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グローバル・スタンダードの最高峰資格CFAとCFPを持つ完全独立のFP・資産運用アドバイザー尾藤峰男の書評ブログ

びとうファイナンシャルサービスはお客様の利益のみに目をむけた金融機関から完全独立のFP・資産運用アドバイザーです。

おもしろい経済・投資セミナーを聴いてきた!!

2008-06-25 10:14:05 | Weblog
昨晩は、マーク・ファーバー博士という世界でも著名な投資アナリストのお話を聴いてきました。テーマは、「200年来はじめての世界同時経済ブームは、同じように世界同時経済崩壊に向かうか?」でした。

その中で、おもしろい見方やなるほどと思える話をお伝えします。

1. 米国の2000年以来の低金利政策が、バブルを引き起こした。
2. 米国の住宅バブルのレベルはまだ高い。(1975~2000年のトレンド線ではいまでも(1975年の100に対し)140程度だが、現在190とまだ開きがある。)
3. 米国人はお金の使いすぎ-これが膨張する貿易赤字と経常赤字を引き起こす。→米ドル安へ
4. 世界貿易量は、対世界GDP比で1970年の13%から30%に拡大している。
5. 一人当たりGDPは1750年から1995年まで、最先進国は21倍になり、後進国は2.5倍に留まっていたが、この関係がいよいよ逆になってきた。
6. 新興国経済は、もはや世界ファミリーのかわいそうないとこではない。
7. 米国競争力の2000年からの下落に対し、中国は著しく上昇している。
8. 中国元は1981年には実に対ドルで0.65元だった!! これが、94年の0.11元から今の0.13元に上がっただけで、まだまだ上がる余地は大きい。
9. 中国で不動産バブルはない!! 不動産価格は、対GDPや所得比では2007年まで下落している。
10. 中国はこれからも、石油、鉄鉱石、天然ガス、銅、石炭など自国に少ない資源はどんどん買い付ける。これが、これから資源をめぐる戦争にもなりかねない。(原油資源は枯渇傾向)
11. 200年来、商品価格の高騰は国際緊張を高める。→戦争へ→さらに価格高騰。
12. 商品価格は幾分バブル気味だが、200年来の継続下落傾向から、実質価格はまだ安い。
13. 米国の金融緩和と借入の膨張は、経済効果ゼロというポイントに近づきつつある。
14. アジアの投資注目点:
・ 不動産:インド・カンボジア
・ 商品:砂糖、綿
・ 日本:売られすぎで、反転へ
・ 新しい魅力地域:カンボジア、ラオス、ミャンマー、モンゴル(小生の感想-面白そう!!)
・ アジアに加えた投資先として、アフリカ(小生はこのアフリカはこれから注目と見ている。)
15. セミナータイトルの答えは(世界同時崩壊はあるか?)、というと イエスの可能性が高い。
16. 商品はまだ上がる。調整のときは、下落はきつい。
17. 商品価格上昇につられ、インフレと金利は今後2,3年上がる。
18. 資源ナショナリズムと資源獲得競争が引き起こす地域的緊張は、間違いなく国際緊張を増長する。


いかがですか。なかなかユニークな見方ですが、この方は、外国では熱烈なファンが多いんですよ。コメント、感想など、大歓迎です!!

ホームページをリニューアルしました。

2008-06-24 10:36:07 | Weblog
本日はお知らせです。

このたび、ホームページを完全リニューアルしました。ぜひ、下記をクリックし、ご覧ください!!

びとうファイナンシャルサービス

ホームページの中身は、ご覧いただく方にわかりやすいようにつくりました。コメント、ご批評など、ぜひお知らせください。お待ちしています!

また、近々、メルマガも発行する予定です。準備が整いましたらお知らせしますので、そのときはぜひ登録してください!!

お金の面での、日本のいびつさ

2008-06-23 08:57:53 | Weblog
慶応大学経済学部教授、吉野直行氏の「日本の金融をめぐる課題」という講演を聞く機会があった。大変興味深い内容だった。そのなかで、以下のような点を、日本のお金の流れの特徴としてあげていた。そしてそれは、日本の金融情勢を取り巻く大きなゆがみでもあることを浮き彫りにしている。

(1)日本のお金の流れをめぐる特徴
1. 金融機関は、1980年代に民間企業にどんどん貸し込んでいたが、1990年代になると年平均で回収に入り、2000年代には貸し出しを大きく減らしている。

