ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

家賃の制限値上げ率5%に

2008年01月06日 08時14分23秒 | 法・制度
昨年末のガルフニュースによれば、2008年のドバイの家賃の値上げ率の上限は2007年の7%から5%に引き下げられている。元日から発効しているはずだ。この制限値上げ率は2006年が15%、2007年が7%と、年々小さくなっている。

ドバイ政府も、家賃の高騰が賃金の上昇などを通じて、ドバイへの外資の誘致の阻害要因になりはじめていることに気づいているのだろう。正しい措置と言うべきだ。

ただ、この法律が守られているかどうかは、別問題。ドバイ・マリーナの近くの住宅街グリーンズに住む知人の英国人は、昨年家主から15%の家賃の値上げを要求された。7%が上限のはずと抵抗したら、裁判所に連れていけ(Bring me to the court)と言われたという。彼は結局10%の賃上げで手をうったと聞いた。

この他にも、何かと理由をつけて、借家人を追い出し、新しい借家人との間で高い家賃で契約を結ぶことが一部で行われていると聞く。制限されているのは、借家人ごとの前年の家賃と比べた上昇率のみで、新たな借家人との間では好きな家賃で契約できるからだ。同じアパートでも古くから住んでいる住人と新しい住人の家賃が異なるのにはこのような背景がある。

ちなみに、他の首長国では、例えばアブダビ、ラス・アル・ハイマやフジャイラでは15%となっている。シャージャーは少しかわっていて、最初の2年は家賃を上げてはいけないことになっているが、3年目からは市場価格(market value)に従って値上げしていいことになっている。いずれも、ドバイほど家賃の水準が高くなく、家賃の決定に政府が介入する必要性はドバイほど大きくないということなのだろう。

[2008年1月14日追記]ガルフニュースによれば、1月13日にアブダビにおける家賃の制限値上げ率は5%に変更された

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