Loftに電話をしてみた。現物を見てみないと分からないが、多分電池交換は可能だと言われた。
三日後、Loftに出掛ける。自転車で片道約三十キロ、十八年自転車に乗っていなかった私には遠い道のりだ。折りしも今日は今年一番の暑さだ。昨夜NHK七時のニュースの気象予報士、半井さんがそう言っていた。私は半井さんの言うことは信じることにしている。
Loftに着くと、時計修理の窓口に背の高い男性がいた。
「Tさんですか」
彼は一瞬考えるとすぐに答えた。
「ええ、SideWatchのお客様ですね」
まだ私が商品をバッグから出す前に返ってきた言葉だ。なかなか優秀な人のようだ。
「これなんですけど」
「はい、これなら電池交換は可能です。1,260円で出来ますよ」
「そうですか、じゃあお願いします」
「お時間を二十分頂けますか」
「ええ、構いませんよ」
私は時計をTさんに預けた。
時刻はすでに夕方四時半を回っている。片道三十キロを二時間以上かかったことになる。先が思いやられるようなペースだ。膝はややカクカクとし、お尻が痛い。昼食を食べていなかったので、『餃子の王将』に入る。注文は天津飯セット。天津飯に餃子と鳥のから揚げが付く。
ここで、自転車乗りのための『餃子の王将お勧めメニュー』を発表したいと思います。
第一位
水(氷入り)。渇ききった体に染み入ります。しかも無料。卓上にはピッチャーで用意され、御代わりも自由です。まさにお勧めの一品。
第二位
塩コショー。汗として排出された塩分の補給に貢献します。鳥のから揚げにたっぷりと添付されていますので、心行くまで舐めることができます。塩分の取り過ぎが心配な方は、ある映画で塩分の取りすぎを娘に注意された時の田中邦江さんの台詞を思い出してください。
「いいんだよ、俺たちは現場で汗をたっぷりと掻くんだから」(てきとーです)
第三位
エアコン。暑くも無く、寒くも無く、この店の空調設定温度は絶妙でした。最適な室温はまさにパラダイス。
第四位
天津飯セット。食事メニューとして初のランクインです。画像は忘れました。いや、美味しかったですよ、普通に。
食事が終わった頃には程よい時間になっていたので、Loftに時計を受け取りに行く。
Tさんはすでに電池交換を完了していた。
「やはり中の電池が液漏れを起こしていました。目に見える所は清掃してありますので、しばらく様子を見て下さい。最悪の場合は中身を交換しなければならないと思います」
「今はネットで三千円以下で売られているんですけど」
「そちらの方が安いかもしれませんね」
Tさんは笑いながら答えた。
Loft名古屋店では、二年ほど前からSideWatchの取り扱いは行なっていないが、電池交換の依頼は年間で二件ほどあるとのこと。一部モデルはメーカーに送らないと電池交換できないらしい。Tさんは何度もSideWatchの電池交換を行なっており、経験豊富なようだった。
問題なく作動中。電池交換は表面のガラスを外して行なう。やはり普通の時計よりは手間がかかるらしい。Loft名古屋店時計売場のTさん、ありがとうございました。
本日はキャンプをしてみようと思う。ただし室内で。
テントやシュラフ等を購入したのはいいが、ダンボールに入れて放置したままだったのだ。現地で説明書を読みながら、商品にビラビラとひっついているタグをはさみで切る姿は、間抜け以外の何者でもない。できればさも手馴れたようにテントを設営しなければならない。
まずはテントを袋から出す。ち、小さい、軽い。最初はこれが本当にテントなのかと思った。二十年前に通学用自転車の荷台にくくりつけていたテントとは比較にならない。しかも組み立ても簡単である。ゴムコードで繋がったポールを二本伸ばし、テント上部のスリーブ部に突っ込むだけだ。はい出来上がり。
なんだか生地が薄くて心配だ。これに当然ながらフライを付ける。通い慣れた定食屋で、
「おばちゃん、鯵フライ追加ね!」
というリズムで皿にのせるがごとく、テントの上に同じくペラペラな生地をのせるだけだ。
なんだか小学生のランドセルに被せる安全カバーのようで、ちょっと複雑な心境だ。アンダーシートとテント下部が茶色であることから、『逆プリン』のようでもある。
一応二人用ということだったが、どう見ても一人用にしか見えない。一人用と二人用の違いは、二人用のほうが横幅のみ30センチ広いだけだ。収容人員が一人増えるのに、横幅は30センチしか増えない。素人の私には理解できない山岳用品の謎である。
私以外の宿泊予定はないが、一応、「ようこそ」という雰囲気だけ出してみました。
