ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

サウジアラビア レイプ被害者に鞭打ちの刑

2007年11月24日 00時03分23秒 | 法・制度
木曜日の夜、アパートのジムでトレッドミルの上を走っていると、目の前のテレビモニターでCNNがサウジアラビアのレイプ被害者が鞭打ちなどの刑に処せられたことを報じている。ガルフニュースでは1週間前に載っていたので、今さらと言う気がしなくもないが、米国やカナダなどで問題になっているようだ

話はこういうことらしい。既婚のサウジ女性が、自分の写真を取り戻そうと男達が乗る自動車に乗り込んだところ、人気のない場所に連れて行かれ、7人の男にレイプをされてしまった。

被害者が裁判所に訴えたところ、裁判所は男達に禁固刑を科しただけでなく、被害者の女性に鞭打ち90回の刑を言い渡したという。被害者の弁護士が、判決を不服としたことから、再審となったが、再審後の判決は被害者に鞭打ち200回に6ケ月の禁固刑を言い渡した。同時に、加害者の刑も2年から7年の禁固刑と当初の2倍になったという。

イスラム法(シャリーア)では、家族以外の男性と女性が一緒にいることを禁じているそうで、それが今回の判決の背景にある。

メディアにリークしたかどで、被害者の弁護士は資格を剥奪されたという。今回はたまたま弁護士がそういう行動に出たため表面化したが、これまでもこれに類することはたくさんあったに違いない。こんな判決がまかり通るなら、被害者は泣き寝入りするしかない。

ドバイで今回と同じ事件が起こっても、同じ判決になるとは思えない。しかしながら、シャリーアが我々日本人や欧米人の常識とは大きく隔たる場合があることをいまさらながら認識させてくれる事件だ。

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