どんぴ帳

チョモランマな内容

昆布on黄金道路

2007-08-31 23:18:26 | 北海道一周!
 ようやく道道1037号を抜け出し、国道336号線に合流する。ここから先は黄金道路と呼ばれる区間が広がっている。
 黄金を敷き詰めるくらい造るのにお金が掛かった道路らしい。確かにお金が掛かったことが容易に想像できる凄い道路です。右は切り立った崖、左は海、堤防が無ければ成り立ちません。凄い事に、この状況で道は全線でほぼフラットに造られています。現在も新しいトンネルを順次造っているので、今でも確実に黄金道路です。

黄金道路を走る麦帽男K君。

黄金道路を走る私。このあとは黄金プレイを実施(してません)


GIANTグレートジャーニー2昆布乾燥仕様
 黄金道路上に落ちていた砂まみれの昆布を拾い、自転車で干すことにしました。え?食べますよ、もちろん。

 襟裳岬に向かっていると、素敵なお宅を発見!渡辺篤史さん(建もの探訪)が押しかけて来る前に紹介したいと思います。

船が部屋に!しかもふんだんに使われすぎたパステルカラーがファンシーを通り越してサイケなイメージを匂わせます。

船部屋もそうですが、一つ一つの区切りで見ると、配色はそれほど奇抜ではありません。むしろ色の対比はきちんと守られている気がします。ただ全体を一つの建築群としてとらえると、まるで賑やかな絵具セットのようでもあります。

判っているとは思いますが、ここは「十勝清水」駅ではありません。しかし見れば見るほど、この駅名プレートの濃い青色まで計算して配色されているような気がします。
 果たして渡辺篤史さんは、こちらのお宅を拝見して、
「わかりましたぁ」
 とサクサク進めるのか、非常に気になる所です。


買い物をした小さなスーパーの向かいに居ました。全く吠えません。毛並みはツヤツヤ。

 さて、今夜は汁の日です。

道路で拾った砂まみれの昆布を、公衆トイレの洗面台で洗いました。良い出汁が出る予感が・・・。

うーん、やっぱり豚汁最高!昆布の出汁が絶妙です。

具を食べ終えたら、K君提供の素麺を投入します。素麺は火の通りが早く、汁に入れるとまるで博多ラーメンの麺の様で激旨です。
 
 このK君に教えてもらった素麺の活用法は目から鱗、これぞ『ジャパニーズ・パスタ』です。

主水、道道1037号にうんざりする(仕事人風)

2007-08-30 22:36:24 | 北海道一周!

 私はK君とひたすら国道336号線を走り、今度は道道881号線に入り、晩成温泉を目指した。
 ようやく商店を一軒見つけるものの、ほとんどまともな商品は無く、地元のおばさんに聞くと、
「この先に店なんか一軒も無いわよ」
 と言われた。覚悟を決めてひたすら走るが、ちっとも晩成温泉は見えてこない。周囲は牧場か山しか無く、かなり不安になってくる。
「この道が違ってるなんてないよね」
 思わず口に出したくなる。すでに夕暮れが迫り、気温がどんどん下がって行く。車もほとんど通らない。一人だったらなおさら不安になっただろう。走ること小一時間、突然明かりの付いた建物が見えた。
「あれでしょう!」
「うわー、ありましたね」
 ようやく晩成温泉を発見、隣は芝生のキャンプサイトになっている。

 宿泊施設のカウンターでキャンプ場の手続きをしていると、一人のライダーが受付のおじさんに質問をした。
「この辺にコンビニはありますか?」
「うん、あるよ。25キロ向こうに」
「に、25キロですか?」
「そう、それが一番近いコンビニ」
「・・・」
 どうやら食糧になる物は、この宿泊施設の販売コーナーにしか無いらしい。僕とK君は明日の朝食用に、「そばパン」なる物を購入した。
 テントを張り、さっそく温泉に入る。ややつるっとしたお湯で、疲れた体が癒される感じがする。風呂から上がるとすでにいい時間だ。もはや自炊をする気も消え失せ、休憩所兼食事処で、カレーを食べて夕飯を済ませる。

