どんぴ帳

チョモランマな内容

マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その10・完結)

2010-06-13 14:39:14 | 旅行
 腹は十分に満たされたので、今度は長町武家屋敷跡周辺を散策します。


甘味処『菓遊庵』
 いきなり何かを感じました。感じた結果は『雑食王(その28)』で!(笑)


風情ある小路
 非常に良い感じです。女性としっぽりと歩くのが良さそうですが、私はマッチョとでっぷりと歩きます(笑)


風情ある『消雪ノズル』
 ブルーが良いワンポイントになっています。

 『旧加賀藩士高田家跡』や 『金沢足軽資料館』を見学していると、展示物を食い入るように見ている60歳前後の男性を見かけました。
「なんかあの人、さっきからめちゃめちゃ真剣だな」
「こういう物に興味があるんじゃないの?」
 マッチョが興味無さそうに答えます。
「俺の人生って、足軽みたいだったな…、とか思ってるのかな?」
 マッチョがニヤリとします。
「馬鹿だなぁお前、良く見てみろよ、あの人の靴や服装、持ってる鞄とかをさぁ、どう見ても高価な物ばっかりだぞ」
「なるほど、あのオジサンは藩の重役クラスで、俺たちの方が足軽クラスか…」
「いや、お前なんか『素浪人』だろう」
「だな、間違いないな」
 観光地での下衆な勘ぐりは止めましょう。

 いくらこの辺りが平地とは言え、さすがに私が歩き疲れてきたので、最後に『武家屋敷跡 野村家』を見学します。


マッチョの心を誘う池の鯉


濡れ縁から撮影
 金沢の庭園は、坪数の割には立体的なレイアウトをしているせいか、非常に奥行きがあるように見えます。
 二階の茶室からこの庭を眺めると、何だか不思議な安らぎを感じます。


またしても発見


関守石
 二階の茶室に居た女性に教えて頂きました。
 丸い石に棕櫚縄(しゅろなわ)を十文字に結び、通路や飛び石などの上に置くことで、
「ここから先へは立ち入らないで下さい」
 という意味を表す、茶道でのしきたりらしい。
 この歳になっても知らない事がたくさんあります。

 この後、野村家に隣接する『茶菓工房 たろう』でお土産を購入し、今回の旅は終了。

 北陸道を走って名古屋に帰り、マッチョをホテルに放り出して帰ろうとすると、マッチョがホテルから出てきました。
「なんか滞在時間が10時間のプランだから、今チェックインすると結構早い時間にチェックアウトしなきゃいけないらしいぞ」
「そんなプランだっけ?」
 携帯で確認すると、確かにそんなプランになっています。
「ハハハハ、なるほどね、道理で安いはずだな…」
 仕方が無いので、マッチョを車に乗せ、名古屋の立○んぼエリア見学ツアーに行きます。
「うーん、居るには居るけど少ないねぇ」
「一時はすごかったんだけどな」
「他には居ないの?」
「あ、凄い妖怪みたいなオバサンが集まってるエリアがあるよ」
「どこだよ?」
「俺が前に居た会社の近辺」
「そういうエリアなの?」
「うん、なぜかね」
 すぐに車で移動。
「居ないなぁ…」
「本当にこんな場所に居るのか?確かにラブホはあるけど、この辺は住宅街だろ?」
「ところが居るんだなぁ」
 居そうな場所をウロウロとしていると、一人だけ発見することが出来ました。
「お、居たぞ!」
「どれだよ?」
「そこの左前方!」
「うわっ、お前あれは、単なる60歳過ぎのオバサンじゃんか!しかも相当キテルぞ…」
「だからさぁ、ここはそういうエリアなんだって」
「凄いな、でもあれは厳しいだろう」
「厳しかろうが何だろうが、需要があるから、供給してるんだろ」
「いやぁ、凄いなぁ…」
「もう一回見たい?」
「いや、もういいよ…」
 こうして私はマッチョの○欲を減退させることに成功し、翌日マッチョは新幹線で帰って行きました。

 ちなみにマッチョは毎回毎回、『大人の電話帳』を私の車に放置して行くので、いつも処分が面倒で迷惑しています(笑)

マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その9)

2010-06-12 02:31:23 | 旅行

 近江町市場は、言わずと知れた金沢の台所だ。


近江町市場鮮魚通り口
 車を停めた駐車場からは、ここが最寄の入口。


2.0tのフォークリフト
 市場ではこのサイズのフォークリフトを最もよく見かけます。


氷のシューター?