続いてマットを用意してみたが、今までマットといえば『水色スポンジ・アルミホイル付(正式な素材は知らない)』のような物しか使ったことがないが、思い切って『インフレーターマット』なる物を注文してみた。このマット、バルブを開くとある程度は勝手に膨らむらしい。勝手に膨らんでもらいましょう。
エアーピローもあるのだが、同じバルブがついているのに自分で膨らまさなければならない。人間はだんだん便利さに慣れて行き、それが当然になる卑しい生き物だ。
シュラフも思い切って軽い物にしてみた。生まれてこの方『せんべい布団with万年床』でしか生活してこなかったのに、どういうわけかシュラフはダウンである。聞いた話ではダウンは軽量で保温性に優れているが、一度濡れると大変なことになるらしい。ちっとやそっとじゃ乾かないらしいのだ。
黄色いテント、赤いマット、緑のシュラフ。まるで信号機です。
これは大問題である。キャンプといえば寝小便、寝小便といえばキャンプである。小学生のころ、早朝にコソコソとパンツを交換しようとして、デンダッドやデンマザー(カブスカウトにおける父母役、今は呼称が違うらしい)に見つかり、無残にもシュラフをキャンプサイトに裏返して干されてしまう時の悔しさ、これこそがキャンプである。いえ、私はしたことありませんよ、友人の話です。
さすがにこの歳で寝小便は無いが、年に一度くらいは便所で排尿する夢を見る。さすがにバルブは開かないが、自然の中に飛び出した人間は解放的な気分になる。下のバルブが開放的にならないとは言い切れまい。特に最新鋭のシュラフはダウンだ。要注意である。
最後にシュラフに意味不明な袋が付いていました。
でかすぎて何の用途に使うのか分かりません・・・。
さて、次回はいよいよ室内で『ペグダウン』に挑戦します。(しません)
自転車を購入した。実に十八年ぶりのことだ。
自転車屋のオヤジさんは非常に親切で丁寧な人間で、見るからに素人の私に対して懇切丁寧な説明をしてくれた。
「これはハンドルです」
「これはブレーキです」
「これは空気入れです」
「これはナントカです」
「あれはアレソレです」
「それはチョメチョメです」
「そしてこれらを総称して『自転車』と呼びます」
※途中からは本気にしないで下さい(笑)
実に好感の持てる説明だ。
どこに座ったら良いのか悩んでいた私にも、どうやら『サドル』という部品が、お尻を乗せるための機能を持っていることが分かった。
また、最近の自転車は十八年前に比べると格段に進歩していて、高機能で簡単に整備できるようになっている。例えば前輪は車軸部のレバーを緩めるだけで外すことが可能で、後輪も少しコツはいるが、工具無しで外すことが出来るらしい。
なぜ、
「らしい」
のかと言うと、私はまだ前輪の外し方しか説明を受けていないからだ。
「前輪と後輪を同時に説明すると、後輪はすぐに忘れちゃうんですよ。後輪は次回自転車の調整時に説明しますね」
オヤジさんの前では、私が前職でやっていた『超高圧水発生装置』のメンテナンスなど児戯に等しいようだ。
「じゃあ、ちょっと乗ってみますか」
オヤジさんに促され、私は店の駐車場で自転車に乗ってみることになった。この自転車のペダルには『トゥクリップ」という樹脂製の部品が装着されている。足とペダルを一体化させ効率よく自転車を漕ぐ為の部品だ。
さっそく右足をトゥクリップに入れようとするが、トゥクリップの自重でペダルが裏返ってしまい中々上手く行かない。見かねたオヤジさんがペダルを手で持ってくれて右足を挿入、なんとか漕ぎ出したが今度は左足がトゥクリップに入らず危うく転倒しそうになった。
「・・・」
オヤジさんは見るからに心配そうな顔をしている。
この時点で時刻は14時28分、私はまだ商品代金の支払いを済ませていないので、商品の所有権はオヤジさんにある。
「お、オレの自転車になにすんじゃ!」
と思っているのか、それとも
「あ、あなたはそんな状態で自転車旅行を計画されているんですか!」
と思っているのか。
しかしそれは代金の支払いを終えた私の自転車のサドルが、ほぼ地上最低高に設置されたことから判明した。
「しばらくはこの高さで乗ってみて下さい。慣れたら徐々にサドルの高さを上げて行って、現段階でのベストポジションを探しましょう」
全く持って正論である。私は素直に頷くしかなかった。
「じゃあ、今日はこれで乗って帰りますね」
私は左手で自転車という乗り物のハンドルという部品を握り、右手でサドルという部品に手を添え、店の出口で前輪を支点にして向きを九十度変更した。
