DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

核ミサイルでロシアを脅すのだと叫ぶドイツ国防大臣

2021-10-24 17:57:52 | WW1&2
ドイツはしばしば狂うというのは何も80年前に終わった話でもなかったとは何度も書いた通りだけど、潜在的な病は今も健在。

前のエントリーで書いた通り、NATO加盟国が核兵器を含めてロシアに立ち向かう「戦略」を採択したわけですが、それをマジで言語化して騒いでいるドイツではドイツ国防大臣のクランプ・カレンバウアーの発言が物議を呼んでいる。

私たちはこうした対策(核兵器のこと)を使う用意があることを、ロシアに対して非常に明確にするべきなのだ

We must make it very clear to Russia that we are ready to use such measures as well, so that it would have an early deterrent effect... This is being adapted to the current behavior of Russia,” she insisted. 

などと言っている。ロシアを核ミサイルで脅すことを宣言してるわけ。

NATO not ready for equal dialogue, Russian defense minister says as German counterpart warns bloc ready to deter Moscow with nukes

この人は前からこの傾向があったんだけど、今般は、ロシア外務省が、モスクワ駐在のドイツの武官を呼び出して真意をただすという騒ぎになった。

Russia summons German military attaché after Berlin’s defense minister suggests NATO should threaten Moscow with nuclear missiles


ドイツ国内では、今般政権を取ったSPDから今後の負担になるようなことを言ってくれるな、みたいな批判がある模様。

だけど、これを見てて、ドイツはもう、なんかダメな奴らになっちゃってるなと思った。

モラルに基づくバネが壊れちゃってるもの。一体全体、そんなことを騒いでドイツの将来にとって何かいいことがあるのか、という利害に基づく考えでさえ弱い。

現状、モラルを捨てても利害としてみたってドイツにとって不利だということさえわからんってのが、スゴイ。

ロシアからの天然ガスの購入を停止した場合、困るのはドイツであってロシアじゃない、と一体何度言ったらわかるんだよ、という話。なのにここまで拗らせた。

その上、お前には核ミサイルをお見舞いする~とか言ってるドイツさんに、どうしてロシアさんが誠実に話し合ったり、ドイツさんが困ってるならこれしましょう、あれしましょう、と考えることができるのだろうか?

あと、中国が大量に買ってくれるようになって以来、実のところロシアにとっての最大の顧客は欧州ではないというリアルな現実に気付かないドイツ、ってのも痛い。

(ドイツを壊した3婆。左がクランプ・カレンバウアー。真ん中は、グレート・リセットでおなじみのダボス会議派を後ろにつけた現在の欧州委員長。)





ロシア外務省は真意を問いただす方向に行っているが、ショイグ国防大臣はストレートを投げ込んでた。

ドイツの国防大臣は、過去にドイツがこのような動きを取った時にドイツとヨーロッパにどんなことが起こって終わったのかを知る必要がある。

ヨーロッパの安全保障は集団的にならざるを得ないだろうが、ロシアとの関係で対等な話し合いの用意ができていないのはNATOだ

"The German defense minister must know well how such moves in the past ended for Germany and Europe. There can be only shared security in Europe, without infringements on Russia’s interests. But it is NATO that is unprepared for an equitable dialogue on this issue," Shoigu pointed out. 


まさしくその通りでしょう。

クリミアを奪って、NATOの基地を置こうという腐った計画を持ったのが運の尽きというべきだけど、諦めず、ついには核兵器を持ち出すとか言い出すその悪辣さは、ああ、ナチは死んでないんだなとも思うし、差別的で、相手を「下等人種」扱いして、その相手を殲滅しようとする傾向は、ドイツ人にとって1つの個性なんだろうなとも思う。その意味でナチズムより大問題。


■ ノードストリーム

多くの人は、現行の西側プロパガンダに負けて、ロシアが天然ガスを出さないのが悪い、みたいに思ってるようだけど、実際問題、ノードストリーム2という大きなパイプラインは物理的には完成しているが、EUが使用を承認していない。ここが問題。つまり、ボールはEUのコートにある、って話。