大量のトロ箱


大勢の観光客
 中に入れば、お客さんが溢れています。


海産物をチェックするマッチョ

 軽く市場の中を散策しつつ、マッチョお目当ての店である『井ノ弥』に向かいます。


春の味覚の金沢丼(2,400円)
 甘エビ、白エビ、ガスエビ、ほたるイカなどの載った海鮮丼で、金箔も載っています。
 ちなみに金箔は無味です(笑)

 昼食後、さらに市場の中を歩き回ると、『春のむさしまつり』なるイベントがやっており、出店まで出ています。


能登地鶏皮焼き
 高カロリーですが、やっぱり鶏は皮が美味い。
 マッチョは肉団子とか豚串焼を食べていたような気がします。


豆腐屋しば田』の湯葉の串揚げ
 満腹ですがまだ食べます(笑)

 この後さらにマッチョは『近江町コロッケ』のコロッケを並んで購入していました。
「お前さ、よく食べられるね…」
 さすがにマッチョの食欲には、私も敵いません。


近江町市場前の『消雪ノズル
 やはり食後にはこういう設備を味わうのが一番です。

 推定賛同者、ゼロ…。


マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その8)

2010-06-11 04:54:29 | 旅行
 朝一からの歩行で限界点に達している私は、マッチョを放し飼いにして(笑)ウロウロと散策します。


マッチョと枝垂れ梅
 ずっとこの変な服装でうろついています。


心惹かれる光景
 実は単に、『座りたい!』という欲求が強いだけ…。


清掃の人たち
 これだけの庭園を維持するには、相当の人件費が必要。


橋の上の石
 何だか解らないけど、石が置いてあります。


挙動不審な鳩
 警戒心が中途半端に薄い奴。


洞(割れ目)の中の桜の花びら
 花びら大回転…じゃないです。

 兼六園を出て金沢城の前で休憩をしていると、ピンク色のゼッケンを付けたマラソンランナーが坂の下から駆け上がって来ます。
「ふーん、何のマラソンだろう…」
 この時はさして気にしませんでしたが、後日テレビでこのマラソンランナーたちを発見しました。
 それは、『2010さくら道 国際ネイチャーラン』というマラソン大会で、名古屋城と兼六園を結ぶ250kmを制限時間36時間以内で走り切る、国内最高峰のウルトラマラソンらしい。
 私とマッチョが見たのはまさに250kmの道のりを一晩中走り続け、ゴールする直前のランナーたちだったのです。
「うわぁ、正気とは思えないレースだなぁ…」
 と言うのが私の率直な感想です。
 それにしても本当に凄い人たちです。

 そんな事とは露知らず、私とマッチョはソフトクリームを食べながらランナーを眺め、次の観光地へ向けて移動します。


ひがし茶屋街の花嫁
 地元の方の本物の結婚式です。車の屋根に上部ハッチが装備された『花嫁専用車』が登場。


路面の『消雪ノズル
 雪国の必需品です。


ひがし茶屋街の空
 何だか電線がイイ味。

 そろそろ腹が減ってきたので、マッチョに提案をします。
「なあ、昼飯はどうするんだ?」
「近江町市場で海鮮丼を喰おうぜ」
「行き先も決めてあるのか?」
「この店だ!」
 マッチョはガイドブックを開きます。
 どうもマッチョの観光は、観光地をガシガシ歩く、魚影を探す、そして食べる、この三原則で構成されているみたいです(笑)




マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その7)

2010-06-09 12:58:36 | 旅行

 富山と言えば『鱒寿し』、これについては私もマッチョも同意見だったので、とある鱒寿し屋へ移動します。

 行き先は、私が以前『はくりんちゅ』で富山に出張工事に来た時に教えてもらった店、『小林鱒寿し店』です。
 この店の鱒寿しは他の店舗のものよりも脂っこい仕上がりになっており、濃厚な味が好きな人にはオススメの鱒寿しです。
 ついでに言うと、店のオヤジのトークにも脂が乗っており、かなりの曲者です(笑)

 鱒寿しを購入した我々は、金沢へ向け移動を開始します。


砂山1号、高速道路を爆走!
 そして半壊…。


損壊状況
 凹凸のある一般道路や、高速道路での時速80km/hの走行にはびくともしなかった砂山1号ですが、追い越し車線で時速100km/hまで加速した所、バッサリと持って行かれました(笑)

