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若頭格を従えるアメリカシステム

2016-11-19 17:53:26 | 太平洋情勢乱雑怪奇

トランプさんに会いにいっちゃった安倍ちゃん・・・。これは一体何なのだろうと日本中の人が最低でも軽い不審を覚えた昨日でございました。

なんかこう、安倍晋三による国家の私物化かい、って感じは結構しますね。だって、こんな外交儀礼にも反するような奇怪な行動を日本国民に対してさしたる気づかいや、ウォーニングもなくやるってあんた何者なの、とまぁ思うわけです。

オバマ大統領がまだ現在の大統領なのにすっとばしてプライベートにトランプ氏に会うって、誰か止める人はいなかったのだろうか?

で、なんでこんなことをしたのか知らないけど、まぁ多分これは、なんでもいいからアメリカに主従関係を誓わせたって話じゃなかろうか。

というのも、時を同じくしてドイツではオバマ大統領がメルケルに別れのご挨拶をしていて、それがもう気持ち悪いほどメルケルをほめまくって、君たちは我々のベストパートナーだ、とか言ってるわけ。

Merkel welcomes Obama under cloud of Trump
http://www.dw.com/en/merkel-welcomes-obama-under-cloud-of-trump/a-36421531

リベラル帝国主義万歳宣言みたいで気持ち悪いことこの上ない。

リベラルとリベラル帝国主義

で、まぁ、オバマとメルケルはそうだっただろうけど、この何年間の出来事に満足しているドイツ人はそう多いわけでもないと思う。が、そんなことは一切無視で、強い絆をアピールしていた。ベストフレンドだ、ベストパートナーだ、ってな感じで。

これは日本でもよく使われてる語彙ですね(笑)。でも日本は対中国、対韓国で強烈な民族差別主義者みたいな面が強くでている一般状況があるし、安倍晋三をネタにリベラルとも言えんし、ってんで、そこはネグって、なんでもいいからとにかく日米安保こそ国の基を演出した、ってことではあるまいか。

もうはっきり言って、アメリカには一貫性とか誠実さみたいなものは微塵もなくなって、なんでもいいからとにかくこのシステムを維持せなならんになってる。

そこで解決方法として、アメリカは一国ではだいぶがたついているけど、まだ相対的に丈夫な日本とドイツを若頭として臣従させることによって盤石なシステムを作ってます、って話でしょうね。

考えてみれば、70年代あたりもこんなことがあったわけですよ。ニクソンの時代のアメリカも相当にヤバい状況だった。で、またやると。

では誰に対してこれをアピールしているのかといえば、それは言うまでもなく中国とロシアでしょう。

この2国にイランを加えた3つが緊密になって、その周辺のパキスタン、インドも上海条約機構を通じて関係を密にしている。

この機構の粉砕こそ、アングロ・シオニスト・アメリカの現在の目標と考えるのがいいんじゃなかろうか。

で、現在取られている方針は、ロシアに対する融和策。これをすることで、中国とロシアの間になんとかして隙間風を作る。日本がロシアに接近しているようないないような感じなのはこの道具だてでは?

日本では、それを見て日本はロシアとも接近してバランスしようとしているのだ、安倍ちゃんは国士だとか、ロシアとも組んで中国に対決しよーとか勝手な妄想を垂れ流す人たちがいっぱいいて、なんとなくいいんじゃないか、となる。筋書き考えているのは日本の人じゃないと私は思うわけですが。

また、米国内のにわかのロシア融和ムードは、イランを嫌悪する勢力がくっついている。ロシアとイランの間に疑心暗鬼をもたらして、適当なイベントと共になんとかしてイランを動かしたい。

その一方では、ロシアはいいけど中国はいかん、という勢力もいますね。

そういうわけで、並べてみれば、ロシアを持ちあげて、残り2つとの間に隙間風を拭かせていく、ってな戦法を取っているのではないかと思う。

 

ただ問題は、ロシアも中国もバカではないという点でしょうか(笑)。

ロシアとイランは、シリア戦が長引いたおかげで結構いろんな協力体制ができて、その中で信頼関係ができていっているし、中国は最近もイランとの間で軍事的関係を深める予定みたいだ。

Iran and China are reportedly slated to hold joint military drills in the near future.
November 15, 2016
http://thediplomat.com/2016/11/iran-china-sign-military-cooperation-agreement/

そして、ロシアは既に読んでいるわけで、あからさまに、

モスクワは、米ロ関係の雪解けのために中国・ロシアの同盟を犠牲にしない

と書いたりしている。ロシアってほんとにはっきりしてる国だよなと思う。

Moscow 'Won't Sacrifice Sino-Russian Alliance' for Potential US-Russian Thaw

https://sputniknews.com/politics/201611181047592994-russia- china-alliance-us-trump/

 

というわけで、なんというか、ユーラシアの中央部が団結してるというのは、アングロ・シオニスト・アメリカ覇権にとって致命的に問題だ、と毎日毎日叫んでいるようなものだと思う。

 

で、今般の奇怪な出来事はなんで今なのかというと、やっぱりAPECを前に若頭の確認を行いたかったってことじゃないですかね。

今回はオバマ大統領がレームダックなので、相対的にいっても、時節柄からいっても、習さんとプーちゃんに注目が集まる。ここでなんか発表でもされたら大変、みたいな感触が何かあるのかもしれないですね。

 

■ カウントされない個々の日本人

どうなるのかわからないし、中でも一番日本の動きがわからないわけだけど、でも、わかることは、日本ってほんとに個々の日本人を置き去りにする国だよねってこと。

トランプは確かに暴走に近いことをしかねない状態にあるわけど、でも、少なくとも1年以上いろいろと国民向けに話しているその中で行われるので、提案した仕様の範囲内にはあるんですよ。

主要メディアが勝手にネグって、トランプは何も重要なことを言っていないようなことを書いていたのがバカなだけで、今後あり得る可能性を彼はたくさん言ってきた。

プーチン率いるロシアなんかはもっと丁寧にさまざな機関を通じてアドバルーンあげながら国民の反応を見てる。いきなりがさっとやるのは、政治争闘における逮捕劇ぐらい(笑)。でも、これだって国民の反応を見てるし、大多数の国民はむしろ喝采することまで知ってる。ウリュカエフ経済開発大臣の突然の逮捕劇を伝える大衆紙の見出しは「シロビキ、ウリュカエフを倒す」だったりするわけで、みんな流れを理解しちょるな~って感じ。

 

日本のエリートも、せめて日本国民にだいたいこんな方針なんですよというのを示唆するぐらいの芸当が欲しいものだ。

 


公共貨幣
山口 薫
東洋経済新報社

 

グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命 (朝日新書)
エマニュエル・トッド
朝日新聞出版

 

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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なんとかしてひっくり返す (ブログ主)
2016-11-20 16:41:20
いやぁ西側エリート層は、なんとかしてトランプがもってるポテンシャルを表面だけの、しゃんしゃん改革に終わらせようとしているでしょう。
そんな、諦めのいい人たちじゃない。
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『アメリカの政権交代』 (ローレライ)
2016-11-20 06:55:25
『アメリカの政権交代』に寄り添った『政策変更』を『西側諸国』でも行われていないので『グローバル化』と『地球温暖化詐欺』が続行されている!
返信する

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