だから、EUが使わせないというのなら、そのままエネルギー危機は続く。

もちろん、ドイツの経済界は、そんなアホな状態を望んでないので承認を望む方に歩んでいると思えるが、しかし、政権が交代したので先行きは不明なところがある。

ドイツ国内で、原発を続ければいいのだみたいな話が広まってるのは、天然ガスを切ろうという話と表裏だと思う。


■ オマケ

2日経って、アメリカのポータルも発見した模様。

Moscow Outraged After German Defense Minister Advocates 'First Use' Nuke Policy Against Russia




コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ネオコンの世界制覇戦争を信... | トップ | 50年越しのレジームがぐらつ... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ショイグウ学会に参加 (И. Симомура)
2021-10-27 17:45:31
(記事の内容と直接関係のある話ではありません.悪しからず)10月18日19日20日と,ノヴォシビルスクでシベリア学会が開催されましたが,国防相のセルゲイ・ショイグウさんも参加しておりました.全露地理学協会の会長としてよりも,多数参加したトゥヴァ(現在はトィヴァと発音)人研究者を激励するためでしょう.氏はプーティン大統領の有力な後継者のおひとりと目されております.トィヴァの凍土地帯には未だ発掘されていない古代遺跡があるとされております.田舎の家には満州国が描かれた地図がありましたが,同国はタンヌ・オラ・ツワと表記され,独立国となっておりました.今日も露連邦の最貧共和国です.古代のツワ民族には高山に感慨用水を築造する技術があったとされており,チンギスカンの遺骸もアルタイ・サヤン山地の凍土内部に葬られたのではないかと考える考古学者もおります.アルタイ・サヤン山地では羊の遊牧も行われております.元来この動物は南部ステップ地帯の遊牧獣なのですが,彼らは高山にまで追い上げたのです.羊飼いは馬と犬で羊群を峡谷の頂上へ追い上げます.谷底には幕舎の基地があり,頂上の羊飼いと谷底の家族はホオメイという,低音(65㎐)高音(2-3kHz)を同時に発する笛のように響く歌声で通信を実行します.高音(2-3kHz)の帯域の声は自然背景雑音から浮き出て明瞭に聞こえます.シベリア学会では三人の名人の朗誦がありました.ホオミルという言葉は,モンゴル語で「低音で歌う」を意味し,ホオミは「喉」を指示します.また野生鹿を家畜化するアイデアは,アルタイ・サヤン山地での馬の家畜化からの転用に由来するという説もあります.
返信する
ナチスとホロコーストはドイツ文化! (ローレライ)
2021-10-27 17:55:36
ナチスとホロコーストはドイツ文化なので、力で抑え込まないドイツとは対話出来ない!
返信する
Unknown (にゃんこ)
2021-10-27 19:42:09
ノードストリーム2は、「政治的なものではなく、商売だ」と、プーチンさん、CNBCのインタビューで答えていましたね。英語の聞き取り苦手ですが。
習近平さんにするべき質問をして、「私は習近平ではありません。ロシア連邦の大統領ですよ」と言われていた。質問する方も本当に馬鹿。
南シナ海の問題では、アメリカとかイギリス、オーストラリアは、あの地域の国じゃないね、みたいなこと言われていた。明確な答えで気持ちが良かった。資料も何も見ないで数値も言われるし。
返信する
Unknown ()
2021-10-28 11:12:48
欧米の外交って、表で殴り合って暴走している様に見える時は大抵の場合、水面下で交渉しているので何とも言えないところがある。

日本の場合は水面下の交渉がないので外交下手だなと思うんですよね。
逆に責任の所在を曖昧にして結論を先延ばしにし、有耶無耶にして圧力をかわすのは上手かった。
最近は総理の首を挿げ替えるのも嫌がって言いなりですが。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

WW1&2」カテゴリの最新記事