どんぴ帳

チョモランマな内容

続・くみたてんちゅ(その5)

2010-03-31 00:54:38 | 組立人

 翌朝、朝食を摂りにホテルのロビーに下りると、アメリカ人技術者のウォルターと、初めて会ったゲイリーを発見します。

「おはよー!」
 私は前方を歩く『超人ハルク』にそっくりなウォルターに声を掛けます。
「・・・」
 自分のことだと思っていないのか、全く振り返りもしません。
「おはよー、ウォルター!」
 今度は名前を呼びます。
「オオっ!?」
 身長2m近いウォルターが、ようやく私を認識します。
「元気だった?」
「元気だよ、ウォルターも元気そうだね」
 ニコニコとして握手を交わします。
「ベイビーイェー!!」
 すでに私とアメリカ人技術者との定番の挨拶になってしまった『オースティンパワーズ』の物マネをウォルターと交わすと、ゲイリーが不思議そうな顔で我々を見つめます。

 朝食会場のレストランに入ると髭モジャのゲイリーは、大量のベーコンを焼き場担当のシェフに突きつけます。
「おいおい、一人で朝から7~8枚もベーコンを食べるのか?」
 さすがはアメリカ人、肉食人種です。

 朝食後、バスでまったりと移動中に、早くも高速道路上で事故を目撃します。


前回はほとんど見なかった事故
 今回は遭遇率が飛躍的に向上!

 この日は新設機の掃除(油拭き)をしたり、防音パネルを床に並べて取り付ける準備をして、全身の筋肉がパンパンになり仕事を終えます。
 体調は悪いままですが、現場なので精神力で無理やり身体を動かしてる感覚です。


何だかカワイイ車
 工場内の道路に停まっていました。
 非常に苦労しましたが、なんとか探し出しました(笑)
 中国の奇瑞汽車(きすいきしゃorチーロイきしゃ)の『RIICH』というブランドの『M1』という車種みたいです。
 虹色のシマウマがイメージキャラクターらしい…。
 でもモーターショーのコンパニオンは美人です(笑)


なかなかのデザイン
 意外とまとまっている印象です。


街では『洗車屋』なる商売が成立
 お金がある人の車は、いつもここでピカピカに。


どんどん増える店と車


ガンガン造られるマンション
 中国人はタワークレーントラッククレーンが大好きです。ちなみにラフタークレーンは一台も見たことがありません。


かと思えば、こんなのもバリバリ走ってます。


人でも荷物でも、載れば何でも運ぶらしい…。

 でも高速道路にはこんなのも走っています。

ポルシャ初の四枚ドアハッチバック『ポルシェ・パナメーラ
 日本国内でも玉数の少ない車種ですが、まさか中国で最初に見るとは思いませんでした。

 どこの国にも居るものです、お金持ちは…(笑)


続・くみたてんちゅ(その4)

2010-03-27 14:22:01 | 組立人

 ボーっとバスに乗っていると、高速道路の入口が渋滞していることに気づきました。

 どうも事故による渋滞みたいなのですが、ここで我々は恐るべき中華式ドライビングマナーを目撃します。


事故&渋滞発生
 目の前の黒い車にはナンバープレートがありませんが、これは大した問題ではありません(笑)


異常に殺気立っている料金所
 最初は私の見間違いかと思いましたが、料金所の出入口は全部で『4車線』です。画像からも確認できますが、入口側は2車線、そして出口側も2車線です。
「オイオイ、それは無いでしょ…」
 事故車輌も含めて入口側が6車線にも膨らむ無秩序状態…、出口側の車線を完全に1車線分潰しちゃってます。
 きっちりと料金所の入口側と出口側が障害物で区切られている日本の高速道路では、100パーセントあり得ない光景です。

「うわぁあああ、出口側も渋滞が発生してるぞ…」
 しかもどの車のドライバーも他人にスペースを譲るような気持ちは1ミリも持ち合わせていないので、我先に料金所に突撃します。
 我々が乗っているバスの運転手も『中華式運転術(勝手に銘々)』を習得した中国人なので、当然その争いに参戦します。
「うぉおおお!」
「なんでこうなる?」
「オイっ、このナンバーの付いてない黒い車、ここから料金所を横切ろうとしてるぞ!」
 良く見ると高速道路の料金所の横に、何やら側道らしきものが見えます。
「どうなっとるんじゃ!?」
 関西弁で須沢が驚いています。