 金沢に到着すると、ホテルに向かいます。
 まずは予約したつもりの『アパホテル(金沢中央)』の立体駐車場に入りかけますが、間違いに気づきます。
「あれ?片町って付いてたような気がするなぁ…」
 駐車場の警備員に訊くと、数百メートル離れた『アパホテル(金沢片町)』を案内されたので、そこまで移動します。
「申し訳ありませんが、ご予約を賜っておりませんが…」
「…?」
 今度はフロントで申し訳無さそうに断られます。それもこれもいつもは携帯に送られてくる『楽天トラベル』の予約確認メールが届いていないのと、中途半端な地理情報が記憶に残っているのが原因です。
 iモードで予約を確認すると、私が勢いで予約したのは『アパヴィラホテル(金沢片町)』だということが判明しました。ちなみにアパヴィラホテル(金沢片町)とアパホテル(金沢中央)は、道路を挟んで向かい合っています。
「なんか凄く紛らわしくないか?こんな至近距離に三軒のアパホテルだぞ?」
「お前が予約したホテルの名前をきちんと憶えていないのがいけないんだろ」
「あ?」
 マッチョの一言は正論ですが、正論が故に非常に腹が立ちます。


アパホテルの湯沸しポット
 腹が立ったので湯を沸かしてお茶を飲みます。
「おお?なんかこのポット変だぞ?」
 見方によっては洋式便器に見える謎の背面パーツ。


正体は加湿器
 湯沸しポットと加湿器が一体化しているらしい。
「おお、こんな物があるなんて知らなかった…」
 非常に合理的な製品です。

 夕方、飲み屋街へ繰り出します。


チンドン屋に遭遇
 ちょっと演奏のリズムがヨレヨレでしたが、久しぶりに本格的なチンドン屋さんを見ました。

 居酒屋でしっかりと飲んでホテルに戻ると、ホテルの建物の二階がキャバクラだと言うことが判明します。
 アパヴィラホテル(金沢片町)はマンション構造のホテルなので、中央部は共用廊下兼吹き抜け構造になっています。
「おお、廊下がキャバクラの店内通路みたいになってるな」
 部屋のある四階の廊下から観察をしていると、ドレス姿のキャバ嬢が頻繁に現れます。
「いいねぇ、このアングルからのドレス姿って」
 キャバ嬢の胸元が際どいアングルで見えています。
「こんな所で見てないで、店に行けってんだよな」
「うははは、それはそうだけどな、なんかこれで十分だな」
 私もマッチョも、若い女の子と会話をすることに金銭的価値を見い出せないタイプみたいです(笑) 

 翌朝、昨日購入した鱒寿しで朝食を済ませると、『兼六園』に向かいます。



 私の兼六園訪問回数はこれで5回目。


やばマッチョ
 昨日までとは一転、気温が上昇し、日差しも強くなっています。
「暑いな、上着を脱ぐか」
「その脱いだ上着を俺に貸してみろ」
「いいけど、どうするんだよ?」
「頭皮の保護だよ」
「…なんか僧侶の頭巾みたいになってるぞ」
「いいんだよ、見た目よりも俺の頭皮の方が大事だからな」


かなり怪しいマッチョ
 持って来たはずの帽子を紛失してしまったので、こういうことになっています。

 どんな状況でも、魚影を探すことだけは止められないみたいです(笑)




マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その6)

2010-06-07 18:08:28 | 旅行
 さらに海岸線沿いの一般道を進むと、今度は砂浜のある公園を発見しました。


すなはマッチョ
 別に渋くもなんともない光景です(笑)

 この後、富山港近辺の岩瀬の街並みを散策し、富山港展望台に登ります。
「おい、大丈夫か?」
「…大丈夫じゃないけど登るよ」
 残念ながらエレベーターは無く、地上20mまで階段を上らなければならない。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
 脚がパンパンに張り、腰に鈍痛が走るが、なんとか最上部まで登り切った。


岸壁の景色
 フォークリフトが四駆を持ち上げています。


玉掛作業中
 乗用車に吊り具をセットしています。


積み込み作業
 船の甲板に積めるだけ押し込みます。
「なあ、どうしてどの車も後部ガラスが割れてるんだ?」
「さあなあ…」
 一瞬○○車両なのかと思いましたが、深く考えるのは止めました(笑)
 ちなみにこの船はカンボジアへ向かうらしい。