2. 一方で、金融機関はどこで運用しているかというと、国債と海外の債券・株式投資だ。国債は2007年末全残高の40%を銀行が保有しているという。第2位は生損保で18.4%だから、圧倒的に銀行保有が多い。個人向け国債のキャンペーンを盛んにしているが、個人は全体の5.3%程度と微々たるものだ。

3. 家計(個人と見てよい)部門の資産運用のお金の流れは、1980年代後半の年平均77兆円増から、1990年代には39兆円増に減り、2000年代には16兆円増と、増加幅が縮小してきている。

私の感想:
金融機関は、企業に資金を提供するという社会的役割を相対的に低下させてきている。その一方で、国債の最大の買い手となっているが、預金の運用方法としてはあまりにも安易過ぎないか。もう少し運用手法の開発や企業への融資などで努力を重ねないと、ますます欧米のライバルの後塵を拝することとなるだろう。また特に中小企業への資金供給が十分でないことが危惧される。

国債市場が巨大になりすぎ(今では米国国債残高をはるかに上回り、2004年では国内社債市場の10倍の規模)、資金の流れが非常にいびつになってきている。まさに、池の中の鯨という状況だ。


(2)アジアのお金の流れの特徴
1.アジアの高い貯蓄は、米国や欧州の債券に主に流れていて、日本国債の購入は少ない。

2.アジアの資金調達も、米国やユーロでの調達が圧倒的で、巨大な市場規模からいえば日本のシェアは非常に少ない。

私の感想:
アジアの巨大国、日本だが、実は欧米と日本を除くアジア圏の資金の流れは、非常に活発で、パイプも太い。アジア地域の国から見れば、日本を無視しても別に困らないということだ。日本国債が、アジアでもっと購入されるようにならないかと吉野教授はいっていたが、政府はもっと敏感になって、積極的に外を向いた市場改革を進めるべきだ。今の資金の流れの状態は、対アジアに対し消極的な鎖国を続けているに等しい。

東シナ海ガス田開発の日中合意はよかったか??

2008-06-20 13:53:10 | Weblog
この合意を、日本政府は大きな得点としてアピールしたいのだろうが、なにか合点がいかないところがある。次のような点だ。


1. 白樺(中国名-春暁)の出資比率は中国が過半数をもつことで合意したこと。-これはこれからの行く末を思うときいいのか、あとで災いの元にならないか、心配されるところだ。この出資比率は、最低限50%確保が至上命題だったのではないか。中国がすでに建設したからといっていては、やりもの勝ちということの前例を残すものだ。日本が、日中中間線を白樺近辺で主張するのであれば、建設費用の半分を支払って50%出資とするべきだった。

2. 東シナ海ガス油田をめぐる日本政府の対応は、後手後手の印象が強い。まず、中国が建設を始めることを事前に察知していたのか、大いに疑問だ。これは外務省の責任が大きいのではないか。中国での情報活動が機能していなかったのではないか。中国側は、建設を始める前に日本に気づかれないように国として入念な準備をして、発見されたあとでも日本にどう対応していくかまで決めていたはずだが、これに対する日本の対応はやや甘すぎた感が強い。手をこまねいてみているだけだったというのが印象だ。

3. この海域の開発を、日本は中国より前に行っているべきだったと考えるが、それは望みすぎというのもわかっている。すなわち日本政府がそこまでエネルギー政策に真剣に取り組んでいるようにはとても見えないからだ。とくに今回は、経済産業省の責任が重いと思う。国のエネルギー戦略が見えない。どこの国も真剣だ。余計なところで口を挟み、省益を確保するのに血眼になる前に、もうすこし国の戦略をしっかり立てるのに血眼になってほしいと切に願う。

労働者をもっと大事にする時期が来た!!

2008-06-19 08:48:41 | Weblog
外食チェーン店長の残業手当問題、派遣社員の二重派遣、請負受託による低レベルの労働条件など、バブル崩壊後の企業リストラやデフレなどの影響を大きく受けて、労働者の労働環境が著しく劣化してきた。

これは、この10年程度の中で大きく進行した問題であり、見落としにはできない。連合など労働組合の力が弱体化してきたことも影響がある。また、グローバル化による競争の激化を名分にする企業の論理が、業績の悪化の中で受けいれられやすかったということもいえる。さらに、利益配分が、労働者への配分より株主への配分に傾斜する動きが強かったという点もある。

特にこれが憂慮されるのは、若い労働者の待遇面に出ていることだ。高齢者を支えるこれからの若い世代の負担感が強まる中で、収入の少ない若い労働者が年寄りをどう支えられるというのか。構造的な問題であり、また今後顕在化してくる大きな爆弾のようなものだ。

若い世代労働者のモラルの低下、嫌世感が、あの通り魔殺人を引き起こしているとみてもいいだろう。

企業は、もうそろそろ自分たちの論理をまかり通らせようとするのをやめて、労働者に対する待遇をきちんとしたものにするスタンスを持つ必要がある。このような状態が続くと、天に唾しているようなもので、大きく日本の社会全体の利益を減退させるものとなるだろう。

(春風亭)小朝の独演会を見てきたぞ!!