「あ、その場合はリヤキャリアのこの部分、横パイプを握って向きを変えて下さい。荷物を満載してサドルを持つと、そのうち破れてくることがあるんですよ」
「・・・分かりました」
私はふら付きながらも自転車を漕ぎ出したが、また左足がトゥクリップに入らない。背後からオヤジさんの心配そうな視線が突き刺さっているのを感じた。
注)このオヤジさんは本当にマジメで正直な自転車屋さんです。
昨夜は探し物をしてみた。
しかしながらお目当ての物は出て来ず、代わりに昔購入した時計を発見した。その名も「SideWatch」。
スイス製でこれがブランド名だ。購入したのは1998年8月3日、今から約九年前になる。Loftで購入したときの保証書があるので間違いない。
ところがこの時計、当然といえば当然なのだが、電池が切れている。まあ電池を交換すれば良いのだが、どう見ても普通の交換方法が通用しなさそうだ。
何故なら時計の文字盤自体が完全に湾曲しているのだ。これは私が腹いせに火に炙った訳では無く、最初からこういうデザインなのです。そして装着するとこうなります。
腕毛が嫌いな人にはこのサイトは有害です。ウイルス対策ソフトの設定を『許可しないサイト』として登録して下さい。
このように手首の横にしか装着できません。然るに「SideWatch」なのです。レーサーなどが時刻を確認する時に、手首を反す必要を無くしたデザインであると何処かのサイトで説明されていました。
しかしこの時計、本当にどうやって電池を交換するのか解りません。通常の時計は文字盤の裏側が金属製の蓋になっており、専用工具で開けられるようになっています。しかしこの時計の裏側は樹脂製で湾曲した一体成型構造になっています。蓋のような物は一切見当たりません。
そこで私は蓋の裏側の文字を解読する作業に入りました。そして重大な文字列を発見したので、以下に翻訳文を記します。
「ハイテクふぁいばーかーぼん」
新発見です。購入してから九年、ついにこの時計の裏側の素材が「カーボンファイバー」であることを解明したのです。しかも更なる発見がありました。以下訳文。
「うぉーたーれじすたんす」
どうやら水分に対して抵抗性があるようです。これも新発見。
しかし良く見れば保証書には微妙に怪しげな日本語で、
「サイドウォッチは、水圧3までの防水性を備えています」
と書かれていました。水圧3?後ろにせめて「気圧」とか単位は無いのでしょうか。ネットで調べてみると、
「時計が水深30メートル(水圧3バール)の状態に一分間さらされても水が入ることがないものを、『水しぶき防止』と呼ぶ」
という仕様があるようです。そこで全8カ国語で書かれている保証書のアラビア語のページを熟読しましたが、私に意味が分かりません。仕方なく中国語に変えてみると読めました。
「防水深度逹30米」
なぜか中国語の方が明快です。防水深度は30メートルであると書かれています。しかし肝心な部分が抜けています。そう、「一分間さらされても水が入ることがないもの」という件です。中国の方、この時計を腕に着けてダイビングなどされませぬようお願い致します。
ここでふと九年前に購入したときのことを思い出しました。そういえば私は購入時、この時計の電池はどうやって交換するのだろうと疑問に思った気がします。店員さんに質問すると、
「持って来て頂ければ交換しますので大丈夫ですよ」
と言われた気がします。いや、そうであって欲しいです。なぜならネット上で検索しても、
「サイドウォッチの電池はどのように交換するのでしょうか?」
という質問に、無回答が一件、そしてもう一件は、
「裏側の画像が無いので分かりませんが開ける所があるはずです、樹脂かナイロンなどでカバーされているだけでしょう」
とのことでした。
えー、私には裏側に蓋があるようには見えませんが・・・。本日Loftに電話してみます。
ちなみにこのSideWatch、楽天のとある店では三千円を切る価格で販売されています。九年前とはいえ、定価で買った私はかなり悲しい気持ちです。電池交換よりも安かったりして。
昨夜は蛍を観てきた。
片道二時間、とある山裾の川である。そこには山と畑と川、そしてコンクリート製壁面開放型全天候ゲートボール場しかない。そう、山、畑、川、全天候型ゲートボール場だ。正確には高齢者のための多目的ドームらしいが、ならば何故壁が無いのか、どうみてもゲートボール以外には使用できそうにない。いや、かなり雪が降る地域なので、冬でもゲートボールができる施設を高齢者のために作ったのかもしれない。ならば何故壁無しなのか。かなりの強度が予想されるコンクリート製の柱は耐震性能もバッチリでシェルターとして使えるかも。では何故構造壁が無いのか。