 晴れた空に小雨がパラつく中、富山駅周辺へ向かいます。


砂山1号
 ボンネットの上に形成されています。
 マッチョが砂浜で載せた物ですが、時速50km程度では微動だにしません(笑)


路面電車
 富山地方鉄道株式会社の『デ7000型』
 うーん、まるで『てっちゃん』みたいな記述だ(笑)


砂山1号健在!
 揺るぎなきスタイル。


富山ブラックラーメン
 マッチョの要望で『西町大喜 本店』へ。
 黒色に近いスープが特徴的で、味は見た目通りで非常に濃く、シナチクもとても塩分が強い。
 『港湾作業員の飯の友として作られたラーメン』というストーリーを理解して食べると納得できる味だが、その辺を知らずに食べると、単なる『糖尿病促進麺』としか評価されない恐れもある。
 それだけのストーリーがあるのだが、なぜか店にはご飯類が置かれていない。


富山地方鉄道株式会社の『デ8000型』


鴨が二羽
 川べりを散策。


桜の花びら
 大量に積もっています。


緊急用の排水ゲート?
 雨水管に許容量を超える大雨が流れ込んだ場合、このゲートから河川に回避的に放流される機能だと勝手に推測。
 (違っていたら誰か指摘して下さいね)

 すぐに魚影を追いかけるマッチョですが、こういう物には何の興味も示しません(笑)

マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その5)

2010-06-06 19:04:29 | 旅行

 いよいよメインイベントのホタルイカの発光ショーです。


回転水槽
 ホタルイカは一度発光すると大変お疲れになるそうで、水槽を回転させると反対側で休んでいたホタルイカの皆さんが登場します。
 水槽内部には網が入っていて、これを揺さぶるとホタルイカが驚いて発光します。


感動の発光…(画像落ちではありません)
 はっきり言って普通のデジカメでは撮影できません。
 暗闇にしっかりと眼を慣らし、その上でじっと肉眼で観察していると、薄く青白い光が水槽の中にきらめきます。
「フラッシュは絶対に焚かないで下さい!」
 と散々漁協の人に注意されているにもかかわらず、それでもフラッシュを発光させるお利口さん(イイ歳をしたした大人)が何人かいますので、明るくなったら青白く冷たい視線を浴びせましょう(笑)
 

活ホタルイカ
 ふれあい水槽みたいな場所でホタルイカに触るマッチョ。
 漁協の人の話によると、ホタルイカは掴もうとすると軽く噛むそうです。


平面図
 どうやら『ほたるいかミュージアム』は、建物自体もホタルイカの形状をしているらしい…。
 
 ホタルイカのムービーと発光ショーが終わると、これにて終了となります。
「ふひゃひゃひゃ、ハイ、これで一人3,000円!」
「くははは、どうもそーらしいな…」
「正直微妙だな」
「まあ、目の前でホタルイカの発光がじっくり見られたのは良かったけどな」
「仕方ないと言えば仕方ないか…」
 再び送迎バスに乗り込んで宿に戻ると、時刻は午前四時を過ぎていた。

 翌朝、皮肉にも天候が回復する。


テトラポッドのオブジェを発見
 『富山消波ブロック図鑑』の開始(笑)
 ※ 『北海道消波ブロック図鑑』はこちらから


周囲は水が張れる構造
 池なのか、噴水なのか、水遊び場なのか、水槽なのか、さっぱり分からない。

 急ぐ旅でもないので、海岸線沿いの一般道を走る。


テトラポッドの群生地を発見
 

キューブ型


テトラ1型緊縛プレイバージョン


ダイス型
 新種です(笑)
 じつはこれと同じものが二つ、『はくりんちゅ』に登場するR社に置いてありました。非常に懐かしい気分です(笑)


キューブ型


テトラ1型
 このエリアのテトラ1型は、てっぺんに吊りフックらしき部品が顔を覗かせています。


魚影を探すマッチョ

 今日もソナー男の感度はとっても良好です(笑)


マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その4)

