羊蹄学園大学社会学部講義集

北の大地に突如としてできた架空の大学。
かつてないテーマで綴る社会学とは?

佐山武雄の塾戦争第30回~太陽の罪(5)

2006-01-29 10:25:41 | 塾戦争影の第2章
(5、分裂する太陽)
こんにちは。
今日は久々に1コマです。

前回は佐鳴の影の部分を紹介しました。

まぁ早い話、こうした佐鳴の勢力の減退、内部での歪みや悪いウワサは、内部の有能で良識ある、特に教育に純粋に打ち込む講師にしてみれば当然嫌気がさすものです。
そして嫌気がさした結果どうなるか、様々な道はあるでしょうが、佐鳴を去り、新しい塾を創造するようになるのもひとつの道と言えるでしょう。
それは佐鳴の分裂であり、ひとつの事件と言えるでしょう。

佐鳴の元講師による新しい塾の創設…その傾向が顕著なのが愛知県の三河地区と言われています。
この地域は佐鳴が愛知県進出の際、最初に校舎展開をし、塾としての力をつけた、佐鳴の生命線とも言える地域です。
おかげで豊橋の時習館高校などの合格実績は他を圧倒しています。
しかし…少しずつではありますが佐鳴の牙城は切り崩されつつあります。

まずは、1995年に豊橋市で設立された、「開拓塾」。
塾長は岡田竜馬氏。
佐鳴の講師をしていた後、退社して仲間とともにこの熟を旗揚げしました。
設立から10年経ち、今では豊橋とその近郊に佐鳴と同じような独立した専用校舎10校舎を所有し、市内では佐鳴と肩を並べる存在にまでなっています。
そして更なる拡大…豊橋から豊田・名古屋方面への校舎展開を狙い、その第一弾として豊田近郊の三好町にも新規開校…とまぁ、三河地区(愛知県東部地区)では最も勢いのある学習塾です。
2003年の売り上げは3億1000万円とまだまだ小規模ですが、ホームページを見れば岡田氏の熱い思いが込められたエッセイを読むことができます。

一方、2004年には岡崎市で「夢現塾(むげんじゅく)」が設立されました。
塾長は佐鳴の岡崎地区統括本部長だった目黒義浩氏。
正社員講師は目黒氏含めて4人しかいませんが、4人とも佐鳴の元精鋭講師で、その中には入社時から佐鳴のホープとされ、就職活動用のパンフレットには必ず写真入りで登場し、退社直前までホームページで見られる模擬授業の動画にも出ていた人までいます(入社時と比べるとすっかり恰幅がよくなってしまいましたが)。
校舎はまだ岡崎市内に2つ。
しかし、市内ナンバー1の塾とされている佐鳴の手の内を知り尽くしている講師陣なだけあって、2年で塾としては急成長を遂げています。
何よりホームページで読むことの出来る各講師の書く日報から、塾としての意気軒昂振りが伝わってきます。

いくつか元講師の立ち上げた塾は他にもありますが、三河地区におけるこの2つの塾は別格で、佐鳴は安穏としていられなくなりました。
特に幹部社員でもあった目黒氏の「夢現塾」の設立は衝撃だったようで、今年になって佐鳴は岡崎へのてこ入れを積極的にしているようです。
岡崎本部校舎の新築移転などはいい例で、挙句秀英の進出は時間の問題とされている今、佐鳴はますます焦ることでしょう。

ところで…
ここまで取り上げた佐鳴内部の問題と分裂は、佐鳴だけに限ったことなのでしょうか。
どうもこのようなことは多くの塾にありがちな、というより多くの業種にありがちな話のように見受けられます。
ならばこの話の背後にあるのは何なのでしょう。

次回はそこに焦点を当てていきます。

それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第29回~太陽の罪(4)

2006-01-25 11:33:32 | 塾戦争影の第2章
(4、太陽の裏で)
ということで、今日の2コマです。
別の影の部分についてですね。

佐鳴の別の影の部分とは。
それは全く意外なものでした。

実は佐鳴については、早い段階からイロイロと会社内部についてのよからぬ噂は絶えず、今ではインターネット上でも注目の的となっています。
しかし、インターネットの情報は信憑性に欠けるものが殆どです。
そもそもウソとかホントの前に、具体的でなく感情的なのが問題です。
またそれとは別に、実在する上層部の誰と誰が不倫関係にあるとか、非常に具体的で佐鳴内の倫理に関わるものがあるのも確かです。
だから私はどこにどんな書き込みがあったかなどとここでは具体的に言いません。
どうしてもというなら、皆さんで探してみてください。

ですが、たとえネットの書き込みがデタラメとしても、このような書き込みが存在することはやはり問題で、誰かが恨みを抱いているからこのようなことになる、と考えるのが自然でしょうし、そうなると佐鳴が恨みを抱かれるようなことを引き起こしていると言えてしまいます。
何より「火の無いところに煙は立たぬ」という言葉があります。
信じるか信じないかは勝手ですが。

実はなぜこのような倫理の話にふれるのかというと、たとえば就職活動を控えた学生向けに、塾で就職してもらうべく、いくつかの大手塾を紹介する「新教育産業」という本が毎年、産学社から刊行されています(年度が変わる度に最新版が出ており、最新の2007年度版も発売されたばかり)。
この本に必ず「佐鳴予備校」の名と紹介文が掲載されています。

佐鳴についての記述はほとんど毎年変わりません、と言いたいところですが、1996年度版でしたがその紹介文に、「面接時に処女かどうか質問する」というくだりがあったのです。
つまり、佐鳴では、採用面接の際、女性リクルーターに人生経験の豊富さを見定めるため「処女かどうか」を確認すると言っているのです(処女は人生経験が無いということで不採用)。
今はこの記述はなくなりましたが、その後数年同書の中にはこの記述は存在しました。

私は思います。
ネットでの不倫がどうのとかの書き込みについては信憑性が薄いとしたとしても、このようなセクハラとも女性蔑視とも取れるようなことを実行し公言して憚らない事実がある以上、佐鳴全体に倫理への意識が希薄であることは明らかなのではないかと。

そもそもこれは明らかに「教育」を語る以前の話なのではないかと。

皆さんはどう思いますか?