私の以前の取引先は数億円をかけて経理システムを導入、今までは一人で行なっていた作業を、総勢四人で行なうという画期的なシステムを構築した。数億円を投じて四倍に人件費をコストアップ、これによりこの会社は日本経済にかなりの貢献をしたが、一年後に挫折。最終的には数万円の市販経理ソフトを使用するという暴挙に出た。これにより再び雇用人員は一人に戻され、三人の雇用が失われるという日本経済にとっての大きな損失を出したのである。その会社は今現在もシコシコと経理システムのローン(リース費)を支払っているらしい。おっとイケない、現在私が付き合っている会社だった・・・。
この蛍が川面を飛び交う美しい町には、是非ともがんばって多目予定的、実用限定ゲートボール場を活用してもらいたい。
「ナントカ長、整備予定のゲートボール場ですけど、屋根つけませんか?」
「屋根?」
「ええ、冬でも使えますよ。雪が降るとお年寄りは家から出なくなっちゃうでしょ」
「まあそうだな、冬でもね。高齢者の健康増進か、いいんじゃないか?」
「どうせならコンクリートのシェルター構造にしましょうよ」
「そうだなぁ、それなら雪かきの必要も無いしなぁ。でも予算がなぁ、照明や空調もいるだろう。ランニングコストが掛かるよ」
「ああ、それなら大丈夫ですよ。壁を無くしちゃえばいいんですよ。ほら道路にもシェルターってあるでしょ?」
「それじゃ冬は寒いだろう」
「いいんですよ、どうせゲートボールなんて外でやるものですから」
「地震の時に避難シェルターとして使うのはどうだ?」
「冬に・・・、ですか?」
「・・・そういう機能もあるような雰囲気にしておくか」
「そうですね」
「じゃあ名目は多目的施設ってことで。次の議会までに根回しが必要だな」
「是非ともよろしくお願い致します!」
悪い虫の例え話しでした。
注)私の激しい妄想の世界ですので、山も畑も川もゲートボール場も実在しません。蛍は幻視、川のせせらぎと蛙の声は幻聴でした。
今日からブログを創めてみました。
出来ればあまり多くの人が見ない方がいい、知人が少しコメントをしてくれる程度が望ましい、そう思って創めました。
そもそも私は打たれ強くない。少なくとも野に咲く花よりは弱いという核心がある。したがってブログに書いた内容をその道のプロから、
「君、それについては間違っているよ。よく知りもしないのにそんな事を書いてはダメだ」
とか、ちょっとばかり小、中、高校とさらには大学と日常生活で「日本語」を学んだからといって、
「漢字が間違っています。さらに送り仮名も違っています。もっと言うと用法も間違っています!」
などと指摘されると自暴自棄になって会社に辞表を提出してしまう危険性がある。きっと私がそんな理由で、人生を賭して勤め上げている会社を辞めてしまったら、そのコメントを書いた人は酷く責任を感じて自殺してしまうかもしれない。
したがって私は、私にとっても、またコメントをして頂く方々の為にも、その危険性を身を挺して排除することにした。なんと二年も前からこれに備えて会社を辞めていたのだ。
恐らく日本中を探しても、ここまでブログにコメントを寄せて頂く方々に配慮しているのは私だけでしょう。これについては地震があります。
だからといって皆さんは重箱の隅を突付くように誤字脱字等を捜したりしてはいけません。まして私が間違って「若干」を「わかせん」とルビを振っても静かに見逃して下さい。そう、そっと見なかったことにするのです。
(数行前の『地震』を見て早速過剰に反応したあなた様、そうあなた様のことでございます・・・)
最近のネット上では言葉狩りのような指摘を多々見受けますが、考えても見て下さい。自分の勤める会社の上司が、堂々とお客様の前で間違ったことを言っていたとしても、なかなか指摘しづらいものです。そう、その気持ちです。
わかせん
「まあ、若干商品名が違っていてもイイか、大筋では間違っていないし、契約も貰えそうだし・・・」
そう、その気持ちです。 私も以前に人生を賭して勤め上げようとしていた会社で、米海軍「強襲揚陸艦ベロウッド」のことを「強襲揚陸艦ベローズ」と言い続けた上司の間違いを正す事が最後まで出来ませんでした。しかしそれは今となっては私の人生の勲章です。缶コーヒーのCMでも坂口君は最終的に「坂田です」と自己紹介していましたね。そう、その心です。
そしてそんな気持ちを忘れないみんなのことを、先生は誇りに思います。
おっと私は教職免許を持っていなかったですね。それではみなさん、再来月お会いしましょう。