女性管制官がアメリカで医者になった場合ーアメリカンドリーム

アメリカでアメリカンドリームを達成するには?
マーティンもと子(旧姓多尾もと子)の場合は?

日本の救急医療の崩壊 Part12

2009-03-31 08:18:32 | Weblog

1991(平成3)年に救急救命士制度 が法律化されました。これは日本の救急医療の歴史上 画期的なことで、この救急救命士法のもと、一定の医療行為(ラリンゲルマスクなどによる気道確保、除細動(心室細動の際に電気 ショックをかけること)、血管確保、気管内挿管や薬剤投与)が「医師の指示」の もと、はじめて行なうことができるようになりました。そして2003(平成15) 年4月以降は 除細動は「医師の指示」なしに行えるようになりました。


日本では、「医師の指示」によらない医療行為は、たとえそれが緊急非常事態で、生死に関わることであったとしても、すべて違法となり、刑事罰が与えられます。例外は お産や緊急の除細動などだけです。そういう意味では日本の医師は絶対的な位置に君臨しているといえます。


救急救命士はもちろん、特別に訓練された救急のプロですから、緊急の救急の設定に強いわけで、心肺停止の患者を目の前に動転して蘇生の仕方もよく思い出せないような医師も当然いるわけで、それでも救急救命士はその「医師の指示」に従わなければならないというのはちょっとおもしろいですよね。


 それに対してアメリカでは、パラメディックと呼ばれる特別な救急医療のトレーニングを受けた人たちが、現場(病院外)で医師とほぼ同等の医療行為をす ることができます。パラメディックは救急の現場で、気管内挿管、血管確保、薬剤使用、除細動など「医師の指示」なしで行なうことができます。ERに到着する心肺停止の患者の、気管にはもうちゃんと人工呼吸の管が通っていて、点滴のラインもちゃんと機能していて、ERのスタッフにバトンタッチするまで心臓マッサージもすべて「医師の指示」なしで行われているところは日本とは大きく違います。
 「医師の指示」なしです!!

メディカルスクール(医学部)へ行きたい Part7

2009-03-28 05:17:33 | Weblog

 おかげさまで、彼はあちこちのメディカルスクールから面接の知らせを受けました。面接のご招待=合格のようなものなのです。


彼の勝因は、すばらしい大学の成績(GPA)でも すばらしいMCATの得点でもありませんでした。どの入試委員会も、米海軍の司令官からのすばらしい推薦書と、彼がたったの2年半で 4年生の大学を卒業したという異例のバイタリティに目を留めました。メディカルスクールで学ぶ膨大な量の医学知識をこなすためには、こういう学生が適正なのです。


彼はニューヨークの大学からも面接の招待を受けましたので、私たちは車でニューヨークまで運転しました。合格はしましたが、渋滞がひどいのと、交通費や生活費が超高額なのを理由にお金のない私たちは断念することにしました。それに小さな子連れでは、ニューヨークにはとても住めません。


さて私の方は、一年目はやはり無理がありましたが、それでもノースカロライナ州のグリーンビルというところにある イーストカロライナ大学のメディカルスクールから面接の知らせを受けました。奇跡です!!もちろん彼もです。


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なんと二人とも奇跡的に合格通知を受け、喜びに沸きましたが、合格者を定員オーバーで出し、ほんの少数しか他のメディカルスクールに流れなかったことから、その年の入学は残念ながら延期になりました。


さて、彼はマイアミの大学のメディカルスクールにも合格しましたので、そちらへ進むことにしました。私は残念ながらその学校からは端にも棒にもかかりませんでした。

そこで、一浪することになった私でしたが、ここでとてもいい考えが浮かびました。

日本の救急医療の崩壊 Part11

2009-03-26 02:43:55 | Weblog

 フィジシャン アシスタント(Physician assistant =PA)
 ナース プラクティショナー(Nurse practitioner=NP)
 ナース アネステティスト(Nurse anesthetist=NA) 
 ナース ミッドワイフ(Nurse midwife=NM)