2010-06-05 15:30:14 | 旅行

 白川郷を出発した我々は、今回の旅の最大の目的地、富山県滑川市に向かいます。

 携帯電話の怪しげなナビゲーションに従い、宿の周辺をウロウロすること10分、なんとか宿を発見。


部屋
 最初から布団が用意されています。雰囲気は和風ビジネス旅館だが、特に問題は無し。

 かなり熱めの風呂に入り、部屋で転がっているとすぐに夕食の時間になった。
「おい、大丈夫か?」
 布団でウトウトとしたせいか、私の頭はボーっとしている。
「うー、なんかまだ昼間の牛の脂が残ってるぞ…」
 胃がムカムカとして軽い吐き気がするが、目の前には大量の海の幸が並び、特に名物のホタルイカは非常に美味しそうだ。
「いかんなぁ、脳と胃袋のギャップが大きすぎる…」
「お、これは美味いぞ!」
 早くもマッチョはホタルイカの刺身を口に運んでいる。
 私はホタルイカの沖漬けに箸を伸ばすと、ゆっくりと口に運び入れた。
「おお、美味ぇええ…」
 続いてホタルイカの刺身にも箸を伸ばす。
「んー、やっぱり新鮮だわ」
 当然、ボイルされたホタルイカも絶品だ。
 まだ腹部に強い膨満感を感じているのだが、かろうじてこの三品は胃の中に入って行く。
「おい、この海老の焼いた奴も食ってみろよ」
「ああ…」
 マッチョに勧められ、あまり食欲は無いが海老の焼き物を口に運ぶ。
 見た目はなにやら不恰好だが、噛み締めると車海老よりも強い甘味が口の中に拡がる不思議な海老だ。
「旨いなぁ!あれ?もしかしてこれって…」
 居合わせた中居さんに訊いてみる。
「あの、これってもしかして『がすえび』ですか?」
「はい、そうですけど」
「へぇ、初めて食べましたよ」
「なんだその『がすえび』ってのは?」
「石川県を中心にした日本海側でしか流通していない、脚の速い(鮮度の落ちが速い)海老だよ」
 だがここまで食べるとさすがに限界点が近づいてきた。
「マッチョ、この天ぷら食っていいぞ…」
 これも富山名産の『白海老』の天ぷらだったが、さすがに今の状況では揚げ物は食べられない。
「お待たせしましたぁ」
 今度は中居さんがホタルイカのしゃぶしゃぶを運んで来た。
「おお、しゃぶしゃぶもあるのか!」
 すでにヘロヘロな私は、マッチョが勝手にシャブシャブしたホタルイカを、機械的に口元へ運ぶ。
「んー、美味いけど腹が苦しい…」
 苦しいはずなのだが、なぜかホタルイカだけは胃袋に入って行く。
「ぬぉおおお、マジで食えねぇ…」
 なんだかんだと言いながら、気づくと私はメニューの90パーセント近くを平らげ、座椅子で完全にノックアウトしていた。
「大丈夫か、二時には起床だぞ」
「…そうだったな、とにかく部屋に戻って横になろうぜ」
 早朝から動いていたこともあって、我々は部屋で布団に転がると、すぐに寝てしまったのだった。

 深夜二時、携帯電話のアラーム音が鳴り響く。
「ぉおおお…」
 アラームを止めると、芋虫のように布団から這いずり出す。
「おい、マッチョ、起きろ!」
 部屋の明かりを点け、マッチョに起床を促す。
「何だよ、もう二時なのか?」
「おう、着替えてフロントに下りるぞ」
 ボーっとした頭でフロントに下りると、夕食時に見かけた30代のカップルがすでにソファーに座っていた。
「おはようございます、じゃあとりあえずバスで港まで御送りしますんでね」
 宿のオヤジが私とマッチョに話し掛ける。
「そちらの御二人もご一緒にどうぞ、今日はバスが出ますんでね」
 どうやらカップルは宿の予約は楽天トラベルで、そしてこらから向かう『ホタルイカ海上観光』については滑川市観光協会(ほたるいか海上観光部)に直接申し込んでいた様だった。
「おじさん、今夜は出られそうなの?」
 私は宿のオヤジに大事な質問をしてみる。そう、観光船は海が荒れると当然出られないのだ。おまけに外は小雨が降っている。
「いやぁ、どうだろうねぇ…」
 オヤジの目線が宙を泳ぐ。
「(ふーん、なんか怪しいなぁ、ダメかもな…)」
 私はなんとなくそんな印象を受けた。
 