 翌朝、K君とそばパンを食べてキャンプ場を出発する。
 私はやはり海沿いを走るので道道501号から道道1037号に入る。地図で見ると海沿いを気持ちよく走れる直線道路だ。K君も私の趣味に付き合ってくれるらしい。

直線は直線だけど、アップダウンがあり、海はほとんど見えません。そしてずっとこんな感じ・・・。
 あんまりにも変化が無く、どこまでもひたすら直線。なんだか精神的に疲れてくる道路です。
 
 疲れた人には癒しが道路上に落ちています。

衝撃スクープ!エロDVDが裸で落ちています。以前は「柳ジョージ」のCDも裸で道路に落ちていました。
 当たり前ですが、DVDはプレイヤーを持っていないと見られません。見られませんでしたので、癒しになりませんでした。
 
 私とK君は、ひたすらこの道道にうんざりしながら走り続けた。


主水、道道1038号でガックリする(仕事人風)

2007-08-30 00:09:47 | 北海道一周!

  Y君のビデオカメラに撮影されながら、パシクルPAを出発する。
 すぐに5キロのダートの入口を発見し、重装備の自転車で突入してみる。

右が線路、左が海。思ったよりも走りやすいダートがずっと続く。
 国道38号を走ると、大なり小なりアップダウンがあるが、この道はひたすらフラットなので、かなり楽です。途中、石が多い所や、砂が多い所もありますが、スリックタイヤでなければ走れる程度です。

どんより曇った空に、グレーな海。私は結構好きです。

 国道38号から道道1038号へ入る分岐点にライダーハウスがある。どうやらラーメン屋もやっているようなので、少し早いが食事でもしようかと思い、敷地の中に自転車で入って行った。突然犬が物凄い勢いで走ってくる。どうやら歓迎してくれるらしい。
「ガウガウ、ガウガウガウガウ!」
 どうも歓迎とは雰囲気が違い、犬は目をひん剥いている。思わず自転車を敷地の出口に向ける。だが犬には鎖が付いていない。自転車と並走し、今にも私のアキレス腱に喰いつきそうである。
「ガウガウガウ、ガウガウガウ!」
「うおぁああああ!」
 全速力で敷地の外までダッシュする。敷地の外に出ると、ようやく犬は追跡の手を(脚を)弛めた。このラーメン屋に無事に辿り付けるお客は何人居るのだろうか・・・。
 
 昼飯を食べずに私は道道1038号に入ってしまった。今日は昨日と比べて十度ほど気温が低いからなのか、山道に入っても蚋(ブヨ)は襲ってこない。やや安心しながら進んでいく。

海沿いの1038号は実に快適です。

古い消防車も発見。でも限りなく現役っぽいけどなぁ。

ゼ、ゼネラルカラーテレビ?「富士通ゼネラル」のブランドらしい。そう言えば現在もエアコンを売っていますね。中国では「富士通将軍」と呼ばれているらしい。

厚内駅で、単線なので多分タブレット(通行手形みたいな物)を交換しているはずです。

 厚内駅からさらに道道1038号を進んでいくと、衝撃的な事実が!

通行止め?ここまで来て?
 どうやらこの先でトンネル工事をやっているらしく、完全に通行できない状態。国道を行くよりも、こちらの方が早そうだったので来てみたが、とんでもない事態になってしまった。引き返そうとすると、もう一人チャリダーがやって来た。彼も諦めて、二人で厚内駅まで戻り、たまたまこの時間に開いた商店でカップラーメンを買い、一緒に食べる。
「とりあえず国道38号に出るしかないですよね」
「そうだね、かなりの時間のロスになったけど、それしか無いよね」
 
 気が付けばK君と言うチャリダーと道連れになりそうだ。

K君、かなりキャラが濃いです。麦帽が似合いすぎ!


パシクルで波来る

2007-08-29 23:12:06 | 北海道一周!

