ゼネコンの工事や、プラント工事を行うには、書類が必要になって来る。
請負契約書、作業員名簿、各種資格書類のコピー、健康診断書のコピー、施工計画書、作業手順書、使用機器の届出書、安全衛生責任者の選出、緊急時連絡網等、用意する書類は山盛りだ。
今回の工事では、一時的とは言え、それなりの人員を投入するので、各自の健康診断書を集めるだけでも一苦労だ。
まずは人員の確保に走る。
「…という事で、W運輸機工に管内ロボットの組立てをお願いしたいんですよ」
「大丈夫だよ、キーちゃんの為にスケジュールは空けておくよ」
佐野のいるW運輸機構は、F社のフライングブリッジ(超高圧水で様々な物を切断する機械)の設置を行っているので、超高圧や精密機器の取扱にも慣れている、まさにうってつけの業者だった。
「それと、だれかいいアルバイトは居ませんかね?一日一万円位で働いてくれる人。宿泊費を払っても、職人さんに頼むよりは安いんですよね、その方が」
「作業の内容は?」
「水処理ユニットの塗膜片回収と、フィルタープレスの汚泥出しですね」
「じゃあ、ウチのOBの爺さんで、後藤ってのが居るんだけど、その人でどうだい?」
「十分ですよ、軽作業ですからね」
「じゃあ、俺と田代と渋井君、それと後藤の爺さんを連れて行くからね」
「お願いします」
次に、力仕事と、足場を組める業者が必要だった。
下水処理場の仕事をしていた時の、職人の親方、中島に連絡を入れる。
「おお、木田さんかい!S県の処理場依頼かな?元気かい?」
「ええ、元気に現場仕事をやってますよ。ところで中島さん、四、五人お借りしたいんですけど、二月の下旬は大丈夫ですか?」
「いやぁ、難しいねぇ、お宅の仕事が入ってるよ、ほら柴木さんの」
「やっぱりそうですか、二月は難しいですよね」
「俺が人手が居る時に使っている、本村組って会社があるんだけど、そこになら若い職人がたくさんいるんだよ。なんなら紹介しようか?」
「あ、本当ですか?是非お願いしますよ」
中島の話が通ったのを確認して、すぐに本村組に電話を入れる。
「ああ、中島さんから聞いてますよ。仕事の内容は?」
「単管パイプと防音シートで、遮音壁を作ってもらいたいんですよ」
「単管やクランプならウチで用意しましょうか?」
「ええ、防音シートはウチで用意します。それと、サクションホースを管内に入れてもらいたいんですよ」
「どのくらいの?」
「φ125、一本20メートルの奴を十数本」
「重量は?」
「一本80kgですね」
「うはははは、それじゃあ若くて活きの良い奴を入れますよ」
「ええ、五人お願いします。それと一名だけ、工事の手元として二週間ほどお願いしたいんですけど」
「何人でも用意しますよぉ!」
「あははは、一人でイイです」
これで作業員の確保は完了だ。
次に付き合いのあるクレーン屋、三晃重機に電話を入れる。
「野上部長、二月の○日に50トンラフターを一台、お願いしますよ」
「吊荷は何ですか?」
「ウチの機械ですよ。一番重いのが5トンかな。3トンの機械を15メートルほど振りたいんですけどね」
「なら50トンで行けますね」
「ええ、お願いします」
次はトラックの手配だ。まずはTG工業の仕事で、ハスキーを運んでくれた森野運輸に電話を入れる。
「森野社長、お宅の10トン低床エアサスを二台、お願いしたいんですけど」
「木田さんの頼みならいいですよ、いつ?」
「二月の○日です」
「大丈夫ですよ、ちゃんと行かせますからね!今後もよろしくお願いしますよ!」
この森野とは、電話で話した事しか無いのだが、何故か波長が合う様で、お互いに親近感を感じていた。
次にお馴染みの丸山運送にも電話を入れる。
「丸山社長、二月の○日に10トン三車をお願いしますよ」
「おお、何を運ぶの?」
「ウチの機械とホース」
「三車も使うの?」
「ええ、それと敷き鉄板ってあります?」
「ウチのトラックヤードにあるので良ければね。三×六(通称さぶろく:1800×900ミリ)でイイの?」
「ええ、サブロクを13枚」
「じゃあ、もう一車要るね」
「ええ、お願いします」