※ 観光協会指定の宿に宿泊とセットで直接申し込むと、バスで送迎してもらえます。個人で別々に申し込むと、港までは自分で移動することになります。
 

港へ向かうバス
 深夜二時過ぎ、ほとんど車は走っていない。


ほたるいかミュージアム
 深夜二時半、他の宿からの宿泊客も集結し、異様な賑わいを見せるお土産コーナー。
「なんかここだけが異空間だな…」
 日本中を探しても、深夜二時半に観光客で賑わう港はそうは無いはずだ。


ハンドマイク登場
 皆の注目が集まる。
「えー、誠に残念ですが、本日の観光船の出航は中止となりました!」
「・・・」
「・・・」
 なんとなく予想はしていたが、悲しいお知らせだ。
「まあ雨が降ってたからそんな気はしてたけどな」
「で、これからどうするんだ?」
 ハンドマイクの人はさらに続ける。
「代わりといってはなんですが、これからほたるいかミュージアムで漁の様子の影像と、水槽で飼われている活ホタルイカの発光ショーをご覧になって頂きます。あちらの入口から順次お入りになって下さい」
 海上でのホタルイカ漁の観光から、急遽深夜のほたるいかミュージアム観光に変わってしまうようだ。


試食コーナーに群がる人々
 深夜二時半、ホタルイカの塩辛や沖漬けを、観光客はこれでもかと食べまくる。


ほたるいかミュージアムの水槽
 なぜかカニがいる。


ムービー鑑賞
 ホタルイカの生態や、ミュージアムの活ホタルイカをスタッフがどのように大変な思いで確保しているのかを、漁協の男性のナレーションで紹介してくれる。

 綺麗なお姉さんのスムーズなナレーションでムービーが見たい方は、昼間の時間に『ほたるいかミュージアム』に行きましょう(笑)


マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その3)

2010-06-03 23:29:35 | 旅行

 牛の脂でお腹が一杯になった我々は、今度は白川郷へ向けて移動します。

 またしてもマッチョの要望で白川郷の『合掌造り集落』を散策します。


吊橋
 駐車場からの移動はこの吊橋を使用します。吊橋と言ってもほとんど揺れません。 


合掌造り
 右側の白い物体は溶けかけの『巨大かまくら』です。

 高山でも気になっていましたが、すれ違う多くの団体客が日本語を話していません。
「なあマッチョ、やけに中国人が多くないか?」
「いや、メチャメチャ多いぞ、韓国人とかもいるのかもしれないけど、ほとんどが中国人だな」
 日本人の観光客も居るには居るのだが、カップルや家族連れ以外の団体客を、ほとんど見受けることが出来ない。
「まあ世界遺産だからってこともあるだろうけど、ここ最近の増え方は異常な気がするなぁ…」
 確実に中国が経済力をつけている証です。


判別不能
 中国の若い女性は日本人と変わらないファッションをしているので、パッと見では全然分かりません。
 中国のオジサンは、なんとなく雰囲気でわかります。


改修工事中
 何やら工事をしていますが、よく見ると違和感が…。


鉄輪コローラー(重量物設置用ローラー
 どこかで見たことがある物体が!
「おお、これは重量屋(重量物の設置、移設工事を専門に行う業者)の仕事じゃないか!」


家屋下部
 こんな状態です。鉄骨ベースに家を乗せ、コローラーで隣の空地に家屋ごとスライドさせてしまったみたいです。


基礎部
 家屋が元々あった場所。コンクリートを打設し、強度を確保した基礎を建築中。
 当然基礎が完成すれば、家屋を再度もとの場所にスライドさせ、基礎と合体させるのでしょう。


オリジナルマンホール
 地方自治体が大好きな地方色溢れるマンホール。
 設計にこういうのが入っていると、建築資材を扱う業者としては非常に面倒です。

 設計書になぜか入っている特殊なマンホール ⇒ マンホールは鋳物 ⇒ 鋳物の製作には砂型が必要 ⇒ 砂型を造るには木型が必要 ⇒ 木型は高価 ⇒ たかが数枚のマンホールでは木型を作ると豪快に赤字 ⇒ 木型を持っているメーカーにしか発注できない ⇒ 大概そういうマンホールはとっても高価 ⇒ メーカーは儲かる? ⇒ ○○道局の退職者はメーカーへ○下り? ⇒ OBとして○○道局に営業? ⇒ 設計にOBパワーで入れさせる? ⇒ そして最初へ戻る(エンドレス…)

