トランプが、適切な状況下なら金正恩と会うよ、適切な状況下なら、だがな、と月曜日に発言していた。
トランプ氏「適切な条件下であれば金正恩氏と会う。ニュース速報だな」
http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/01/trump-north-korea_n_16373048.html
オリジナルは、ブルームバーグとのインタビュー。ここに短いビデオも出てる。
“If it would be appropriate for me to meet with him, I would absolutely, I would be honored to do it,” Trump said Monday in an Oval Office interview with Bloomberg News. “If it’s under the, again, under the right circumstances. But I would do that.”
私にとってそれが適切だとなったら、私は彼と会うでしょう。絶対そうするよ。名誉なこと。
言ってるトーンからするとこんな感じですね。
もちろん、どんなのが適切な状況なのかは言ってないわけだから実効性は見えない発言だとは言える。が、しかし、本人も言っている通り、大部分の政治家はこんなことを言わない。
その意味では、珍しいこと。そして、この成り行きは、去年、プーチンと会うよ、そりゃ名誉なこと、と言い続けていたことを思い出させる。つまり、これもまた「きっかけ」づくりにすぎない、って感じでしょうか。
なんとなく私が気になったのは、昨日の朝鮮関連ネタは、日本のヘリ空母いずもが任務につきました、日米同盟の一層の強化が~~~、おめでたい、おめでたいという話だった。
海自「米艦防護」 双方向の協力で同盟を強固に
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170501-OYT1T50102.html
護衛艦「いずも」米艦防護へ
https://jp.sputniknews.com/japan/201705013592393/
2015年に進水した、海上自衛隊最大級の最新鋭護衛艦である「いずも」は、1日午前、神奈川県にある横須賀基地を出発。フィリピンへの寄港を含めた3ヶ月の長期航行を予定している。
「いずも」は数日間、米軍の補給艦の防護任務につく予定だ。
でまぁ、ある種の日本人にとってはこういうことができる、日本の艦船が武力攻撃に参加できそうだ、というこれこそが喜びなんだろうなぁとあらためて思ったものだった。丸一日そんな報道が主体だった。
トランプの発言はその後に起きているので、そこにこれかよ、とまず思った。そして、以前、安倍ちゃんがTPPはやるんですとか言うと、応じているわけではないという状況ではあるもののトランプが海の向こうで、絶対やらないと言っていたことを思い出した。
偶然かもしれないし、偶然でないのかもしれない。
偶然でないとしたら、これはつまり現地派遣軍(極東米軍とその腰巾着コミュニティーというべきか) vs 米本体改革派、みたいな感じ、でしょうか。
現地が、トランプ様はきっと撃ってくれる、開戦だ、開戦だと騒ぐ中、メッセージを出して軌道を修正した、みたいな。ということは、チャイナに対するメッセージと読むべきなのかも。
チャイナおよびロシアの態度は、戦争などもっての他、というので一貫しているし、チャイナは、先週末には、イギリスの外相ジョンソンが、中国の外相王さんと、北朝鮮問題は平和的に解決されることが重要だとか言っているという報道を出していた。ってか、王さんに言わされて人民日報に載ったって経緯だとは思うが、そういう関係ではあるわけね。でっかく写真まで載ってるよ、ボリスったら。
China, Britain urge peaceful solution to DPRK nuclear issue
http://en.people.cn/n3/2017/0430/c90000-9209457.html
UNITED NATIONS, April 29 (Xinhua) -- Chinese Foreign Minister Wang Yi and his British counterpart, Boris Johnson, agreed Friday that the nuclear issue on the Korean Peninsula should be resolved peacefully.
もちろん、どこまでいっても、偶然でしょう、ですむ話ではあるけどね。
■ ここにあった躓きの石
あらためて思うに、朝鮮戦争に至るまで朝鮮半島内部は惨たらしい状況が続いていた、もっと言うなら米の軍政は大失敗だったってある種のタブーだったということなんですかね。
ここで書いて、ローレライさんにお返事もらって、ほぉ、そういう感じなのかと気付いた次第。
朝鮮・トルコ、渤海湾・黒海と「不可欠」
で、朝鮮半島内部以上に、タブーってか公式見解、すなわち、「だしぬけに北が南を攻撃した」以外はまかりならんって感じなのは実は日本なんじゃないですかね。
私自身、ここまで深いタブーだったとは去年あたりまで感じてなかったんだけど、考えていくとそういうことなのか、となってきた次第。ここが躓きの石だと考えると様々な疑問が氷解していくようだって感じがしてきた。去年、日本の大陸問題のタブーの一つは紛れもなくシベリア出兵だったんだろう、って話の続きのような気もする。シベリア出兵も朝鮮問題被ってますし。
というか、多分、80年代以前に十分に大人だった人の中には、そんなものタブーでもなんでもないことなんだろうけど、それ以降、正史以外まかりならんになったっという展開ではなかろうかと推測する。年取った人でご記憶のある方は、タイムライン付きで記憶を書いてほしいところだわ。
どうしてそうなるのかといえば、北が攻めて来た、日本にも来る、大変だ、共産主義者の南下に備えるためには軍備が必要だというのを根拠に現在の自衛隊ってのの存在が事実問題として(vs 法律問題)許容された、って話だから、でしょうか。これは左右関係なく日本の総意っぽくみえる。
朝鮮戦争には日本の旧軍人もしっかり参加してるという話が大っぴらになることはなかったのもこのへんと関係あるんでしょうかね。
それと、1945年の敗戦時、大陸にいた陸軍関係者は敗戦と共に一夜にして敵を変えて、国民党について米のお手伝いしてたみたいなんですが、このへんの成り行きも不透明。
あと、そもそもいわゆる片側講和もここらへんの成り行きがなければ成り立たない話じゃないですかね。これは目立つのはソ連だけど、実際にはチャイナとの関係で禍根を残している。
まぁ過去の成り行きを責めても仕方ないとは思うが、でも偽の原因を基に対策を立てるとまず間違いなく二次被害が起こるので(屋上屋の嘘を重ねないとならないから)、このへんで大っぴらに話をするのは悪いことではないと思うな。
総じていえば、戦後日本というのは朝鮮戦争のための構えとして出来上がっていて、すべての矛盾は、だって仕方がないじゃないかまだ準戦争中なのだ、で来たって話なんじゃないっすかね。
だから、この本はそういう視点から書き直してもらった方が、ずっと話がわかりやすくなるような気もする。
日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか | |
矢部 宏治 | |
集英社インターナショナル |
私はノーベル賞、特に平和賞に過剰に批判的なので、トランプにノーベル賞が来たらそれは偽の解決なのだろうと考えるだろうと思います。
でもまぁ、太陽政策側に倒れているのは本当っぽい感じがしてきましたね。
ロシアとの融和には叛旗を翻る人が多いですが、チャイナに融和して中露分断は、アメにとってはうれしい展開なので応援ありでしょう。しかし、中露はそんなこと百も合点二百も承知なので割れないわけですが(笑)。