工事の準備は、まだまだ終わらない。
請負契約書、作業員名簿、各種資格書類のコピー、健康診断書のコピー、施工計画書、作業手順書、使用機器の届出書、安全衛生責任者の選出、緊急時連絡網等、用意する書類は山盛りだ。
今回の工事では、一時的とは言え、それなりの人員を投入するので、各自の健康診断書を集めるだけでも一苦労だ。
まずは人員の確保に走る。
「…という事で、W運輸機工に管内ロボットの組立てをお願いしたいんですよ」
「大丈夫だよ、キーちゃんの為にスケジュールは空けておくよ」
佐野のいるW運輸機構は、F社のフライングブリッジ(超高圧水で様々な物を切断する機械)の設置を行っているので、超高圧や精密機器の取扱にも慣れている、まさにうってつけの業者だった。
「それと、だれかいいアルバイトは居ませんかね?一日一万円位で働いてくれる人。宿泊費を払っても、職人さんに頼むよりは安いんですよね、その方が」
「作業の内容は?」
「水処理ユニットの塗膜片回収と、フィルタープレスの汚泥出しですね」
「じゃあ、ウチのOBの爺さんで、後藤ってのが居るんだけど、その人でどうだい?」
「十分ですよ、軽作業ですからね」
「じゃあ、俺と田代と渋井君、それと後藤の爺さんを連れて行くからね」
「お願いします」
次に、力仕事と、足場を組める業者が必要だった。
下水処理場の仕事をしていた時の、職人の親方、中島に連絡を入れる。
「おお、木田さんかい!S県の処理場依頼かな?元気かい?」
「ええ、元気に現場仕事をやってますよ。ところで中島さん、四、五人お借りしたいんですけど、二月の下旬は大丈夫ですか?」
「いやぁ、難しいねぇ、お宅の仕事が入ってるよ、ほら柴木さんの」
「やっぱりそうですか、二月は難しいですよね」
「俺が人手が居る時に使っている、本村組って会社があるんだけど、そこになら若い職人がたくさんいるんだよ。なんなら紹介しようか?」
「あ、本当ですか?是非お願いしますよ」
中島の話が通ったのを確認して、すぐに本村組に電話を入れる。
「ああ、中島さんから聞いてますよ。仕事の内容は?」
「単管パイプと防音シートで、遮音壁を作ってもらいたいんですよ」
「単管やクランプならウチで用意しましょうか?」
「ええ、防音シートはウチで用意します。それと、サクションホースを管内に入れてもらいたいんですよ」
「どのくらいの?」
「φ125、一本20メートルの奴を十数本」
「重量は?」
「一本80kgですね」
「うはははは、それじゃあ若くて活きの良い奴を入れますよ」
「ええ、五人お願いします。それと一名だけ、工事の手元として二週間ほどお願いしたいんですけど」
「何人でも用意しますよぉ!」
「あははは、一人でイイです」
これで作業員の確保は完了だ。
次に付き合いのあるクレーン屋、三晃重機に電話を入れる。
「野上部長、二月の○日に50トンラフターを一台、お願いしますよ」
「吊荷は何ですか?」
「ウチの機械ですよ。一番重いのが5トンかな。3トンの機械を15メートルほど振りたいんですけどね」
「なら50トンで行けますね」
「ええ、お願いします」
次はトラックの手配だ。まずはTG工業の仕事で、ハスキーを運んでくれた森野運輸に電話を入れる。
「森野社長、お宅の10トン低床エアサスを二台、お願いしたいんですけど」
「木田さんの頼みならいいですよ、いつ?」
「二月の○日です」
「大丈夫ですよ、ちゃんと行かせますからね!今後もよろしくお願いしますよ!」
この森野とは、電話で話した事しか無いのだが、何故か波長が合う様で、お互いに親近感を感じていた。
次にお馴染みの丸山運送にも電話を入れる。
「丸山社長、二月の○日に10トン三車をお願いしますよ」
「おお、何を運ぶの?」
「ウチの機械とホース」
「三車も使うの?」
「ええ、それと敷き鉄板ってあります?」
「ウチのトラックヤードにあるので良ければね。三×六(通称さぶろく:1800×900ミリ)でイイの?」
「ええ、サブロクを13枚」
「じゃあ、もう一車要るね」
「ええ、お願いします」
工事の準備は、まだまだ終わらない。