 深夜、予報通り雨が降り始めた。
 朝食のパンをテントの中で食べていると、外でS君の話し声がする。テントから出てみると、ビデオカメラを抱えた人が居た。

旅人のドキュメンタリーを撮影しているT都のY君、若いのにどこか落ち着いています。
 彼が乗っているのは、中国製の怪しい自転車。全体のデザインはビーチクルーザーの雰囲気だが、タイヤが小さい。さらに変速機は無し。えー?まじですか?折りたたみ自転車(大体5~6段変速)や、ママチャリ(大体3段変速)で走っている人は居るけど、変速機無しって自転車は・・・。しかもすでにかなり壊れてきているし、本当に大丈夫っすか?しかもビデオやパソコン、予備バッテリーなどの超重装備、違う意味で尊敬します。

 この日はY君と話をしたり、適当な食事を作ったりする。S君は昼過ぎにレインウェアを着ると、
「先を急ぎますんで」
 と言って出発していった。
 テントの中でくつろいでいると、Y君がA4サイズの紙を一枚持って来た。
「今、市役所の人が来てこれを」
 見ると、ペルーで起きた地震により、日本にも津波がやって来る危険性があるとのことだった。パシクルPAは、すぐ側に海が広がっている。
「で、役所の人は非難しろって?」
「特には何も言われませんでしたけど」
「じゃあ、大丈夫だね」
 あくまでも注意喚起程度と判断し、このまま留まることにする。今日ここには、私とY君以外には誰も居ない。

他にはカモメが居ます。こいつらはキャンプサイトの中を歩き回り、かなりうるさい声で鳴きます。
 
 夜になると沖には漁火が揺らめきます。

イカ釣り漁船?

  ぐっすりと就寝していた深夜一時過ぎ、突然拡声器の声で起こされます。駐車場の方向には赤色回転灯がピカピカ光っています。仕方なくテントの外に出ると、外はかなり冷え込んでいました。
「おはようございます」
「はい、起こして悪いね。今、津波注意報警報が出ているんだけど、朝の四時頃に最大で50センチの津波が来る可能性があるんだ」
 警察かと思っていたのだが、良く見ると車には釧路市役所と書いてある。役所の人もこんな夜中に大変なことだ。
「ペルーの地震の奴ですよね、50センチじゃここはヤバいですよね」
「あれ、知ってるんだ」
「ええ、昼間紙を持って注意に来ましたよ」
「どこの人が?」
「市役所の人だと思いますよ」
「そう、まあ仮に50センチの津波が来ても、ここは大丈夫ですけどね」
「じゃあ念のために?」
「ええ、そうですよ」
 のそのそと起きてきたY君とも話し、四時に起きて津波を見学することにする。

 早朝四時、外は雨が降っている。私は諦めて再び寝てしまった。Y君はビデオカメラを構えて、再びやって来た市役所の人と海を眺めていたが、結局何も起きなかったらしい。(実際は六時過ぎに10センチ程度の津波が来たらしい)


翌朝、Y君の出発前。これが噂の怪しい中国製自転車。彼の背中にはかなりの重装備が。

 Y君はブログで動画をアップしています。下記のアドレスからどうぞ!
http://ameblo.jp/tokyo-distance/


馬鹿は行く!続・坂と蚋の地獄道

2007-08-28 23:49:33 | 北海道一周!

 厚岸の道の駅を出たのは、バッテリー類の充電を完了させた午前十時だった。
 意味も無く腹が減り、厚岸駅前の店で「かきめし」を購入する。

なんか旨そうなパッケージ。

いつものことながら、一口食べてから写真のことを思い出します。牡蠣は三つしか入っていませんが、味付けはとっても良いです。

 いつものSマートでお茶を買い、かきめしを食べていると、四十代のサラリーマンチャリダーと出会う。年に二回くらい、大きな休みの時に走っているらしい。
「いやあ、霧多布の142号線は大変だったよね」
「ええ、本当に蚋(ブヨ)にはうんざりしましたよ」
「この先の142号線は行くんですか?」
「いや、行かないよ」
「僕は行こうと思っているんですよ」
 馬鹿は蚋に刺されても治らない。海岸線をなぞると決めたので、この142号線を回避する訳には行かない。

