今日、仕事の帰りに8500系の8634F(渋谷側がデハ8634、中央林間側がデハ8534の10両編成)に乗りました。これは、元TOQ BOX号の編成です。とりあえず、TOQ BOX号を御覧いただきましょう。
これは2010年6月19日、二子玉川駅1番線で撮影したものです。
今、全国各地でラッピング電車が走っていますが、TOQ BOX号はその初期のもので、最初期のものと言っても良いかもしれません。
但し、現在のラッピング電車とはかなり違います。多くは、外に広告のシールを貼り付けたりするのです(私の勤務先も、昨年の4月、山手線にラッピング電車を走らせました。結構な費用が必要となります)。東急では、時折田園都市線を走る「早春の伊豆」号や「伊豆のなつ」号(いずれも8500系8614F)がこれに該当します。また、横浜港開港150周年の記念行事で大失敗に終わった開国博Y150のラッピング電車が東横線を走りましたし、大井町線の急行が東急お台場パスのラッピング電車であったりしますが、たとえばJR東日本や東武鉄道などと比べると、ラッピング電車は少ないほうです。
これに対し、TOQ BOX号は、車内の広告が全て一社に統一されるというものです。東横線のTOQ BOX号(9000系9006F。現在は5両編成化されて大井町線で運用中)では、たとえば京セラの一眼レフカメラ「SAMURAI」の広告で統一されました。編成中のどの車両であってもこのカメラの広告(坂本龍一氏が出演していました)だけなのです。10代だった私は「随分と思い切ったことをするものだ」と思っていました。田園都市線では8500系8634FがTOQ BOX号となっていましたが、東横線と同じようなステッカーであったかどうかはわかりません。記憶に誤りがなければ、東横線のTOQ BOX号は前面にシャボン玉のイメージのデザインを大胆に取り入れていたはずです。
TOQ BOX号としての運用は2010年中に終わってしまいました。2枚目の写真は2011年10月21日の夕方に、やはり二子玉川駅1番線で撮影したものです。1枚目のTOQ BOX号時代との違いが歴然としています。ただ、8634Fは側面に赤帯があり、TOQ BOX号であったことを現在でも主張しているのです。
1975年に登場し、400両が製造された8500系は、現在までのところ、東急では唯一のローレル賞受賞車両です(8000系が受賞を逃したことは、後の大活躍や他の鉄道への影響力からみても、全く理解できません)。長らく新玉川線・田園都市線の主力として活躍するとともに、東横線でも長期間運用されました。当初は4両編成で、すぐに5両編成となり、1977年に新玉川線(現在の田園都市線渋谷~二子玉川)の開業するまでの間には6両編成となりました(8000系の改造車も組み込んでいます)。そして、1979年、営団半蔵門線の渋谷~青山一丁目の開業に合わせる形で8両編成化され、1983年には10両編成が登場します。また、営団半蔵門線の開業当初は、営団に半蔵門線用の車両がなかったため、この8500系のみが半蔵門線も走りました。
現在も10両編成が田園都市線で運用されるほか、5両編成4本が大井町線で運用され、また、一部は長野電鉄や秩父鉄道、さらにはインドネシアに譲渡されています(1両だけ伊豆急行に譲渡されています)。徐々に2代目5000系に置き換えられていますが、まだまだ十分に活躍できますので、がんばってほしいものです。私が小学校1年生の時にデビューし、また、大学院生時代に通学用としてよく乗っただけに、私にとっては最も愛着のある系列なのです。
そういえば、たしかデビュー記念であったと記憶していますが、前面のデザインのシールが発売され、東横線渋谷駅で買ってもらいました。「桜木町」と「長津田」の二種類があり、「長津田」を選びました。長らく実家に残っていたのです。
(原記事は2011年10月22日0時44分23秒に掲載。OCNブログからgooブログに移行する際に一部の写真データが消失。2020年7月5日に修正。)