ER、こちらはレスキュー119。
5歳の男の子が、自宅のプールで溺れ、バイスタンダー(bystander)
によるCPRの末、息を吹き返しました。
現在 Awake,Alert and Oriented times three(意識清明)。
ETA(到着予定時刻)は、5分です。
How do you copy?
緊急の無線が入ります。
ちょうど、手の空いていた私。
救急車の入り口でこの患者をお迎えすることに。
でも、これって、レベル1だよねぇ。
どうして、うちのERへ運んでくるんだろうか。
そう考えたのは、たぶん私だけ。
救急車に乗っているパラメディックにとって、目の前にいる患者はたとえ、溺れてCPRを施された後にも拘らず、元気にみえるからでしょう。
でも、私は水の事故の恐さをよく知っています。
子供さんのこういう重大な事故は、ふつううちの病院に小児のICUがないので、うちのERを素通りして近くの大学病院に運ばれることが多いのです。
もちろん大学病院までもたないようなケースはうちに来ますが。
まだ到着する前で私は詳細を知らないので、過去に遭遇した数々の水の事故のケースが走馬灯のようにかけ巡りました。
もうかれこれ、10数年前のことです。
私は小児ガンの専門家について小児ガン病棟を走り回っていました。
その先生はほんとうに尊敬に値するすばらしい人物でもあり、エルパソの子供たちのために日夜奮闘しておられる医師です。私が一番尊敬する医師であると言っても過言ではありません。
当時研修医だった私は朝早くに小児ガン病棟に行き、先生の受け持ちの患者さんをくまなく回り診察、そして研修医ノートを一人一人書きました。
一夜あけて、新しくオーダーされた血液検査も多々あり、その結果もフォローします。
あ、この子発熱している・・・化学療法中の小児がん患者は、体の抵抗力が弱まっていますから感染症を引き起こしやすく放っておくとたいへんなことになります。
また、抵抗力の弱まっているガン患者にふつうの子供には見られないような水疱瘡なんていうケースも。
そして、先生が現れて延々と、ラウンド(回診)。
午前中いっぱいどころか、午後遅くまで病棟で奮闘したあと、病院の地下に設けられている彼のクリニックへ。
わずか30分あまりのランチの間も、先生の携帯はなり続けていました。
クリニックにはたくさんのフォローアップの患者さんや、新患も。
ふつう、ガンの専門医は、血液の専門医でもあるので、いろいろなケースがあり、たいへん勉強になりました。
ある日のこと、脳腫瘍の3歳の男の子を連れてクリニックへやって来たあるお母さんと、この先生はいろいろな世間話をしておられました。
この子のガンは、その当時の医療技術では不治の病で、腫瘍がある位置も悪く手術もできない、というようなことで自宅でホスピスケアをしていると言うようなお話でとても悲しいケースでした。
先生は、その世間話の間にふと涙を流し、胸のポケットから一枚の写真を出されたのです。
それは。。。
5歳の男の子が、自宅のプールで溺れ、バイスタンダー(bystander)
によるCPRの末、息を吹き返しました。
現在 Awake,Alert and Oriented times three(意識清明)。
ETA(到着予定時刻)は、5分です。
How do you copy?
緊急の無線が入ります。
ちょうど、手の空いていた私。
救急車の入り口でこの患者をお迎えすることに。
でも、これって、レベル1だよねぇ。
どうして、うちのERへ運んでくるんだろうか。
そう考えたのは、たぶん私だけ。
救急車に乗っているパラメディックにとって、目の前にいる患者はたとえ、溺れてCPRを施された後にも拘らず、元気にみえるからでしょう。
でも、私は水の事故の恐さをよく知っています。
子供さんのこういう重大な事故は、ふつううちの病院に小児のICUがないので、うちのERを素通りして近くの大学病院に運ばれることが多いのです。
もちろん大学病院までもたないようなケースはうちに来ますが。
まだ到着する前で私は詳細を知らないので、過去に遭遇した数々の水の事故のケースが走馬灯のようにかけ巡りました。
もうかれこれ、10数年前のことです。
私は小児ガンの専門家について小児ガン病棟を走り回っていました。
その先生はほんとうに尊敬に値するすばらしい人物でもあり、エルパソの子供たちのために日夜奮闘しておられる医師です。私が一番尊敬する医師であると言っても過言ではありません。
当時研修医だった私は朝早くに小児ガン病棟に行き、先生の受け持ちの患者さんをくまなく回り診察、そして研修医ノートを一人一人書きました。
一夜あけて、新しくオーダーされた血液検査も多々あり、その結果もフォローします。
あ、この子発熱している・・・化学療法中の小児がん患者は、体の抵抗力が弱まっていますから感染症を引き起こしやすく放っておくとたいへんなことになります。
また、抵抗力の弱まっているガン患者にふつうの子供には見られないような水疱瘡なんていうケースも。
そして、先生が現れて延々と、ラウンド(回診)。
午前中いっぱいどころか、午後遅くまで病棟で奮闘したあと、病院の地下に設けられている彼のクリニックへ。
わずか30分あまりのランチの間も、先生の携帯はなり続けていました。
クリニックにはたくさんのフォローアップの患者さんや、新患も。
ふつう、ガンの専門医は、血液の専門医でもあるので、いろいろなケースがあり、たいへん勉強になりました。
ある日のこと、脳腫瘍の3歳の男の子を連れてクリニックへやって来たあるお母さんと、この先生はいろいろな世間話をしておられました。
この子のガンは、その当時の医療技術では不治の病で、腫瘍がある位置も悪く手術もできない、というようなことで自宅でホスピスケアをしていると言うようなお話でとても悲しいケースでした。
先生は、その世間話の間にふと涙を流し、胸のポケットから一枚の写真を出されたのです。
それは。。。