 私が先に出発して142号線の入口を探しながら走っていると、サラリーマンチャリダーの人が追いついてきた。
「どうぞ、先に行ってください」
「いや、人の後ろのほうが風の抵抗が少なくて楽だからね」
 別に構わないが、できれば一人で走りたい気分だ。しばらくすると、道道142号線と交わる交差点が現れた。
「じゃ、僕はこっちから行きます」
「本当に行くの?」
「ええ、行ってみます」
「すごいね、じゃあ、気をつけてね」
 私は再び『北太平洋シーサイドライン(愛称・花と岬の霧街道)』に入ってしまった。

 今日はただ蚋に刺される訳には行かない。それなりの防御が必要だ。まずは単なる気休めの虫除けスプレーを手足に塗り、自転車に対蚋用の特殊装備を装着した。

GIANTグレートジャーニー2・対蚋仕様スペシャル。
 簡単に説明しますと、金鳥の蚊取線香をフロントバックに装備しました、以上・・・。
 今度の142号線も、かなりの急な上り坂で始まり、やはり蚋が襲って来ました。しかし今回は、心なしか体の周りに蚋が滞在する時間が短い気がします。私が飲み屋のママなら、
「あら、ブヨさん!もうお帰りなの?もうちょっと居てよ!」
 とか言うのでしょうが、今の私にはそんな余裕はありません。蚊取線香の効果を信じて、ひたすらペダルを漕ぎます。
 
 今日は一人もチャリダーとすれ違いません。この道はかなり遠回りな上、ほとんど山道であまり景色も良くないせいか、自転車で通る人は誰も居ない様だ。私とすれ違う数少ないライダーは、驚きの顔をしたり、不思議な笑顔で走って行く。
「おいおい、よくこんなところまで走るなぁ」
 と言いたげである。
 結局この道も、釧路までは自販機が一ヶ所にあっただけだった。

 釧路市内で銭湯に行き、汗を流す事にする。この銭湯は脱衣所に洗濯機が置いてある珍しいタイプだ。
「これか?これを洗濯するんだな」
 どういう訳か、銭湯のおじさんはめちゃめちゃ親切で、勝手に洗濯物を袋から出して洗濯機に放り込んでくれる。風呂からでると、洗濯機は空になっていて、乾燥機が動いている。
「あのー、もしかして乾燥機に入れて頂いたんですか?」
「おう、あと29分で乾くからな」
 着ている服まで全部脱いで洗濯機に入れたので、フルーツ牛乳を飲み、週刊誌を読み、ひたすら全裸で服が乾くのを待つ。
 三十分後、乾燥機が停止したのでパンツを取り出して履いてみる。
「どうだ、乾いてるか?」
「ええ、ばっちり乾いています」
 おじさんはうれしそうだ。北海道の人は、本当に良い人が多いです。

 そして再び出発。

釧路は大きな町で、男のプラントもあります。

いいぜ、男のマシン。

 明日は雨の予報なので、なんとかキャンプ可能な「パシクルPA」まで走ることにする。

夕暮れは迫るけど、ガシガシ走ります。

 途中で寄った道の駅「しらぬか恋問」で、なんと旅の初めに出会ったS君と再会。S君も一緒に「パシクルPA」まで走ることになり、二人でペダルを漕いだ。途中で完全に日が暮れて、パシクルPA手前の山の中では真っ暗になってしまったが、私は装備しているフロントライト二つと、リヤフラッシャー二つを点滅させ、どうにか目的のパシクルPAにたどり着いた。時刻は夜八時半を回っていた。


坂と蚋の地獄道to厚岸

2007-08-27 21:51:43 | 北海道一周!