いなくなったナンバー無しの車
 ナンバー無しの黒い車は出口側の車線も横切り、強引に側道まで抜けて行きました…。


勝手に実況見分
 どう見ても対向車線(しかも高速の出口車線)を爆走して来た黒いセダン(キャデラックDTS?)が、強引にタクシーに喧嘩を売ったようにしか見えない。もちろんタクシーも譲らないので接触!(笑)
 この国では日本の常識は通用しません。


高速道路本線も渋滞
 前回訪れてからわずか9ヶ月の間ですが、この国の車の数は爆発的に増加して行っている気がします。

 この日はホテルに戻ると近所のパチモノショッピングセンターのフードコートに出向き、お気に入りの石焼ビビンバを食べます。


豚肉入り石焼ビビンバ 16元(約240円)
 プラスチックのスプーンは相変わらずです。

 ホテルに戻ると暇だったので、中国製トイレットットペーパーを観察することにした。


全長はほぼパスポートサイズ
 日本の物と同じです(笑)


でも芯が大きい気が…
 芯の直径が大きく紙の巻き数が少ないのですぐに無くなり、微妙に不便。
 ミシン目の感覚も微妙に狭い感じなのは気のせいなのか?

 自分でも何をやっているのか分からない中国の夜は、こうして更けていきます…。


続・くみたてんちゅ(その3)

2010-03-26 04:11:01 | 組立人

 実は今回、中国に行く前から私の肉体はある問題を抱えていた。

 何が原因かは分からないが、全身の筋肉が異常に疲労しているという症状だ。
 歯を磨くと歯ブラシを持つ手が重い…、自分の家の階段を一度上がるだけで足が疲れる…、食事を摂ると顎が疲れる…、
「な、なんで?」
 自分でも原因が分からない状況だ。
「えーい、肉体労働の現場に自分自身を放り込んでやる!」
 自分自身にややスパルタな使命を課してみたのだが、その目論見は完全に甘かった。

「…や、ヤバイかもしんない…」
 バールを持つ手が重い、しゃがむとアキレス腱やふくらはぎが悲鳴を上げる。バールで木箱をこじると腰が泣きそうに痛い。
「完全に役立たずだ…」
 目の前で働いている50代の須沢という機械屋さんよりも動きが悪いのは明白だ。だが、仕事をせずにお金をもらう訳には行かない。
「クォウりゃぁあああああ!」
 力任せに開梱作業を行い、半分ヤケクソになってバールを突っ込む。
「ベキベキベキっ!」
 冬の北京は寒い上に乾燥しているので、木箱はウエハースのように割れてしまい、余計に作業に手間がかかってしまう。
「…また割れちまった」
 何をやっても上手く行かない時はこんな物だ。
「このままじゃ足手まといだからな、廃材を運ぶか…」
 とにかく何かをやらなくてはいけない。私は開梱された廃材を運ぶことにした。
 すぐに中国人のジョーが私を手伝い始める。
「おお、ありがとう」
 ジョーは結構優しい男なのだ。ジョーとひたすら廃材を運ぶが、すぐに私は新たな自分の体の異変に気づき始めた。
「マジかよ…、たったこれだけで握力が落ち始めてる?」
 もう何年も前とは言え、反力20kgf/cm2のウォータージェットガンを握っていた両手の握力が、たかがベニヤ板を運ぶ程度で悲鳴を上げている。それどころか、両腕の筋肉がパンパンに張っている。
 そして私は自分の体の異変を、自分の体で思い知ることになった。
「そりゃっ!」
 一人で運べる程度のベニヤ板を数枚運んでいる最中だった。私は頭の上に掲げたベニヤ板を、廃材の山に投げたつもりだった。
「あ?」
 瞬間的に握力がガクンと落ち、ベニヤ板は前方に飛ばず、私の頭上に落ちて来た。
「ガゴンっ!」
 自分で投げたベニヤ板が、自分の頭上に落ちたのだ。
「・・・・・・・・」
 ある意味ショックだった。板はヘルメットに当たっただけなので、大して痛くは無かったのだが、自分の思い通りに体が動かないのだ。
 これが自分の肉体の『老化』なのか、それとも相当に『調子』が悪いのか、私は暗澹たる気持ちで廃材の山を見つめていた。