 最近はどのミッドレベルプロバイダーのプログラムに入るのにも修士課程の修了が必要条件となり、#1のPAを除いてもちろん正看の資格を持ち何年かの看護経験が必要条件になっています。


#1のPAと#2のNPはよく似ていますが、PAは事前に正看である必要はまったくなく医療関連の経験が十分あれば(たとえば救急隊員とか準看など何でもいい)、プログラムに入れます。それぞれのプログラムは2-3年で構成されていてたいへん凝縮されたものです。 もちろん卒業後国家試験を通って、免許を取得しないと実際に働くことはできません。


 彼らは主に医師の監督の下 医療行為を行えます。処方箋も書けます。こちらでは忙しいクリニックや、ERではPAやNPをうまく活用して経費節減(お給料は医師のおよそ半分くらい)と医師不足をおぎなっています。特に#2のNPは僻地などでは、医師の監督なしで独立して医療行為ができます。ニューメキシコ州ではNPはクリニックも開業できると聞きました。こうなると医者との区別がややこしいですが、日本も不景気なことだし、こういう新しい職種を生み出すのもいいアイデアかもしれません。結果がうまくいかなかった場合はもちろん、監督の医師も処罰されます。


#3のNAは、麻酔医のように働け、#4のNMは産婦人科医のように働けます。

 私はERで救急医療一筋ですがここ2、3年、うちのERにも優秀なPAが進出してきてとても助かっています。患者さんの待ち時間はとても短くなるし、いろいろな医療処置(たとえば切り傷の縫合や、腰椎穿刺、膿瘍の切開など)も訓練されているのでとても上手です。特に切り傷の縫合などは、時間がかかるので、PAに処置してもらって、本当に助かっています。そのぶん医師が重症患者とじっくりと向かい合える時間が得られ、とても効率的です。


 患者さんにもとても評判がいいです。みんなとてもフレンドリーで中には若くてとてもハンサムなPAもいます!?不思議とPAじゃなくて、医師に最初から診てもらいたいと文句を言う患者さんはみたことがないです。


 なかなかいいシステムでしょう。アメリカはさすがにこういうシステムズ作りがとても上手なんですね。こういう新しいコンセプトにも目を向けるようにすれば、日本の救急医療の発展に貢献できると思いますけれど、いかがでしょうか。




メディカルスクール(医学部)へ行きたい Part6

2009-03-25 08:26:12 | Weblog

さあ、いよいよ MCAT(メディカルスクール統一入学試験)の受験日がやってきました。

たいした準備もできないまま、その日を迎えることになったわけですが、当日の朝、彼は、「今回はやはり見送りたい」と言いました。私は、そういう珍しく弱気な彼を励まして、「Let‘s go!! Let’s try!!」と会場に向かいました。


MCATでは、英語、化学、物理、生物などの応用問題が出題されます。3科目15点満点(総合45点)で評価されます。もちろん、点数が高ければ高いほど良いのですが、各科目二桁あれば望みはあります。

私の場合は、英語の巨大なハンディがありました。今だから笑って言えますが、科学系の科目の点数はともかく、英語はなんと15点満点の たったの 3点、3点しか取れませんでした。


 ここで本来なら、あきらめるところですが、私は性懲りもなくこの点数で、いくつかのメディカルスクールに応募しました。だめでもともとですから。


メディカルスクールの入試委員会は、大学の成績(GPA)が、4点満点の3.5以上、MCATの総合成績が、45点満点の32点以上の学生を優先しますが、その他にいろいろな要素を考慮に入れます。たとえば、理数系だけでなく、社会科学や、人文科学、語学、歴史、哲学などをたくさん勉強した学生は有利です。そして、経験豊富でいろいろな分野に多才な学生を好みます。MCATも何回も受けている学生より、1-2回しか受けていない生徒の方が有利ですから、MCATを受ける前にちゃんと十分準備しておく必要があります。

なんか日本とはぜんぜん違いますよね。

さて私たちの奮闘ぶりはどのような結果になったでしょうか。

  