 道道142号線は北太平洋シーサイドライン、愛称「岬と花の霧街道」と呼ぶらしい。
 道にもそのように看板が掛かっている。
 まずシーサイドラインという名前だが、確かに距離的には海岸の近くだが、山の中を走っている気分である。海は見えることもあるが、正直あんまり見えない。ルートには人も車もほとんど通らないような山の中も含まれている。そこにあるのは私と自転車、そして蚋だ。
 蚋は家畜からもたくさん血を吸っている。

この子の体にもブンブン集っています。

このアングルだとロシナンテ(ロバ)っぽい。
 あんまりにも蚋が集っているので、何か可哀そうでした。


そして霧が凄いです。

腕にも水滴が、ついに「どんぴの塩」に続いて、「どんぴの雫」も発売開始!5ccで5,000円です(嘘)

 厚岸の道の駅にテントを張ります。ここはテント公認、無料無線LAN完備、屋内外コンセント使用可と、非常にナイスな所です。ただし蚊は多い。

厚岸と言えば牡蠣!漁協の直売で一個単位で買えます。
 生牡蠣の剥き方は簡単です。
 1.牡蠣の殻の平らな方を上にして手に持ち、薄い部分をペンチでへし折ります(画像の割れている部分)。
 2.ナイフを殻に沿って入れて、貝柱を切断。
 3.蓋が開いたら、裏側の貝柱も切断。
 4.食べる。

ホタテのパスタ、味はまあ普通。


翌朝の景色。高台にあって非常に眺めも良し。


さらばI君、そしてこんにちは蚋

2007-08-26 11:54:03 | 北海道一周!

 朝が来た。I君とはここから別ルートになる。
 日本一周をしているI君はいつまでも北海道でゆっくりとしている訳には行かない。彼は幹線道路の国道44号を、北海道の海岸線をなぞる旅の私は、道道142号で霧多布を目指す。
 公園の出口でI君は右に、私は左に行く。

小さくなるI君の後姿、楽しい日々でした。旅のリズムが似ていたからこそ、二週間以上も一緒に居られたのだと思います。

 一人になった私はまず花咲港を目指します。

花咲港、朝早いので店は一軒も開いていませんでした。

でも、道路で一円をゲット。

 いよいよ霧多布に向かう道道142号に入ります。かなりアップダウンが激しく、さらに霧も出てきます。

かなり濃い霧で、車から視認されているのか不安になります。

 アップダウン、霧だけなら良いのですが、最凶の敵が襲ってきます。それは蚋(ブヨ)、上り坂に差し掛かると、必ず十数匹が襲ってきます。ペダルを漕いでいる足でもお構いなく止まって血を吸います。坂を上っている間中、ずっと襲ってきます。
 平地に入っても時速15キロ程度ならずっと並走して付いて来ます。自転車のバックに留まっている頭の良い 蚋も居ます。時速40キロで坂を下っても、バックに留まっている蚋は離れません。これでは私の自転車は蚋のための食堂車輌です。
 そして急な上り坂で自転車のスピードが時速10キロ以下になると、次々と攻撃してきます。
 今日の気温が道東では珍しい35度に迫ろうとしているのも原因です。虫は活発になり、私はダクダクと汗を掻きます。その臭気にさらに蚋が集まります。
 上り坂で蚋に襲われるのは、まるで陸上部員が炎天下の中、顧問に竹刀で殴られながら走るような感じです。
「ほら、ペースが落ちたぞ!走れ!」
 と言われている様です。そしてそんな坂がいくつもいくつも連続しています。だんだん精神的にやられて来ます。

霧多布までの唯一の自販機、もちろん飲んでる間も蚋を手で払い続けます。

心和む旅館の看板羊、看板の日陰に居ます。

 蚋と坂と戦い続け、どうにか昼には霧多布に到着しました。

意味不明な気合で。

実際に使われている霧笛、近づくとめちゃめちゃ音がでかくて耳をやられます。

 まだまだ蚋との戦いは続きます。


ノサップ道話

2007-08-26 10:17:04 | 北海道一周!
 納沙布岬を目指してペダルを漕ぐ。
 思っていたよりも根室市は大きく、市街に入るまでもかなりの距離がある。市街手前からは、ひたすらアップダウンの繰り返しだ。しかもどんどん気温は上がって行く。
 途中、私はI君と別れ、親父が若い頃に工事に携わった防波堤を見に行く。

親父、安心しろ、防波堤は四十年経っても健在だ!

