京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
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「蒼天」163号読後感

2020-12-14 08:05:56 | 俳句
「蒼天」163号読後感
             金澤ひろあき
 岡田尚氏の詩、介護疲れの体験がテーマだが、本当に他人事ではない。高齢化で、子供も年老いて、更に年老いた親の介護で疲れてしまう。日本中この問題が広がっている。
 短詩のほうでは、
○焼芋包む父の命日     野谷真治
 寒い時、焼芋のぬくみがほんのりと伝わるとほっとする。何だか慰められているようだ。その暖かみの中に混じる父への思い。やはり暖かみを感じる。
○バケツ化ける打ち水婆さん 同
 ナンセンス漫画の楽しさを感じる。つくも神という妖怪がいる。古い道具の魂が意志を持ち動き出すそうな。この婆さんもバケツのつくも神なのか。そんな空想に入ってしまう。
○川底の田螺よろよろ動く極楽ありそうにない 来空
 二句一章の自由律文体を既に十代で獲得している。光景に心情を仮託し、解きがたい悩みを表白している。優れた作家だったんだと思う。
○音らいんすなっくマキこんこんお邪魔島Earth  木村万峰伝昭佳
 オンライン、スナック、お邪魔しまあす、と音声にすると情景が立ち上がる。「しまあす」というのばし気味の口調に表情や性格までも見えてくる。

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