女性管制官がアメリカで医者になった場合ーアメリカンドリーム

アメリカでアメリカンドリームを達成するには?
マーティンもと子(旧姓多尾もと子)の場合は?

エマージェンシー、秘密兵器!!

2012-12-31 00:57:42 | Weblog
うちのERにはヘリポートがあります。
フライトパラメディックのお兄様方が(なぜか男性が多いです)遠方からの救急患者を運んできます。
そんな時、特別に訓練されたお兄様方でもどうしても気管挿管ができず、テンポラリーの挿管で患者を運んでくることがあります。
例えば。。。

キングエアウェイです。

http://theopsdeck.com/MEDKIT%20CONTENTS/PROD%20-%20AWY.King%20LTS-D.PMI.htm



チューブに二つも風船がくっついている面白いものです。
これを盲目的に気管ではなく食道へ入れます。
そして口に近い方の大きな風船が固定されて、二つの風船の間にある穴から酸素が気管の方へ送り込まれるというすばらしい秘密兵器です。
これのいいところは、気管に管を通すための訓練のできていない人でも気管へ酸素を送るための管を挿管できることなんですね。

たま~にこういうテンポラリーの管でヘリコプターに乗ってくる患者さんを目のあたりにすることがありますが、ERに到着次第気管の挿管は我々によって正式にやり直しです。

どんなエマージェンシーにもまずは呼吸が一番大切。
それで開発された新兵器がどんなにすばらしいか、ということにつきますね。

ERのエマージェンシーは緊張しますが、うちだって。。。
実は今晩はすき焼きだったんですが、電気なべを使ってテレビを見ながらすき焼きができたと思ったとたん、オンにした電子レンジのせいで電気が許容オーバー!!
すき焼きどころではなくなりました。

日曜日の夜にどこの電気屋さんが修理に来てくれるの??
エマージェンシーです。
すき焼きが食べれないなんて、これはもうたいへん!

しかし日頃行いのいい私たち。
長女の友人が電気屋さんだったことを思い出し、来てもらって修理完了。ああ、よかったです。
ちなみにこの電気屋さん、看護学部の学生さんだそうでほんと助かりました。
こちらの方もうまくエマージェンシー解消、すき焼きおいしくいただきました。

クリスマスイブ

2012-12-24 15:12:13 | Weblog
こちらは12月24日です。

今日は一年に一回あらかじめお休みをリクエストする日です。
娘が10歳になりました。
クリスマスイブ生まれ、てなんていいんでしょう。
予定日は25日でしたが雪が降っていたため、交通マヒを心配した主治医が人工的にお産を早めました。
雪の降る日に生まれたので雪という名前がついています。

もう10年も経つんですよね。。。
病院の看護師さんも私が大きなおなかを抱えて走り回っていたのを覚えている人がいて、時折あの時の赤ちゃんがどうなったか?なんて聞いてくる人もいますが、もう10歳になったと言うとびっくりされます。

おなかが大きいとERでの仕事はいかに辛いか身を持って体験しているので妊婦さんの研修医にはゆっくり仕事をしてもらって、私がその分頑張っています。
なんていい指導医なんだろう、と自己満足。

当の雪ちゃん、お誕生日のプレゼント、開けたくて開けたくて、夜中の3時に起きて待っていたそうです。
バービーのドールハウスがプレゼントでした。

久々に私が数日熱を出しました。
ERウィルスにやられたようです。
休めないのでマスクをしてタイレノールを4時間おきに飲んで仕事を続けました。
病気になれば患者さんの辛い気持ちもよくわかります。

Mac Airが大活躍。
問診しながら同時にキーボードで入力します。
ただし、その場ではすべてを入力できないので仕事が終わってからカルテを閉めます。
先日は午後8時に患者さんを診終わって、60以上のカルテを閉めるのに夜中の1時過ぎまで居残りしました。。。
時代の流れに乗ってこういう現実は辛いです。
すべてがコンピューター。時代の流れですね。

今夜はHAYASHIという新しくできた鉄板焼きのお店にみんなで食べに行く予定です。

エルパソから一足お先にメリークリスマス!

2012-12-17 21:28:48 | Weblog


フォートブリスに新しくできた映画館の前の大きなツリーです。



新しくできたエルパソ小児病院のロビーのツリーです。

エルパソも年々新しい建物が増えています。
人口も増え続け、医療のニーズも高まります。



一足先にジャパニーズクレープハウスのクレープでクリスマスイブ生まれの雪ちゃんのお誕生会です。
10歳になりました。



オーナーの奥様から素敵なカップケーキの傑作が届きました。



アメリカではチップスがないとね。
塩分取りすぎ~?!



