女性管制官がアメリカで医者になった場合ーアメリカンドリーム

アメリカでアメリカンドリームを達成するには?
マーティンもと子(旧姓多尾もと子)の場合は?

お願いです、お願い!

2011-06-11 15:12:08 | Weblog
夜中の3時。
もうそろそろ、店じまいの頃(昨日は朝4時までの勤務でした)メジャーな患者さんの病状も落ち着いてきて二人のスタッフどおしゃべりをしていましたら、

目の前にあるトイレに駆け込んだ若者!

血まみれの背中を押さえています。

「ちょっと、おたく、いったいどうしたんです?!」


右の側腹部に近いところに大きな切り傷を作って、右手で押さえながら振り返りました。

「ああ、これ。ただころんだだけ。ちょっとトイレ貸してください。」

とアクセントの少ない英語で答えますが、どう見てもメキシカンの若者です。

スタッフも私も、ほんまかいな、というふうに顔を見合わせましたがその言葉を信じるしかない。。。

トイレを済ませて出てきた若者はそのすぐ横にあったベッドに案内され、トリアージュと私の診察が同時進行です。
こんな真夜中切り傷を負ってERに駆け込むなんて、誰かに刺されたに違いないわ。
何か隠しているに違いない。それはその場に居合わせたみんなが持った印象その1ですね。

側腹部には右の腎臓が居座っていますから、深い切り傷はやばいです。

「足元が悪くてこけた拍子に何かの金属の板で、切っちゃったんです・・・」

と言い張ります。

この夜中の3時にいったい何やってたの??

さっそく生理食塩水で洗浄してエピネフリン入りのリドカインで局所麻酔。
幸い傷は内臓に達するほど深くはありませんでしたので、6箇所、医療用のホッチキスで止めました。
その間、所要時間は5分。
スーパーサービスですねぇ。

すると、私がカルテと取り組もうとしている間に、この若者我々の眼を盗んでERから逃げようとするではありませんか!

だめだめ、まだ全部済んでいないから帰っちゃダメ!!

若者は泣き崩れます・・・

「お願いです、お願い。メキシコに帰りたくない。お願いだから警察呼ばないで・・・」

という具合。

なるほど、彼、違法労働者なんですね。
エルパソで屋根の修理会社で働いているそうです。

違法でアメリカに住んでいる人の世話はERでしょっちゅうしますが、それを国境警察に訴えることはしませんね。それは私たちの義務でも仕事でもないから。

そう言うと、やっと泣き止んだこの二十歳の若者。
なぜか、私たちも気の毒になりましたが、今のメキシコの現状では帰りたくないのもよくわかります。ただし、医療代は払ってもらえないんでしょうから複雑です・・・
提供した名前も住所もおそらくでたらめ。

このような違法労働者はエルパソでは絶えませんが、そういう人達がERに来ないようにする為の一案として、国境警察のパトカーをERのエントランスの前に駐車させるのはどうか、なんて誰かが言っていましたよ。

なんというドラマでしょうか。
夜中のERのドラマは今後も続きます。



昼間の会議はおいちい\(^o^)/

2011-06-11 04:54:00 | Weblog
ランチタイムの会議にはめったに行けないのですが、何年かぶりに重い腰を上げて参加しましたところ、なんとランチ付きでして・・・

それもなんとかいう病院お抱えの凄腕のシェフ?が腕を振るったというランチでしてびっくりしました。
カジュアルな服を着て出かけたら、CEOからCFO?(なんて言うんでしたっけまちがっているかも)などの病院のお偉いさんが集まってのランチ会議でした。
しまった!と思いきやもう遅いです。
眠気眼を返上でおいしいランチをいただきました。





以前にもご紹介しましたが、うちの病院にはテレコミュニケーションによるビデオカメラや電話を使った神経内科の専門医のコンサルテーションサービスがあります。
この会議の目的はそのテレ医療サービスの中心人物をマイアミからお招きして問題点を話し合うと言うもの。

招待されていた人々の中で、今回新しく病院側に雇われたナースプラクティショナー3人が光っていました。
彼女たちは、病棟に24時間詰めて、ホスピタリスト(病棟専門医)を補助する役割を果たすそうです。
ナースプラクティショナーが病棟に進出しつつあると言ううわさはほんとうでしたね。

一番気に入ったのは、



ほんと、おいしかったです。
次回もぜひ、ご招待くださいませ。
たとえ夜勤明けでもはせ参じますので。