…今日は2つ、佐鳴の影の部分を紹介しました。
私はこの2つの話を知ったとき、このような風土に嫌気をさすものが後を絶たないのではないか、そう思いました。
次回は、そこに焦点を当てたいと思います。

それでは、また。

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佐山武雄の塾戦争第28回~太陽の罪(3)

2006-01-25 11:33:04 | 塾戦争影の第2章
(3、太陽の陰で)
こんにちは。
今日も2コマです。

受講者数が連日跳ね上がり驚いています。
どういうことなのでしょうか。
ちょっと怖いです。

さて、ライブドアの堀江社長以下4名が逮捕されました。
これについては様々な立場の方がコメントを述べているようなので、あえてここではものを申しませんが、しかし塾業界も他人事ではありません。
裏で転がっている情報を株をやっている人や、就職を考えている人につかんでもらいたいものです。

で、今日は佐鳴の影の部分を抉る訳ですが…実は佐鳴もまた過去に前代未聞の事件を起こしています。
そこから今日ははじめていきます。
以下は2000年3月の中日新聞の記事です。

東海地方を中心に展開する学習塾大手の佐鳴学院(名古屋市)が、名古屋国税局の税務調査を受け、一九九九年までの七年間で約三億円の申告漏れを指摘されていたことが二十三日までに分かった。
同国税局は一部に悪質な所得隠しがあったとして、重加算税を含め一億数千万円を追徴課税したとみられる。


あぁなるほど。
この頃の佐鳴は『佐鳴学院』という塾名でしたね…などと、そういうことではなく、これは大変なことです。
少し昔のことではありますが。

要するに、伊丹映画でおなじみのマルサが入ったということですね、これは。
しかも学習塾とはいえ、教育機関に。
更に言えばその業界ではトップをひた走っている会社に。
これはやっぱり大変なことです。
ある意味、伊丹映画以上かもしれません。

「よそはよそ」と言ってしまえばそれまででしょうが、でも業界のトップがこのザマなのはどうなのでしょうか。
社会における信頼性も損なわれるのではないのでしょうか。
少なくとも業界全体へのイメージダウンは明らかでしょう。

ところで…この記事の中で、私が一番関心を持ったのは、脱税云々もそうですが(だいいち、塾の収入はほぼ全部が顧客である保護者がはきだす、月謝なのに…という憤りからです)、このようなことが社内で7年間も行われてきたと言うことです。
要するに、7年間もこのようなことを会社として見逃してきたと言えなくもないのです。
もっと突き詰めれば、この記事の内容は昨日今日いきなり起こった話ではなく、長い間の蓄積が表面化したということになります。
そうなると、佐鳴のこうした影の部分は、かなり以前から存在し進行していた、と言えるわけです。

そして…今思えば、この記事の頃から破竹の勢いだった佐鳴の歯車はおかしくなっていきました。

別の影の部分を見てみましょう。

それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第27回~太陽の罪(2)

2006-01-22 10:19:01 | 塾戦争影の第2章
(2、太陽の翳り)
さて、本日の2コマ目です。
ここから佐鳴の影の部分について語っていくわけですが…。

その前にまずは佐鳴と秀英で、静岡県内のいくつかの公立高校における合格実績を、昨春(2005年春)のデータで比較してみましょう。

(浜松市立高校〉
佐鳴…120名(合格者占有率30%)
秀英…120名(合格者占有率30%)
〈袋井高校〉
佐鳴…76名(合格者占有率27%)
秀英…67名(合格者占有率24%)
〈浜松西高校〉
佐鳴…24名(合格占有率56%)
秀英…9名(合格占有率21%)


この紹介した3つの高校はいずれも、静岡県西部にある、いわば佐鳴が強いとされてきた地域の高校です(詳細は以前の講義を熟読のこと)。
ところが、全高校を挙げて比較しているわけではありませんが、しかしこれを見る限り高校によるばらつきはありますが、かなり秀英がこの地域でトップのシェアを誇っている佐鳴に肉薄していることがわかります(ちなみに県全体の公立高校合格実績は秀英が佐鳴を上回っており、そのためか地元の有力新聞である静岡新聞や静岡放送は従来の佐鳴ではなく、秀英との連携強化にシフトしている。特にかつては静岡放送の「静岡県公立高校入試解答速報」は毎年、佐鳴がやっていたが今は秀英になっている。ちなみに佐鳴はテレビ静岡で昨春は解答速報を放映している)。
その静岡県西部ですが、秀英は昨年、北海道進出の影で佐鳴の発祥の地である浜松に、大学受験部を兼ね備えた新しく、そして巨大な浜松本部校舎を完成させています。
今後、秀英の県西部の攻勢は激しさを増すことになるでしょう。

では一時期、佐鳴が本社を置いていた名古屋市はどうでしょうか。
ここでも佐鳴と秀英、そして以前紹介した愛知県生まれの尾張地区に校舎展開している野田塾(以後「野田」とする)で比較してみましょう。

(旭丘高校〉
佐鳴…92名(合格者占有率29%)
秀英…54名(合格者占有率17%)
野田…21名(合格者占有率7%)
〈菊里高校〉
佐鳴…53名(合格占有率17%)
秀英…68名(合格占有率21%)
野田…29名(合格占有率9%)
〈向陽高校〉
佐鳴…59名(合格者占有率16%)
秀英…44名(合格者占有率12%)
野田…52名(合格者占有率14%)


この3つの高校は、名古屋市内の公立高校では5本の指に入ります。
佐鳴の広告によるとここで取り上げた3高校のうち、旭丘と向陽の2つの高校で占有率トップと言っています。
しかしここでも秀英は佐鳴に肉薄していますし、それどころか菊里高校では佐鳴を抜いています。
野田も同様にかなり健闘しています。

発祥の地である静岡県西部、絶対の地盤だったはずの名古屋市、このどちらでも佐鳴はシェアを喰われている事が明らか、というわけです。
更にこの冬から佐鳴の独壇場である、愛知県三河地方西部、すなわち安城市や刈谷市方面に秀英は進出を開始しました。
「進出できる」と秀英は自信を持ったのです。

光の第2章で私は佐鳴を「太陽のような塾」と評しました。
しかしその太陽が月であった秀英の自信とともに、ここにきて翳っているのです。

佐鳴の勢いはなぜ翳ったのでしょうか。
その原因を探ると、佐鳴の影の部分が見えてくるのです。

今日はここまで。
次回はその影を丹念に語っていきます。
それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第26回~太陽の罪(1)

2006-01-22 10:18:49 | 塾戦争影の第2章
(1、イントロダクション)
こんにちは。
今日も2コマです。

ここ最近アクセスが増えている割に何の書き込みも反応もないのが怖いですが(そういう類は大歓迎です。)…とにかく今日からいよいよ「影の第2章」です。
ここでは佐鳴についての掘りさげをしていきます。

以前、佐鳴が浜松を発祥の地とし、静岡全県に校舎展開した後、愛知全県に校舎展開し、岐阜や石川、そして大阪にも校舎展開しているということを紹介しました。

それはまさに「光」の部分であり、表層でした。
ということで、ここでは影の部分について触れていくのですが、その前提として私は佐鳴に対していくつかの疑問点を持っています。

そこから話を進めていきます。

で、イントロダクションではおなじみの関連写真資料ですが…えぇと、掲載可能な手持ちの写真資料がありません!
そこで、どうしようかと思案した結果、ちょっと佐鳴関連のホームページを紹介します。
…といっても佐鳴本体のホームページを紹介したところで面白くないし、悪口批判の類いが書いてあるようなところを紹介するのもよろしくないですから…まぁ一味違った関連のものをお教えしましょう。