 えー、上記の事項はあくまでも私の妄想ですので、気にしないで下さい(笑)
 

高台からの展望
 欲望の多いマッチョを、人望のない私が撮影。

 夕飯へ向けて間食を控えていますが、まだ胃の中に昼の牛肉が居残っている感じがします…。

 


マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その2)

2010-06-02 01:00:51 | 旅行
 デフロッサーでマッチョのショルダーバッグと財布を乾かしながら一時間ほど走り、高山市中心部に到着する。

 駐車場に車を入れた時、マッチョがある提案をして来た。
「おい、これを借りればイイんじゃないのか?」
 マッチョは駐車場受付の脇に停められている、小型の四輪車を指差す。すぐ横の壁には、『シニアカーをレンタルしています』と書かれた貼り紙がしてある。
「…お前もそう思う?」
「ふひゃひゃひゃ、これなら楽だろう、しかも料金は200円だぞ」
「ま、それは間違いないけどさ、この歳で『シニアカー』に乗れってか?」
「だってさ、お前にはこれに乗るだけの十分な理由があるだろう」
「確かに正当性はあるけどさ、一般人が俺を見たら『ふざけんなよ、このクソデブ野郎!』としか思わないよ」
「ふひゃひゃひゃ!確かに『何を怠けてやがるんだ?』って思われるだろうな」
「俺の今の身体の状態からすると、まさしくこれほど適した乗り物は他には無いけどさ…」
「じゃ、借りろよ」
「いや、それだけは止めとくよ」
 いくらなんでも観光地でこれに乗る勇気を私は持ち合せていない。
 結局私はみみっちいプライドを優先し、ズルズルと歩くことを選択した。


魚を探すマッチョ
 何が面白いのか、私にはさっぱり理解できません。 


宮川朝市のまばらな観光客
 昨日で『高山祭』が終了し、しかも本日は小雨の降る肌寒い平日、非常に観光客が少ない。ついでに朝市の店もまばら…。


飛騨牛肉まん(500円)
 本日の朝食(笑)



おわら玉天(100円)
 淡雪に卵黄を塗って焼いたもので、元々は富山市八尾町のお菓子らしい。
 焼き立てなのでふんわり温かくて美味しい。


飛騨牛コロッケに吸い寄せられるマッチョ
 すでに大量の赤カブ漬けやせんべいを摘み食いしたので、私はギブアップです。


高山陣屋
 冬のような寒さにもかかわらず障子類が全開なので、半端無く寒い(笑)
 新緑の香る季節、そう、丁度今頃に行くのがオススメです。

 マッチョの計画ではこのあと『飛騨牛』を食べる予定ですが、思わず醤油の焦げる香りに引き寄せられ、みたらし団子を食べてしまいます。
 

強行スケジュール
 有限会社山武商店に到着。外見は肉屋だが、店内はまるで古びたスーパー。
 すぐに店のオヤジに声を掛けられ、焼肉スペースへ誘導されます。


微妙に気になる三階のブルーシート
 焼肉スペースはこの建物の二階。
 入口の近くにある冷凍ショーケースには、冷凍状態のカットされた飛騨牛が転がっています。
「どれでも選んでね、適当な大きさが無かったら新しく切るからね」
 別のオバサンが説明してくれます。
「じゃ、600gで」
「ハイ、600ね!」
「(おいおい、一人300gだと?)」
 マッチョは昔から馬鹿(笑)なので、さっきまで500gにするかどうか迷っていたはずなのに、いきなり600gに増量してオーダー…。


分厚い肉
 すでに一部は焼網の上へ


最初はとっても美味しそう
 個人的にはもう少し薄いお肉の方が…好きかも。
 店内は冷凍ショーケースからガンガンと冷気が流出し、足元が冷え込んでいます。一番冷気が来なさそうなエリアは、従業員の人たちの待機所と化していますので、余程親しい人じゃないと入れてもらえなさそうな雰囲気です。
 真夏の太陽が照りつける季節、そう、もう少し暑くなった頃に行くのがオススメです。