2008-06-18 09:14:32 | Weblog
きのうは、東京商工会議所130周年記念の春風亭小朝「人生笑談」を新高輪ホテルパミール館で見てきた。そもそもこの会は、300人程度でやる予定だったのが、申込殺到で急遽会場を変えたようだ。会場には1800人程度きていた。

一時間の独演会で、最初から最後までテンポはかなり早く、次から次に繰り出すネタに会場は笑いやくすくすで大いに沸いた。そもそも小生のこの会に行く動機は、小朝の話し方、間合いのとり方をみたり、人生談義を聞くためであったが、大いに満足いくものだった。

感じたことをいくつかお話しよう。
1.まず、話し始める前に、携帯防犯ブザーが観客のどこかで鳴り始めるというハプニングがあり、どう小朝が応じるかを見ていると、これが如才ない。うまく観客を巻き込み、話しに入っていった。きっとこのハプニングを、次のネタにするのだろう。

2.一時間話しまくっている間、水を飲まない。噺家の鉄則なのかも知れないが、機関銃のような話の嵐の中で観客には大変好印象を与える。

3.とはいいながら、コップとおしぼりを道具に使うのだからさすがに噺家だ。おしぼりは、お年寄りの女性の風呂上りの所作、男性のものにたとえて使っていた。

4.1800人もいて大変だと思うが、それを背負い込み、話のネタは尽きず(数十は面白いネタがあったのではないか)、よく何も見ないで話し続けられるものだと感動に近いものがあった。

5.話のネタもとは、男性・女性を問わず、いろいろな業種、年齢層、おじいちゃん、おばあさんまで多岐にわたっている。やはりたくさんの人に会って生の意気のいい情報を仕入れている努力の賜物なのだろう。

6.話の中には、随所に生き方や健康のノウハウ、おもいやり、ほめる、前向きな考え方などの、まさに生き方を示唆するテーマを盛り込み、わらいや下世話なネタの中にも、人にジーンと感じさせるものがあった。

7.また、時計で見たわけではないが、もうそろそろ最後と思う頃には、ぐーっと盛り上がらせて終わる話し方は、さすがだった。

8.小朝自身、人並みではない精進や苦労を重ね、ここまで来ているのだろう。きっと、聞いていたみんなが満足して帰路に着いたことと思う。小生もいっぺんでファンになってしまった。



留まることを知らない官僚の不祥事-これが日本衰亡の元凶

2008-06-17 08:39:49 | Weblog
小生が覚えているだけでも、このところ以下のような官僚不祥事がある。

1.防衛省、守屋前防衛事務次官の業者との癒着
2.文部科学省の前文教施設企画部長の収賄
3.国土交通省の現役局長の官製談合容疑
4.財務省他主要官庁の官僚のタクシー居酒屋接待
5.社会保険庁の業務外個人の年金記録漏洩
6.国土交通省の道路財源でのカラオケセット・マッサージチェア購入

まだまだたくさんあるのだろうが、上げだしたら切がない。こういう事件や不祥事が連日新聞をにぎわす状態は、恐れる日本のモラルの崩壊を引き起こしかねない。官僚の暴走を許すのは、どこかに国の構造としての問題があるといわざるをえない。最近、「官僚国家の崩壊」という本を出版した中川秀直さんあたりに期待するしかないか。国家体制の液状化が起きそうな状況だ。

地震に対する人の無力さ

2008-06-16 08:41:47 | Weblog
震度6強を観測した岩手・宮城内陸地震による、山の崩落のすさまじさには驚いた。道路が寸断されるどころのものではなく、山ごとくずれて山の形がなくなったというほどだ。自然の力の驚くべきエネルギーに、いかに人類が対抗しようと無力というものを感じざるを得ない。なくなられた方には心からご冥福をお祈りするが、いかに防ごうと防ぎようがないとはこういう状況だ。今回は山間部が震源ということで被害が低く抑えられたということも考慮する必要があるだろう。これが、都市部直下であればまったく違った被害のレベルになってくるのは容易に予想できる。

ところで、今回の地震が起きた活断層は、これまで未発見のものだったということだ。新潟中越地震でも地震の断層は未発見のものだったとのことだが、現代の科学ではまだこれらの発見は難しいのだろうか。地震が起きた後から断層がわかっても、地震対策には役立たない。データとして蓄積されるだけだ。どうも、われわれは地震への予知の進歩に過大の幻想を抱いているという状況にあるのではないか。今の地震予知のレベルで、どの程度まででき、それ以上はできない、これより先は信頼度が落ちるというような、明確なレベルを広く示しておいたほうがよいように考えるがいかがだろう?