アイスクリームケーキです。
かわいいですよね。

皆様一足お先にメリークリスマス!!
明日から勤務のれんちゃんが待っています。

限りなく広がるポテンシャル

2012-12-15 12:17:43 | Weblog
アメリカと日本の医学の橋渡し役をしようと決意して以来、うちに見えた日本人医師がもうかれこれ10人近くになろうとしています。
泊まっていただいたのはその中で5人。
町の案内も板についてきました。

先日もとても可愛らしい女医さんがうちに来て下さいました。
なんと、外科医志望だそうで米国に面接に見えたのです。
若いってほんとうにいいですね。

毎年この時期に出張に見えるヒロさんと、もう一足お先に外科の研修をされている日本人の先生を交えておでんパーティーです。
みんなでいただけば何でもほんとうに美味しいですね!
心も体もホンワリ温まります。

日本人はほんとうに優秀な民族であると思いますね。
ストレートで医学部に入り、初期研修後ストレートでアメリカ人でさえ超難関の外科のレジデンシーに選ばれる、そんなことがたやすくできてしまう。。。
日本人はアメリカ人に比べればはるかに努力家で、責任感があります。
両方のお国柄をよく知っている私がそうつくづく思うのです。

ますます、世界はつながります!
私も今年は意外なところで飛躍しました。

若い人たちからパワーをもらってアメリカの医学教育にますます貢献していきたいと思っています。

A先生、マッチするといいですね。
そうなることを心からお祈りしています。



電カル、勘弁してちょうだい!

2012-12-13 00:37:24 | Weblog
最近はどこへ行っても電子カルテの時代です。

極端なお話、患者さんにむかっている時間は2分で、カルテを入力するのに20分かかるようなそんな感じですね。
つまり患者さんにかける時間の10倍の時間、コンピューターと格闘している計算になります。

2年ほど前にCPOEというドクターのオーダーエントリーが開始された時にiPad2を購入するはめになりましたがそれではカルテの入力に時間がかかりすぎるということで、Mac Airを購入しました。
これで、患者さんのベッドサイドにMac Airを持ち込んで問診しながらカシャカシャとキーポイントを入力します。
iPad2は、大きさがちょうどよくて携帯に便利なのですが、キーボードが別になっていないのでタイプがしにくいのが難点なんですね。

そんなかんなで、自分の診た患者さんのカルテの閉めはともかく、フィジシャンアシスタントの診た患者さんの分も実際にカルテをレビューしてサインしなければならなくて例えば2人のフィジシャンアシスタントがケースのプレゼンをしますと、あっという間にカルテがたまってしまいます。
それをあとからやろうなんて考えていると大間違い。。。

この頃はお休みの日もうちでコンピューターに支配される毎日です。。。情けない。

フィジシャンアシスタントの作成したカルテを読み直します。

患者に診断名、検査結果、画像診断結果、出された処方箋の説明を行いました、というところを必ずチェック。
診断名に誤りがないか、付け加えるべき診断がないかどうかチェック。
処方箋は何を出したかすべてタイプで打ち込む。
帰宅前のバイタルに異常が認められなかったかどうか、というところをチェック。
最後にフィジシャンアシスタントの診察した患者を自ら診察し、フィジシャンアシスタントの診断に合意する、という文章を必ず最後に入力します。

先日夜中遅く帰ってきてグーグー寝ていましたら、朝人が足りないからと電話でたたき起こされてしかたなくERへ。
半日ERを駆けずり回って、最近新しく始めた別の病院のERへ駆けつけてそのままそこで夜勤に入ります。
そこでまた研修医とERを駆けずり回って。。。
よって開放されてうちへ帰ったのが朝の8時。
まったく、やりすぎですよね。

起きたらまたうちでコンピューターとにらめっこ。
ほんと、電カル、勘弁してください!



3分という時間

2012-12-03 14:48:16 | Weblog
3分と言いますと、けっこう長いものです。
カップラーメンにお湯を注いでラーメンができあがるまでのあの待ち遠しい3分間。
想像すればけっこう長いですよね。。。

小児患者が救急車で運ばれてきます。
どうやらてんかん発作?

いったい何分間発作が起きていたんですか?

3分間。

呼吸が止まったそうですけど、何分間くらい息していませんでしたか?

3分間。

決まってこういう時、

「おかあさん、ほんとうに3分間も呼吸していなかったんですか??たった今から3分数えますからそれぐらい長かったか言って下さいね。」

と言ってタイマーをかけますと、

「3分、ずいぶん長いですねぇ。そうするとたぶん30秒の間違いだったのかも。。。」

と言われるお母さんが多いです。

そう、3分てけっこう長いです。

私のERでの3分をご紹介します。

お水をカップに一杯入れてお茶を作るのに電子レンジに放り込みます。
3分にセットしてスイッチオン。
3分間のスタートです!

その足で3番のお部屋へ。
患者さんに軽く経過報告を。

そして詰め所へよって、忘れたレントゲンのオーダーをコンピューター入力追加。

その足で5番の部屋へよってモニターをにらむ。

それでもって6番もついでに立ち寄って、患者さんにだいじょうぶ?とお声がけ。

それでやっと電子レンジに戻るとお湯が沸いているという次第です。
けっこう3分間でたくさんのことがこなせますよね。

ティーバッグをカップに放り込んで、

(あちっ!!)

3分間でお湯はすっかりにえたぎっていましたよ。
今後は2分にしておきます。