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日本の救急医療の崩壊 Part10

2009-03-24 04:03:29 | Weblog

 ところで「コンビニ受診」という言葉があるそうですが、24時間営業のコンビニにあやかってつけられた言葉ですね。深夜にやってくる成人の患者や小児患者はほとんどが軽症で、昼間は仕事で医者にかかれないからというような理由で深夜やってくる患者のことをコンビニ受診の患者というそうです。


 うちのERでは年間約7万人の患者を24時間体制で扱っています。これはかなりの数です。鳥取大の受け入れが確か1万ちょっとだったと思いますから。こちらでは、軽症の患者さん(コンビニ患者)はミッドレベルプロバイダーが主に医師の監督の下 お世話をします。日本では看護師の地位が医師の下働きにとどまっているのであれば、ミッドレベルプロバイダーの導入などとんでもないでしょうが、医師が重病患者とじっくり取り組めるようにするには、そういう新しいコンセプトに目を向ける必要もあると思います。


アメリカではミッドレベルプロバイダー(Mid –level provider)というのがとても流行っています。大きく分けると

 フィジシャン アシスタント(Physician assistant =PA)
 ナース プラクティショナー(Nurse practitioner=NP)
 ナース アネステティスト(Nurse anesthetist=NA) 
 ナース ミッドワイフ(Nurse midwife=NM)

彼らは医師の監督の下、医師のように医療行為を行えるという日本にはまったくないタイプの職種です。処方箋も書けます。おもしろいでしょう。

#1のフィジシャン アシスタントは、前にも書きましたが、私が一度トライして、入れなかったプログラムです。なぜなら医療関係に勤めた経験がまったくなかったためです。


アメリカの医療界では、このミッドレベルプロバイダーが大もて。ひくてもあまたの職種です。もし日本人の方に、アメリカで成功する職種は?と聞かれれば、躊躇なく、ナーシング(看護師)と答えると思います。こちらでは、日本と違って、ナースの社会的地位がかなり確立されています。優秀なナースは、医師の大切な片腕となります。まさしくくいっぱぐれがありません。

そしてナースになって、医療経験を積んだ後、ミッドレベルプロバイダーになるという方法は、超お勧めです。

メディカルスクール(医学部)へ行きたい Part5

2009-03-23 03:42:48 | Weblog
 メディカルスクールによっては、アメリカ国内の大学卒業証明が、必要なところがあります。私は、日本の大学の卒業証明はできますが、アメリカの大学を卒業するのを待っていては、本当に腰の曲がった魔女になってしまいます。そこで、またまた彼にいいアイデアが浮かびました。

 ニューヨークのアルバニーというところにRegentsCollege(現 Excelsior College)というのがあります。その大学にはとてもユニークなシステムがあります。


 まず、私は日本の大学に連絡を取り、卒業証明書を英文に翻訳したものをとりよせ、そして各コースの概要説明書(日本語)も送ってもらいました。私の場合、勉強がどうやら好きだった??らしく、卒業時の単位は168単位もありました。
そこで、私は彼に、ひとつひとつのコースの概要を説明書に沿って、英語に訳すようにと言われました。私にはなにがなんだかよくわかりませんでしたが、とにかく、168単位分のコースの概要を一生懸命英訳しました。
 

 次にNCステイトで取った単位も併せて、英文の日本の大学卒業証明書、そして英訳したコースの概要説明を Regents Collegeに送りました。するとなんと卒業要件を満たしているから、Liberal Arts(教養学科)の学位を取れると言ってきたのです。


 そして私はいとも簡単にアメリカの大学の卒業証書を手に入れました。一度も出席したことのない大学の卒業証書です。払ったお金はわずかに750ドル(7万5千円)だけでした。

 そこで私はメディカルスクールの応募に当たっては、この Regents Collegeの卒業証明書を使いました。得したのは、英語の単位です。なんせ日本で取った英語の単位が Regents Collegeに認められたので、メディカルスクールの必須要件の一年分の英語の単位の一部が 日本で取ったもので満たされたわけです。実際にアメリカの大学で英語の授業を取ったのは、あとにも先にもたったの一度だけでした。