 そしてI君が待つ納沙布岬へ。

北方四島の返還を願うオブジェの下で。

蟹汁と昆布の煮物は無料、さすが人情岬。

 さらに気温が上がる中、再びアップダウンのある道路を走り根室市街へ向かう。目的は「喫茶どりあん」の「エスカロップ」という料理。

これが「エスカロップ」、バターライスの上にカツとデミグラスソース。個人的にはデミグラスソースがもっと濃厚な方が好きです。
 私は最初「エスカロップ」を「エスロカップ」と思い込んでいました。エスロカップだと、なんか特殊な胸のサイズみたいです。


今日の100キロの成果、腕に塩が出来ています。人体精製塩『どんぴの塩』として、5グラム5,000円で販売します。申し込みはメールで!(本気にしないように)

お洗濯は公園で干します。

 実は今日でI君とはお別れです。知り合って二週間以上、一緒に走ってきました。なんとなく寂しい気もします。でもお互い最初は一人旅、元に戻るだけです。

パーキングエリアは辛いよ

2007-08-26 09:46:23 | 北海道一周!

 羅臼峠のキャンプ場を出発してすぐ、道路の登坂車線に鹿を発見する。
 どうやら車に轢かれた様だ。小便を垂れ流し、口から涎を垂らして蹲っている。前脚から少しだけ出血があるが、意識ははっきりしているようで、首を持ち上げ周囲を伺っている。時折車が走行車線を通り抜けて行く。こんな時は道路緊急通報ダイヤル「#9910」に電話してみる。
「はい、道路緊急通報ダイヤルです。何かありましたか?」
 私は状況と現在地をなるべく正確に伝えた。
「分かりました、すぐに連絡を取ってそちらに向かわせます」
 どこかに野生動物の保護施設があるのかは分からないが、誰かが来てくれるらしい。
「どうしよう、このまま放置して行っちゃう?」
「どのくらいで来るんですかね」
「まあ最低三~四十分はかかるだろうね。かといってこのままじゃあまた車に轢かれそうだし」
「待ちます?」
 私とI君は思案に暮れてしまった。すでに日が昇っているので、アスファルトの上は徐々に熱くなってきている。
「水でも飲ませてみる?」
「あ、俺の折りたたみバケツを使いましょう」
 I君が自転車から折りたたみバケツを外した時だ、突然鹿が立ち上がった。足元はやや頼りないが、しっかりと地面に足を踏ん張っている。
 驚く私達をよそに、鹿はゆっくりと対抗車線を横切ろうとした。そこへ紺色の軽自動車が走ってきたが、かなり手前から見ていたのか、ドライバーのおばさんはゆっくりと減速し、鹿をやり過ごす。
 鹿は道路の下に降りると、立ち止まった。やはり前脚を軽く引きずっている。私がゆっくりと近づくと、今度はまた道路に飛び出し、反対側の藪の中に飛び込み、森の中へ消えて行った。
「どうもこの折りたたみバケツがまずかったみたいですね」
「それは分からないけど、まあ仕方ないよね」
 私は再び道路緊急通報ダイヤルへ電話をした。
「さっき通報したものですけど、鹿が森の中に逃げちゃいました」
「そうですか、わざわざありがとうございます。でもよくある事なんですよ」
 なんとなくスッキリとはしなかったが、私達はその場を後にした。