なお、今回の地震が起きたとき、小生は、ちょうどテレビを見ていて、関東でそのゆれが起きる10秒ほど前に緊急地震警報のテロップが出た。これは関東の地域にとっては、大変有効であったように感じた。これは、震源が遠かったために、そのゆれがここまで到達するのに時間がかかったから、地震警戒警報として出すことが結果的に可能だったのだろうか。そのあたりははっきりしないが、この緊急地震警報は、今後かなり使えるのではと期待している。

日本の証券取引所の対外比較

2008-06-13 08:02:33 | Weblog
証券取引所の果たす社会的責任は、大きい。いわばお金の血流をスムーズにする役割を果たすものといっていいだろう。

ところで、それでは日本の証券取引所がその責任を果たしているかということになるのだが、どうだろう?

十分にその任を果たしているかというと、うーんと考えざるを得ない。決められたこと(オペレーション)はやっているが、その先の踏み出す行動(戦略活動)がみえない。

日本の株式市場の規模に寄りかかって、あぐらをかいていないか。役人根性を脱していないのでは。外を見た危機感を持っているか、等々。

上場商品性からみても、日本の投資家がかわいそうとおもわずつぶやいてしまう。あのETFだが、NYほか他の海外市場のETFの品揃えを見ると、足元の状況はお寒い限りだ。ETFは3年も4年も前から、海外では急拡大してきているが、いま東京証券取引所に上場している海外ETFは、韓国、中国、金程度。これでは、世界取引所単位の品揃えのレベルから、これから東証に多少ETFが増えても利用が増えないのではないかと心配になる。売って買うにも、数百ある他の証券取引所に比べ、選ぶ商品が圧倒的に少ないからだ。また取引高が少なく流動性がなければ、取引価格と純資産価格との乖離が大きくなり、価格の信頼度が落ちる。

日本の投資家が、国内の取引所で買わずに、流動性の厚い海外の取引所で売買するというパターンが予想されるのだ。国内取引所の社会的役割の低下とともに、海外依存度の高まりが日本の競争力を低下するというパターンが危惧される。

CFAという証券アナリスト資格

2008-06-12 07:55:50 | Weblog
-倫理、教育そしてプロとしての卓越性の最高基準を設定し、投資分野の職業を世界的にリードする。-

これが、米国CFA協会のミッションだ。1960年にこの資格制度が始まり、いまでは世界中に10万人近い資格保有者がいる。CFAとはChartered Financial Analystの略称だ。

ところで、世界の市場のグローバル化が進展する中で、ますますこの資格の価値が高まってきている。というのは、この資格試験は、世界万国共通にその時点のもっともアップトゥデートされた内容で実施される、大変中身の濃いものになっているからだ。いわば、「CFA資格保有者は、卓越性と国際的な自由な移動を証明するパスポートを保有しているといってもよい。」(Financial Times)また「CFA資格は、世界共通の通貨になった。」(エコノミスト)

特に、中国、インドなど振興著しい国での取得熱はすさまじく、日本をはるかに上回る伸び率になっている。世界の政府規制機関は、この資格を持っていると業務遂行に必要な国内資格を免除したり、世界の著名大学が教育カリキュラムに組み入れたりしている。

このCFA資格の強みは、重ねて言うが、毎年毎年、非常に活発にプログラム内容をその時点の投資理論や今後出てきそうな有望理論なども入れてアップトゥデートにしていることだ。このアップデイトの作業は膨大なもので、おいそれと真似できるものではない。ここに大きな価値が生まれてくる。このため、受験者は落ちるとまた教材を買わなければならい。(全部で数千ページ)またこの試験は英語で3次にわたり、最短でも3年かかる。最初に5人挑戦して、最終的に成功するのは1人といわれる精神力も試されるタフな試験だ。

全世界に支部があるが、その役員はみなボランティアで成り立っている。ちなみに、私も日本支部の理事を務めている。

というわけで、今日はCFA資格のご紹介と相成ったが、この資格の取得は、決して間違いのない、見返りの多いチャレンジだと確信できる。