唯一の慰め、お昼ご飯
 でもこれさえも顎が痛くて残しました…。


帰りのバスの車窓
 疲れ果て、根元が白く塗られた街路樹をボーっと見る。


信号機の設置
 前回は気合のみで強引に押し通っていた交差点です。


エアチャイナ本社?
 皮肉にも佐野と赤城を羽田空港に12時間以上も『ディレイ(遅れ?笑)』で閉じ込めた航空会社の前を通って、毎日通勤します(笑)

 ちなみに機材(飛行機)が遅れまくって客の苦情をガンガンに浴びていたのは、業務委託を受けている(のか?)JALのグランドホステスの皆さんだったそうです。で、
「こらぁ、どうなっとるんじゃぁ!」
 と真っ先にカウンターに怒鳴り込んだのは、中国人の皆さんです。
「…おいおい、お前らの国の航空会社が本来の原因だろう…」
 という空気が日本人の間に漂っていたそーです。

 スッチーが大変な仕事なのは分かるけど、グランドホステスも飛行機が遅れると地獄のよーな仕事に一変するんですねぇ…。

 


続・くみたてんちゅ(その2)

2010-03-25 02:58:06 | 組立人

 佐野が羽田空港を満喫している間、私は部屋で寛いでいた。


部屋からの夜景
 向かいのネオンは『性事良品(アダルトグッズの店)』と『日本料理』の店です。


ちょっと買い物へ
 おなじみのセブンイレブンや、マッサージ店、飲み屋も健在です。


もちろん部屋にはパソコンをセットアップ
 今回は友人T氏から格安で譲ってもらったFUJITSU『FMV-BIBLO LOOX U/B50』を持参。
 『VAIO VGN UX-70』と比較すると、画面がやや大きくなり、キーボードも幾分かはマシです。


FUJITSUの技術者が見たら泣きそうな使い方…
 でもこうやって使ってみると、非常に快適なことが判明(笑)
 本体を前後逆向きにして、モニターを回転させ、角度もお好みで調整します。
 リュウドのキーボード『RBK-2100BTJ』とマイクロソフトの『Mobile Memory Mouse 8000』をBluetooth接続します。
「おお、画面を一段階拡大表示するだけで、とてーも快適だぞ!」
 目にも、肉体にも優しいパソコンに変身。

 快適な中国ライフの準備が完了です。
 ちなみに中国ではGoogleYouTube2ちゃんねるも使えませんので、本当に快適かどうかは疑問ですけど…。
 Gmailはきちんと使えました。

 翌朝、六時半にホテルの朝食に行くと、佐野と赤城が現れた。
「あ、おはようございます!」
「うぃーす…」
 佐野が初日から疲労感を豪快に漂わせています。
「何時に着いたんですか?」
「ホテルに着いたのは朝の五時だよぉ」
「ご、五時ですか…、結局飛行機は何時に飛んだんですか?」
「一時半だよ、あいつら、12時間も空港のロビーで待たせやがって、飛行機も故障が治らないから翌朝の機材に振り替えておいて、それでも『ディレイ(遅れ)』だって言い張ってやがったからな…」
「そ、そうですか」
「生まれて初めてだよ、空港のロビーで機内食を食わされたのは…」
「あはははは…」
 私は笑うしかない。
「おまけに空港からのタクシーは凄かったよ、雪が降って凍結の恐れがあるのに、ノーマルタイヤで直線は時速160km、コーナーでも時速120kmで走ってたからねぇ、ホント中国人の運転は理解出来ないよね」
 赤城も朝から疲れた顔をしている。
「今日の仕事は大丈夫ですか?」
「おお、バリバリやるよ!」
 佐野はなんだかおかしなテンションで気合を入れている。


バスも気合
 今回も40人乗りが登場…。
「ま、またこのサイズですか」
「マイクロバスとか無いんですかね?」
「まあ、大きい分には困らないけどねぇ…」
 初日は日本人6人と中国人1人の合計7人で、仕事場に向かう。
「やあジョー!」
「今回もよろしく!」
 中国人は前回の仕事でも一緒だったジョーが参加している。

