たぶん猛暑だったのだとは思いますが、今日はそれを感じさせることもなく、
快適に過ごしました。
今日は休みだったので、いつものように温泉に行ってきました。
夏の温泉は最高。
「こんなクソ暑いのに、温泉なんか入ったら余計暑くなるよ、信じられない」と世の中の
人々が思っている通り(かつて私もそう思っていましたので)、そこはまぁ、平日の
昼間ということもあるのだと思いますが、ガラ空きでした。一時(いっとき)には、
まるで私の貸切かと思うほど、人がおらず・・・
洗い場でまず体を洗い、シャンプーをし、さっぱりしたところで露天風呂に行くと、
先ほどのボディーソープとシャンプーの残り香が風でふわっと全身を包む。
いつものように湯温42度の温泉と水温17度の水風呂を交互に入りながら、露天の端の日陰に
ある籐製の寝椅子に寝転び、空を見上げる。露天に植えられている樹木が風にそよそよと
揺れる。そして、水の流れる音、ゆらゆら揺れる水面。こうしている間にカラダについて
いる水滴は蒸発する。この蒸発の際に体温も奪い、涼しくなるのです。
10メートル先の景色が陽炎でユラユラ揺れている。
気温が相当高いのだろうなと思う。猛暑なんだろうな、と思う。
でも、でも、その時、籐のイスに横たわる私には、その「猛暑」とやらが全く感じられない。
とにかく、涼しい。快適。気持ちよい。
そして、いつのまにかしばしの午睡へ。
午睡と書いて「ひるね」と読むらしい。最近知った。
そう、「昼寝」だと、俗世間的というか、ぐうたらな感じがするけど、「午睡」と書くと
優雅なまどろみの世界へのしばしの旅というか、ちょっと高貴が感じがする。
スピリチュアルな香りがする。
耳に聞こえる音は、水のしたたる音とさわさわという風の音だけ。そして、内風呂の方から
かすかに聞こえるBGMのオルゴール音。
と言っても、素っ裸に濡れ手ぬぐい(タオルではなく和ガラの手ぬぐいです。)をかけただけの
姿でさすがに熟睡はできないので、ほんの数分目を閉じる感じですが。
極上の幸せな感じがします。
心持ちはとても平和。ずっとずっとこんな時間が続けばいいなと思う。
でも、でも、それは、考えてみたら、日々の仕事の休みの日に来るからこういう気持ちになるんだろうなと思う。
これが、仕事もせず、毎日毎日休みで、毎日ここへ来てたら、同じように幸せな気分になるかって言ったら、たぶんならないんだよね。よっぽど、お金がありあまってて働く必要がまったくないっていうのなら話は別だろうけど、仕事してないと、やはり将来に対して不安なことばっかり考えていしまい、心から安らげないんだよね。
以前、バスツアーで旅行行った時、バスの中で「釣りバカ日誌」をやってたんだけど、
その中で西田敏行さんも、そういうセリフ言ってたなぁってことが、もうあれから10年以上たった今でも妙に覚えています。
西田敏行扮するハマちゃんが、釣りはこうして仕事の休みの時に来るからこそ楽しい。
これが、毎日毎日休みで釣りに来てもたぶん全然楽しくないだろうって言ってたのです。
ま、確かにそうですよね。
仕事ってさ、ヤダけどさ、行きたくないけどさ、でも、だからこそ、そういう休暇が夢のように
感じるんだろうね。
そして、湯温、42度の源泉かけ流しの温泉へ再度入る。
肌にぴりぴりと刺すような熱さ。
思わず、心の中で独り言。
「あー、キモーイ。いや、じゃなくて、気持ちいいー」
慌てて言い直す。もちろん心の中で。
最近の日本語、なんでも省略して短く言う風潮、「うまい」を「うまっ!」
「長い」を「ながっ!」「短い」を「短かっ!」とか・・・・
っていうか、これって普通に関西弁なんだろうけど、関東の人間までこういう言い方をしている。
私もつい染まってしまっているけど。
でも、「気持ちいい」の略語は「きもっ!」じゃないのだ。
これじゃ逆の意味だ。気持ち悪いの略だ。
なのに、つい温泉入った瞬間、「うわ、きもっ!」って。
つい自分につっこみを入れる。
そして毎回「いや、じゃなくて、気持ちいいーだ。」
なんて、今日もわかっていながら、毎回「きも!」って言ってしまっている。
気持ちいいんですよ。本当は。
地球の血液である温泉には浄化の力があるから、オーラに付着した汚れも取れるのです。
だから、心身ともにさっぱりするのです。