ともこもなこ !

ソプラノ大森智子のページです。
ふわふわと流れてゆく雲のように
あんなことこんなこと・・・

めるへんたいむ (6)

2006年03月29日 23時47分05秒 | めるへんたいむ
めるへんたいむの時間です。

巷では桜の花が咲きほころんでいるみたいですね。
うちの近所には桜の木がなくて、なーんか私、春に乗り遅れているよな・・。
お花見、行きたいな。
だがそんな暇は・・・

というわけで、桜の詩でも読みますかね。読み桜。
2篇ご紹介しますけど、同じ桜でも見る人によってこうも違うのかと思います。



     さくらの はなびら         まど・みちお
 
     
     えだを はなれて 
     ひとひら

     さくらの はなびらが
     じめんに たどりついた

     いま おわったのだ
     そして はじまったのだ
 
     ひとつの ことが
     さくらに とって
  
     いや ちきゅうに とって
     うちゅうに とって

     あたりまえすぎる
     ひとつの ことが
  
     かけがえのない
     ひとつの ことが




     ふゆのさくら            新川和江


     おとことおんなが
     われなべにとじぶたしきにむすばれて
     つぎのひからはやぬかみそくさく
     なっていくのはいやなのです
     あなたがしゅろうのかねであるなら
     わたしはそのひびきでありたい
     あなたがうたのひとふしであるなら
     わたしはそのついくでありたい
     あなたがいっこのれもんであるなら
     わたくしはかがみのなかのれもん
     そのようにあなたとしずかにむかいあいたい
     たましいのせかいでは
     わたくしもあなたもえいえんのわらべで
     そうしたおままごともゆるされてあるでしょう
     しめったふとんのにおいのする
     まぶたのようにおもたくひさしのたれさがる
     ひとつやねのしたにすめないからといって
     なにをかなしむひつようがあるでしょう
     ごらんなさいだいりびなのように
     わたくしたちがならんですわったござのうえ
     そこだけがあかるくくれなずんで
     たえまなくさくらのはなびらがちりかかる


ひとひら。吹雪。桜って、なんてドラマチック。
あの淡い色ゆえに強烈なのかも。

やっぱり、お花見行きたいな。