野菜とか諸々はセルフサービス
 量に制限はありません。
 ありませんけどこんなに大量に『ヤク○トもどき』を飲む必要性はありません。


駄菓子のようなデザート類
 牛の脂で手一杯なのに、人工的な甘さでさらに気持ち悪くなりそうです。


馬鹿全開…
 牛肉600g完食。
 ヤク○トもどき合計10本完飲(って言わないよなぁ…)
 結果、私は気持ち悪くなりました(笑)

 ちなみにマッチョは大馬鹿野郎なので、この後一階の店舗で『飛騨牛メンチカツ』を購入して食べていました(笑)

マッチョと行こう!ホタルイカの旅(その1)

2010-05-31 22:58:01 | 旅行
 深夜三時半、携帯電話のアラームで目覚め、布団からむっくりと起き上がる。

 車庫から車を出し、ETCカードをセットする。
「うー、ケッタりぃ…」
 眠いので高速道路を制限速度でボーっと走る。外はまだ真っ暗だ。

 名古屋市中心部に到着し、携帯電話でマッチョを呼び出す。
「おう、着いたぞ」
「どこだよ」
「ホテルを出て左、交差点を左折!」
「今行くよ」
 数分後、マッチョがバッグを後部座席に放り込み、助手席に乗り込んで来る。
「悪いな、出掛けにトイレに行きたくなってさ」
「ふははは、大丈夫だよ、お前が三十分遅れてくることは計算に入れてあったからな」
「うははは、ま、とりあえず出発するか!」
 早朝五時、私とマッチョはまたしてもむさ苦しい男二人旅に出発した。

 六時半、最初の目的地である岐阜県の郡上八幡に到着する。


小雨の降る中、川魚を探すマッチョ
 マッチョの希望により、早朝の郡上八幡を散策する。
「あのさ、あんまり歩きたくないんだけど…」
 初っ端から私は弱音を吐く。
「そんなにダメなのかよ?」
「うん、歩行距離十数メートルで、もう足が張ってる」
「かなり来てるな…」
 早くも腰にまで筋疲労が起こり始めるが、朝一は症状が強く出るので我慢するしかない。

 ほとんど無人の街中を散策していると、湧き水の前でカメラをショルダーバッグから取り出そうとしたマッチョが突如叫びだした。
「おわっ、何だか中が大変なことに!」
「何だよ?」
「中が水でビチョビチョだぞ!」
「雨?」
「いや、俺のペットボトルの蓋が緩んでたらしい…」


突如マッチョを襲う浸水パニック!
 傘を投げ出し、ペットボトルを手に慌てるマッチョ!雨とは無関係にバッグの中を水害が襲います。
「フヒャひゃひゃひゃひゃ、クハハハハ!」
 あまりの馬鹿げたその様に、私は笑いが止まらない。カメラで撮影する手がブレてしまい、写真もピンボケだ。
「うわぁ、これはお前、ミネラルウォーターで良かったよぉおおお」
「コーラとかならマジで悲惨だったな」
 早朝から笑わせてくれる男だ。


宗祇水
 この先に湧き水があるらしいのだが、私が歩きたくないのでパス(笑)

 四月中旬を過ぎたにもかかわらず、小雨も降ってかなり気温が低いので、当然トイレも近くなります。
 

バスターミナルの公衆トイレ
 何やら注意書きがあります。


『明るい未来に一歩前進』
 そこまで大げさな話じゃ…、まるで地方自治体のスローガンみたいです。


モ○ゾーとキッコ○の子供?(笑)
 とある工芸品店で発見、あの公式キャラはオスとメスなのか?


モ○ゾーとキッコ○の子供??(笑)
 あまりにも体毛と瞳の色が違うので、四匹とも要遺伝子検査です。
(認知問題を公式サイトに問い合わせたりしないよーに!)


散り始めの桜
 岐阜の山間部は気温が低いので、まだ花が残っています。


滝なのか単なる排水なのか不明
 でも何となくイイ感じ。


いがわこみち
 町の中の用水路に鯉や川魚が泳いでいます。

 郡上八幡を出ると、今度は高山に向かって移動を開始します。


雪がパラつくナイスな天気


非常に鬱陶しい状況
 マッチョのショルダーバッグと財布がデフロスターに干されています。
「なあ、凄く鬱陶しいんだけど…」
「そんなこと言ったって、まだ乾いてないんだよ」
「いいよ、そんなの多少湿ってても、少なくとも俺は困らないからさ」
「ふざけんな!」

 時刻はまだ朝の8時過ぎ、長い一日になりそうです。