 前回と同じ工場に入り、前回と同じ担当者に挨拶をして、前回と同じ休憩所に荷物を置く。何もかもが前回とほぼ一緒だ。
「で、今回はコイツですか」
 前回搬入した大型機の数メートル前に、前回よりは小ぶりな機械が仮置きされている。
「さ、こっちはレベル出しをやるから、キーちゃんたちは開梱作業をやってくれる?」
「了解です」

 今回もまた、私は開梱作業に従事することになった。


続・くみたてんちゅ(その1)

2010-03-15 02:09:40 | 組立人

 以前中国で仕事をしてから約9ヶ月、再び佐野から連絡が入った。

「キーちゃん、来月中国に行ける?」
「中国?前と同じ仕事ですか?」
「そうそう、今回はちょっと小さい奴を組むんだよ」
「大丈夫だと思いますけど」
「じゃあ、○月×日から一週間どう?」
「イイですよ」
 これでスンナリと話が決まるはずだった。

 それから三週間後、また佐野から連絡が入る。
「キーちゃん、荷物が船に間に合わなかったらしいよ」
「そうなんですか?」
「ああ、二週間延期なんだけど、スケジュールは大丈夫かなぁ?」
「んー、ちょっと調整してみます。清水さんは?」
「清水さんは延期は無理だって、他の仕事が入ってるってさ」
「そうですか…、代わりはだれが?」
「ウチの赤城ちゃんだよ」
「ああ、赤城さんですか」
 赤城とは、以前一度だけ一緒に仕事をしたことがある。
「ま、何とかしますよ」

 それから一週間後、明後日に出発を控えた日の昼のことだった。
「キーちゃん、悪い、一週間延期になった」
 またしても佐野から連絡が入る。
「ま、またですか…?」
「うん、今度は荷物が税関から出て来てないらしいよ」
「ウハハハハ、なんとか予定を調整してみます」

 そして本日早朝、私は自宅を出発し、定刻通り空港行きの高速バスに乗車した。


朝日がまぶしい…
 普段、朝日なんて見ない生活をしている証拠です(笑)

 今回私は、新垣と初めて会う佐藤という若い人と合流し、中部国際空港からのフライトということになっていた。
「新垣さん、お久しぶりです」
「木田さん、久しぶり!今回もよろしくお願いしますね」
 一度一緒に仕事をしているので、気楽なものだ。
「北京、寒いらしいですね」
「うん、特に工場の中は寒いって言ってましたよ」
「覚悟して来てますから大丈夫ですよ」
 私は新垣に答えた。


北京空港に到着

「うーん、雪とはねぇ…」
「寒いにもほどがあるよなぁ…」
「マジっすか?」
 機内で現地の天候の案内すら無かったので、三人で驚いてみる。
「佐野さん、大丈夫かなぁ…」
 少しだけ佐野が気になった。


心配しつつも空港内マックで一息
 またしてもピリ辛なチキンサンドを食べます。

「おーい、キーちゃん、着いたか?」
 佐野から携帯に連絡が入る。
「どうしたんですか?あれ?どこですか?」
 本来なら佐野は空の上にいるはずの時間だ。
「北京からこっちに来る予定の飛行機が、まだ着いてないんだよ」
「・・・」
「しかも何時になるか分からなねぇってさ」
「さ、最悪ですね…」
「ま、待つしか無いんだけどな…」
 佐野に同情しつつも、まずはホテルにタクシーで移動します。


