ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

駅にゴミ箱がないという苦情の投書があったけれど 結局は乗客の問題では?

2021年12月27日 13時11分10秒 | 社会・経済

 2021年12月25日付の朝日新聞朝刊10面13版Sに「駅にはやはりゴミ箱がほしい」という投書がありました。

 お書きの方は西武鉄道の沿線にお住まいのようで、「防犯や美化、人員削減の観点からの対策だと思われます」としつつ「ゴミが行き場を失い、駅のトイレの中やホームのイスの上にも、パンや菓子の袋、弁当の空箱、空き缶などが捨てられています。防犯や美化どころか、ゴミの山。西武鉄道の対策はむしろ逆効果だと感じます」と書かれています。

 読んだ瞬間に「これは利用客の意識の問題だろう」と思いました。私がよく利用する高津駅など東急線の駅では「ゴミの山」など、まず見かけないからです。

 御存知の方も多いと思いますが、東急電鉄の各駅では、1990年代中頃からゴミ箱が設置されていません。もっとも、自動販売機で売られている缶飲料およびペットボトル飲料のためのゴミ箱はありますが、これも長らく置かれていなかったはずです(他にトイレの汚物入れも考えられますが、ここでは除外します)。

 理由は、1995年3月の地下鉄サリン事件です。この大事件が発生してから、首都圏の各駅ではゴミ箱の使用が停止されました。当時、私は大学院生で、東急田園都市線・新玉川線、東京メトロ半蔵門線・東西線を使って通学していたので、よく覚えています。

 事件から何年かが経過して、ゴミ箱の使用停止を解除した鉄道会社もありましたが、東急線の各駅からは撤去されました。新玉川線の各駅(現在はいずれも田園都市線の駅)は二子玉川駅を除いて地下にありますし、1995年の時点において池上線の長原駅、目蒲線(現在の目黒線)の洗足駅も地下駅でした。現在はさらに増えています。

 最初のうちは困ったこともありました。池尻大橋駅か三軒茶屋駅のホームで電車を待っていて、くしゃみをしたか鼻をかんだかでチリ紙を使い、捨てるところがなく、たまたまホームを掃除していた清掃員さんにお願いして捨ててもらったこともあります。

 しかし、程なく、不便を感じなくなりました。公園などにゴミ箱があることでゴミが溢れるという光景はよく目にしますが、ゴミ箱がなければゴミは捨てないものです。

 逆に、近所のコンビニなどに設置されているゴミ箱を見ると、どう見ても家庭のゴミだろうと思われるものが捨てられていたりします。「こんなものが捨てられていたら、店の人も大変だろう」というような物が入っていたりするのです。駅のゴミ箱も同様で、時間帯によっては溢れかえっています。

 また、駅、コンビニなどのゴミ箱に集まるゴミの量は家庭の比でないことが容易に想像されます。そうであるとすると、事業用ゴミのような扱いを受けてそれなりの料金を徴収されるかもしれません。こういうことも考えておかなければならないでしょう。


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