡眠時間を削るしかないですよね。1日2時間とか3時間しか眠れない日々が続いて、最終的には体を壊しました」
 給与は手取り24万円ほど。シングルマザーは長時間労働をしないと家庭を維持できる賃金を稼ぐことができない。しかし、長時間労働をすれば育児ができず、子どもが犠牲になる。そして多くの介護事業所は違法労働によって従業員の家庭が壊れることに無頓着だ。
 「その介護で無理に働いたことで、長女が不安定になりました。親の愛情が十分じゃなかったことが理由です。本当に申し訳ないと思っています。次女が適応障害になって不登校になったのは、それからしばらくしてだけど、私が当時家にいてあげられなかったことは大きいでしょう。自分の精神状態もどんどんおかしくなって、記憶が途切れるみたいなことが起こり始めたのもその頃からです。何もかもがおかしくなりました」
 不眠が始まって、何日か眠れないという状態が頻繁に起こる。執拗な頭痛とめまい、頭が痛くて視界が二重になる。耐え難い苦痛で、仕事は手につかない。病院に行くと脳脊髄液減少症と診断された。長時間労働と子育てに追われ、限界を超えて働いたことが理由だった。
 「続けるのは不可能だったので、訪問介護事業所は辞めました。一応、会社に事情は話しましたが、あまり興味ない感じで謝罪もねぎらいの言葉もなく、冷たく追い払われた感じです。ほかの仕事をしたくてもできる状態じゃない。わらにもすがる思いで役所と福祉事務所に行って生活保護を受けることにしました」
 生活保護を受給して自宅で療養したが、壊れた家族が元に戻ることはなかった。長女は地元の似たような境遇の仲間とつるむようになり、非行に走った。なんとかしようと長女とは何度もぶつかった。「男にだまされるあんたが悪い」と何度もなじられた。次女は小学校1年で登校拒否となった。7歳から外にでることを怖がり、学校にほとんど行かなくなった。19歳になる現在まで、その状態が続いている。
 そして山内さんは向精神薬によってどんどんと状態はおかしくなり、完全に破壊されてしまった。
 「自殺は何度も何度も考えました。実際に自殺未遂は何度もしていますし。でも今思うのは、私にできることは絶対に死んではいけないってこと。私が逃げてしまったら、おそらく次女は後追いします。それだけは親として許されないし、現実とか生きることから逃げてはいけないと思うのです」
 長女は成人して家を出て、現在は他県で恋人と同棲する。すっかり落ち着き、たまに連絡がある。長男はコツコツと勉強して奨学金をフルで借り、中堅大学に進学して勉強を続けている。1日でも早く家を出ることを望み、深夜にアルバイトをしておカネを貯めているという。そして次女だけが負のスパイラルから抜け出せずにいる。
生活保護から抜けて普通になりたい
 「私も次女も望んでいるのは、やっぱり生活保護から抜けて普通になりたいということです。人様の税金で生かされて、自分が健康だったらそれはズルいと思うだろうし、抜けたい、人に迷惑をかけたくないという気持ちは強くあります」
 今月。10年間以上、引きこもる次女は腹をくくってアルバイトを始める。近所のレストランの厨房に面接に行き、来週から仕事をすることが決まった。山内さんも生活保護から抜けることを最大の目標にする。とてもフルで働ける健康状態ではないが、「登録ヘルパーに戻って少しずつ働く」と決めている。週1~2日、薬を飲んで3~4時間働くのが現在できることの精いっぱいだ。
 彼女が抱える現実はまさに地獄だった――ただ絶対に逃げない、それが子どもたちのためにできるたったひとつのことだから。

感想
薬は毒もなります。
精神的疾患とのことで薬が処方されますが、間違って使うと山内さんのようになるのではないでしょうか?
安易に薬を投与することが、その人のその時に必要かどうかをよく考えなければなりません。
安易に薬に頼ると、薬の副作用に苦しむことになります。

医者は薬を処方することで、経営に利きます。
患者さんに効くかどうかが二の次になる場合もあります。

それにしても、悪い男に出遭ったことが不幸でした。
男も、宗教も、お金が絡むと、”怪しい”と思って間違いはないですね。

再び提言「やっぱりやめよう、保険での貯蓄」 "保険勧誘者の言いなりにならない”

