当院でワキガ、多汗症の治療にミラドライを導入して1年半になります。
以前は私もワキガの手術をたくさんしていましたが、
最近ではワキガの患者さんにまずお勧めするのはミラドライ。皮弁法や剪除法と言われる手術をお勧めすることはほとんど無くなりました。
ミラドライは自費治療ですので、保険診療で受けられる手術と比べると、どうしても高額にはなってしまいます。それでも私がミラドライを勧めるのはなぜでしょうか?
1つ目の理由は、ミラドライなら多汗症にもワキガにも効果がある、つまり、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方を減らして、ワキの汗の量もニオイも、どちらも治療することができるからです。
保険診療で行う手術では、皮膚と皮下組織を剥離して皮膚を裏返しにします。そして皮膚(真皮)の裏側にプチプチっとくっついているアポクリン汗腺をハサミでチョキチョキ切っていきます。そうすると、アポクリン汗腺を減らすことができますので、ワキガのニオイは改善します。しかし、多汗症(汗の「量」が多い、汗でワキがびっしょり濡れる、汗ジミができる、など)の原因であるエクリン汗腺は、アポクリン汗腺よりもさらに浅いところ(裏返した皮膚(真皮)の中)にありますので、保険診療で行うこの手術法では減らすことができません。
つまり、保険診療で受けられる手術では、ワキのニオイは減りますが汗は減らないのです。
手術後、一時的に汗の量も減ったと感じることはありますが、手術で剥離した傷が治癒すると、必ず汗の量は戻ってきます。これは、きちんと手術をして経過を診ている医師ならわかっているはずなのですが、皮弁法、剪除法の手術で多汗症が治ると説明されたり、広告されたりしているのは、不思議ですし、非常に残念なことと思います。
二つ目の理由は、なんといっても、ミラドライは傷跡を残さないからです。
形成外科医は「傷跡の目立たない」手術をすることをいつも心がけています。しかし、どんな手術であっても、皮膚にメスを入れる以上は、必ず傷跡が残ります。そして、ワキガの皮弁法の手術では、より効果の高い手術をしようとすればするほど、皮膚が薄くなり、傷跡が目立つ可能性が高くなります。ワキの皮膚はケロイドになりにくい部位ですが、他院で手術された方で大きなミミズが2匹並んでいるようなケロイドになった患者さんを診察したこともあります。生命にかかわるような病気の手術ならともかく、ワキガの治療あとは「目立たない傷跡を残す治療」ではなく、「傷跡を残さない治療」でなければいけません。ワキガの治療を受けた、ということは非常にデリケートでプライベートな問題だと思います。私はお悩みの患者さまを、「パートナーに舐められても大丈夫なワキ」にしてあげたい、と思っていますが、傷跡を残してしまう手術ではそれができないのです。
以前は私もワキガの手術をたくさんしていましたが、
最近ではワキガの患者さんにまずお勧めするのはミラドライ。皮弁法や剪除法と言われる手術をお勧めすることはほとんど無くなりました。
ミラドライは自費治療ですので、保険診療で受けられる手術と比べると、どうしても高額にはなってしまいます。それでも私がミラドライを勧めるのはなぜでしょうか?
1つ目の理由は、ミラドライなら多汗症にもワキガにも効果がある、つまり、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方を減らして、ワキの汗の量もニオイも、どちらも治療することができるからです。
保険診療で行う手術では、皮膚と皮下組織を剥離して皮膚を裏返しにします。そして皮膚(真皮)の裏側にプチプチっとくっついているアポクリン汗腺をハサミでチョキチョキ切っていきます。そうすると、アポクリン汗腺を減らすことができますので、ワキガのニオイは改善します。しかし、多汗症(汗の「量」が多い、汗でワキがびっしょり濡れる、汗ジミができる、など)の原因であるエクリン汗腺は、アポクリン汗腺よりもさらに浅いところ(裏返した皮膚(真皮)の中)にありますので、保険診療で行うこの手術法では減らすことができません。
つまり、保険診療で受けられる手術では、ワキのニオイは減りますが汗は減らないのです。
手術後、一時的に汗の量も減ったと感じることはありますが、手術で剥離した傷が治癒すると、必ず汗の量は戻ってきます。これは、きちんと手術をして経過を診ている医師ならわかっているはずなのですが、皮弁法、剪除法の手術で多汗症が治ると説明されたり、広告されたりしているのは、不思議ですし、非常に残念なことと思います。
二つ目の理由は、なんといっても、ミラドライは傷跡を残さないからです。
形成外科医は「傷跡の目立たない」手術をすることをいつも心がけています。しかし、どんな手術であっても、皮膚にメスを入れる以上は、必ず傷跡が残ります。そして、ワキガの皮弁法の手術では、より効果の高い手術をしようとすればするほど、皮膚が薄くなり、傷跡が目立つ可能性が高くなります。ワキの皮膚はケロイドになりにくい部位ですが、他院で手術された方で大きなミミズが2匹並んでいるようなケロイドになった患者さんを診察したこともあります。生命にかかわるような病気の手術ならともかく、ワキガの治療あとは「目立たない傷跡を残す治療」ではなく、「傷跡を残さない治療」でなければいけません。ワキガの治療を受けた、ということは非常にデリケートでプライベートな問題だと思います。私はお悩みの患者さまを、「パートナーに舐められても大丈夫なワキ」にしてあげたい、と思っていますが、傷跡を残してしまう手術ではそれができないのです。