 TOFELもなしで大学にもぐりこみ、アメリカでの英語の授業も一学期分とっただけだったから、今でも英語はダメなんですね。その結果は、MCAT(メディカルスクール統一入学試験)の英語の点数の悪さにも現れることになります。


     
  

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博子、お誕生日おめでとう。

2009-03-22 02:08:39 | Weblog
 

お誕生日おめでとう

今日(3月21日)は博子のお誕生日です。なんと花の17歳です。
皆様にも一緒にお祝いしていただきたくてこれを書いています。

アメリカでは18歳になると大人とみなされるので、あと一年は子供でいられるということです。

博子はどうみても外人にしか見えませんが、実はアジアの文化をこよなく愛する女の子です。片言ですが、日本語、韓国語、中国語、フランス語ができ、スペイン語はぺらぺらです。お料理が上手で、きのうも、鮭のお料理を上手に作り、みんなでおいしくいただきました。こちらでは受験戦争がないので、のんびりしています。あと少しで高校も卒業です。どういう方向に進んでいくのかは、まだはっきりしていませんが、とりあえずは、大学に進学してからということになると思います。

先日、お友達のいとこが、春休みを利用してカリフォルニアから遊びに来ていました。彼は大学生で、日本語を勉強していて、博子とは仲がいい。といっても普段はメールの交換程度ですが。それで、彼が映画に誘ったので、初デートとなるかと思いきや、ひょうきん者の弟、健君(10歳)が手を上げて「僕も行く~」ということになり、結局は3人で映画を見てレストランで食事をして8時前にはおうちに帰っていました。親としてはまあ、一安心。

博子とは毎月おすしを食べに行きます。これは毎月のご褒美となっていて、ちゃんと学校の勉強ができていない時は行けないことになっています。悪いことをした時に罰を与えるより、よいことをした時にご褒美を与える方が、ずっと効果的なようです。

エルパソ健康情報 Part1

2009-03-20 06:31:12 | Weblog

エルパソの皆様、お元気でしょうか。

実はエルパソの小学校で、Scabies(疥癬)が流行っていますのでご注意ください。

ERでここ2週間ほどこのScabiesにかかった患者さんをたくさん診ました。
症状の特徴は、体中がとにかくかゆいこと。体中にかきまくったあとがみえます。

もしあなたが、極度のかゆみに襲われているのなら、一度診てもらってくださいね。これはとてもうつりやすいんですよ。

治療としては簡単で、Elimite(処方箋がいります)を夜寝る前に頭からつま先まで塗って休みます。朝、起きたらシャワーで流します。
不便な話ですが、家族全員が治療を受ける必要があります。そして、寝具を取り外して、熱いお湯でお洗濯しましょう。

Scabiesはダニですが、人間に寄生して生き延びるんです。だから人間からしかうつらない。犬や猫のダニは別の種類のものです。

もし居間のソファや、その他の家具が影響されている可能性があるのなら、治療を受けたあと、三日ほどうちを留守にして旅に出るのもいいかも。なぜかというとScabiesは、人間に寄生して生き延びるので、人間がいないと死んじゃうから。

潜伏期間は4-6週間です。ですから、今症状がなくても一ヵ月後にかゆいかゆい状態になることになるわけで要注意!!

これはドクターがしばしば言い忘れることなのですが、治療後、約2週間ほどまだかゆみを感じるけどそれは必ずあとでよくなるということ。

かゆみを感じたら、ひっかかないでBenadrylで自己治療してくださいね。塗り薬ではなく、必ず飲み薬の方を使うようにお願いします。

先日うちのフィジシャンアシスタントが、Scabiesの患者さんの治療を7番のベッドですませ、患者さんを送り出したあと、お掃除のおばちゃんに 間違ってなんと8番のベッドをターミナルクリーン(他の患者さんに影響しないように特別な清掃をすること)するようにたのみました。すると別のフィジシャンアシスタントが、次の患者の切り傷を縫合するため、7番のベッドに誘導!!