2016-12-02 00:45:36 | 社会
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO08860300X21C16A0000000?channel=DF280120166580&n_cid=LMNST002正しい保険選びの考え方(6) 生活設計塾クルー 浅田里花 2016/11/2
 第1回で「保険料は助け合いへの参加料 貯蓄にあらず」と述べましたが、「貯蓄性のある保険」と捉えられている保険が存在するのも事実です。果たしてそれらは貯蓄として有効なのか、いま一度、保険と貯蓄の関係について整理しておきましょう。

■「保険」が貯蓄になると考えられてきた経緯

 ちょっとおさらいですが、保険の最大の役割は「保障」です。死亡、入院・手術、就業不能など、その保険商品が対象とする経済的リスクを被った場合に保険金・給付金が受け取れ、家計を守れるというのが期待される役割です。それら経済的リスクは、みんなに降りかかるものではありませんが、大勢の人数だと年齢・性別ごとに一定の発生確率が認められるもの。それが自分やわが家に当たるかもしれないので、事前に備えておこうと保険を利用するわけです。

 場合によっては、少ししか保険料を支払っていないにもかかわらず、大きな保険金を受け取ることになる可能性もあります。でも、それって「得」でしょうか? 保険金を受け取らずに過ごせるほうがずっと幸せですよね。だから、保険に加入して見返りを求めるのは、あまり正しい考え方とはいえないのです。保険料はあくまで「助け合いの参加料」として支払い、「掛け捨て」になってもやむなしと割り切るべきでしょう。

 けれども、「保障」や「サービス」のような形のないものにお金を払う感覚が育つ前だったせいか、日本で保険が普及していく過程では、「養老保険」のような満期保険金の受け取れる保険が主流になりました。月々保険料を支払い続け、将来の満期時には満期保険金が受け取れるとなると、銀行などの積立貯蓄をしているのと同じ感覚になります。事実、当時は支払った保険料総額よりも多い満期保険金が受け取れ、結果的に貯蓄になりました。いまの年金世代が現役だった頃、まだそういう名残がありましたから、「保険は貯蓄になる」と刷り込まれている人は少なくありません。

 しかし、養老保険も保険ですから、加入者が満期を迎えるまでに死亡した場合には、満期保険金と同額の死亡保険金が支払われます。それまでの積立金にプラスして保険金が支払われるよう、商品設計されているわけです。つまり加入者は、死亡保障のための掛け捨て保険料(運営経費に回る保険料を含む)と、将来の満期保険金準備のために積み立てられる保険料を合わせて払っているかたちになります。

 1993年ごろまでは、積立金に約束された運用利率(予定利率)が5%台と高かったため、運用収益が掛け捨て部分を補って余りあり、いかにも支払保険料の全額が貯蓄されているかのように見えました。しかし、その後相次いだ予定利率の引き下げで、積み立て部分の収益性は見る影もなくなっています。

■なぜ平気? 保険での「元本割れ」

 今でも養老保険を取り扱う保険会社はありますが、「死亡保障」が目的であれば、保険料が安い掛け捨て型の「定期保険」を利用したほうがずっと合理的。保障も欲しいけど貯蓄もしたいというのであれば、「貯蓄」の部分は保険とは切り離して預貯金や投信などの金融商品を利用すべきです。

 けれども、一度付いた「保険は貯蓄になる」というイメージには根強いものがあります。養老保険のバリエーションである「学資保険」人気が、その一例として挙げられるでしょう。赤ちゃんが生まれたら学資保険に入るのが半ば常識化していますが、皆さんはいくら払っていくら受け取れるのかよく確認しているでしょうか? 満期保険金や祝い金などの受取総額が支払保険料総額より少ないケースもあることに、気付かない人も大勢いるようです。

 支払った金額よりも受取額が少ないのであれば、すなわち「元本割れ」です。「投資信託など、元本割れするかもしれない金融商品は怖い」と考える人は多いのに、貯蓄のつもりで加入した保険での元本割れに無頓着なのは不思議。保険でも金融商品でも何でも、中身をよく確認してから利用する癖をつけておきたいものです。

 受取期間が来たら決められた額の年金が受け取れる「個人年金保険」にも、注意点がいろいろあります。まず、長期にわたって保険料を払い続ける必要があり、家計の固定支出となること。家計に余裕があるシングルのうちに加入し、結婚後に続ける余裕がなくなって困っているというケースも少なくありません。やむなく「解約しよう」となっても、相当長く元本割れする期間がある点にも要注意です。元本割れを避けるには、保険料を払い続けるしかなくなります。