まずはこれ!
佐鳴の名古屋本部の地下にある「モダン懐石 那由多」の紹介ページです。
えぇ…名古屋の中心部にある高級料理店です。
料金がバカ高い!
このようなところに佐鳴の方々は末端の人まで足しげく通えるのでしょうか。
…ということも今後のこの講義のテーマになるわけですが…

前にも紹介しましたが下の写真が名古屋本部ですから、この地下にあるんですね。



同じようにこれもそうですね。
「美楽和彩ダイニング 水干」という飲食店の紹介ページですが、この店も佐鳴の大阪本部1階にあります。
和風創作料理だそうですね。

ところで…マンション・ホテルの耐震偽造で世間は大騒ぎですが、塾の建物はどうなのでしょうか。
その前に生徒の健康を害するようなことにはなっていないのでしょうか。
…ということで、このようなところで、佐鳴の名前を見ることができます。
まぁ、子供を預かる以上、当たり前と言えば当たり前なのですが…

…とりあえずこんなところです。
これ以上紹介するとキリがないですし…

それでは早速、新しい章の内容に入っていきましょう。

それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第25回~役割放棄の塾(6)

2006-01-18 11:57:42 | 塾戦争影の第1章
(6、塾の役割を放棄する塾Ⅱ)
今日の2コマ目です。

北海道の塾の模擬試験についてですね。

北海道には「北海道学力コンクール(略称「道コン」)」という小中学生対象の模擬試験があります、
進学会は不参加ですが、それ以外の道内の塾はほとんど参加しており、参加していないと塾は「モグリ」扱いされてしまうくらい信頼されている北海道最大の模擬試験です。
この道コンは、佐鳴主導の静岡県進学模試のように特定の塾が引っ張っているのではなく、道コンの問題作成・主催を主事業とする、全く別の会社がやっています。
愛知の模擬試験とその点は似ています。
そのため公正性が感じられ、信用を勝ち取り今では北海道では唯一で最大の、ほぼ北海道の学習塾全部が参加する模擬試験にまでなったと言えるでしょう。
ただ…ここでも静岡や愛知のように大手学習塾の勢力争いが見え隠れします。
なぜなら、前述のように進学会は不参加ですし、昨年北海道に進出した秀英も不参加の方向だからです。

練成会はしかし参加しています。
…と言いたいところなのですが、ここ数年そうは言い切れない状態になっています。

確かに練成会の中学3年生は参加しています。
高校入試を前にして、より正確な志望校合格のデータを入手するためには当然のことと言えます。
ところが、それ以下の学年は不参加なのです。

もともと「小学生の塾生については道内ナンバー1」と明確に言っていた練成会は、小学生に関しては、道コンへの不参加を貫いていましたが、問題は中学1年生と2年生です。
この2つの学年については、もとは参加させていたのです。
それが今では、札幌地区の「札幌セミナー」と個別指導部門を除き、帯広など札幌以外の都市にある練成会は不参加で、塾独自の模擬試験を実施しています。
なぜそうなったのでしょうか。

私はその疑問を練成会の上層部に尋ねた、という人の話を聞いたことがあります。
その人は中学校時代、練成会に通っていた、いわばOBで、素朴な疑問として自分が塾生だったときは道コンをやっていたのに、今は中3のみしかやっていないのはなぜか?と聞いたそうです。
返ってきた答えは意外なものでした。

「生徒が自分の成績で気持ちが落ち込んでしまうから」
つまり全道一斉の模擬試験を実施すると、札幌とそれ以外の地域の生徒の学力差が明るみになって、札幌以外の生徒の多くは気持ちが沈み、学習への意欲をなくすから、というのです。
いわば生徒の意欲を言い訳にした、自分たちの塾としての能力の無さを暗に認めているかのような回答に私は愕然となりました。
しかし一方で、その答えを聞いて、ひとつのことを思い出しました。

北海道は高校進学において典型的は公立偏重の土地柄です。
その進学の際に実施される公立高校入試は、他の都府県と同じく、国語・数学・社会・理科・英語で行われますが、配点は他とは違い、1教科60点満点、つまり5教科で300点満点となっています。
問題は平均点です。
北海道全体の平均点はここ十数年、おおむね5教科合計170点台で推移しています。
300点満点の170点ということは、単純計算すると1教科平均35点前後、ということになるはずです。
しかし実際はそうはなっていません。
教科によってばらつきがあり、毎年必ず40点前後と、年によっては極端に平均点が高くなる教科が出現するからです。
その平均点が高くなる教科は国語だったり社会だったりまちまちなのですが、反動として平均点が低くなる教科は毎年必ず決まっています。
その教科は数学です。
平均点は30点前後で2002年度に至っては25点…
つまり60点満点の半分も得点できない点数が、北海道全体の平均点だというのです。
なぜ数学だけそうなるのか。
北海道の教育関係者にその原因について尋ねると決まって言うセリフがあります。
「札幌は別に問題ない。地方や田舎の生徒のレベルが低すぎて足を引っ張り、それでこの平均点になってしまう」
ちなみに北海道の公立高校入試の問題は全国的に最も難易度が低い、と言われています。

…何だか道コンをめぐる練成会の話と似ているように感じるのは私だけでしょうか。
いずれにせよ、このことからわかるのは、北海道の公立高校入試の状況が何年も何ら変わっていないと言うこと、そして練成会は当然ながら、進学会も含め2つの大手学習塾がこれだけ北海道で多くの生徒を獲得し、受験指導しているのも関わらず、入試の結果を見る限り教育水準の向上にさほど寄与していない、ということが言えるわけです
つまり塾なのに塾としての目的・役割を全く果たしておらず、「大手学習塾」という中身の伴わない看板だけで道民の支持を得てきた、と言わざるを得ないのです。

「影のプロローグ」で紹介した志学会などは道コンにおける、全道平均や北見地区平均点数と志学会平均点数を比較した表を必ず広告に掲載し、自分たちの指導のすばらしさを喧伝します。
しかし同時にこれはこのような喧伝ができない大手学習塾をあざ笑っているかのように私の目には映ります。

でもあざ笑うのは当然かもしれません。
業界を牽引するところがこの有様なのですから、「本当に塾の役割を果たしているのか」と言いたくなってしまいます(無論、それ以前に北海道の学校教育がおかしいと言えるのだが)。

現に秀英の入塾テストでは、静岡県中部・愛知県東部で88%が合格するのに対し、昨年進出した北海道札幌では75%の合格にとどまっており、このことからも北海道の小中学生の学力の低さが推察できると思いますし、だからこそこのような学力水準・大手塾の中に割って入ることに秀英は自信を持ち、一足飛びに一気に北海道に進出してくるのです。
…と書いてしまうと、何やら秀英はきちんと塾の目的・役割を果たす、正義の味方のように見えてしまいます。
確かに指導システムは進学会や練成会より、中部という受験の大変な地域で鍛えられただけあって優れているかもしれません。
しかし前述した通り、模擬試験を、他の塾と同調せず、単独で実施しているなど、問題視できる面もまた見受けられます。

