「困った時はお互い様」    

NPO法人「ドネーションシップわかちあい」事務局ブログです

まけないぞう:誰かが手に取って、お鼻を持ってチュッとしてくれるかもしれない

2012-06-12 16:46:20 | まけないぞう
被災地NGO協働センターからのレポートです。

→写真はブログへ
http://miyagijishin.seesaa.net/article/273538085.html?1338860684
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「まけないぞう」がつなぐ遠野ものがたり 5月13日(日)
………………………………………………………………………………………
被災地ではガレキの撤去が進んでいますが、土台だけを残している地区も少なくあ
りません。残された土台の合間から菜の花が何か訴えかけているように咲き乱れて
いました。

今日はいつもご支援頂いてる大阪からのボランティアのTさん(男性)と一緒に高田
市内の仮設へお邪魔しました。

いつもぞうさんを作ってくれているSさんは、もともと裁縫が得意でぞうさん作りもとても
上手です。Tさんにぞうさんづくりを教えてもらいながら、会話が弾みます。Tさんも久
しぶりの針と糸を使って、慎重に丁寧に針を運んでいました。作っているとだんだん
身体が熱くなってきます。糸と針を使っているだけなのに、ぞうさんを作っていると身
体がポカポカしてきます。二人とも顔が赤らんできて、夢中になっています。

Sさんはいま自宅の再建に悩んでいます。津波のかぶった自宅周辺の地域は高台
に移転する計画がもちあがっています。ただ、高台移転の場合は数人が一緒に移
転しないと交付金が下りないのです。また、後から申し込みをしても交付金は下りな
いそうです。そして、高台移転をする場合でも、土盛りをして土が慣れるまで4年~5
年必要で、そこから家の建設が始まるので、長い時間がかかります。

彼女は「すぐに決めてと言われても決められない。家が出来る頃には70代近くなる
し、こんな年で借金しても……と、移転について堂々巡りでウジウジしているけれ
ど、それでもぞうを作っているときは忘れられる、それで助けてもらっている」と話して
くれます。

「最近はいろいろ考えて肩こりもひどいからぞうさん少しやめる」と言われました。こち
らは「無理しないで少し休んでください」と言いました。そのあと、できたぞうさんを回
収に行くと、「やっぱり何もないと寂しいから、少しだけぞうさんの材料を置いていって
欲しい」と言われました。一人でこれからのこと、家のことなどいろいろ考えて嫌な気
分になるときに少しでもぞうさんづくりをしていれば気が紛れるのです。一人ひとりの
被災者のつぶやきに耳を傾けながら、「まけないぞう」は被災者の側に寄り添ってく
れています。

そのあと高田高校の仮設に行き、ぞうさん作りを教えてもらいました。二人の作り手さ
んが集まってくれて、ぞうさんを作りながら復習もしていました。
「あれ~そこは私はこうしているよ」「あっそうやるんだ~なるほどね」「今度私もそうし
てみよう」「長くやっていると我流が入ってくるからね」と、慣れてくると一人でやること
も多く、それぞれの個性が最大限に引き出されます(笑)。Iさんは「ぞうさんは楽しみ
だ~、また孫に小遣いあげられる」と話します。やっぱり、たまにはみんなでわいわい
がやがやしながら作るのが楽しいですね。

その後は仮設の住民の方に案内され、被災地に咲くお花を見学に行きました。陸
前高田市は広大な土地が一面に広がり、津波によって何もかもが奪われ、ガレキの
山がうずたかく積まれ、言葉を失う人がほとんどです。

それでもたくさんの方たちのご支援を受け、住民らも参加してガレキの中に花をさか
せています。ガレキばかり見ていると心が寂しくなってしまいますが、花を愛でている
と心が癒されます。側には高田の名産であるリンゴ畑があり、リンゴの花が咲き乱れ
ています。今年もおいしい実を実らせてくれることでしょう……。
(増島智子)

☆まけないぞう一言メッセージ
東北大震災から1年数ヶ月、神戸から17年数ヶ月、周囲はみなさんのお陰でずっと
きれいになった。緑につつまれ春から夏へと自然は恐ろしくもあり、暖かくもあり確実
に進んで行く。でも私の心は焦りだけを感じて前進できない。決断力のない私になっ
てしまった。将来を考えるとぼうっとしている。無題な一日が過ぎる。それなら出来る
ことで爪の先くらいでも役に立ちたい。みなさんの支援のタオルが1針1針縫えば、
不思議な私を見つめるぞうさんになる。がんばれがんばれと・・・誰かが手に取って
喜んで、お鼻を持ってチュッとしってくれるかもしれないと思う。次はどんな災害がく
るかわからないけど、どこかで生まれるぞうさん、役に立ってね。
(2012/5/07 60代女性 陸前高田市 下矢作仮設)

彼女は以前半年くらい前にはこのようなメッセージをくれました。
「かわいい子を旅に出します。よろしくお願いします。仮設に入って落ち着いた頃、
ボランティアの方々が県外などからも来て、がんばっているのに、自分は歴史も財産
も失ったというむなしさで「うつ」になっていた。でも私でも何か役に立つことがないの
か?昔人形を作っていたなつかしさで、このぞうさんを教わった。今はぞうさんを作る
ことが自分も生きようという心をかきたててくれ、支援の一助になればと少しは役に立
つように思わせてくれた。まけないぞう、がんばるぞうさんありがとう。」
(2011/10/31)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
 被災地NGO恊働センター 
   TEL 078-574-0701 FAX 078-574-0702  
   〒652-0801 神戸市兵庫区中道通2-1-10
【Home Page】http://www.pure.ne.jp/~ngo/
 【東日本支援活動ブログ】http://miyagijishin.seesaa.net/
 【頼政の仮設支援レポート】http://blog.canpan.info/shintsuna/category_39/1
 【まけないぞう】http://www.pure.ne.jp/~ngo/zou/index_j2.html
 【まけないぞうchottoニュース】http://makenaizouchottonews.seesaa.net/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

*******************************
※ドネーションシップわかちあいは
「まけないぞう」とともに歩みます。

まけないぞうは、ひとつ400円。
お求めは被災地NGO協働センターのHPから
 
NPO法人ドネーションシップわかちあい
これまでに「わかちあい」(寄付)させて頂いた活動・団体のリンク
http://www.donationship.org/link.html

★ブログランキングに参加しています★
 クリックいただけると嬉しいです♪(右上のバナー)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 反省のない中での安全性の確... | トップ | サクラ咲きませんでした(最... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

まけないぞう」カテゴリの最新記事