ホテルの部屋からの景色
 道路では車のクラクションが鳴り響き、実は非常にうるさい。


今回の部屋
 この後昼寝をして、そしてホテルの中華レストランで夕食を食べます。


まずは燕京(ヤンジン)ビールで乾杯


豚肉と白菜の炒め物
 醤油風味?がとても旨い。


ベーコンとキャベツの炒め物
 意外にもやさしい味です。


麻婆豆腐
 中国山椒が効いた、舌がビリビリする奴。でも辛旨い。


何かのあんかけ炒飯(笑)
 てきとーなオーダーなので、正式名称は判りません。これも美味なり。

 満腹になり幸せな所へ、佐野から連絡が入ります。
「うぉおおおおい、キーちゃん、着いたぞ!」
「着きましたか!」
「うん、羽田に…」
「は?羽田…?」
「ナンカさぁ、明日の朝の機体を飛ばしてくれるらしいよ、深夜0時半に…」
「・・・・・・・」
「そっちに着くのが夜中の三時半とか四時だな」
「う、うわぁ…、仕事はどうします?」
「ん?やるよ、もちろん、シャワーを浴びて…」
「マジですか…」
「北京空港って、確か24時間動いてるんだよな、居るよねぇ、タクシー…」
「い、居るはずですけど…」
「ホテルに言っておいてくれる?夜中にチェックインするって」
「りょ、了解です…」
「はぁ…、家を出てからもう12時間だよ」
「き、気をつけて来て下さいね…」

 佐野さん、スミマセン。
 私はフカフカのベッドで昼寝までして、おいしい晩飯も食べ、これからまた寝ます…。
 罪深き私を許して下さい…。
 あ、ラーメン…、

 食べ忘れたなぁ(笑)


交換王(その25)

2010-03-13 23:38:38 | できるかな

 今回は大掛かりな交換作業を行います。

 非常に難しいので、丁寧に解説したいと思います。


フィルターを…
 買って来ます。
 
 洗濯機の洗濯槽へ直行します。


古いフィルター
 この機種の場合、親指で上部の部分を押し込むとフィルターが外れます。


差し替え途中
 フィルターの上下の確認だけは、きちんと行って下さい。


完了!

「・・・」
 えー、まあ、たまにはこんな『交換王』もあります…。

 フィルターは『ELPA(朝日電器株式会社)』という会社が、各社の洗濯機用フィルターをほぼ全て用意していますので、WEB総合カタログでチェックをしてみて下さい。

 大手家電量販店の洗濯機売場にも置いてありますので、そこで買えば送料も掛かりません。
 少なくともこのフィルターを交換すれば、糸くずまみれの黒いトレーナーを着ていることは無くなるはずです(笑)
 お値段も非常に安いので、積極的に交換しましょー!

今回のコスト
 シャープ純正糸くずフィルター 525円

 交換すると感動的にゴミが取れます(笑)

 さて、明日の早朝より、久しぶりに中国へ出動します。
『続・くみたてんちゅ』
 の始まりです(笑)


交換王(その24)

2010-03-08 05:35:25 | できるかな

 いよいよ最終の取り付け編です。

 まずは取り付けを予定している場所に各報知器を持って行き、床に置いて電波状況をチェックします。
 この段階で受信状態が悪ければ取り付け場所を変更する必要性が出てきますが、幸いにも全ての報知器が良好な受信状況でした。特にコンクリート打ちっぱなしの地下室は心配だったのですが、それも無事にクリアです。

 電波チェックは『けむり当番(親器)』の電波確認ボタンを押すとチェックが可能です。
 以下が試験的に行った電波チェックの動画です。


所定の電波意外の『霊波』等を受信してしまう場合、神社に持ち込んで除霊してもらうことをオススメします(笑)

 ここから先は実際の取り付け作業です。
 色々な壁や天井がありますが、なるべく下地に強度がある場所を選択して取り付けます。
 本体重量は180g(携帯電話2台分)とさほど重くはありませんが、警報停止スイッチの『引きひも』を使う場合、一般的な照明器具の引きひもを引く時の半分程度の力が必要になると思われます。


闇雲に取り付け
 嘘です(笑)
 石膏ボードに取り付ける場合は、なるべくなら下地がある場所のほうが楽ですので、以下の工具で下地を探します。


下地探し『どこ太(L)』
 強烈なネーミングセンスですが、建設業界のセンスなので許してあげて下さい(笑)


針を内蔵
 プラスチックの先端部に、計測用の針が内蔵されています。


下地が無い場合
 見事にスコンと刺さります。


下地がある場合
 途中で針が止まり、目盛を読むと下地までの深さが判ります。


キーポイントは12mm
 もっとも良く使用される石膏ボードの厚みなので、計測部にデカく記されています。


ズコッと一発判明
 ハイ、12mm!って感じでサクサクとやりましょう。

 そしてもう一つの必需品がコイツ!


