10月3日は東西ドイツが再統一された日。
私たちのドイツ語会話教室は、10月5日に開かれた。
先生は、教室に現れ、朝の挨拶を済ませると、パソコンのキーボートを打ち始め、ひとつのサイトを立ち上げた。
「とてもいい番組。とても感動しました。まだ全部は分からないでしょうが、見てみてください。」と言い出した。
私は一瞬「あれっ?いつもと違う!」と思い、先生の顔を見ると、普段冷静そのもので笑顔を絶やさない先生が、このときは、、真剣そのもの、かなり感情を高ぶらせていることが分かった。
その後、先生は、幾分平静さを取り戻し、1990年10月3日にドイツが再統一された日であること、1961年8月13日にベルリンの壁が突然出現し、理不尽にも家族、親戚がばらばらになったことなどを語った。
ドイツが再統一されてから27年を経過している。それなのに、ベルリンが築かれた時の心の傷、悲しみは、先生の心に深く刻まれ、傷として残っているのだと改めて知らされた気がする。
ドイツは、東西に分断されはしたが、内戦までは起こっていない。それでもこれだけの深い傷が残っている。朝鮮は未だに二つに分断されたまま、それも内戦を経験し、親戚縁者が敵味方に分かれて戦った経緯があるのだ。その心中には想像を絶するものがあるのだろうと思う。
内戦に乗じて、武器を売って儲けようとか、利権争いで得をしようなどという根性はいかにもさもしく、鬼畜の所業と言わざるを得ない。
この日の教室は、最近になく、考えさせられるものになりました。