 それに、商品性としても決して魅力があるとはいえません。今、主流の「10年確定年金保険」だと、年金を受け取れるのは10年間だけ。自分でためた貯蓄を10年かかって取り崩すのと同じで、一生涯の安心とはなり得ないものです。公的年金の将来が期待できないからと、若い世代にも個人年金保険を求める声があるのですが、二者択一の話ではありません。このコーナーで再三述べているように、まずはベースの保障となる公的保障があってこその上乗せ保障です。

 これら貯蓄性があるといわれる保険の収益性を表すのに、よく「返戻率(へんれいりつ)」が使われます。支払保険料総額に対する受取総額がいくらかの割合なのですが、この数字にも要注意です。たとえば、「返戻率110%」と表示されていれば「10%も増えるのならお得!」と思ってしまいます。預貯金金利の現状を見れば、夢のような数字にも思えます。しかし、契約期間が長期にわたる保険ですから、その期間に見合う増え方なのか、またその間、他の有効な運用手段はないのかも考え合わせる必要があるでしょう。

■「掛け捨て」を嫌うことによる間違った保険選び

 本来、死亡保障の商品である「終身保険」も、資金形成手段にも利用できるとして勧められています。いつか必ず保険金支払いが発生する保険ですから、それに備えて準備金が積み立てられていき、もし途中解約したら「解約返還金」が受け取れるためです。しかし、目先の死亡保障が主目的であれば、保険料の高い終身保険は合理的な選択ではないと第3回の「安い保険はダメ保険?」でも述べました。掛け捨てとならず死亡保障が得られ、解約返還金もあって損しないかのようですが、解約返還金が支払った保険料を上回るには相当期間かかります。加入からの経過期間に見合う収益なのかどうか、よく確認する必要があります。

 掛け捨てでなく損しないかのように見える保険はまだまだあります。3年ごとなどに「祝い金」が受け取れる「生存給付金付き定期保険」、入院給付金などを受け取らなければ「健康祝い金」が受け取れる「健康祝い金付き医療保険」などがそう。これらも、養老保険のところで述べたように、掛け捨て型の保険に入りながら祝い金のための積み立てを行うようなものですから、高めの保険料を払わなければならず、合理的ではありません。

 また将来、払い込んだ保険料が戻ってくるタイプの医療保険もお得な感じがしますが、一般的な医療保険より保険料が高めです。入院給付金などを受け取ればその分が差し引かれるので、結局は貯蓄から取り崩したのと同じ。一度も給付金を受け取らなければ全額戻ってくるとはいえ、数十年間も無利息で運用したことになります。もちろん、支払った保険料以上の給付を受ける可能性はゼロではありませんが、素直に積立貯蓄したほうがいいと思うのは私だけでしょうか。

 保険の貯蓄性に対し、厳しいことばかり言いましたが、「収益性はともかくお金はたまるのだからいいのでは?」という意見もあると思います。ですが、保険を貯蓄として利用する最大の問題点は、契約が長期にわたることだと考えます。積立貯蓄であれば、家計が厳しいからしばらくお休みするというのも簡単ですが、保険はそういうわけにはいきません。それに、今後もっと魅力的な貯蓄手段が出現しないとも限りません。保険料として家計を縛るより、柔軟に対応できるようしておきたいものです。

 保険に貯蓄性を期待する根っこには、やはり「掛け捨て」を嫌う心理があると思います。第1回や冒頭で述べたように、保険の役割は「保障」なのです。貯蓄のように家計にお金を残す手段ではなく、あくまで助け合いの参加料として家計から消費するものと割り切らなければ、いつまでたっても保険を上手に利用できないでしょう。

感想
保険は保険であり、貯蓄ではないのですが。
前に、保険の勧誘で、「今の保険が古いので、新しい保証を付ける」ことを薦められました。
その人はやり手で社内の人が、保険を見直して、その人の会社の保険に加入しました。

保険には保険に入った当時の確定利回りが決まっています。
昔はその確定利回りが良かったので、今はいるよりお得な保険になっています。
この確定利回りを知っているだけでも、保険の人の話をうのみにせずにすみます。

その人は、盛んに新しい保証を付けて、保険の切り替えを勧められました。
そこで、「もし、今あらたに、今入っている保険に入るとしたら毎月の掛け金はいくらになりますか?」と尋ねました。
その結果は、今の払っている金額より多くなることがわかりました。
なんと、その人は、2年間差額を保証するので切り替えませんか?と。

一番良い方法は、新たな保証だけを新規に入り、今の保険は継続することでした。
そのアドバイスは、その人には”うまみ”がないので勧めませんでした。

知識を持たないと間違った選択をしてしまいますね。