 昼食をいつものSマートで食べると、再び走り出す。5キロ程走った時だ。私は自分の自転車の異変に気付いた。
「無い、ウルトラアイが無い!」
 いや、失礼。無いのは貴重品を入れている取り外し式のフロントバッグだ。ブレーキをかけ、停止しながら記憶を瞬間的にリバースする。
「Sマートの店の前だ」
 店の前でI君と座って食事をした時だ。ゴミを捨てに行って、たまたま反対方向から来たチャリダーと話をして、そのまま・・・。私はすかさずI君にSマートのレシートの有無を確認し、携帯を借りて店に電話した。
「ありますよ、お客さんが届けてくれましたよ」
 私はほっと胸を撫で下ろした。どなたか知りませんが、北海道の親切な方、ありがとうございます。なにせそのバッグには財布、携帯、デジカメ、USBメモリー、そしてパソコン(VAIO-TypeU)が入っています。紛失したら大変なことになるところでした。
 こんな事にI君を付き合わせる訳には行かないので、遠慮無く先行してもらう。Sマートに戻り、再び出発する。これで10キロは余分に走ることになるが、まあ、焦らない事にした。


小松製ブルドーザーの新型オプション、ボディ同色ゴム手袋製マフラーカバー(嘘)。カバー無しで雨上がりにエンジンを掛けると、始動時に黒色の汚い水が吹き上がります。

巨大エビを発見、やや鮮度が落ちています。

ロードサイドは何も無し、あっても牧場。I君からのメールに返信しようと立ち止まると、三十秒以内に蚋(ブヨ)に襲われます。

 I君に遅れること小一時間、ようやくパーキングエリアに着きました。PAと言っても、あるのはトイレと水道だけです。周囲に店は一軒もありません。油断すると蚊と蚋に襲われます。

早めに夕食を食べます。昨夜貰ったマスをパスタにしました。なかなか美味です。

夕暮れ迫るPA。

 さて、この時間になって乗用車に乗ったご夫婦がやって来ました。しかもテントを張るようです。奥さんの話では初めてテントを張るそうで、説明書を読みながら、あーでもない、こーでもない、とやっています。次第に辺りは暗くなり、手持ちの懐中電灯一つで頑張っています。
「手伝ってあげる?」
「いえ、自分でやらないといつまでたっても出来ませんからね」
「そりゃそうだね」
 私達は静観する事にしました。ご夫婦はどうにかこうにか一時間以上かかってテントを立て、中で楽しそうに話をしていました。

 深夜一時過ぎ、PAにトラックがやって来ました。音で分かります。恐らく一晩中エンジンを掛けたまま、ここに居るはずです。私は気にせず再び眠りにつきました。

 翌朝四時、いつものように目が覚めます。I君も同じ様です。外に出ると、ご夫婦のテントと車がありません。
「I君、あの人達のテントが無いよ」
「マジですか?」
「全然気付かなかったよね」
「ええ」
 恐らくご夫婦はトラックのエンジン音に耐えられなかったのでしょう。夜中に撤収したみたいです。相当我々に気を使い、できるだけ音を立てないように出て行かれたのでしょう。少し気の毒でした。

 道の駅やパーキングエリアは、トラックがエンジンを掛けたまま停まっている事や、車がたくさん出入りして、ドアの開閉音がバンバンします。音に敏感な方はキャンプ場に行く事をお勧めします。


祝・知床峠突破記念、ジンパin羅臼

2007-08-25 18:55:51 | 北海道一周!
 知床峠を越えても、さらに私とI君は走り続けた。
 なんとか雨が降り出す前に、先のキャンプ場に着きたいからだ。Sマートで食材を購入し、なんとかキャンプ場にテントを張り終えた。
 祝いの夕餉といえば「ジンパ鍋」である。

と言いつつ餃子を焼く。

ビールは欠かせません。

来たぜ、ジンパ!今日はエリンギと餃子も入ります、激ウマ!

中学生の息子さんとキャンプに来ているお父さんから、今朝釣ったマスを貰いました。バターソテーに。

締めはラーメン投入、赤いのはカニかまです。
 ラーメンが合います!ジンパ鍋最高!!文句がある人は一歩前に出て歯を食いしばって下さい。それで血が出たらあなたは間違いなく歯槽膿漏です。すぐに治療しましょう。