カイロプラクティックのような療法を保存療法と呼びます。保存療法とは手術によらない治療法のことです。鍼灸や漢方などの東洋医学全般は保存療法ですし、リハビリなども保存療法になります。
先進国では西洋医学が唯一で最高のものという価値観が幅を利かせています。確かに手術によって救われている命もたくさんあります。しかし、手術によって障害が残ったり、命が失われているケースもたくさんあります。
ついこの前も、ある患者さんで変形性股関節症の手術を受けられた後、松葉杖なしでは歩けなくなってしまった人が来られました。まだ30歳の女性です。股関節の自覚症状はたまに出る軽い違和感だけだったそうですが、手術の後、障害が残ってしまいました。レントゲン写真を見ましたが、寛骨臼が完全に壊れていて、そこに大腿骨頭が食い込んでいました。
手術を受けるかどうかの判断は、最終的には本人の意思です。しかし、迷われている方には、ぼくは必ずこのように説明します。
「まずセカンドオピニオンを求めてください。そして、可能なら最低3カ月は保存療法を試してみてください。手術を受けるかどうかの判断はそれからでも決して遅くないですから」
手術は決して第一の選択肢にはなりません。