我が愛機『ブラック&デッカー
 ドリルで穴を空けたら、すかさずオレンジ色のボタンを押すと、


ドライバービットが登場!
 もちろんビットは交換可能、ドリルをビットにすることも可能なので、サクサクと仕事が進みます。
 ちなみにこの『HP126K』ですが、すでに廃盤になっており、この機能を引き継いだ機種も現存しません。結構便利なのになぁ…。


取付ベースの取り付け完了


ベースと本体は位置を合わせて回すだけ
 ほとんど力は不要です。


親器の取り付け完了!
 天井から約20cm下の壁面に取り付けました。
 引きひもはそのまま垂らすだけで調度良い長さです。


和室の柱にも設置
 このワイヤレスタイプには和室用カラーの設定が無いのが残念ですが、高い位置に取り付ければすぐに気にならなくなるでしょう(笑)
 こんな感じで合計六ケ所に全ての報知機を取り付けて行きます。

 火災の危険性がもっとも高いキッチンに関しては、ワイヤレス連動型の『ねつ当番』と、以前から付けていた単独仕様の『けむり検知式』を移設した合計二個付で、万全の体勢を取ることにしました。
 これでいつ家が燃えても安心です!(何か考え方が間違っている気が…)

 火災報知機を取り付ける場合、説明書には様々な規制条件が記載されていますが、その全てを満たして取り付けるのは中々難しいので、ある程度の割り切りは必要です。
「うん、付いてないより全然マシ!」
 って精神で、サクサクと設置して、最後にもう一度電波チェックを行い、正常なら終了です。

今回のコスト
 けむり当番(親器1台+子器2台セット)『SH4903』に、ねつ当番(子器)『SH22127』×1台、けむり当番(子器)『SH22427』×2台を追加購入。
 合計29,490円(送料サービス)

 万が一の時の命の値段としては、非常にお値打ちなんじゃないでしょうか。


交換王(その23)

2010-03-07 04:04:58 | できるかな

 お待たせいたしました。

 本日はいよいよ『第一次火災報知機連動登録試験(エヴァっぽく…)』のご報告です(笑)
 厳密には誰も待ってないと思いますけど、勝手にススメます。


報知器内部
 購入時はこんな状態です。


電池取り付け
 きちんと説明書にも記載がありますが、赤は赤へ、白は白へ。と言うかコネクター形式なので、よほど無茶をしなけりゃ間違いそうにありません。
 電池を覆っている半透明なフィルムは、剥がしちゃダメです。そのまま取り付けましょう。


取り付け完了
 この内部電源で五分間の活動が可能です。いや、それはエヴァだ…。10年間もワイヤレスで活動します(笑)
「電池の向きを間違えると、白い線が断線します!」
 みたいな記載が説明書にありますが、そんな人(いるのか?)は自分でやろうと思わない方が無難です。


SH4903』の3台に取り付け完了
 この商品に関してはすでに初期登録が完了していますので、このまま取り付ければ即座に使用が可能です。


問題は追加購入の子器3台(下列3台)
 ねつ当番(子器)『SH22127』 ×1台
 けむり当番(子器)『SH22427』 ×2台
 に関しては、親器に登録作業を行います。

 登録作業は、本体内部の穴の中のスイッチを何度か押すだけです。


親器の登録スイッチ


子器の登録スイッチ
 以下は実際の登録作業の動画です。


説明書を読むとちょっとだけ面倒に見えますが、実際は非常に簡単です。
 あとはこれを三台分繰り返せば完了。
 ちなみに『消去』に関しては一括消去(つまりまとめて全台数を消去)になりますので、ご注意を。

 さて、登録作業が完了したら、実際に動作するかを確認します。
 親器の『警報停止ボタン』を約一秒間押すと、親器が
「テスト中です…」
 を連呼し、続いて、
「正常(成城)です、正常(成城)です、正常(成城)です、正常(成城)です…」
 と子器も合唱し出し、まるで小田急線成城学園前』駅のホームアナウンスが壊れたかのような錯覚に陥ります。


連呼中
 怒った『王蟲(オーム)』みたいに、警報停止ボタンを赤く点滅させます(笑)
 以下が実際の連呼動画です。


ヤバイ感じです…。

 次回は取り付け編です。



交換王(その22)