そうです。
一見すばらしいと思える塾にだって、全くスネにキズがないということはなかなか言えないのです。
ではどのようなキズなのか。
…ということで探ってみると、佐鳴にも秀英にも、あるんですねぇ…というところで今日はここまで。

次回からは影の第2章「太陽の罪」に入ります。

それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第24回~役割放棄の塾(5)

2006-01-18 11:57:25 | 塾戦争影の第1章
(5、塾の役割を放棄する塾Ⅰ)
こんにちは。

今日も2コマです。
2コマが最近多いですね。

今日は前回の「合格実績」や「指導体制」から何が見えてくるのかをお話します。

そもそも「学習塾」というのは、合格実績について同業が同業を責めることがその目的や役割ではなく、「学校外で教科の補習や進学準備の学習指導を行う、私設の教育施設。塾。」(大辞泉より抜粋)がその目的・役割のはずなのです。
そして塾の善し悪しは本来、この目的・役割をきちんと達成できるかのはずです。

現実には、小中学生の受験を意識する保護者の場合で言えば塾の善し悪しは、わが子の成績が上がり、それを維持し志望校合格を果たすよう導くことができるかどうかの一点に絞られます。
一方で、特に大手の学習塾の場合、ひとつの地域でたくさんの生徒を抱えているため、一人ひとりの成績の向上が、ひいては前にも書きましたが、地域の教育水準の向上につながり、そしてこれが塾の目的・役割と地域住民から位置づけされるのです。
しきりに高校の合格実績を大手の塾が出すのも、自分たちの塾の規模や指導力、そして地域でこれだけ優秀な生徒を育て、教育水準の向上に寄与しているのだとアピールしているから故なのです。

ところで、志望校合格を待たずしてその一人ひとりの成績が授業の結果、上がったかどうかは、学校のテストで判断されるわけですが、そのテストや入試のある意味予行演習として塾には大規模な模擬試験というのが存在します。

模擬試験というのは、早い段階から本番である高校入試に慣れておくために、形式や問題傾向を入試に似せ、塾で実施するものをここでは言います。
その多くは採点後、コンピューターで平均点や偏差値を算出し、総合・教科別・地区別の順位や志望校の合格可能性をパーセントなどでしめしたものを受験者やその保護者に渡します。
しかし塾によって模擬試験の主催は様々です。

佐鳴の場合、小学生、中学生の塾生ともに単独で「サナル模試」というのを年数回受験するのが定番です。
5府県で校舎展開していますから、それぞれの府県の入試に合った問題を解いてもらうのですが、しかし佐鳴の主力地域である静岡や愛知では少し事情が違います。

静岡の場合、佐鳴の中学3年生の模擬試験は「静岡県進学模試」というのを受験します。
これは佐鳴が静岡県下の学習塾に呼びかけ、実施されるようになった、佐鳴主導の静岡県の塾横断的な模擬試験です。
受験者数は静岡県最大と言われていますが…実はこれには静岡で佐鳴と双璧をなす秀英は参加していません。
秀英は秀英で独自にこれに対抗すべく、やはり県下の学習塾に呼びかけて、進学模試とはまったく別の「静岡県統一模試」を実施しています。
つまり本来は本番である入試の練習、受験指導のためのデータ入手という、生徒にしてみれば将来までをも意識させる、高校進学に必要な行事なのにも関わらず、その模擬試験の背後には二大大手学習塾の主導権争いの道具、と指摘されても仕方の無いような状況が横たわっているのです。

愛知ではその状況が更に顕著になります。
愛知では今日、中学3年生の場合、「全県模試」と「新中統」という模擬試験で県内の学習塾は二分されています。
どちらも特定の学習塾が主導しているわけではなく、第三者の会社が主催していますが、模擬試験の参加を巡り、大手の塾同士でもめた結果、未だ一本化されておらず、佐鳴はじめ以前紹介した野田塾や明倫ゼミナールといった愛知の老舗大手塾が二手に分かれてしまっています。
挙句、秀英に至ってはどちらにも参加せず単独の模擬試験を実施しています。
全県模試が今のところ、中学3年生は2万人(愛知県の中学3年生の3人に1人)が受験と、最大の規模になっていますが、だからこそ生徒のことを思えば、更に多くの受験生が参加するようなよう、正確な志望校合格に向けてのサンプルを採取するために、まずは模擬試験の一体化をはかるのが筋なのに、お互いのメンツや立場が優先し、結局は不統一の状態に陥っています(一応、静岡と愛知で校舎展開している進学会は独自の模擬試験)。

さてさて…北海道はどうでしょうか。

それはもう1コマで。

それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第23回~役割放棄の塾(4)

2006-01-15 11:07:40 | 塾戦争影の第1章
<4、五教科指導の虚実)
…ということで本日2コマ目です。

合格実績という指導結果の表示で問題のあった進学会と練成会ですが、それではその合格実績を生成する指導過程…すなわち日々の塾の授業には問題はないのでしょうか(塾である以上これが一番大事であろう)。

私はそこであることに気がつきました。

一般にここで取り上げている学習塾は、中学生対象だと国語・数学・社会・理科・英語の主要5教科指導が定番になっており、本来なら多大な指導時間を必要とするはずです。
ところが実際の状況を見てみると、塾の通常の授業時間というのは、学校の定期テスト前などを除きせいぜい1回に2~3時間で、それが週2~3回という形になっています。
ということは4~9時間で1週間分の5教科の学校の授業を、塾でやるわけです。
どんなに塾の講師があらかじめ研修を受けていて、短時間で要領を得た指導ができるといってもどこかで無理があるのでは、と私はそこで考えたのです。

たとえば佐鳴はその点、うまく各教科の授業時間を分配しています。
1週間の授業時間は5時間。
それを主要5教科に演習(1週間分の全教科の授業の確認テストを一気にやる時間)の時間を均等に6等分しているからです。
ただ秀英にも言えることですが、一部で教科専任ではなく、兼任(たとえば英語と数学を掛け持ちして指導しているとか)の講師が存在しています。

ところが北海道の大手塾はというと、教科指導が非常に雑です。
たとえば練成会は週2回だったり3回だったりしますが、概ね札幌以外の練成会は1週間トータルの授業時間は6時間です。
この上で、火曜日・木曜日・土曜日の週3回計6時間という、練成会によくいる中学生の生徒をモデルに考えていくと、確かにこの時間の中で5教科を指導するのですが…この生徒の授業教科が火曜日は数学、木曜日は英語だとしたら、土曜日は国語・社会・理科という教科のサイクルを練成会は組もうとします。

