青星

2008年05月29日 12時26分14秒 | 旅するふっき~

北国から北斗星に乗って、ガタガタガタガタ上野まで、そこから松本へ。
線路ってこんなに続いてるんだな、なんて思いながら、景色の変化に驚くばかり。
北海道では長袖必須、そして寒い日々だったのに、東京は半そで一枚の装い。
これだけでも、じゅうぶんに日本は広いと実感できるのに、
さらに松本まで電車に揺られると、日本はこのままどこまででも続いている気がしてしまう。

 遠くなだれる灰光と
 貨物列車のふるいのなかで
 わたくしは湧きあがるかなしさを
 きれぎれ青い神話にかえて
 開拓紀念の楡の広場に
 力いっぱい撒いたけれども
 小鳥はそれを啄まなかった

 宮沢賢治『春と修羅』第三集より「札幌市」

天声人語、中日春秋、産経抄、卓上四季、分水嶺、余録、斜面…。
秋田県のとある新聞社のコラムは「北斗星」という名前が付けられている。
北国の空を見上げれば、そこには青い星が輝いている。
札幌には星が多いと思う。
中島みゆきじゃないけれど、地上の星がいくつも目に付いた。
サッポロビール、市営地下鉄、道庁、時計台、どこにでも星が輝いている。
北斗星、つまり北斗七星はひしゃくの形に七つの星を空にちりばめている。
そこから少し視点をずらせば、北極星がじっと座っている。
北海道のとある新聞のタイトル部分には、背景に北斗七星と北極星が描かれる。

今日の気持ちを、いつまでもずっと忘れないように、詠んでおこう。

 八つ星の 光の照らす 青き日々 北の空には 輝けずとも

そして、夢をつかんだ友に、りんごを掛けて、詠んでみよう。

 紅き実の みのりの前の 花の白 知るのは友と 我が心なり

九つ目の星を、こっそり北極星の北に描き加えてみると、やはりバランスが悪い。
いるべき場所にいなければ、どんなに輝くものも、その力を発揮できない。
でも、星である限り、輝いているはずで、その光をどこかに描きこんでやりたい。
ならば北の空よりももっといろいろな空を旅できる、そんな東の空の星になってみよう。
まだだれも見つけていないような、小さな光でもいいから。

東の空の星ならば、南と西の空を旅できるから。

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3 コメント

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Unknown (はっせー)
2008-05-29 16:28:26
お主どこまで文学的なんだ!?
その才能欲しい・・・。
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Unknown (ふっき)
2008-06-03 19:33:17
>はっせー

うーん。。。なんだかね、文学的になるってことは、厭世的になってるってことやろな。
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NO ONE TO VOTE FOR PRODI JAPAN!!!! (suci)
2016-11-28 10:45:38
Japan Literature Greetings! This time it will be わたし share articles that can inspire your students Japan Literature.
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