ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

サウジアラビア 苦悩する石油大国

2007年01月23日 23時53分19秒 | 観る/聴く
出張中にパソコン(いわゆるテレパソだ)に録りためておいたテレビ番組を毎日少しずつ観ている。

私が家で主に使っているパソコンは自作なのだが、NECのスマートビジョンHG/Rというビデオキャプチャーカードを挿して使っている。今のソフトは大体そうなっているのかもしれないが、おまかせ録画といって、キーワードを登録しておくと、電子番組表からキーワードに該当する番組を勝手に録画しておいてくれるのが便利だ。ちょっと前までは、「韓国」だったり「韓流」という単語を登録して韓流ドラマをよく観ていたが、最近登録してあるのは「美術」に「アラビア」と「ドバイ」だ。ドバイというキーワードは曲者で、アドバイスなどという言葉に反応して録画してしまうのが煩わしい。

さて、NHKで1月9日に放送された30分の番組、「クローズアップ現代 サウジアラビア 苦悩する石油大国」もそういう風にして自動録画されていたものだ。

番組の内容を要約すると、大体次のようになろうか:
1)サウジアラビアでは豊かな石油資源と原油高を背景に働かない若者が増えていて、政府が危機感を強めている。
2)9.11の実行犯の過半数がサウジアラビア人だったことにも表れているように、イスラム教の「ジハード(聖戦)」という教えを背景にテロに身を投じる若者が増えており、イスラム教教育の見直しが行われている。

1)については、サウジアラビアでは20代の30%が職をもたないことが紹介されていた。公務員のように、働く時間が決まっていて楽な仕事しかしたがらず、そういう仕事を得られないと遊んで暮らすようになってしまうと言う。

ひるがえってドバイについて考えてみると、UAEの中では、アブダビと違ってドバイは石油の埋蔵量はそれほど多くないと言われていて、その分、再輸出貿易や金融、観光に力を入れているところは違う。ただ、アラブ人をよく見かけるのはどこかと言えば、空港のパスポートコントロールだったり、ショッピングモールのインフォメーションだったり、要するに時間が決まっていて、楽な仕事場に限られるのは同じである気がする。

サウジアラビアでは、職業訓練校に通う若者にお小遣いまで出して、勤労意欲を喚起しようとしているが、はかばかしい成果を挙げていないということだ。今のところ、アラブ人の労働観というものが影響しているように感じるのだが、あるいは日本人もサウジみたいに働かなくても食べていける国だったら、これほど勤勉にはならなかったのだろうか。このテーマはおいおい研究したいと思っている。

2)については、砂漠で国境を接しているサウジで起こっていることがドバイで起こり得ないと考えること自体非常に不自然だと思っている。テロリストと言う言い方がすでにある種のネガチブなレッテル張りをしているので避けるとすれば、過激な思想をもった活動家がドバイを活動の拠点にしているという話はよく聞く。このテーマは少し重いので、またあらためて書きたい。



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