ここで、土曜日だけ3教科を一気にやるのか、しかも時間の延長なしで…と思うでしょうが、そうではなく、国語社会と理科が隔週で入れ替わる、という形をとっているのです。
つまり今週が国語社会だとしたら、来週の土曜日は理科、ということになるのです。
ちなみに国語社会の講師は同じ講師が担当します(そのため練成会では英語科講師、数学科講師とは言うが、国語科講師、社会科講師とは原則は言わず、国社科講師と呼ぶ)。
この結果、2週間で2回授業日のある英語や数学に対し、理科は1回、国語や社会は2分の1回と、格差が出るのです。

進学会に至ってはこの傾向がもっと顕著になり、5教科指導と言いながら、国語のみ定期テスト前の特別授業で集中的にやるだけになっています。
この結果、北海道の中小の塾の中には広告で「うちの塾は国語もきちんとやります」と、ほかの地域ではおおよそ通用しないような文句をデカデカと掲載します。
これはひとえに大手塾が国語の教科指導の時間を割かないことの裏返しと言えるでしょう。

現代っ子の活字離れを助長させるかのような大手塾の教育方針ですが、更に問題視すべきことがあります。

…といったところで今日はここまで。

それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第22回~役割放棄の塾(3)~

2006-01-15 11:07:00 | 塾戦争影の第1章
(3、合格実績とは)
こんにちは。

えー…講義に入る前に、一言。

多くの方がこの講義を「沖縄論」同様に参加してくださってます。
これについては感謝感謝です。
決して「沖縄論」の時のようなコメント・メール・トラバがきわめて少ないことから廃れているわけではありません。
「社会学部講義集」であることからわかるように、これは塾について語ることが大きいテーマではないのです。
そのため塾業界関係者のアンテナに引っかかりにくく、それが閲覧・参加・受講の少なさにつながり、そのまま反応の少なさにつながるのです。
そうでない方々には日ごろ多く来ていただいていますから、その上に業界関係者が多くここに集えばたぶん、盛り上がるでしょう。
そしてそうなるように手を講じることは容易いことです。
しかし、私はそれをしてきませんでしたし、これからもしません。

なぜならいくつかの塾関係の掲示板の荒れ果てぶりを私はみているからです。
「平和が一番」。
そう思っています。
無論、業界関係の方でもそれ以外の方でも荒れない程度のコメント書き込みやメール、トラックバックは大歓迎ですが、必要以上にアピールはしない方針です。
あくまで自然に構えたいと思います。

…ということで、講義に入ります。
今日は2コマです。

前回は進学会と練成会の泥仕合を紹介しましたが、そこで語られた合格実績とは何なのでしょうか。
これが今日の1コマ目のテーマです。

多くの大手の学習塾は、自分たちの指導力の結果や塾としての能力の高さを誇示し保護者や地域への信頼を広げるために、高校ごとの塾生の合格者数をチラシに記載します。
これがここで言う合格実績です。
このとき塾生というのは、高校の合格実績の場合だともちろん中学3年間、その塾に通った生徒がまず挙げられますが、それにプラスして、中学校3年のときの夏休みや冬休みの講習会に参加した生徒も含んでいます。
たとえば模擬試験を受験しただけの生徒はカウントされないわけです。
多くの学習塾はこのやり方で、塾生と塾生以外を分け、合格実績の人数にカウントしているわけです。

しかしこの「塾生」という概念は別に法律で定められているわけではありません。
あくまで一般的なものです。
つまり各塾で厳密に言えば基準をぼかしている可能性とてあるわけですし、塾生そのものの概念が他とは違う塾とてあるわけです。
ひどい場合は塾生数を水増ししているかもしれないのです。
そうなると、塾生って何?合格実績って何?ということになってしまう。
これはひとえに塾業界全体できちんとルールやモラルを明確に話し合って定めてこなかったという結果の表れでもあるのです。

つまり合格実績とは、結局「数字のお遊び」とも言えなくもないのですね。

…といったところで、今日はもう1コマ。
それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第21回~役割放棄の塾(2)~

2006-01-13 11:06:33 | 塾戦争影の第1章
(2、泥仕合)
今日の2コマ目です。

まずは練成会についてからです。

以下は2003年7月22日の読売新聞の北海道版からの抜粋です(尚、記事中の「れんせい」とは、練成会のことである)。

道内大手の学習塾「練成会グループ」を運営する「れんせい」(本社・帯広市)が、広告に不当な表示があった疑いがあるとして、公正取引委員会から、景品表示法違反のおそれがあると警告を受けていたことが、22日わかった。
(注・記事中の「れんせい」とは練成会のこと)

…この記事にあれこれ言う前に、この不当表示に関する公正取引委員会への訴えは、公式には「同業の学習塾運営会社」となっていますが、北海道の塾業界では「進学会だろう」との見方で一致している、ということを付け加えておきます。

さて…
この記事によると、練成会はよくないことをしました。
まず、「道内公立高校の合格実績ナンバーワン」とした広告文について、2番目の進学塾と同時期の合格者数を比較していないということ、次に広告に出した合格者数に、中学1年生や2年生のときに在籍した生徒も含めているということ、この2点についてです。
公取委の警告もこれでは当然でしょう。
練成会もこの件は認め、今では表示を是正しています(練成会のホームページは、「道内9都市公立トップ高校の合格実績、過半数突破!」とある)。

しかしその一方で、その通報をしたと思われる「進学会」にこういった落ち度は無いかとなるとそれも疑問です。
ホームページを見ると一番わかりやすい。
たとえば「全国最大級の合格実績」という文句がそうです。
確かに進学会は全国展開しています。
そのような塾は非常に少ない、ということを考えればそれだけでも誇ることなのかもしれません。
しかし「最大級」とは…どうもわかりにくい、と思ったら2004年の1月18日の北海道新聞にこのような記事がありました。

公正取引委員会は十七日までに、北大学力増進会などを展開する大手進学塾、進学会(札幌)が、チラシに昨年春の高校合格者の実績を全国一などと載せたのは景品表示法違反(優良誤認)の恐れが あるとして、文書で警告した。
 
記事によると進学会は広告等で各塾の算出方法が異なるにも関わらず、「合格実績全国ナンバー1」としたこと、北海道内に進学会よりも合格者数が多い塾が存在する(多分、練成会のことであろう)にも関わらず、「公立高校合格者数全道ナンバー1」とPRしたことが、消費者の誤認を招く恐れがあるため公取委が警告に踏み切ったとあります(ちなみに進学会はこの件に関してノーコメント)。

何と言うのか、練成会が公正取引委員会の警告を受けた記事とさほど変わらない、と感じるのは私だけでしょうか。

しかし、進学会の場合、このことだけでなくたとえば、実績の乏しい地域での合格実績についても私は疑問を呈します。
たとえば「岡崎・一宮・豊田西・一宮西高22名」と表記しています。
これは、愛知県内の4つの高校の合格者の総計が22名と言いたいのでしょうが、同じ愛知県でも岡崎と一宮では全く地域が違うのに、ひとつの括りにし、総計を算出してしまうのは、どうも無理があるように思えます。

