軽乗用車メーカーのスズキを3兆円企業に育て上げた人物が、これまで断り続けてきてはじめて世に出した本という。内容はきわめて読みやすい。
著者は、3兆円企業の会長兼社長で創業家の娘婿だが、それをひけらかすようなことはなく、とにかく世相を読み、人を読み、どういう車が売れるかと愚直に探求し続け、これまでの成長を遂げてきたという。
また、トップ自らの工場監査に代表されるように、徹底したコスト削減努力を全社に行き渡らせ、数万点の部品の一つ一つにいたるまで目を光らせる。
この人物を見ていると感じるのは、日々の積み重ねの大切さだ。そして、この本のタイトルのとおり、ご本人は本当に、「俺は、中小企業のおやじ」と思っているのだと思う。
この本を読んで、参考になった箇所を以下に記す。
・部品の共通化
・ハンガリー事業で、EU参加を目指すハンガリー政府に、スズキはEUが求める国内部品調達率60%を満たしていないといわれ、現地工場からクルマ一台分の部品のうち、大型のプレス部品や板金部品一式を油のついたままトラックで運ばせた。
それを、ハンガリーの大蔵省に勝手に運び込み、マフラーから、鉄板を打ち抜いたボディー部品までをずらりと赤じゅうたんに並べた。並んだ部品のうち、日本から持ち込んだ部品には赤い丸をつけ、残りは「すべてハンガリー製ですよ」とアピールした。これにはハンガリー人もびっくりしたようだ。そこで私は現物を前に懸命にアピールした。私は通訳もなしに「これが日本製、これがハンガリー製です。これでも60%を満たしていないのか」と訴えた。
これによって、ハンガリー政府の見解は覆った。
・少しばかりの債権を確保しようとしてじたばたするより、思い切りよくあきらめて、新しい仕事に前向きのエネルギーを投入する方がはるかに生産的だ。
・会社というのは、いろいろ手間がかかっても一から自分でつくりあげたほうが、いい結果が出る。
・いいか。セールスは断られたときからが勝負だ。あきらめずに掛け合って来い。
・ストの一つや二つで腰砕けになるようでは経営者失格だ。
『俺は中小企業のおやじ』鈴木修著(日本経済新聞出版社)
著者は、3兆円企業の会長兼社長で創業家の娘婿だが、それをひけらかすようなことはなく、とにかく世相を読み、人を読み、どういう車が売れるかと愚直に探求し続け、これまでの成長を遂げてきたという。
また、トップ自らの工場監査に代表されるように、徹底したコスト削減努力を全社に行き渡らせ、数万点の部品の一つ一つにいたるまで目を光らせる。
この人物を見ていると感じるのは、日々の積み重ねの大切さだ。そして、この本のタイトルのとおり、ご本人は本当に、「俺は、中小企業のおやじ」と思っているのだと思う。
この本を読んで、参考になった箇所を以下に記す。
・部品の共通化
・ハンガリー事業で、EU参加を目指すハンガリー政府に、スズキはEUが求める国内部品調達率60%を満たしていないといわれ、現地工場からクルマ一台分の部品のうち、大型のプレス部品や板金部品一式を油のついたままトラックで運ばせた。
それを、ハンガリーの大蔵省に勝手に運び込み、マフラーから、鉄板を打ち抜いたボディー部品までをずらりと赤じゅうたんに並べた。並んだ部品のうち、日本から持ち込んだ部品には赤い丸をつけ、残りは「すべてハンガリー製ですよ」とアピールした。これにはハンガリー人もびっくりしたようだ。そこで私は現物を前に懸命にアピールした。私は通訳もなしに「これが日本製、これがハンガリー製です。これでも60%を満たしていないのか」と訴えた。
これによって、ハンガリー政府の見解は覆った。
・少しばかりの債権を確保しようとしてじたばたするより、思い切りよくあきらめて、新しい仕事に前向きのエネルギーを投入する方がはるかに生産的だ。
・会社というのは、いろいろ手間がかかっても一から自分でつくりあげたほうが、いい結果が出る。
・いいか。セールスは断られたときからが勝負だ。あきらめずに掛け合って来い。
・ストの一つや二つで腰砕けになるようでは経営者失格だ。
『俺は中小企業のおやじ』鈴木修著(日本経済新聞出版社)