女性管制官がアメリカで医者になった場合ーアメリカンドリーム

アメリカでアメリカンドリームを達成するには?
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BCGの落とし穴  その1

2011-06-07 23:25:16 | Weblog
 東日本大震災で被災した宮城県の80歳代女性が、入院した病院で肺結核と診断されたというニュースを少し前に読みましたが、避難所生活などでたくさんの人たちが集団生活をしている場合は特に集団感染が恐いですね。

日本ではBCGが、結核予防のために普及していますが、そのBCGにも実は落とし穴が・・・

実はアメリカではBCGを接種しません。
アメリカと日本ではBCGに関する見解が大きく違うからなんですね。

アメリカではBCGを集団予防接種することをせずに、結核に感染しやすいグループに対してツベルクリン反応の検査を行い、Latent Tuberculosis(ツ反陽性だが、活動性結核ではない)を予防薬を使って治療する方針を採っています。

ですから、BCGという予防接種を知らないアメリカ人医師が多いです。
私のように、外国から来ている医師の多くはBCGを実際に経験しているんですけどね。

ですから、私も実際のところ、BCGの存在しないアメリカの医療に驚きました。

さて、BCGは、いったいどれだけの効果があるのでしょうか。

一般にBCGは、乳幼児の粟粒結核や、髄膜炎の予防にはとても効果的だと言われているのですが、時が経つ(15~20年)とともにその効果がなくなるそうです。これについてはいろいろなリサーチが過去になされ、一概に結論は出ていないようですし、国や場所、そして遺伝的なものも関与?するとかではっきりした見解はないようですからややこしいお話になります。

私が昨年肺の病気から入院した時も、私はBCGを受けているからツ反は陽性だからと説明したにも拘らず、PPD(ツ反)のオーダーが担当医から出されていました。

さて、日本で育ったお子さんでBCGの接種後アメリカに渡って来られた場合、こういうBCGの接種事情をよく知らないアメリカ人医師に巡り合うとというか ツ反が義務付けられていてそれを受けないと学校に入れないような地域に住むようなことになった場合、実はこういうことが起こります。