いずれにせよ、このことからわかるのは、高校合格実績の表示について言えばどちらも相当な無茶をしており、「どっちもどっち」と言えなくもない状況なのです。

…といったところで、今日はここまで。

次回はもっとこの話を掘り下げていきましょう。

それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第20回~役割放棄の塾(1)~

2006-01-13 11:06:06 | 塾戦争影の第1章
(1、イントロダクション)
こんにちは。
今日は2コマです。

今日から新しい章に入ります。
テーマは進学会と練成会の影の部分です。

そうですね、何から話そうかというと…
一般に大手の学習塾とされているところは、対象学年の生徒が入塾を希望しても中学生の場合だと通知表の評定がオール3以下だと、お断りする傾向にあります。
これは指導の効率化を図るための大手の学習塾で恒常化された手法なのですが、これはともすれば成績を上げたいと思う子どもの熱意を踏みにじる切り捨て、とたびたび指摘されてきました。
これだけでも教育を謳うはずの塾として問題ですが、しかしこれ以上の問題があるのも事実です。

たとえば…
北海道の大手の学習塾である進学会と練成会は、都市部を中心に多くの生徒を抱えます。
それは同時に地域に対して多大な責任を負うということになるのですが…

…というところからこの章に入っていきます。

その前に恒例の関連写真資料を。





この2枚は「おまけ」程度なのですが…

1枚目はクラーク記念国際高校の札幌白石キャンパス。
広域通信制高校です。
校長はあの三浦雄一郎さん。
そう言えば、先日お父さんの敬三さんが逝去されましたね…。

2枚目は名古屋の個別指導塾「がんばる学園」でおなじみの「ITTO個別指導学院」白石本通校。
明光のようなFC(フランチャイズ)展開で北海道にまで教室を構えています(それでもまだまだだが)。

この2枚はたまたま秀英の札幌白石本部に近かったから撮影したまででして…

それからもう1枚。



前回までお話してきた志学会、それに対抗すべく昨年夏に建てられた練成会の北見本部(北見練成会本部)です。

このような北海道の地方都市では珍しい5階建ての塾校舎を建てているその一方で、何が行われてきたのか、行われてているのでしょうか。

…ということで、もう1コマです。

それでは、また。

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佐山武雄の塾戦争第19回~影のプロローグ(4)~

2006-01-10 21:08:53 | 塾戦争影のプロローグ
(4、北海道の「壁」)
こんにちは。
今日も1コマです。

前回は秀英は北海道で成功するのでは?という話をしました。
まぁ実際に生徒数もそんなに「悪くない」水準のようです(当初計画よりは若干少ないが)。

しかし、この秀英の北海道進出を成功させるまいと言わんばかりに、そびえる「壁」が存在するのもまた事実です。
これが今日のテーマです。

「壁」とは北海道のライバル塾のことではありません。
北海道の冬の気候です。

秀英は山梨など降雪地にも校舎展開していますが、多くは温暖な地域に校舎を構えています。
しかし札幌は降雪地帯の上に、中部と比べ物にならないくらいの寒冷な地域です。
寒冷の結果、何が起こるかと言うと、まず道路が凍結します。
道路の凍結は事故の多発と交通渋滞、そして交通事故を招きやすくします。
秀英に限らず大手の塾では本部と校舎、校舎と校舎の移動には必ず社員の自家用車を要するわけですが、いかに秀英の精鋭講師陣とは言え、地の利が無い上に札幌の凍結路面に慣れずに渋滞に巻き込まれたり果ては、事故によって授業に支障をきたす可能性があります。
今後、札幌より寒い旭川などに進出するようなことになれば尚更です。

また、たとえば進学会のような塾がなぜこまめに「1中学校に1教室」の勢いで賃貸とは言え校舎を構えているかと言うと、コストの軽減で賃貸の校舎という側面は前述したとおりですが、その一方でそれは生徒の通塾のためでもあるのです。
つまり冬場の急な天候悪化でも何とか無理なく通えるように、質より量でたくさん校舎を展開しているというわけです。
しかし秀英の校舎展開は独立の専用校舎ビルであるために、進学会ほど同一地域に校舎を建てることはできません。
そうなると遠距離での通塾になってしまいます。
夏場はそれでもよいでしょう。
しかし冬場はどうでしょうか。
天候悪化などにより、保護者の運転する車で通うことができればいいですが、できなくなったり、その行為が負担になったら、塾の授業を休みがちになりあげくには塾をやめるということも考えられなくもありません。
更に北海道の風雪は、建物の耐用年数の短縮を招きます。
秀英のガラス張りの自社物件校舎も例外ではなく、建物の暖房や防寒の態勢も含めて、近い将来北海道の校舎がコストとして重くのしかかることも考えられます。
ちなみにこの冬の積雪は例年以上です…。

また、この話と直接の関係はありませんが、「道産子」の小中学生に、中部地方で培った秀英の指導のノリが通用する、という保障はありません。
テンションの高さから、比較的クールな道産子がビビッてしまうこととてありえるのです。

…とまぁ、必ずしも成功するとは限らない、失敗するかもしれない理由もこれだけあげることが出来るわけです。
そして事実、「ただでさえ不景気の北海道への進出はコストがかかる」として本州資本の学習塾は北海道進出には二の足を踏み、進出するにしても傘下に任せ細々と運営する、といった具合に極力、会社本体へのダメージが少なく済むよう、工夫をして進出してきた、という歴史的経緯があります(しかも結果として成功とは言えない状態になっているところが多い)。
そのような状況の中で秀英の進出は危険であるような気がしないでもありません。
しかしそれでも私は結論として秀英は、少なくとも進学会や練成会のシェアをある程度喰い、北海道でも躍動するのではと思うのです。
なぜなら、今までの大手の塾には無いもの、「独自の指導体制」が秀英にあるからで、これが更に秀英の「イメージ」としてがっちり定着すると、簡単に消費者である小中学生やその保護者は秀英に流れかねません(今の保護者はわが子にきめ細かい指導・教育をとにかく要求する傾向にある)。

現に、前述した通り夏期講習会無料というエサもあって、札幌では一定の生徒数を獲得しました(ただし、当初計画よりは若干少ない)。
あとは、秀英は札幌で早い段階で小中高一貫教育の達成…すなわち大学受験部を始められるかに焦点が絞られます。
というのも北海道の学習塾にはその概念はなく、進学会は現役高校生対象の高校部があるだけで、しかも英語と数学の2教科指導しかないですし、練成会も進学会と同様か、東進衛星予備校の加盟で済ませている状態です。
秀英と似ていると評した志学会も高校部は東進衛星予備校に頼っているのが現状です。
そうなると、大手の学習塾である秀英が北海道でも高校生対象のクラスも全教科正社員講師による自前の授業を展開し、小中高一貫教育達成となれば、地元では画期的なことと評され、注目されるのは容易に想像ができます。