あやうく大失敗するところを、先のアシスタントが偶然見つけ、事なきを得ました。あとでみんなで大笑いですよ。でも患者さんにはないしょですよ。

みなさん、春休みで各小学校は眠りについています。人間が出入りしていないから、最低 建物内に潜伏しているScabiesはもうみんなお陀仏のはずです。よかったですね。

でした。

日本の救急医療の崩壊 Part9

2009-03-19 05:19:17 | Weblog

 こちらでは ER勤務の医師の待遇は日本と違ってとてもよいものになっています。場所によっても違いますが12時間勤務のところが多く、時給で 支払われます。月給で支払われるところはおそらくないと思います。日本のようなボーナス制度もありません。(管制官のころは夏と冬に加えてわずかでしたが春のボー ナスもありました。なつかし~い。)最近は時給プラスRVUシステムを使ってお給料を支払うERが多くなりました。
 

 RVUシステムというのは 詳細を説明 するのはとてもむずかしいのですが、つまり働けば働くほど、重症患者を扱えば扱うほど 収入が上がる仕組みになっています。たとえば心肺停止の患者さんを 蘇生する場合、挿管や心臓マッサージをしますよね。そしてICUの専門医にバトンタッチするまで人工呼吸器の管理もし、点滴の薬も何種類も投薬します。そういうのはクリティカルケアと称してRVUがとても高くなります。それはかなりのリスクを伴うから当然のこと。それに比べて普通の小児科に行けばいいのにた だのオムツかぶれでみえた超軽症の患者さんに処方箋も書かないでうちに返す場合は RVUがゼロに近いという仕組みです。ちょっとややこしいけれど大体の コンセプトはわかってもらえますか?こういうしくみになっていると努力が実を結ぶというかやりがいがあるわけです。


RVUは、Relative Value Unitsの略で、医師の報酬をより公平にするために開発されたものです。その設定は、各々の診断において、実際の医師の労働、医療器具や診察に必要な費用、そして医療過誤のリスクに基づいて決められています。とても新しいコンセプトです。

 日本では心臓マッサージの医療費が、温泉のマッサージより安いそうですよ。これは国が医療費抑制策を進めた結果です。救急医療の現場で行われる、もしくは使われる医療器具などの保険請求ができないから救急を扱う病院はいつも赤字と戦っているそうです。だから救急医の夜間手当ての改善なんてない懐を振ってもしょうがないわけで所詮は無理なんですね。


メディカルスクール(医学部)へ行きたい Part4

2009-03-17 03:57:41 | Weblog

 ところが、ふたを開けてみると、どちらのプログラムからも結局お声がかかりませんでした。デュークの入試委員に問い合わせてみましたら、「あなたの成績には問題はない。けれども医療経験が少なさ過ぎる。受かった人はみんなナースだったり、救急隊員(パラメディック)だったりで最低一年フルタイムで働いた経験のある人ばかり。」と言われ、愕然としました。


 こんな調子でいったいどうなるのだろうか。どこからも受け入れてもらえないじゃないか。私はそのあとくやしくて悲しくて大声で泣きました。

 すっかり元気を無くした私は、デュークのプログラムで、EKGテクニシャン(心電図をとるテクニシャン)やオプトメトリーテクニシャンな(視力検査のテクニシャン)などの半年くらいで終わるより簡単なプログラムをみつけ、それらに応募してみると彼に話してみました。すると、「どうして目標を下げようとするのか」といつになくきつく言われ、私は はっと我に返りました。

そうか、メディカルスクールに入るのに医療経験はいらないんだったっけ。成績には問題がないんだから、なんとかなる!!
私は目標を元に戻し、心機一転がんばることにしました。もう後には下がれません。


 NCステイト(ノースカロライナ州立大学)でその間ちゃくちゃくとメディカルスクールへの入学準備をすすめるかたわら、私たちに二人目の子供が授かりました。初めての男の子で、レオナルドと名づけました。博子の誕生後1年半目のことです。大変な中の二度目の出産でしたが、私たちにとってはとても幸せなことでした。大きな幸せに酔っていた私たちに 後にこの子に襲ってくる不幸をこの時だれが予想できたでしょうか。