2010-03-04 06:37:50 | できるかな

 予てから思っていたのだが、我が家にも火災報知器を設置することにした。

 キッチンにはすでに安物の『煙検知式』の物が一つ付いているのだが、この報知器、私がハードに中華鍋を振り、
「ジョバァああああああ!」
 などと湯気が立ち昇るような調理を行うと、
「ピーッ!ピーッ!ピーッ!ピーッ!」
 と騒々しい音で作動してしまうという問題のある(実際には正常な・笑)反応を起こす代物です。
 もっとも、換気扇の能力を瞬間的に超える湯気が発生するのだから、報知器が作動するのは当然のことなのだが、安物が故に一旦作動すると電池を本体から引き抜かない限り警報音が鳴り止まないという、非常に面倒な報知器でもあるのだ。
「やっぱりキッチンには『熱検知式』だな…」
 と言うことで、購入に踏み切ることにした。

 今回も色々と商品を比較検討した結果、またしても『Panasonic社』製品をチョイスすることになった。


けむり当番『SH4903』を購入
 煙検知式の親器が1台、子器が2台の合計3台セットの商品で、今回もネットで購入しました。家電量販店の店頭価格と比較して8,000円も安いのが決定打です。
 ちなみにこの手の商品に『長期保証』なんて必要ありません。壊れたら即座に買い替えが正解です。


ここがポイント
 大切なのは『ワイヤレス連動型』ってところです。
 一戸建て住宅(特に二階建て以上)に住んでいる方には、重要なポイントです。


火災発生をワイヤレスで報知
 他の部屋で発生した火災を、一斉に他の端末に報知してくれます。
 実際、火元の部屋と寝室などが離れている場合、鳴っている報知器に気づかないことが十分にあり得ます。
「おいおい、本当かよ?」
 と思う方も居るかもしれませんが、地方の戸建住宅は無駄に広かったりしますので、結構大切なことです。

 親器を中心とした電波の到達距離は直線で約100m、この『SH4903』は親器1台に対して子器を7台まで追加登録が可能です。同梱されているリチウムイオン電池の寿命は約10年です。


中身
 きっちりとパッケージングされています。
「おお、電池が足りねぇ!」
 と一瞬思いましたが、電池は2本×3台の合計6本で正解です。慌ててお客様相談センターに電話をしたりしないよーに!(笑)


親器
 親器には「電波確認」というボタンがあります。

 さて、これだけでは子器の数が足りませんし、キッチン用の熱検知式子器もありません。
 購入したショップでは独自のセット販売を行っており、子器を特別価格でセット購入出来ます。


子器追加購入
左:ねつ当番(子器)『SH22127』 ×1台
右:けむり当番(子器)『SH22427』 ×2台
 実はこの型番、住設機器の工事業者用製品の型番です。家電量販店で購入する場合は、
ねつ当番(子器)『SH4620
けむり当番(子器)『SH4420
 となります。
 どちらもネット販売の最安値はほとんど変わりはありませんし、上記の『SH4903』への子器追加登録も可能なので問題ありません。

 ちなみに住設機器用の親器は、
けむり当番(親器)『SH22417』子器7台追加登録用
けむり当番(親器)『SH22717』子器14台追加登録用
 となります。
 これらの親器を単体で購入すると『SH4903』の3台セットよりも割高になってしまいますので、要注意です。


シンプルな梱包
 さすがに業者用だけあって、非常にシンプルです。一般販売用には付属していた石膏ボード用の取り付けビスも付属していません。


けむり当番(子器)
 煙が報知器内に入った場合、光の屈折が変化して検知します。


ねつ当番(子器)
 こちらは細かい穴が空いていません。中心部の穴から黒い物が見えます。


マッチ棒みたいな物体
 これが感熱センサーらしい…。
 余談ですが、『ねつ当番』に親器は存在しません。親器は『けむり当番(親器仕様)』になり、『ねつ当番(子器仕様)』を子器として登録するようになっています。

 さて、次回は実際に住設機器用の子器と、量販店用の親器がきちんと連動するのかどうか、登録作業を行ってみたいと思います。