北海道で秀英が展開していくことは、楽ではないかもしれない。
しかし数年後には「北海道に秀英あり」と言われるまでになるのではないだろうか、と私は札幌白石本部の建物を見ながら、結論に達しました。

それにしても…私はそれとは全く別のことに気がつきました。
それは秀英の塾運営の方法が、北海道で新鮮で、札幌の教育のニーズに応えるであろう、ということをここでは書いてきたわけですが、それは同時に、元来の北海道の塾業界が教育ニーズに応えられていない、ある種の後進性を物語っているのではないか、ということです。
とりわけ2大勢力の進学会や練成会は秀英に進出に焦っているということは、自らの教育態勢に自信がないことの表れではないのか…否、そもそも彼らにとって黒船のような存在の秀英や、ライバルの佐鳴にしても果たしてよい点ばかりなのだろうか。
だいいち塾は教育産業であるはずなのに、大手塾を見る上での目線が、勢力争いにいってしまいがちです。
ならば本来の教育の仕事や、それを支える人材はきちんとしているのでしょうか。

思えばここまで教育施設であるはずの塾の見聞であるにもかかわらず、表層の規模にばかり目がいっていまいした。
しかし本来は教育をしっかりやっているか、質のよい講師がいるかという、地味ですが表からは見えにくい部分に、この見聞を通して光を当てるべきではないか…私は改めて、この講義が新たな段階を迎えていることを感じました。

ということで「影のプロローグ」は終わり、いよいよ「影の第1章」です。
ここからは、進学会や練成会、佐鳴や秀英の表層ではない「教育施設」としての姿勢、そしてそのことからみえてくるものについて考察していこうと思います。

まずは進学会と練成会について、次回から。

今日はここまで。
それでは、また。
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おことわりと今後の予定

2006-01-08 14:09:46 | 塾戦争
羊蹄学園大学社会学部事務局からのお知らせです。

この講義を受講してくださる皆さん、ありがとうございます。
メール・コメント・トラックバックによる反応(特に業界関係者の)は少なくとも、コンスタントにアクセス数があるので、感謝しております。
塾や教育に類する人間によるネットでの書き込みは辛らつになることが多いので、むしろ、「反応がない」ことが有難かったりしております(それでも何かあれば最大限の対応はさせていただきます)。

なお、この講義を受講して間もない方、もしくは初めて受講する方にお願いです。今は「塾戦争」と題し、北海道と中部の大手塾の姿を通じて私教育の現状を解説を交えながら講義しております。
いよいよ講義は後半戦にさしかかるわけですが、必ず前後の内容を把握するために、塾戦争光のプロローグ塾戦争光の第1章塾戦争光の第2章塾戦争影のプロローグ…と過去の講義に目を通しておいてください。
難儀とは思いますがお願いします。

この講義はこの後も続きますし、先日の京都の学習塾での事件についても、ここならではの視点で私見を述べる予定です。

また、「塾戦争」が終わり次第、別の講師による別のテーマの講義を開始する予定です。
もちろん「沖縄論」とも違うテーマです(沖縄論は左のカテゴリーの「沖縄論第1章」から順にお読みください。ウルトラマン・創価学会・共産党・サザンオールスターズ…と従来の「沖縄論」にはないキーワードが次々に出てきます)。

それではもろもろよろしくお願いします。

(事務局長・どーくん)

佐山武雄の塾戦争第18回~影のプロローグ(3)~

2006-01-05 16:09:27 | 塾戦争影のプロローグ
(3、旋風の先に)
こんにちは。

2日連続の講義です。
今日は1コマのみで、前回のつづきをします。

つづきとは…そうです、「志学会」のことです。
この塾はお話したように、いくつかの明確なコンセプトを持って、北海道の地方都市である北見に生まれ、注目されたわけですが、それは同時に北海道の塾業界、特に塾長の田巻氏の古巣である練成会に衝撃を与えることにもなりました。
2005年春の志学会の高校合格実績を北見地区の練成会(北見練成会)と比較しながら見てみましょう。
ちなみにここ数年、数字的には大きく変わっていません。

〈北見北斗高校(北見市内トップの公立高校)〉
練成会…131名(合格占有率54%)
志学会…62名(合格占有率25%)
〈函館ラサール高校(北海道有数の私立進学高校。)〉
練成会…15名
志学会…13名(受験者全員合格)
〈立命館慶祥高校(北海道有数の私立進学高校。)〉
練成会…25名(受験者全員合格)
志学会…9名(受験者全員合格)


「地方や田舎は小中学生の教育水準が低く、通塾率も低い」などと思われがちですが、これを見ると、教育水準の高低は定かではないにしても、北見北斗高校で見ると練成会と志学会の合計の占有率だけで約8割と、非常に塾の占有率が高くなっています。
そうなると「通塾率が低い」などという指摘は当てはまらなくなると思うのですが…と、それはさておき、それより驚くべきなのは、1校舎のみの志学会がこの人数と占有率であるということです、。
一見、練成会と差があるように見えますが、しかし練成会は北見市内とその近郊に10以上の校舎を構えての結果です。
そう考えると、練成会は北見で相当シェアを志学会に喰われ、近隣の網走市の塾生などをかき集めて、やっとこの数字、ということになります。
また志学会は中3塾生の43%が北見北斗高校合格者とも言っています。
これは練成会には決してないことで、指導の質についても結果を出しています。

こうして練成会は発祥の地である帯広に次ぐ牙城の北見が、志学会によって抉られる形となりました。
ちなみに、もともと練成会に押されていた北見地区の進学会(北大学力増進会の北見本部)に至っては、志学会の登場後は虫の息状態で、北見北斗高校の合格者も2桁がやっとという有様が続き、今では「本社のある北海道の一地域であるにもかかわらず、北見からは撤退するのでは」と言われているほどの状態です(ちなみに2005年の北見北斗高校の合格者はたったの7名にまでなっている)。

練成会に話を戻すと、シェアを抉られ、志学会が塾としての価値を高めていくに従って、練成会は北見のみならず、塾全体としての方針の転換を余儀なくされました。
その結果、たとえば今では正社員講師の比率はほぼ100%に近い状態になっているのがよい証拠ですし、少しずつではありますが、校舎も自習室を確保した独立した専用校舎のものへと転換しています(ただし札幌地区は遅れている)。
ただこれは同時に進学会との差別化にもなり、札幌以外の北海道の都市部での基盤をより磐石なものにしたという意味では、一石二鳥ともいえるでしょうが。
とにかくこうして、練成会は態勢を強化しました。
そしていよいよ昨夏、北見に新しい本部校舎を完成させ、志学会との争いにますます拍車をかけていこうとしています。

