DonkeyMの部屋

Donkeyはロバ。格好良くなく、足も遅い。「のろま」とか「馬鹿」といった意味。日々の感動、怒り、愚痴等を記事にしたい。

あるドイツ語教師の怒りと悲しみ!

2015-10-09 11:25:56 | 雑感

10月3日は東西ドイツが再統一された日。

私たちのドイツ語会話教室は、10月5日に開かれた。

先生は、教室に現れ、朝の挨拶を済ませると、パソコンのキーボートを打ち始め、ひとつのサイトを立ち上げた。

「とてもいい番組。とても感動しました。まだ全部は分からないでしょうが、見てみてください。」と言い出した。

私は一瞬「あれっ?いつもと違う!」と思い、先生の顔を見ると、普段冷静そのもので笑顔を絶やさない先生が、このときは、、真剣そのもの、かなり感情を高ぶらせていることが分かった。

その後、先生は、幾分平静さを取り戻し、1990年10月3日にドイツが再統一された日であること、1961年8月13日にベルリンの壁が突然出現し、理不尽にも家族、親戚がばらばらになったことなどを語った。

ドイツが再統一されてから27年を経過している。それなのに、ベルリンが築かれた時の心の傷、悲しみは、先生の心に深く刻まれ、傷として残っているのだと改めて知らされた気がする。

ドイツは、東西に分断されはしたが、内戦までは起こっていない。それでもこれだけの深い傷が残っている。朝鮮は未だに二つに分断されたまま、それも内戦を経験し、親戚縁者が敵味方に分かれて戦った経緯があるのだ。その心中には想像を絶するものがあるのだろうと思う。

内戦に乗じて、武器を売って儲けようとか、利権争いで得をしようなどという根性はいかにもさもしく、鬼畜の所業と言わざるを得ない。

この日の教室は、最近になく、考えさせられるものになりました。

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声を失った婦人!

2015-10-09 04:54:57 | 雑感

 妻が診察室に入った後、音楽を聞こうと、ワォークマンのスイッチを入れ、曲を選択したが、無反応。何をしても動かなくなった。これは困ったリセットするしかないが、爪楊枝もない。あれこれとポケットやバッグを探し、鍵のところに靴べらを付けるために使った針金を爪楊枝代わりにしてリセットし、ようやく曲が流れるようになった。ふと、前を見ると、私と同年代の女性が座っていた。首を固定している。あれ!荷物の中に、プラスチックの透明の円筒が置かれていた。車椅子や杖などは見当たらず、歩いてきたのだろうと思った。少しして、娘さんだろうと思われる女性が隣に座って何やら話しかける。そして、問診票のような紙に何やら書き始めた。娘が離しかけ、婦人がうなづいたり、手振りで応答、声は聞こえて来ない。「えっ、声が出ないのかしら」と思って、ちょっと良く見ると、首から管のような物が出ているではないか?少しして、看護師が近寄ってきて、問診を始めた。すると、婦人に何やら異変が。娘はさっと立ち上がり、円筒形の筒から管のような物を持ち出し、婦人の喉の部分に差し込んだ。管を入れると、何やら吸い込んでいる様子。そうか、痰を吸引する道具だったのかと初めて気付いた。何度か、吸引していると、婦人は指でOKのサインをした。そして、ボードを取り出し、何やら盛んに書いているらしい。娘は婦人に色々話しかけ、そして、看護師と話している。娘はノートを取り出し、そして、また、応える。その様は、実に見事、二人の息がぴったり合っている様に見えた。

 歩いてきて、手足も普通に動く、これといって痛いところもなさそうだ。しかし、声が出ない、痰も切れない。「なんなんだろう?」と考え、思いついたのは妻と同じ病気ではないかということ。ただし、妻は、手足は動かなくなって来ているが、声はうるさいくらい良くしゃべる。痰も吸引するほどではない。かなり違った様相なのだ。「ALS」は人によって病状の出方が違っていると聞いたことがある。妻も、そのうち、声も出なくなると言っていた。

 私は、婦人と娘を見て、非常にショックを受けた。私は、妻とあんなにスムーズに会話ができるのだろうか?今はすれ違いが多く、すぐにけんかが始まるような状況だ。とても、あんな風にできそうにもない。あーーー、子ともが娘だったら良かったのに・・・・そんなこと思ってもどうしようもない。とにかくやるしかない。そう、やるしかないのだと改めて思った。

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