昨日は構造的下肢長について書きました。
腰痛や膝痛など何らかの異常を訴えている人は、構造的下肢長の左右差が大きいことが多いということですね。
さて機能的下肢長ですが、この場合の左右差が生じる原因には「関節のズレ」や「筋肉のアンバランス」などが考えられます。
関節のズレというのはカイロプラクティックではサブラクゼーションと表現します。例えば股関節において大腿骨(太ももの骨)が上にずれていたら、その下肢長は短くなりますね。これは骨の長さが短いのではなくて、大腿骨が上にずれるため相対的に反対だわの下肢長より短くなるということです。
筋肉も似たようなメカニズムで下肢長差をもたらします。筋肉が緊張すれば当然、緊張している側に骨を引っ張ります。それに伴い関節の位置が変わり下肢長に影響するというわけです。
我々が患者さんの下肢長を診ているときは、構造的下肢長と解剖学的下肢長をごちゃ混ぜにして計測していることになります。本来はこれらは分けて行なうべきものです。
構造的に下肢長差がある人の場合、いくら関節や筋肉をいじったところで、下肢長がそろうなんてことはあり得ませんから。
むしろそれで下肢長がもしそろったとしたら、それこそ関節でズレが生じていることになりますし、筋肉のアンバランスを助長していることになります。
初診のときに構造的下肢長を把握しつつ、下肢長を目安に治療を進めるならいいんですけどね・・・。