この志学会の起こした北見での旋風からみえてくるもの、それはそれまで北海道の大手の学習塾…進学会と練成会を中心にあった、塾としての欠点を志学会は暴く、というひとつの衝撃を塾業界のみならず、塾に通う生徒やその保護者に与えたことでしょう(ただ同時にこれはひとつの小規模な塾の起こしたことにすぎず、志学会の影響がそれほどなかった進学会に塾経営の方針転換を余儀なくさせた、というところにまでは至りませんでしたが)。
しかし、志学会のコンセプトを、複数の教室会場を持つ大手の学習塾が忠実に実行したら、どうなるのでしょうか。

思えば、秀英と志学会には何かしらの接点があったわけではありませんが、偶然にも共通する点は多々あります。
正社員の講師陣で1教科専任、小中高一貫教育…秀英は志学会と違い1校舎のみでなく、多くの校舎を展開させていますが、しかしその分快適な独立校舎です。
秀英の札幌白石本部の前面のガラスには、そのことが書かれた紙がところせましと貼られています。
私はそれを何度も見てやっぱり秀英の北海道での躍動を予感してしまうのです。

なぜなら、北見の小規模塾があれだけの成功を収めた以上、大手塾の秀英が同じような手法で勝負するのなら成功しないわけがないからです(ちなみに地元雑誌のインタビューで志学会の田巻塾長は、志学会と秀英の塾としての類似性を認めている)。

ということは…この講義の冒頭で紹介したように北海道の大手塾が焦るのも無理はない、と改めて私は思うのです。

…といったところで今日はここまで。
次回は更に話を進めます。

それでは、また。
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佐山武雄の塾戦争第17回~影のプロローグ(2)~

2006-01-04 10:28:59 | 塾戦争影のプロローグ
(2、北見の旋風)
新年第一回の2コマ目です。

新たな展開…そこに切り込む前に、私はなぜ秀英が札幌で成功するのでは、と考えたか。
それは、ある学習塾の存在を思い出したからです。
まずはその塾について書き進めていきます。

1991年3月のことです。
北海道東部の都市、北見の塾業界に激震が走りました。
北海道では数少ない人口10万人の中核都市でもある北見市とその近郊でナンバー1の高校合格実績を誇る、練成会の北見本部とも言うべき「北見練成会」がその発生源です。
この北見練成会の塾長、つまり北見地区のトップである田巻一総氏がいきなり塾長どころか練成会を退職したのです。

田巻氏は北見出身です。
市内のトップ高校である北見北斗高校、北海道大学を卒業後、草創期の練成会に入社、会長の奥山英明に次ぐナンバー2、すなわち(株)れんせいの社長として、北見進出当初から全権を任され、見事に高校合格実績トップどころか地域の信頼も勝ち取った人物です。

それなのになぜ…疑問を持たれながら彼は正社員のみならず市内の国立北見工業大学の学生によるバイト講師一人ひとりがに声をかけ彼は静かに練成会を去っていきました。。

一年後。
田巻は練成会をなぜ去ったか、その答えを出します。
自らの力で新しい学習塾「志学会(しがくかい)」を設立したのです。
 この塾は練成会とは別個の、少なくとも当時の北見では新しいタイプの塾でした。

この塾が掲げた方針は以下の通りです。
A、講師陣が全員正社員のプロ講師で1教科専任
B、分校展開せず、1校舎のみ
C、小中高一貫教育
D、わかるまでできるまで

この非常に明確な方針は塾長の田巻氏の理想でありました。
順に補足説明していきましょう。

〈A、講師陣が全員正社員のプロ講師で1教科専任〉
練成会でも進学会でも学生による非常勤講師、すなわちアルバイトの講師の割合が高く、これが指導の質の低下を招いている、と田巻氏は考えていたようです。
そのため、塾設立当初から人材の確保に努め(古巣の練成会から講師を引き抜いたりして)、一貫して「アルバイト講師はいません」という文言を、必ず新聞折込チラシに入れるようにしました。
田巻氏の強い気持ちの表れと言えるでしょう。

〈B、分校展開せず、1校舎のみ〉
たとえば、非常勤講師を田巻氏がいた練成会で必要とした背景は、ひとえに校舎展開による講師の不足によるものです。
そして分校展開は一方で、円滑な塾経営ができなくなるという恐れを生みました(現に北見練成会の塾長であった田巻氏の目が届きにくくなっていた)。
その結果、田巻氏の退職時、分校スクールの生徒の多くは、田巻氏の顔など見たこと無いという生徒が大半、というあまりよろしくない現実が出来上がっています。
志学会という1校舎のみの塾設立は、田巻氏自らの目が行き届く塾ができたと言えるでしょう。

〈C、小中高一貫教育〉
田巻氏が在職していた頃の練成会は、高校部(大学受験部)は皆無に等しく、しかも英語と数学のみの指導でした。
つまり高校合格した時点で練成会と別れて、大学受験の勉強をしなければならなかったわけです。
この傾向は練成会ほどではないにしろ進学会にもあり、やはり各地に高校部はあるものの英語と数学の2教科の指導のみです。
志学会の設立後、直ちに東進衛星予備校に加盟し、北見で初の小学校一年生から高校三年生までの小中高一貫教育を実現させました。
これは練成会などの大手にしてみれば当時なかった強みのため非常にあわてさせ、練成会はこの後、高校部の充実を余儀なくされました(あくまで高校部は衛星予備校ですが)。

〈D、わかるまでできるまで〉
指導の上でも分校展開は非常に難点があります。
たとえば分校の場合、授業後に居残り補習がなかなか出来ないということです。
なぜか。
答えは簡単で、授業後に報告や連絡を上司に直接するために本部に戻らなければならないからです(つまり教室にいる時間の制約があるということ)。
ということは、移動の時間もあるため、予定通りに授業を終え、予定通りに校舎を出発しなければならなくなります。
これは効率だけを考えた生徒無視の手法になりかねません。
1校舎のみにこだわるのは、この手法からの脱却でありますし、またたくさんの校舎を持つことによる維持費の軽減にもつながりますし、その軽減分を他の教育環境やテキストの充実にまわすことができれば、これほどよいことはありません。
遠方からの生徒には分校がないのは難点ではありますが、それはその難点を補って余りある指導をすればよいのです。

ということで、志学会は「わかるまで、できるまで指導する」との宣伝文句をチラシに入れました。
それはその通りで、時間に縛られることなく、逆に夜11時といった今までの北見の塾には無い居残りもザラになり、塾生の保護者の送迎の負担を招きましたが、それ以上に分校展開している練成会などの塾では出来ない、きめ細やかな指導をしているとの、よい評判を生むことになっていきました。

そしてこの塾がどうなったのか。
それは次回の講義でお話します。

今日はこれまで。
それでは、また。
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